2024.10.01
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【注目すべき地方都市】3位は逗子、2位は十勝、1位は?!(全1記事)
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――プロの投資家は、世の中のどんなことに注目し、投資の参考にしているのか? その頭の中をのぞいてみよう。今回のテーマは、藤野英人が注目する地方都市ベスト3。コロナ禍で地方移住が注目され、各地でさまざまな取り組みがされていますが、中でも藤野さんが注目するのがこの3つ。
藤野英人氏(以下、藤野):まず始めにお伝えしたいのは、どこの町もすばらしいということ。本当に、47都道府県のどこに行ってもすばらしいんですよ。なので(どの町も)すばらしいことを前提に、注目の第3位は神奈川県三浦半島です。
今、私は逗子市に住んでいるので「逗子市」と言いたかったんですが、逗子市だけだとちょっと小さいんですね。人口も5万人くらいで、それほど大きくなくて。
三浦半島というと、横須賀や三浦市、それから葉山や鎌倉ですね。
特に南のほうの横須賀から三浦市になってくると、都市部でも人口はむしろ流出しています。だから三浦半島全体で言うと、地方のさまざまなプラスの面とマイナスの面を抱えていると思います。
藤野:私が逗子に引越ししたのは本当にたまたまで、もともと軽井沢に別荘を持とうと思っていたら、私の友人の1人である先輩から「逗子市がいい。ここが良いんだ」と言われて。それで行ってみたら、「確かにいいな」と思って、軽井沢で決めていた別荘をキャンセルして、逗子市で別荘を持ったんです。それが最初のスタートだったんですね。
逗子に来て思ったのは、茅ヶ崎とか藤沢にかけてのいわゆる湘南エリアって、私はずっと「感じが悪い」「自分とは違うな」と思ってたんですよね。海辺を半裸で歩いてるような人たちが多いイメージだし、湘南ボーイは自分には合わないと思い込んでいたんですけど、自分が湘南に来たら「こんな良いところだったんだ」と。
「住まなきゃわからないな」と思ったのと、行ってみてわかったのは、鎌倉と逗子もだいぶ違っていて。鎌倉のほうがもっと落ち着いていて大人な感じなんですが、逗子は太陽がいっぱいでラテンな感じ。それこそ、半裸で歩いてる感じなんです。
逗子に行ってみたら、実は自分は半裸で(海辺を)歩くような種族に近かったんだ、というのがわかったんです。結果的に言うと、いろんな場所に行くことで、自分の真なる気持ちや性格がわかったところがありますね。
今は、せっかく縁ができたのだから、この三浦半島全般を良くするような活動をしたいなと思っているんです。逗子の市長さんとも、イベントや新しい取り組みができないかなと具体的に話をしている最中です。
――そして第2位は、北海道の十勝地域。
藤野:これもちょっと規模が広いですね。中心が帯広市になります。こちらも縁があって、十勝の大樹町という町には、堀江(貴文)さんを中心とするインターステラテクノロジズという会社があり、そこでロケットを打ち上げることがあったんです。
堀江さんはよく「藤野さん、ロケットはすばらしいからスポンサーをしてくれ」と言ってきたんですが、「いや、僕はロケットはいらないから」みたいなやりとりをしていました。
でも堀江さんが、「騙されたと思って1号機の打ち上げの現場を見てくれ」と言っていたので、Youtubeで見ていたんです。その1号機が打ち上がって50キロぐらい行ったところで、途中で空中分解して失敗しちゃったんですよ。
それで、見ているうちにだんだん気持ちがそっちのほうに行って、「これはおもしろいな」と思い、すぐに堀江さんにFacebookメッセージで「2号機はスポンサーするから」と連絡しました。
2号機打ち上げの現場に行って、打ち上げようと思ったらほとんど上がらなくて、そのまま地面に着いて大爆発したんです。
僕らのロケットが大爆発した映像が世界中に流れたんですよ(笑)。「どうしよう」と思って。
藤野:隣にいた男の子と一緒に見ていたんですが、「ロケットが宇宙を飛ぶよ」と言ったら、「僕も将来宇宙飛行士になるんだ」って宇宙へ飛ぶ姿を絵に描いて見せてくれたんですよ。2号機が失敗した画像を見た時に、ショックを受けてギャン泣きして、泣きながらお母さんと一緒に帰っていったんですよね。
それがすごくショックで、「あの子に打ち上げる姿を見せたいな」と思いました。それで、3号機はほとんど個人で(資金を)出してスポンサーをして、それが漫画のように奇跡的に打ち上がったんです。
隣にはあの男の子がいたので見てもらったんですけど、「打ち上がったよ!」「やったー!」と笑顔で喜んでいましたその話は地元の新聞を通じて書いてあるので、十勝だとけっこう有名人なんですよ(笑)。
十勝って、良いところなんですよ。食事もおいしいし、いつも晴れていてスカッとしているから、地域の人もスカッとしてるんです。実は、いつか十勝地域で別荘を作りたいなと思っていて、さらに関係性を深めたいなと思っている場所の1つです。
――そんな思い出深い土地を抑えて、第1位に輝いたのは富山県朝日町。富山県と新潟県の境に位置する、人口およそ1万1,000人の小さな町。
藤野:朝日町そのものには、縁もゆかりもないんです。私は富山県富山市生まれですが、なんで1位が朝日町なのかというと、朝日町に坂東(秀昭)さんという起業家の人がいて、その人から、「朝日町で地方創生をお手伝いしてください」というFacebookメッセージが何度も来てたんですね。
もともと地方創生でいろんな地域に行って、いろんなところを応援してたんだけれども、どこかの地域にコミットしたことはないから、いずれどこかでやろうと思ってたんですよ。
地縁血縁もなくもはないし、「じゃあここでやるか」と始めることにしたんです。坂東さんが「いい古民家がありますよ」と紹介され、古民家を買いました。そこを拠点にして、みらいまちラボという一般社団法人を作って、地方創生の活動をすることになったんです。
朝日町はいいところなんですよ。富山県は立山連峰があって、非常に美しい富山県の誇りですが、この立山連峰がずーっと湾曲して海側に落ちていくんです。その一番東の境のところが朝日町なんです。
山と海がすごく近いんですよ。だから海の遊びもできるし、すぐ脇には山がある。海の人、畑の人、田んぼの人、山の人が共存する地域で、風光明媚な場所でもある。朝日町には魅力がたくさんあると思って、「じゃあ、朝日町で地域振興の仕事をしよう」と決めて、始めました。
そうしたらこの活動が1つの実績になって、今度は富山県から呼ばれて、現在は富山県全体の成長戦略委員をしています。富山県をどうやってワクワクする県にするかをミッションに活動中なんです。
結果的に言うと、朝日町で関係性ができたことによって、朝日町も含めて富山県という地域をどうやってワクワクする場所にするのか、というところに関わることができたので、僕からすると楽しい遊び場のきっかけを作ってくれたなと思っています。
藤野:(朝日町の)文化の1つで、バタバタ茶という健康茶があるんです。黒い発酵茶を茶せんで泡立てて飲むんですが、茶せんで泡立てる時に茶碗と当たる音がバタバタするということで、「バタバタ茶」という名前の地域の文化があって。それがめちゃめちゃおもしろいんですよ。
バタバタ音を立てることそのものがアクションがあっておもしろいし、コミュニケーションが生まれます。かつ、そのお茶が美味しいんですよ。発酵茶、黒茶で、プーアル茶みたいなものです。プーアル茶を撹拌させて泡と一緒に飲むので、健康に良いんです。
富山県にオーベルジュのLevoというところがあって、そこの谷口(英司)さんというシェフが、このバタバタ茶を使ったデザートを作ってヒットしました。日本全国、東京も入れた中で、谷口シェフが全国ナンバー1シェフ賞を取ったんですよ。
全国区になるものの芽はいろんなところに眠っているけれど、朝日町の中にも眠っていたのはおもしろいなと思いますね。
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