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【テレビの企画力×データ分析力】元ダウンタウンDXプロデューサ西田二郎氏と語るYouTubeの未来(全6記事)

YouTubeがテレビ化して長尺動画が増えている理由 元『ダウンタウンDX』Pが語る、視聴環境の変化 [1/2]

【3行要約】
・テレビとYouTubeでは企画のターゲット設定が大きく異なり、YouTubeではより細かいセグメント分けが可能になっています。
・西田二郎氏によれば、コネクテッドTVの普及でYouTubeの視聴態度がテレビに近づき、長時間の「ながら視聴」が増加。
・クリエイターはデータに頼るだけでなく、あえて意外性のあるキャスティングを取り入れることで、視聴者に新たな発見や感動を提供できる可能性があります。

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テレビとYouTubeでヒット企画を生む方法が変わる

庄野数馬氏(以下、庄野):私も住宅メーカーさんとか、1個あたりのお値段がそれなりにするクライアントさんのチャンネルとかをやらせていただいたんですけど。

西田二郎氏(以下、西田):商品のね。

庄野:はい。だからそんな100人も200人も買うことがまずないような世界。だけど、コアなファンを作っていくところではやるべきことがあるし。今、YouTubeでは広告設定でも地域も絞ることができるし、男女も絞れるし、年齢もできる。テレビは、ここまでできないですよね。

西田:できない。

庄野:そこの違いはあるかなと。そこまでコアにいける。

西田:それはやはりヒット企画を生む方法も変わってくる。テレビの企画って企画書を書いて結果、ターゲットはどこですか? みたいな……。最近はけっこうセグメント分けしているかもしれへんけど。昔は「オールジャンル」って書いて。そしたらもうずっとみんなオールジャンルやねんから、ターゲットって項目は、もうなくてもええんちゃう? みたいに思うし(笑)。

そういう企画会議に行って、「今回の企画はこうです。ターゲットはオールジャンルで」って説明すると、全員が「うーん」と頷く。

(会場笑)

西田:これずっとよ!? ずっと!! 「オールジャンル」が何度もくるってなんやねん。特にゴールデンとかのタイミングで。「F1(20~34歳の女性)です」ってあっても、「F1!?」ってなるわけやから。だから、そういうところでいうとだいぶ違う。ターゲットはかなりセグメントで分けて作っていくところと、ヒット企画の生み方が、たぶん違ってくるんじゃないかなと思ったりもする。

庄野:奇しくもこの項目にはなかった……。ですね。

中川恵介氏(以下、中川):でもYouTubeでオールジャンルにしたら、まず外しますから(笑)。

西田:ファーっとした(笑)。「誰でも見れますよー」「誰でも愛してもらえますよー」みたいなね。

庄野:なので、もう1つ。右下がちょうど空いていたので、入れるならば「ターゲットを絞れる」というね。

西田:それもあるんじゃないですかね。

データに逆らう選択をすることもある

庄野:じゃあ、一個一個見ていきたいので。まずヒット企画の生み方は、このあとにも話になると思うので。キャスティングですよね。昔はタレントさんがYouTubeに出るなんてほとんどなかったんですけど。

西田:出だしてる。

庄野:出だしているタレントさんが、自分で自らのチャンネルをやったりとか。

西田:自分のね。タレントさんの企画とか、タレントチャンネルもあるよね。

庄野:企業さんのYouTubeチャンネルにゲストとして出たりとかもバンバン増えていますけど。この動向を二郎さんはどう見ていますか?

西田:まぁ、でも単純に、タレントさん的には、いろんな出演機会があって、より自分がこだわっているところと、そのチャンネル、動画で出るものがヒットするんやったら、めちゃくちゃいいんじゃないですか? テレビでは伝えられないことも伝えられるし。だから、どんどん染まっていくのはいいんとちゃうと思いますけどね。より深く愛してもらえるわけやし。

庄野:企画との相性は、やはりありますよね。

西田:あると思うよ? でも俺、逆もあって。

庄野:逆?

西田:だからどう考えたってミスマッチやなという人が、その動画に参加して感動しているのは、そんなことありましたか? って、発見する場になるやんか。

庄野:なるほど。

西田:やはり動画とか、コンテンツって「わかる、わかる」だけじゃなくて。見ている人もそうやけど、そこの現場にある動画の中でも「わ!」っていう出会いとか、発見とか。そんなのは、うれしいと思うよ? 見ている人も共感すると思う。

庄野:ここがたぶんkamui trackerにはないところなんですね。kamui trackerで、企業の案件と、いわゆるクリエイターと言われるYouTuberの方とかとの相性が数字でバーッと出るんですよ。このファッション企画には、この人が相性がいいって数字でバーッと並ぶんですよ。二郎さんは今逆のことを言いましたもんね。「なんで、その人なん?」というところを当ててみる。

西田:うん。

テレビとYouTubeのギャラ事情



西田:
だから、それは、あれよ? それが当たるとか、当たらないじゃないけど、やはり画面にドキドキしているような。ソワソワしているようなムードとかって、チャンネルは止まるよ。「どうなんやろう」みたいな。

庄野:ちょっと良いも悪いもあるけど不安になるみたいな。

西田:これはわからへん。「BREAKING DOWN」なのか、何なのかわからないけど。あきらかに絶対にすぐに喧嘩するんやろうなって。

(会場笑)

西田:今はもう思ってしまっているじゃん。

庄野:ババン! で、バリバリ喧嘩しますもんね。

西田:今は。

庄野:うん。

西田:だから、あれって喧嘩する待ちになっているのが、最初はドキッとしたよね。急やん!! 「え!! その一言でいきます!?」みたいな感じやったんやけど、今はもう……。いくんでしょ!?

(会場笑)

庄野:いく(笑)。出始めのことも、みんなめちゃくちゃ考える。

西田:ということを、どうしてもそこってスタンダードになっていった時の、やはり何かあると思うんよね。そういったタイミングで、キャスティングというのが違ったムードを出していくところでも必要やったりするやろうから。常にデータであるとか、ヒットしますよねというものが……。

ヒットというのか、見てもらえるだけなのか。そういうふうにならない場合もあるということよね。

庄野:なるほど。

中川:ギャラ視点では、どうなんですかね?

西田:ギャラ!?

庄野:予算とかにも関わってきますけど。

西田:予算ね。

中川:YouTubeとテレビで。

西田:どうなんでしょうかね。だからYouTube側のほうがどれぐらい事務所さんとのやり取りの中で取り決めしてはるかって、たぶん個別じゃないですかね。

庄野:頭の中にいくつかありますけど。テレビはよくね、自分の広報になるからというので(出演することもある)。

西田:プロモーションになるからね。

庄野:プロモーションになるから安くても(いい)みたいな方も。

西田:あるでしょうし。

出演者のメリットをどう考えるか



西田:
やはりYouTubeは出ることと、出る側にメリットもあるから、それなりにという人もおれば、自分が出ているところもあるから、それでお互いにというところもあるだろうし。これは都度じゃないの?

庄野:都度ですね。このへん二郎さんは、やるのはうまいですよ(笑)。

(会場笑)

西田:何々? どういうこと?

庄野:安く起用するわけじゃないけど、安くても出たいですというか。その企画には自分が必要で、出ることに自分には満足感があって……。

西田:メリットやわ! 出るだけ出て、良かったなと。

庄野:感動させるシナリオを書くのがうまいから、「え!? そんなんで出てくだはるんですか!?」みたいなのも、やはりね。

西田:あるの?

庄野:(笑)。僕は、そう感じています。

西田:感じてんねや(笑)。

(会場笑)

庄野:それはもうマネができない。人間と人間の関係性もそうですけどね。出る人にもちゃんとメリットがないといけないし、クライアントにもメリットがないとダメだしというところですよね。

西田:まぁ、難しいですよ? でもやはり、そのお金の金額がすべてじゃなくて。出てもらう時に、その方が「お金を積んでもらったら出てますねん」って顔をされるのと。別にお金を積んでもええやんか。だけど、めちゃくちゃノリノリで楽しく出てもらうんやったら、俺は楽しく出てもらうほうがええなぁ。

庄野:そこはそう。そこですね。

西田:「まぁ、お仕事ですから……」っていうものが、もしあったとしたら。まぁ、それよりかは楽しさを取ってほしい。

庄野:そこですよね。楽しさを取っていただく。

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