2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
リンクをコピー
記事をブックマーク
2024年2月29日、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて衆議院政治倫理審査会が開かれ、岸田文雄首相が現職の総理大臣として初めて政倫審に出席しました。本記事は、岸田首相に対する審査の模様を全文書き起こしでお届けします。
野田佳彦氏(以下、野田):派閥のパーティの問題だということで、今日はいろいろと議論になっています。派閥のパーティの問題もあるけれども、総理ご自身が何回も何回も政治資金パーティをやることも、大きな問題であるという認識を持っています。
先般の予算委員会でも質問させていただきましたが、その時の総理の答弁を聞いていて、まったく反省がないと思ったんですね。
例えば「2022年に7回もパーティをやっている。異常じゃないか」と申し上げた私の質問に対してはどういう答弁かというと、「あれは勉強会だ」とおっしゃいました。国民の疑惑を招くことはないと、むしろ開き直っておられました。政治資金パーティを「勉強会」という言い方でごまかすのは、やめたほうがいいと私は思いますよ。
一晩で3,000万円以上の収入を得るような集会をやって、それを勉強会と言っている。どう見たって法令上は政治資金パーティじゃないですか。だから、収支報告書に記載して報告するわけでしょう? 政治資金パーティを、あえて勉強会と言い換えるようなやり方はごまかしだと思いますが、いかがですか?
岸田文雄氏(以下、岸田):ご指摘のパーティについてですが、従来から答弁させていただいているように、総理就任前から続けている勉強会を引き続き行っているものであります。「大臣規範にある、国民の疑念を招くものには当たらないと判断した」と、説明させていただいています。
そして、大臣規範に対する政府の解釈については「国民の疑念を招かない」と各国務大臣が判断したというのが従来の政府の答弁でありました。だからこそ歴代内閣においても、そういった考え方に基づいて、各大臣はそれぞれの政治資金パーティについて取り扱っていると承知しています。
野田内閣の際にも、何人かの大臣が政治資金パーティを開催しています。その際に各大臣が、「従来から続けてきたものである」「大臣規範には触れるものではない」といった説明を行いながら、パーティを開催していると承知しています。
要は、大事なのは説明であると思います。国民のみなさまの疑念を招かないようしっかり説明した上で、大臣規範についても考えていく。これが、あるべき姿ではないかと私は考えています。
野田:予算委員会と、まったく同じ答弁だと思うんですけどね。大臣規範には当たらない、反しないと言います。内閣総理大臣としての心の中の規範はないんですか?
例えば2022年4月に、3回パーティをやっています。4月に大阪、広島、東京と、1ヶ月に3回です。2022年の4月は、2月にウクライナの侵攻がありましたね。4月はウクライナ情勢が非常に緊迫していました。また、20年ぶりの円安にもなっています。知床半島では、遊覧船の沈没事故もありましたね。
いろんなことが国内外で起こっている時に、あなたは3回もパーティをやっているんですよ。内閣総理大臣としての内なる規範はないんですか? おかしいと思いませんか? こんなことをやっていたら、疑念を招きますよ。今の答弁では、まったく反省していないと思いました。
岸田:まずご指摘の時期は、おっしゃるように、さまざまな動きが国内外で発生しました。それに対して、私自身は内閣総理大臣としての務め、あるいは内閣としての務めには全力で取り組み、責任を果たしてきたと考えています。政治資金パーティ等が、総理大臣としての職務に影響を与えたことはないと確信しています。その上で、総理大臣としての内心における規範はないのかというご指摘ですが、こういったご指摘を受けていることについては、私自身、引き続きしっかりと受け止めた上で、今後について適切に判断します。
野田:先ほど(2022年の)4月に3回パーティがあったと言いましたが、2022年を振り返ってみると、7月には安倍元総理が銃撃されて亡くなられました。9月には国葬がありました。いろんなことがあるんです。その年の半ば以降も、コンスタントに7回もパーティをやり続けているんですよ。
内閣総理大臣になる前からの勉強会だと言いますが、内閣総理大臣だったら、この慣習はやめなきゃいけないことだと思いますよ。それをやめようとしないで、去年もやろうとしたじゃないですか。去年の12月15日に、「岸田文雄と国政を語る会」を都内のホテルでやろうとしていて、それを延期されましたね。中止ではありませんでしたが、まだやろうとしているんですか?
今、私の意見を受け止めると言いました。これは明確に言ってほしいんですが、在任中は、もう政治資金パーティはやらないと明言できますか?
岸田:大臣規範との関係は、先ほどご説明したとおりです。私自身、国民の疑念を招くものではないという判断のもとに開催しました。この考え方は変わりません。その上で、今ご指摘があった今後については、ご指摘等も踏まえて、適切に判断します。
野田:明確に言ってください。「内閣総理大臣としては、もう政治資金パーティはやらない」と明言できないんですか?
岸田:内閣総理大臣として、パーティを開催することは、今は考えておりません。
野田:「今は考えていない」ということは、ほとぼりが冷めたらやるということじゃないですか。在任中はやらないと言ってください。
岸田:はい。結果的に、在任中にやることはないと考えています。
野田:一晩に3,000万円も集まるようなことは、勉強会なんて言ってはいけないし、そんなことをしょっちゅうやっている総理大臣ではいけないと(思います)。
私は政治刷新本部長をやめろと言いましたが、これからもパーティをやると言ったら、「内閣総理大臣をやめろ」と言いたくなるくらいの思いで質問していました。今ようやく明言されたので、これは了としたいと思います。
野田:最後にもう1つ質問したいのは、いわゆる岸田派の問題です。宏池会は2018年から2020年の3年間の政治資金パーティ収入、約3,000万円を収支報告書に記載していなかったという問題があります。
元会計責任者の方が略式起訴されて、罰金100万円、公民権停止という略式処分を受けています。この元会計責任者の方は、古くからずっとやっていらっしゃる方なので、当該対象の3年間より前も不記載があったのではないかと、我が党の岡田幹事長が質問されました。
いろいろと押し問答がありましたが、最後に総理は、「確認できる範囲内で最大限努力する」と言って、対象となる3年間より前も調べてみるとおっしゃっていました。(それは)確認されましたか? 不記載がありましたか? お答えください。
岸田:はい。確認いたしました。ご指摘の点は、平成29年以前のことについて確認しろということでした。6年以上前ということになりましたが、確認いたしまして、資料は確認できませんでした。資料等がありませんので、平成29年以前のことについては、私自身、その実態を確認することはできていません。
野田:通帳とかのチェックをしなかったのですか?
岸田:6年より前の部分については、資料は確認できませんでした。
野田:先ほどの弁明で、不記載は長い間の慣行だという表現をされていました。なので、遡った調査はどうしても避けて通れないと思います。引き続き、調査してほしいと思いますし、引き続き予算委員会でも質問していかなければならないと思います。
この弁明に出たら、予算委員会は職権で衆議院を通過させるといった動きも、なんとなく漏れ聞いています。しかし、これと予算委員会の話を連動させるべきではないと思います。総理には予算委員会の中でも、誠意ある答弁をしてほしいと思います。
時間がまいりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
関連タグ:
【全文1/5】政倫審、岸田首相が語った3つの「なぜ」と再発防止策 なぜ「何かがおかしい」と思いながら是正できなかったのか
【全文2/5】「総理の指導力の問題」「処分を考えるべき時期」 政倫審で、野田元首相が岸田首相に唱えた“異議”
【全文3/5】岸田首相、総理としてパーティを「在任中にやることはない」 野田元首相に問われた、政治資金パーティ開催への答弁
【全文4/5】総理の「出る」で一転、みんなが出席に変わったドタバタ劇 政倫審で「学級崩壊のような状況」と指摘された岸田首相の質疑
【全文5/5】裏金問題、岸田首相は“報告書をなぞるだけ”の答弁が続く 「わからん」では済ませられない、政治資金をめぐる議論
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略