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#3 コンテンツ制作に不可欠な「耕す」という視点(全2記事)

「作家・編集者・読者」三位一体で耕す物語 「ジャンプ+」が貫く“共創”の現場 [1/2]

【3行要約】
・ニッポン放送の冨山雄一氏は、安住紳一郎氏の発言をきっかけに「耕す(カルティベイト)」という言葉でラジオの在り方を捉え直したと語ります。
・「ジャンプ+」編集長の籾山悠太氏は、作家・編集者・読者が三位一体で作品を育てる構造が、漫画雑誌にも通じると語ります。
・対話を通じて、新人発掘・共創・作家の安心感を支える編集者の役割の重要性が浮き彫りになりました。

3回目で和んできた現場の雰囲気

入江美寿々氏(以下、入江):みなさん、こんばんは。番組MCの入江美寿々です。『混沌前夜』は、クロスメディア・パブリッシングがこっそりお届けするPodcast。この番組では、異なる領域で活躍するお二人にお話をしていただきます。前回に引き続き「ジャンプ+」編集長の籾山悠太さん、そしてニッポン放送 メディアプロデュース部の冨山雄一さんをお迎えしています。よろしくお願いいたします。

籾山悠太氏(以下、籾山):よろしくお願いします。

冨山雄一氏(以下、冨山):お願いします。

入江:3回目で少し和んできたというか。馴染んできましたよね? 完全に初対面で、会ってすぐに収録だったので、若干緊張感がありましたけど。籾山さんは、いかがですか? 最初は「話すのはちょっと……」みたいな感じでしたけど。

籾山:そういう経験がほぼないので。ちょっとずつ慣れてきたのかな(笑)? どうかな(笑)?

入江:(笑)。

冨山:(笑)。ラジオって特番の時は、オープニングから録っていくじゃないですか。

入江:はいはい。

冨山:最後にもう1回、オープニングだけ録り直す時があるんですよ。

入江:あぁー!

籾山:へー。

冨山:あまりにオープニングが硬かった場合。

籾山:なるほど。

入江:今回も作り直したほうがいいかもしれないですかね。(笑)。確かに、最後のほうになると、だいたいいい雰囲気が出てきますよね。

冨山:(最後)のほうが(雰囲気が)出てくるので。

「耕す」という言葉に込められた意味

入江:そうですよね。それで今回は、テーマが決まっています。冨山さんの『今、ラジオ全盛期。』の著書の中にもありました、カルティベイト。「耕す」という言葉について一緒に考えていきたいなと思います。あらためて冨山さん、「耕す」という言葉に込めた意味をうかがえますか?

冨山:はい。今回本を書かせていただきました。編集者の小山さんといろいろラリーする中で「ラジオって一言で言うと、どういうことなんですか?」という命題にぶち当たって、「ラジオってイコールどういうことなんだろう?」というのをどういう言葉で表せばいいかなと探していたんです。

(「耕す」は)僕から出てきた言葉ではなくて、TBSラジオで日曜日に毎週10時から12時にやっている、TBSのアナウンサーの安住紳一郎さんの『安住紳一郎の日曜天国』という、ラジオ業界ナンバーワンのラジオ番組がきっかけなんです。

籾山さんはご存じないかもしれませんが、安住さんが毎週ラジオをやっているのって、『SLAM DUNK』を毎週、週刊連載でやっているぐらいの価値なんですよ。

籾山:おぉ。

冨山:ちょっと前段が長くなっちゃったんですけど。安住さんが、このテレビ業界、ラジオ業界でやりたいことは「カルティベイト」とWebインタビューで話していたんですね。その言葉を当時僕は知らなかったので調べてみたら、耕すという意味でした。

ずっと「リスナーと一緒に番組をカルティベイトする」という話をされていました。ラジオ番組って1人でやるものではなくて、パーソナリティがいて、番組のスタッフがいて、番組のリスナーがいる。番組をみんなで作っていくというところが、やはりラジオの特徴なんですね。

誰のものでもないというか。なんて言えばいいですかね。種から始まって芽が出て、収穫の時期があって。それで、そのあとまた植えるみたいな(笑)。農作物じゃないですけど、少しずつ作っていく感じがカルティベイトであるというのが、ラジオの概念というか、考え方に近いかなと思いました。

入江:確かに。私個人のことになってしまうのですが、私はTSB系列の北陸放送でアナウンサーとして働いていたんですね。テレビは、やはり毎回毎回関わる人数も多いですし、アットホームではないというか、あまりその感覚がなくて。でもラジオは、そのリスナーのみなさんと一緒に作っていく。本当に手作り感もあって、積み重ねで温かい居場所(になっていく)。

冨山:居場所。そうですね。

入江:そういう空気が、あったんですよね。「それはすごくわかるなぁ」って、本を読みながらも思っていました。

漫画雑誌に通じる“耕す”感覚

入江:籾山さんは「ジャンプ+」に初期から関わっている中で、そういった耕すという感覚はありましたか?

籾山:そうですね。漫画雑誌も、すぐに結果が出るわけではなくて……。作家さんがいて、編集者がいて、作品を発表したらそれに反応してくれる読者がいて、読者の反応があって、作品の続きの内容も決まっていって、「こういう作品、こういう読者がいる雑誌であれば書きたい!」と言ってくれる新しい作家さんが来て、また読者が増えてみたいな感じなんです。

作家さんと、読者と、編集者が、一歩ずつ足を進めていく中で、漫画雑誌はできていくので、そういう意味で、本当に種をまいて耕していくというところに近い部分があるかもなと思いました。

入江:短期的な売上を目指すだけではなく、100万部とか、長期的なゴールを設定されているのも特徴なのかなと思ったのですが、そういうところにもつながるんですかね。

籾山:そうですね。ラブコメが多いとか、バイオレンスな漫画が多いとか、漫画雑誌にもいろいろカラーがあると思います。いろいろな畑ごとに「これまでこういう土に、こういうものを植えていたからこそ」みたいな文化があるというか。

『週刊少年ジャンプ』は、どんな人にも「おもしろい」と思ってもらえるような国民的、世界的なメジャー作品、大人気作品を生むことを1番の目標として、そのためにちょっとずつ、ちょっとずつ、足を進めていく感じがあると思いますね。その目標は、雑誌によって違うかなと思います。

冨山:長期的に続いている人気番組を引っ張りながら、新しいパーソナリティが出てくるという代謝できているのは、『ジャンプ』が紙の頃から当たり前にずっとやっていることをそのままデジタル化したからですよね?

籾山:そうですね。先ほど『オールナイトニッポン』のタイムテーブルを拝見したのですが、『ナインティナインのオールナイトニッポン』とかは、僕が子どもの頃からやっていました。『ジャンプ』でも『こちら葛飾区亀有公園前派出所』とか、『ONE PIECE』とか、ずっと長く人気な作品もある中で、新しい作品もどんどん始まっていくので、それはけっこう近いなと思いました。

紙の時代からそうで、「ジャンプ+」でも同じようにやっている感じですね。

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