【3行要約】・2025年10月21日の記者会見で、高市首相はガソリン暫定税率廃止など具体策を示しつつも、給付金は撤回する方針を表明しました。
・安全保障対策については、戦略ドローンなど戦争のかたちが変化していることを踏まえ、いわゆる安保3文書の改訂について説明しました。
・韓国紙記者からの質問には、韓国を「重要な隣国」として捉えていることや、韓国の食文化やポップカルチャーについても言及しました。
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物価高対策の具体策と優先順位
司会者: 日本テレビ、ヒラモトさん。
記者6:総理、ご就任おめでとうございます。
高市早苗氏(以下、高市):ありがとうございます。
記者6:物価高対策についてうかがいます。冒頭の会見では、トップスピードで初日から結果を出すという発言が心に留まりました。では、物価高対策でスピード感を持って何を結果を出すのか、具体的におうかがいしたいです。
高市政権での物価高対策について、何を優先順位を持ってやっていくのかというメッセージが受け止めづらいという指摘があります。冒頭では103万円の年収の壁の引き上げについて言及がありましたけれども、今から言う4つの中での優先順位、メニューについての考え方を教えてください。
103万に関しては引き上げると言いましたけれども、年内に結果を出すのか、国民民主党が求めてる、年末調整での所得税の減税まで考えているのか。
2つ目は給付付き税額控除。高市総裁が総裁選では、かなり優先順位を高く打ち出しましたが、その後、熱意を感じない部分はあります。今どうお考えになられているのか。
3つ目は減税です。特に維新の会が強く求めていた食料品の消費税減税。これが3つ目です。
4つ目が自民党が参院選で打ち出した給付をどうするのか。この4つをいつまでにどう優先順位をつけて、どう実現していくのか。その結果をどう出すのかの具体的なビジョンをおうかがいいたします。
ガソリンの暫定税率は早急な廃止を目指す
高市:ありがとうございます。高市内閣の最優先事項、これはもう国民のみなさまが直面している物価高への対応でございます。この後、初閣議を行います。そこで経済対策の取りまとめの指示を出します。
いわゆるガソリンの暫定税率でございますが、これはもう、これまでの各党間の協議を踏まえまして、今国会での廃止法案の成立を目指します。ですから非常に早く、実現するものであります。また、軽油引取税の暫定税率。これも私が訴えてきたことでございますので、これも新年度までに廃止することが望ましいと考えています。
これらの廃止に伴って、当然、財源は必要なんですが、これは国及び地方自治体の安定財源も確保しつつ、廃止までの間ですね。今、補助金を活用するということで考えております。わりとスピード感があるのはこの点でございます。
それから先ほど、自民党が参議院選挙で掲げました、給付金についてお話がございましたが、私はこの夏の参議院選挙で、給付金については国民のみなさまのご理解が得られなかったと考えております。ですから、これは実施をすることをやめて、物価高に関する国民のみなさまの懸念一つひとつに丁寧に対応するための財源として使わせていただきます。
設備投資の支援や交付金など分野に合わせて実施
高市:例えば先ほど少し触れましたが、赤字に苦しむ病院、介護施設への対応として。診療報酬、介護報酬について報酬改定の時期を待たずに、今、もう経営が大変ですから。経営の改善、また働いておられる方々の処遇改善につながる保険適用を前倒しして措置させていただきます。
それから、やはり物価高対策で言いますと、国・地方自治体から民間への請負契約単価。これは物価上昇を踏まえて適切に見直す。これも急ぎたいと考えています。それから、中小企業、小規模事業者への対応として、賃上げと設備投資を強力に後押しするということも進めます。
それから、物価高の影響を受けておられる生活者の方々。それから、賃上げ税制を活用できない中小企業、または小規模事業者。または、農林水産業も今、大変ですよね。さまざまなコストが高騰してますから、こういった方々を支援する推奨メニューを設けた上での、自治体向けの重点支援交付金を拡充することを考えております。
これも速効性のあるものだと思います。それぞれの地域の課題に応じて一番しんどいところにお金を入れていくと。それから、これから冬場に入りますので、電気、ガス料金の支援も行ってまいります。
それから、中期的に少し時間がかかるものとわけて考えなければなりません。いわゆる高校無償化。それから給食費の無償化についてですが、今回の連立合意に基づきまして、制度設計の議論を進めて、来年の4月から実施をするということで取り組んでまいります。
「103万円の壁」問題は今年中に取り組む
高市:それから、いわゆる103万円の壁でございますが、今般、自民党・維新の連立合意を踏まえまして、所得税の基礎控除をインフレの進展に応じて見直す制度設計については令和7年内、今年です。今年の年末を目処に取りまとめてまいります。
それから、給付付き税額控除。これは私のこだわりでもありますし、各党、各会派からもそういったご提案が出てきております。これはやはり、税社会保険料負担で、なかなか大変な中低所得者層の方々の負担を軽減して、所得に応じて手取りが増えるようにするものでございますので、これは早期に制度設計を進めます。
少し準備の時間がかかりますので、その実現を図ってまいります。そのようなことで、必ずしも今年の年末までにできることと、そうでないものもございます。あらゆる知恵を絞って、できるだけスピーディに取り組んでまいります。ありがとうございます。