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マライの気になる世界のアレ!(全2記事)

「人の話を聞かない人が多すぎる」リーダーたちが台頭した2025年 小さな声を無視することが“スタンダード”になる怖さ [1/2]

【3行要約】
・イスラエルのイラン空爆やアメリカのベネズエラ介入など、国際法違反の議論が活発化する一方、国内では「外国人問題」が政治的に利用されています。
・マライ・メントライン氏は「責任転嫁の雑さ」を指摘し、武田砂鉄氏は「小さな声を聞き取る」政治の原点回帰の必要性を強調しています。
・2026年は国際紛争や政治的分断が続く中、私たち一人ひとりが多様な声に耳を傾け、「失望することが減っていく」世界を目指すべき、と語ります。

2025年ニュース振り返り、後半戦スタート

西村志野氏(以下、西村):ここからは前半レギュラーの「ラジマガコラム」です。月曜日はマライ・メントラインさんの『マライの気になる世界のアレ!』。今日はどんなお話でしょうか?

マライ・メントライン氏(以下、マライ):「1年間のニュースを振り返ったら見えてきたものは?後半戦」というテーマですね。前回と言っても1週間前ですけどね。2025年のニュースを振り返ってみようと企画したら、もう6月で終わってしまったんですよね。

武田砂鉄氏(以下、武田):「これは終わらないな」と思って喋っていましたけどね。

マライ:そう、終わらないよねと思ったら本当に終わらなかったんです。ただ、ドイツ的に言い訳をすると、きれいに半分で終わったよねという。それはちょっと嬉しかったんですけどね。

武田:すばらしいですね。見てください、「半分までちゃんと終わりましたよ」ということですからね。いいじゃないですか、年をまたいでね。去年の振り返りは大事でございますよ。

マライ:そうなんです。大事だと思います。前回のニュースでも話しましたが、イスラエルによるイランの空爆の話で終わったんですよね。

6月の国際情勢 イスラエル、イラン、ベネズエラ空爆と国際法違反の議論

マライ:6月13日のことで、最初にイスラエルがイランを空爆して、途中でアメリカが戦闘に加わりました。ミッドナイトハンマー作戦の下で米軍はバンカーバスターでイランの核関連施設を爆撃したということで、これに関しては国際法違反なのではないかと当時は言われていましたし、未だに問題がクリアにはなっていないんですね。

同じく国際法違反なのではないかと言われているのが、まさに今年、1月3日に起きたベネズエラの大規模空爆です。トランプ大統領が急にベネズエラ大統領を拘束して、妻と共に国外に移送したというニュースが入ったんですよね。

イスラエル人にとっては、民主主義を望んでいる人たちも多いので朗報なのではないかという考え方ももちろんできます。ただ今回のアメリカの介入はさすがに国際法違反なのではないかと言われているので、今すごくEUで議論になっています。

このやり方をすれば、例えばロシアがウクライナに侵攻した時と同じことをやっただけじゃないかとも言われています。専門家の話によると、さすがに規模感が違いすぎてちょっと違うんじゃないか、比較するなら去年のイラン作戦と似ているんじゃないかとは言われているんですね。はたして、その結論はまだ出ていないわけなんですけど。

日本政府のスタンスはすごく曖昧ですし、ちなみにドイツもけっこう曖昧なんですよね。ちょっと待ちですよね。みんなはどう言うのかなという。

武田:曖昧にせざるを得ないということなのか。

マライ:そうかもしれません。他の国がまず何を言うのかちょっと見てみる。逆にフランスだったらきっぱりと「これはダメですよね」と言っているので、国によって対応はぜんぜん違いますが、興味深いですね。

結局誰が何を言うのかがすごく大事になってくるんじゃないかと思います。これが国際法違反というテーマですね。

NATO防衛費、GDP比5%へ大幅引き上げ

マライ:同じ6月の後半にはNATOの会合がありまして、そこでは2023年までの防衛費を、それぞれの加盟国のGDPの5パーセントまで引き上げることが決定したんですよね。

そう、もともとは23年以降の最低基準はGDPの2パーセントだったんですけど、5パーセントまで上がりました。なかなかなわけなんですよね。

一応日本はもちろんNATOの加盟国ではないんですけど、立場的には世界におけるパートナー国なんですね。だから日本としてはここはどこまで引き上げるか引き上げないかが、今年も引き続き大事なポイントになると思うんですけど、みなさんはどこまで許せますか?

武田:アメリカ側からできるだけ上げてくれと言われ続けるのは確かなところです。だけど、そもそも自衛隊の担い手がなかなかいない中で、お金ベースで上げればいいけど、じゃあそれを何に使うのか。

誰がどういうふうに使うのかもわからないまま、数値だけ跳ね上がっていくことに対して、当然この日本国内で暮らしている人間としては「なんでその数値を上げる前提なの?」ということは当然思い続けてはいますけれどもね。

マライ:そうですよね、物価高ですし。国民の理解をどこまで得られるのかが、今年の大事なポイントになるんじゃないかと思っています。

7月、参院選と台頭する「外国人問題」のポピュリズム

マライ:次は7月ですね。国内ニュースだと参院選がありましたね。7月20日投開票の参院選だったんですけど、そこで自公過半数割れが起きましたと。

それと同時に個人的にすごく問題視しているのが、「外国人問題」という表現がすごく流行したんですよね。考え方によっては、すごく日本でもポピュリズムが台頭したんじゃないかと私は思っていて。「外国人問題」が存在している、というか「問題外国人」が存在しているという言葉なんですけど。

ただ、今年急にそれを話題にする根拠は何なのかなとか。政治に対する不満とかそこにある矛盾とか、責任を取ってもらうのがそれを外国人にしているだけなんじゃないか、責任の転嫁みたいなもんですよね。

押し付けの雑さがすごく気になっていて。でもそれがすごくウケがよくて。はたしてこれは今年また発展していくのか。あるいはそこらへんは失速して消えていくのか。

高市(早苗)さんはいろんな策を今練っている最中なので、それによって例えば国民がすごく満足して「これだったら納得だよね」となったら、もしかしたら終わりかもしれませんし。あるいはそうではなくて、じゃあ外国人問題が片付いたところで、次は何を問題にしましょうかみたいな。要するに国民の感情を操るような進め方がこれから流行るものなのかを私は気にしていますね。

武田:参政党の台頭とか、最近その参政党は政党支持率を落としていますけれども、メッセージの出し方としてこのカギ括弧付きの「外国人問題」がずっと流行り続けてしまっているという。

このなかなか日本のもろもろがうまくいかない時に、「なんでうまくいかないんだ、いっぱい入ってきているあいつらのせいじゃないか」というふうにすると留飲を下げるというのが、ここ最近ずっと続いてしまっていますもんね。

マライ:そうなんですよ。マライが外国人として日本で暮らしているから、そう感じているよねと思われるのも(確かにあります)。それはもちろん一番あるわけなんですけど。

そうではなくて、要するに外国人の次は誰になるのかなと。それが急に高齢者なのかとか、何かの手当をもらっている人たちなのかとか。障害者なのか、女性なのか、男性なのか、ロスジェネなのか、とか。このように次はこっちって流れるのは、本当によくないことだと思っているので注目ポイントかなと思っていますね。

武田:もうずっとそれは繰り返されてきたことですよね。あるカテゴリーに対して「この人たちのせいで」となると、みんなこの人たちのほうへ目を向けるので、一瞬力を持っている人たちに対する目線が逸れる効果がありますからね。

マライ:まさにそういう効果だと思うので注目ポイントですよね。

戦後80周年、見送られた首相談話

マライ:そして8月ですね。国内は戦後80周年ですね。8月15日は日本だと終戦に当たる、しかも80年がもう経ったわけなんですよね。

日本の武道館では政府主催の全国戦没者追悼式が行われました。犠牲になったのが約310万人と記事になっていましたね。相当な数ですよね。

これに対してなんですけど、70周年、60周年とか80周年とか、そういう周年になる年は、日本の首相はだいたい首相談話を発表するわけなんですね。それは石破(茂)前首相は本当は出すはずだったんですけど、見送ったんですよね。

最終的に10月10日に首相個人の所感として発表したんですね。ちょっと作文みたいな感じで、テーマは「なぜあの戦争を避けられなかったのか」ということだったんですね。

そういうカタチで首相談話も終わるんだとけっこう注目していたんですけど、「ああ、そうか」とちょっとびっくりしたというか落胆したというか。そこらへんはぜひ、伝統ですかね、もう何十年もやっているので、首相談話は読みたかったんですけどね。

武田:もう「安倍談話」でいいじゃないかと。自民党内の保守的というか強硬的な人たちからすると、石破さんに談話というカタチで出させるわけにはいかないというような考え方も強かったというのは、報じられていましたけどもね。

マライ:そうですね。安倍談話は戦後70年なんですけど、謝罪外交に区切りをつけて将来世代に謝罪を続ける宿命を負わせない立場を示したということだったんです。もちろんそれぞれの国のやり方はぜんぜん違うと思うんですけど。

何なんですかね。ドイツ人からすると、別に若い人たちも先に起きたことに対して責任を持つ。罪悪感を持つ必要はぜんぜんないと思うんですけど、当事者じゃないんだから。だけど国民であることに対して責任を持って忘れないという意味での責任ですよ。それでいいんじゃないかとフラットに考えているんですけど、そういうわけにはどうもいかないらしいんですね。

武田:僕も10年前に安倍談話が出ていた時にもいくつか原稿を書きましたけれども、安倍談話の中に「子や孫の世代に」という言い方が書かれていて。

安倍さんからすると子や孫の世代、子の世代ぐらいに自分の世代は当たると思いますけども。子や孫の世代としてその都度その人たちが考えればいいということなので、「その背負わせ続けるわけにはいかない」と、勝手に立場を限定的にさせられるのはどういうことなのかと書いたことがありましたけどもね。

マライ:確かに、いやでもそれは本当に言えてるなと、今聞いて思ったんですね。それぞれの世代が新たに考えて、自分たちがどうしたいのか、あの戦争について、あと今起きていることについてどう考えていきたいのか。それまた外国に対してどう示すのかとか、決めたらいいだけの話ですもんね。

武田:決めたというか、その都度その世代で考えていくことを継続するということだと思いますけどもね。

マライ:そうですね。おじいちゃんお父さんが別に決めつけなくていいじゃんみたいな。確かに言えてますね。

武田:そうですよね。今マライさんが言ってくれたように、遺骨も未回収なものが本当に100万単位であるということですから。そう考えると、当然だけれども、先の戦争は終わっていないし、考えなければいけない論点はたくさんあるわけですからね。

マライ:ありますね。砂鉄さんも前になんか「戦争の終わらなさ」について書かれていたと思いますけどね。

武田:はい、書きました。

マライ:そういうのがあると思いますね。だから終わらないんですね。もちろん新たにもっとホットな話題がどんどん来るわけなんですけど。ただやはり先に起きたこと、特に第2次世界大戦規模のものは忘れるのもちょっと違うんじゃないかなとは思いますけどね。

9月の明暗 世界陸上の熱気とパレスチナ承認をめぐる判断

マライ:そして9月ですね。国内ニュース、世界陸上。34年ぶりに東京開催、日本勢はメダル2個でしたね。

西村:ありましたね。

武田:どうですか、西村さん。

西村:9月だったんですね。取材には行っていたんですけれども、やはり各国の選手を目の前で見られるというので、来ている方もけっこう熱心に見ているなという印象でしたね。

マライ:スタジアムの中で、人がいっぱいいるという光景はオリンピックの時は見なかったので。

西村:そうですね。

マライ:あれはすごく印象深かったですね。オリンピックの時は、自分がメディアの仕事もしているので、開会式とかスタジアムの中で見たりしていたんですけど。ガラガラのスタジアムの中でみんなが見たかったあの開会式を自分が今見ているというのが、いかがなものかと。

自分に対してちょっと、自分の放送局のコメンテーターとして一応仕事はしていたんですけど、でもなんか違うなというのは本当に思っていたので。(世界陸上で)日本国民が盛り上がるとか光景が見られたのがよかったなと思いましたね。

というのが、国内でのちょっとハッピーなニュースでしたね。で、国際ニュースでは、ちょっと9月に起きたことが興味深いことでして。イギリス、フランス、カナダとオーストラリアが、パレスチナを国家として承認しました。

日本も、ちなみにドイツも将来的には承認するという方針ではあるんですけど、しなかったんですよね。あの時なんかこうしれっと、みんな今やっているから自分たちもやるかみたいなちょっとそういう流れはあったんですけど、しなかったんです。

しない理由というのは何かと言うと、イスラエルとガザの和平交渉の邪魔をしたくない、というのが理由だったんですね。だけど、日本もドイツも2国家解決は支持しているわけなんです。

だから将来的には、パレスチナとしては国として、ぜひ承認したいスタンスではあるんだけど、ちょっとまず様子を見ましょうというスタンスが、ずるいと思うのか賢いと思うのか、すごく意見が分かれるなと思ったんですよね。はたしてどっちなんですかね。

武田:将来的には承認するというのは、ひっくり返せば今はしないということですもんね。その「今はしない」というメッセージが、あれだけの虐殺が続いてしまっている状況下で、どういうメッセージになるのかということですよね。

マライ:そう。わかんないですけど、すごくそこらへんは気にはなるんですよね。だからなんとなく日本、ドイツもそうなんですけどちょっと慎重派なんですよね。先を歩くような感じではなくて、ちょっとみんなはどうするかみたいな感じがしますね。

中国の軍事パレードに集った顔ぶれ

マライ:そして同じく9月ですね、中国ですね。中国でも抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年を記念する軍事パレードが行われていて、すごいメンツが並んだんですね。G7の諸国は実は参加しなかったんです。じゃあ誰が参加していたかと言うと、プーチン、習近平などなんですよね。

いや、それがすごいなと思ったんですよね。「あ、こういうふうに並ぶんだ」みたいな。ロシア、北朝鮮。

武田:金正恩(キム・ジョンウン)もね。3人で並んでいるショットがありましたもんね。

マライ:歩いていましたね。そしたらマイクがトークをキャッチしていて、「寿命をいかに延ばすか」まあ今回のコーナー※でも紹介していたんですけど、そこなのねっていう。

武田:あれはその時にも話したと思うけど、意図的に音を拾わせていると思うので。そうなると本当にこの人たちは、まじめに寿命を延ばすことを真剣に考えている説が濃厚ですよね。

マライ:濃厚ですよね。そうするとこの先端ってアメリカのテック企業だったりするから。

あ、そうか。そこまで来るともう本当はアメリカがあんまり好きじゃないはずなのに、ぜんぜんありなのねっていうね。興味深い現象だなと思ったんですよね。

武田:もう国がどうというよりも、自分のパワーをどこまで最大化させるかのところで、一致団結しちゃっている人たちのやばさを去年は感じたし、それをまた今年も感じるのではないのかなという出だしになっちゃってますもんね。

マライ:確かに、すごく和気あいあいでしたね。

※番組内の別コーナー。

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