【3行要約】
・2025年10月4日、自民党総裁選において、高市早苗前経済安保相が第29代総裁に選出されました。記者会見の模様を全文書き起こしでお届けします。
・高市氏は記者会見で「政治とカネ」問題の再発防止や日銀政策、財政運営など多岐にわたる課題について見解を表明しました。
・政治資金パーティーを巡る裏金事件に関与した議員も登用する姿勢を示し、その狙いについても説明しました。
前回の記事はこちら 総裁選を戦った候補者も含めた“ベストな布陣”を検討
平口洋氏(以下、平口):はい、どうぞ。
記者3:幹事社、産経新聞のタナカです。ご就任おめでとうございます。
高市早苗氏(以下、高市):ありがとうございます。
記者3:先ほど人事について、全員活躍という方針とのことですけど、もう少し詳しく3点、おうかがいします。1つは、目の前の自民党役員人事について、いつ何日に行うお考えでしょうか?
2点目なんですけども、今回の総裁選で争った4人の候補、中でも決戦に残った小泉候補について、党幹部、党四役とか、重要閣僚で起用するお考えはありますでしょうか?
最後に3点目なんですけども、パーティー収入不記載のあった議員についての要職起用はお考えでしょうか?
高市:自民党の役員人事、これは一番急がなければなりません。明日の時間を使いまして、私も熟慮してですね、ベストな布陣を敷きたいと思っております。総務会も通さなければなりませんので、「何月何日に」とは申し上げられませんが、来週前半の早い時期に固めたいと思っております。

それから、一緒に総裁選挙を戦った4人の候補者のみなさん、もちろん全員に活躍をしていただきます。お名前が出ましたけれども、それぞれがこの12日間の総裁選挙の期間中に討論を重ねて、「こういう考え方もあるな」「いいアイデアを持ってらっしゃるな」と、それぞれにすばらしいところが見えましたので、全員に活躍をしていただく。そのように考えております。
不記載議員問題は“2度と再発させない”
高市:それから、不記載があった議員ということでございますけれども、それぞれの議員がまずは、岸田元総裁のもとで処分を受け、また、衆議院議員は昨年の解散の日だったと思います。公示日まで残り数日という時に、さらに厳しい処分を受け、政倫審でもみなさん一生懸命に説明をしておられますけれども、最終的に選挙で厳しい審判を受けられました。
まずは、司法。ここでご本人に問題がなかったとされた方については、これは問題なしと。ちゃんと有権者のみなさんに説明を尽くされて、ちゃんともう1回国会でがんばって来いということで議席を得られた方について、何らかの再処分を行うことを私は考えていません。国民の代表として送り出された方々でございますので、これは特に人事に影響はございません。しっかりと働いていただきます。
ただ、政治改革については、これはゴールがあるものでもないです。例えばですけれども、政治資金のすべてについて、例えば口座取引を入れるとか、今、党内でもいろいろ議論をしていただいてますので、さらに一歩前進をさせていく。透明性を持たせていくことが大事だと思います。そして今回と同じようなことが起きた場合には、厳しい処分をさせていただきます。2度と再発させない。そういった思いでございます。
靖国神社に対する見解
平口:それでは、平河クラブ所属の方から、質問をお受けいたします。私が指名いたしますので、マイクを受け取り、社名と氏名を名乗ってからご質問をお願いいたします。それではどうぞ。5列目、どうぞ。
記者4: 時事通信社のオオマチと申します。
高市:はい、こんばんは。
記者4:先ほど冒頭、外交が大切というふうに述べられました。関連して2点をおうかがいいします。(高市は)これまで靖国神社の参拝を続けてこられました。総裁選の最中には、総理に就任した暁に行かれるかっていうことについては明言を避けていらっしゃったと思います。この機会にあらためて、首班指名で総理についた後、靖国神社についてどういった対応をされるかというのをおうかがいいできますでしょうか?
2点目がですね、これも総裁選中なんですが、テレビ番組で、日米関税交渉に関して、対米投融資枠の再交渉に言及されたかと思います。月末にトランプ大統領が来日されて、首脳会談も見込まれると思うんですけれども、関税のパッケージ全体の見直しも含めて、会談で俎上に乗せる考えがあるんでしょうか?
高市:ありがとうございます。靖国神社というのは、戦没者慰霊の中心的な施設であり、また平和のお社でございます。どのように礼をするのか、またどのように平和をお祈りするのか。こういったことについては適時適切に判断をさせていただきます。絶対にこれは外交問題にされるべきことではない。お互いに、お互いに、祖国のために命を落とした方に敬意を払いあえる。そういった国際環境を作るために、私は一生懸命努力をしてまいりたいと思っております。
日米間交渉に対する不安の声
高市:それから、日米の交渉でございますが、2国間でちゃんと合意をしたこと。これに関してはしっかりと守ってまいります。これは、関税もそうでございます。投資もそうです。
私がテレビ番組で言及したのは、例えば投資案件について、トランプ大統領が命じて作った委員会がある。でも、そこだけで決められるわけではない。しっかりと日本とアメリカの両方から人を出して、協議する場が設けられていくということでございます。
この協議する場の意見をちゃんと聞いた上で、アメリカ側の委員会がトランプ大統領に進言をする、提言をすると。このような仕組みだと承知をしておりますので、もしも運用上、何か「これは日本の国益に合わない」ということが起きた場合には、日米の協議の枠組みの中でしっかりと申し上げるべきことだと考えております。今特に、日米で合意したことをひっくり返すとか、そういうことはございません。