
2025.02.18
「売上をスケールする」AIの使い道とは アルペンが挑む、kintone×生成AIの接客データ活用法
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江成充氏(以下、江成):本日モデレーターを担当します、江成と申します。よろしくお願いいたします。
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江成:では本日のスピーカーお二方にご登壇いただきます。株式会社Kaizen Platformのスドケンさんこと須藤憲司さんと、Retty株式会社の武田和也さんです。よろしくお願いいたします。
須藤憲司氏(以下、須藤):よろしくお願いします。
武田和也氏(以下、武田):よろしくお願いします。
江成:スドケンさんから自己紹介と、どんな会社をやってらっしゃるのか、ご紹介をお願いします。
須藤:2013年にKaizen Platformという会社を起業しまして、その前はリクルートに勤めていました。LiBの代表の松本(洋介)くんとは同期だったというご縁で、今日この場に立たせていただいております。
江成:大変お世話になっています。
須藤:お世話になっています。Kaizen Platformは、お客さんのDXをご支援する事業をやっています。(Rettyの)武田さんの(会社が上場した)あと、昨年の12月にマザーズに上場をしたところでございます。よろしくお願いします。
江成:ありがとうございます。では武田さん、よろしくお願いいたします。
武田和也氏(以下、武田):Rettyの武田と申します。
僕自身の簡単な自己紹介でいうと、学生の頃から「将来何かをしたいな」と思ってはいて。楽天や、DeNAさんがやっているbiddersという(サイトが)当時あったんですけど、最初は(そういった)ECサイトやうちのサイトで北海道のカニを売ったりしていました。
2年ほどECの店長をやった後、当時のネットエイジ、今のユナイテッドに入りました。そこでモバイルの広告やマーケティングの仕事を3年ほどやりました。
その後に1年ほどサンフランシスコに行って、どんな事業をやろうかといろいろ考えた結果「日本が世界に誇る“食の分野”でやりたい」と思うようになって、Rettyを作りました。
Rettyは2011年の6月にサービスが出たので、もうすぐ10年ぐらいになるんですけれども、昨年の10月30日に上場しました。次のスライドを見ていただくと、現状ではこういった数字になっております。
もちろん今はコロナでいろいろ大変なところもあるんですが、外食産業の中でなんとか耐えてやっているかたちですかね。よろしくお願いします。
江成:よろしくお願いいたします。お二人はどういう関係性なんですか?
須藤:Kaizen Platformにトニーさん(栄井徹氏)という役員がいまして、ちょうど起業したあとにトニーさん経由で武田さんを紹介していただいたという。
武田:そうですね。
須藤:だからもう7年前とかじゃないですか。
江成:だいぶ古い。
武田:新宿にオフィスありましたよね。新宿のラ・トゥールの時に行きました。
江成:古くからのご友人なので、もうざっくばらんにお願いします。
江成:ご両社に関しては、今、武田さんに触れていただきましたけれども、Rettyさんは2020年の10月30日に、Kaizen Platformさんは2020年の12月22日に上場されています。そこで上場までの道のりであったり、そこに対しての採用と組織の作り方を教えていただければと思っております。
2013年のご創業から上場に至るまでの社員数や組織の変遷など、順風なだけではなかったところもあると思うので「こんな苦労がありましたよ」といった辺りも、ぜひ。まずスドケンさんに用意いただいたのはこの資料ですよね。
須藤:きれいな資料がなくてごめんなさい。今、12月時点で正社員の人数が62名になっていまして、ちょっとずつ増えている感じです。2017年の時もたぶん40~50名くらいいましたので、ジワジワ(増えている)という感じですね。
2017年に「インバージョン」と書いてあるんですけど、僕らの場合はアメリカで起業したので、アメリカの法人を子会社にして日本の法人を親会社にするという、三角合併を会社の中でやっています。それが激しく大変でして。
江成:激しく(笑)。
須藤:税務的にも法務的にもいろいろケアしなきゃいけないことがたくさんあって、けっこうお金がかかるんですよね。
江成:『ハック思考』にも、「けっこうお金がかかった」と書いてありましたよね。
須藤:すごいかかります、本当に。
武田:どれくらいかかるんですか?
須藤:従業員の人件費とかを入れないとしても、たぶん億近いと思います。2018年に「新規事業」と書いてあるんですけれども、ストラクチャーを変えて。僕らは3つ事業をやっているんですが、動画の事業を2016年ぐらいからずっとやっているんです。2018年にFacebookさんとかとパートナーシップを結んだりして、けっこう伸び始めている時期ですね。
その後、2019年に「組織強化」と書いています。武田さんのところでもきっと出てくると思うんですけど、やはり上場していくに当たって、当然、会社のガバナンスとかを作っていかないといけないんです。
例えば、小さい会社でも当然、社長は業績を気にかけていないといけないんですけど。IPOをしていく過程でそんなことをやっていたら、そもそも上場できないというか。基本的な業績や短期的なことは全部、組織のみんながチームとして動いてできるようになっていかないと、経営としては回っていかないので。組織をちゃんと強化しなきゃいけないですね。
2020年、実際にマネージャーや部長たちがすごく成長してくれて、組織がちゃんと動いていく会議体ができたかたちですかね。
江成:僕、スドケンさんのファンなので、本当に本とかも読んでいるんですけど。前職のリクルートマーケティングパートナーズ様時代とか「現場に入りたいタイプだった」「営業の細かいところも気になっていたんです」みたいな記載もチラホラ出ていたなと思うんですけれども。
そのような中で、どのように業務を切り分けて、組織強化やマネージャー・部長の方々の育成をしていたんですか? 少し表現が難しいですけど、どのように意識的に手離れをしていったのでしょうか?
須藤:たぶん一番変えなきゃいけなかったのは、自分の意識だったんだなと思っていまして。例えば上場って、自分たちが社会に受け入れてもらう会社になっていくプロセスだと思うんですが、外から見た時に「これ、正しいかな?」というのはずっと考えるようになって。
例えば、もともとKaizen Platformのビジョンは「21世紀の新しい働き方」と言っていたんですけど、2020年はコロナが始まってリモートワークとかもすごく当たり前になったし、もう「新しくないな」と思って言葉を変えたんです。
コロナの時に「就活とか困っているんです」という学生さんとたまたまとZoom飲みをしていて。「Kaizenのビジョンってどういうのなんですか?」(と聞かれて)「21世紀の新しい働き方」と言ったら「それ、新しいんですか?」と聞かれて。
江成:(笑)。
須藤:「確かに! 全く新しくないな」と本当に思って。今は(ビジョンを)「なめらかな働き方」としたんですよね。そういう言葉一つとってもそうなんですけど、会社の社長やトップがずっと数字作りだけをやっていて「本当に社会に受け入れてもらうような組織や会社になっているのかな」と考えるようになっていったんですね。
江成:語弊があるかもしれないんですけど、視座が上がっていったというか、俯瞰していった感じですね。
須藤:そうですね。常にそういう“外の人の視点”で、自分や自分たちのチームがどうなっているのかを見るようにしていったということですね。
江成:もう少し伺いたいのが「組織進化」。強化はイメージがけっこう湧きやすいんですが、強化から進化の過程はどんなプロセスがありましたか?
須藤:これはもう一言でいうと、リーダーシップを発揮する人たちが次々と出てくることだと思っている。これも反省なんですけど「自分が細かく言ってきたことで、誰かの成長機会とかを奪っていたんじゃないかな」と思うことがすごくあってですね。
江成:へえ! 深い(笑)。
須藤:僕も社員だったんで(わかるんですが)、たぶんこれを聞いていらっしゃる方も、一生懸命に仕事してればしてるほど「自分が会社を辞めたら、その組織はどうなるんだろう?」とか考えますよね。ただこれも当たり前なんですけど、意外と(会社は)回るワケじゃないですか。
むしろ(自分がいない状態で)回ってから、活躍する人がすごい出てくると感じています。自分が細かいことを言うこと自体が、もしかしたら自分の仲間たちの成長(機会)を奪っちゃうのかもしれない、とちょっと感じたというか。それくらい、実際にリーダーシップを発揮する人たちがすごくたくさん出てきて、成長した感覚を持っています。
江成:今のお話を伺うと、ある種、抜けたから下が育つとか、言わないから育つこともあるなと。スドケンさん、内省力が高いですよね。それこそ学生から言われて「確かに」みたいなのもそうですし。
「成長を止めている“重し”になっているんじゃないか」と、昔からそういうことを考えるタイプなんですか? なにか出来事やきっかけがあってシフトしていったんでしょうか?
須藤:武田くんも同じ感想を持つと思うんですけど、自分の振る舞いと組織の変化ってすごく連動すると思っていて。「自分が組織を全部動かしている」「何かをしている」とは思わないんですが、影響はすごく与えているなと思っていて。自分の振る舞いによって違う影響が出ちゃうって、すごくいろんなシーンであると思うんですよね。
悪い話で言えば、ちょっとした一言を言ったことで、誰かが傷ついてしまうこともあるじゃないですか。
江成:あります。「そんなつもりじゃないのに」系の発信とかもありますよね。
須藤:そういうのを考えた時に、さっきの“外からの目線”。外からだけじゃなくて、従業員として働いてくれているみんなから見た時に「自分が正しいか」「振る舞いとしてどうかな」というのは考えないと、社会に受け入れられる会社になっていかないなと。組織を考えていく事は、そういう自分の振る舞いについて考えることに近いんだなと気付かされた数年です。
江成:大変おもしろいですね。
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