2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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吉田将英氏(以下、吉田):匿名希望の方から。「鬱になってから何年か経って、体調は前よりいいんだけど、万全じゃない。好奇心あるものに手を出すことに、まだためらいがあるけど、アドバイスいただけたら」と。
鈴木裕介氏(以下、鈴木):手を伸ばしてあげてほしいなと思いますね。無責任に聞こえるかもしれないですけど、本当に好奇心が発揮できることで、すごくうまく転がり出すこととかってやっぱりあるので。基本的には体力とか気力とかがあれば、やっぱり(新しいことを)めくり続けてほしいな、というのが基本的なメッセージなので。
でも体調が悪い人とか、世の中に対して絶望が深い人って、僕らが“カード”でめくる1枚1枚が、たぶん“石畳”ぐらい重たいというのはあると思うんですけど。そのしんどさも理解しながら、でもやっぱり、めくり続けてほしいなとは思いますね。
吉田:なるほどなぁ。僕はぜんぜん、そういう意味では医学的な、専門的な話はできないですけど。僕が思ったのは“連れション理論”とかって、僕は言うんですけど。
鈴木:連れション理論(笑)。
吉田:ついて行くとか、人に誘われたものに乗っかってみるとか。要はゼロから自分で動機を発動するのって、やっぱりすごくエネルギーを使う。燃料を内燃させないとできないと思うんですけど。誘われたことについて行ってみるとか。でもそれがぜんぜん、今までの自分の好奇心と非連続で「なんじゃそれ?」みたいなことでも、1人で行くよりは楽じゃないですか。
一緒に行ってくれる人がいるとか、一緒にやってくれる人がいるとか、その人にいろいろ教えてもらえばいいんだとか。そういう誘い出してくれる人がもしいるのであれば、そういう人の存在って、実はすごく得難いなと。僕はけっこう、そういう人と今まで付き合い悪くて、フラグをへし折って来たなということに、今になって悪いことをしたなというか、価値・意味がわかってなかったとは思うので。
嫌なことに無理してついて行く必要はないと思うんですけど「誰かのお誘いに乗っかってみるというのもけっこう大事かな。いいかな」なんて思いましたね。
鈴木:なので結論はもう、どっちも正解ですよ。
吉田:(笑)。
鈴木:ちょっと行ってみようかなと思ったら行ったらいいし、ちょっと今はしんどいからやめようかなと思ったら、その判断が正しいんだと思うんです。
吉田:そうですね。だからダメとか、そっちじゃないよ、というのはないということですね。
鈴木:「好奇心はこうあるべき」とかではないので。
吉田:なるほど。ありがとうございます。まだまだいろいろ書いていただいているんですが、一旦の区切りとしては最後。「やってみたいなと思ったものにすぐ挑戦できるのですが、自分のやっていることが損得感情で好きなのか、本当に好きなのかがわからないです」。
鈴木:あ~、いいね!
吉田:(笑)。アドバイスいただけますでしょうかと。わからない……どうなんですかね。「わからなくていいんじゃね?」という気も、一瞬するんですけどね。
鈴木:うんうん。
吉田:気持ちが前向きなのであれば。
鈴木:そうですね。難しいですね、損得を切り離すのって。
吉田:まぁね。
鈴木:難しいと思うなぁ。
吉田:僕はいてもいいと思うんですよ“損得君”は。
鈴木:もちろん、確かにね。
吉田:損得君はいてもいいんだけど「どっちが損得でどっちがpure curiosityなのか?」が、なんとなく頭の中で混ざらないように、2人いるということがわかっている状態がいいかななんて。
鈴木:まさにそうですね。本当にそう。何をいいと思うか。人間を前に進めるような価値観って、古くは真・善・美。真か偽か、善か悪か、美か醜かというものがあって。現在はそこに、損か得かというのがいると思うんですよ。でも一辺倒にならないということであれば、いいんじゃないかなと思って。やっぱり普通に生きていく中で、損得を意識しないことって無理で。1つのことの中に損得も入るし。
でも、自分の中にその「美醜の感覚」とか「快・不快の感覚」がちゃんと入っているということだったら、それが快・不快メーターとか、比率、円グラフが出たらいいけど、それはわからないじゃないですか。
「この領域というのは、少なくとも自分の損得だけじゃないな」と思えているとしたら、もうそれでいいんじゃないかなと思いますね。
吉田:そうですね。よく偉大なことを成し遂げた人も、けっこう平気で「最初はモテたかっただけなんだよな」とか言うじゃないですか(笑)。それがダメなのかといったら「最初はいいんじゃない」とか「どこかに併存して、ずっとモテたい願望があってもいいんじゃない」とか。
鈴木:損得が良くない時というのは、やっぱりつらい時、苦しんでいる時。HPがない時ですよね。その時に「ここで休んだらもったいない」とかってその段階で損得を追おうとすると怪我をする。損得を追うことが全く合理的に機能しないときがあるんだけど、今、自分にある程度のHPがあるんだったら、それは別にいいんじゃないかな。
吉田:「楽しいし、役に立つし」というね。
鈴木:そうそう。
吉田:両方あるんだったら、いいんじゃないか? ということですよね。
鈴木:むしろ、健全なことかもしれないし。
吉田:「努力は夢中に勝てない」って言葉があるじゃないですか。あれは字面どおり受け取ると「好きなことを追いかけていいんだぜ」というエールだと思うんですけど。僕は捻くれていたので、夢中なことが見つかっていないけど、努力ならできる人を、けっこう谷底に突き落とす言葉に聞こえちゃったワケですよ。
やっぱり今言ったみたいな、ピュアネスで楽しくてめちゃくちゃ成果を出している人を見ると「損得が混じっている僕なんか、彼に敵いようがないんじゃないか」と思っちゃったりする。「あんなに好きなこと、俺はあるかな?」とか「あんなに好奇心でぶち込んでいること、僕はあるかな?」とか言って、逆に凹んだりすることもあるんですけど。
それはやっぱり「努力は夢中に勝てない」というよりは、僕は「夢中になれることを探す努力を怠らなければいいんじゃないかな?」という。それが裕さんの言っていた「めくり続ける」ということにもつながるのかな? なんて思ったので。質問の答えとしては、どっちもあっていいけど「好きというHPがゼロになっているかどうか」だけは、ちょっと注視したほうがいいということですかね。
鈴木:そうそう。いい質問で深めてもらいましたね。ありがとうございます。
吉田:ありがとうございます。
吉田:そんな感じでね、あと2分になっちゃったというね(笑)。なので、チャットの質問にお答えしたい部分もあるんですけど、この辺で最後にご紹介することと、一言ずつのコメントで締めたいなと思います。裕さんから、もしご紹介があればという感じなんですけど。
鈴木:そんなにないですね。
吉田:(笑)。裕さんはTwitterとか、もしよかったらという話と。saveクリニックもね、もうちょっと真剣にご相談をしたいとかあれば来ていただけると。
鈴木:ちょっとお待ちいただくかもしれないですけど(笑)。すみません。
吉田:繁盛されているということかもしれませんが(笑)。こちらにご相談いただいても。今日はちょっと総論的というか、大きな話なので。個別にもっと、実はけっこう悩んでいるみたいな人がいたら、ぜひ行ってもいいかもしれないですし。あとはぜひ、本ね。
鈴木:そうですね、ぜひ。今日は『メンタルクエスト』を推してくれていたんですけど。(スライドを指して)左の『NOを言える人になる』が初の著書なんですけど、これ、時代を鑑みてカバーを変えてくれたんですよ。敏腕編集者がね。
吉田:へー! 確かに僕、知っている本のはずなのに、さっき見て知らない本だと思ったんですよね(笑)。
鈴木:そうそう。緩やかにでもNOを言えるようになるということと、メンタルヘルスってすごく直結しているなと思ったので。
吉田:「両方とも、本めっちゃ良かったです」とチャットが来ております。
鈴木:ありがとうございます!
吉田:良かったです。なので手に取っていただけると、今日のお話の、もうちょっと細かい話とか突っ込んだ話とかも、読んでいただけるかもしれないなということですね。
僕の本の話ですけど、今日はこの『アンテナ力』という、好奇心をどうやって立てていくか。裕さんよりは、もうちょっとTipsというか「日々こうやってメモを取るといいかもしれない」とか。
鈴木:僕、これ患者さんに薦めていますよ。
吉田:本当ですか。
鈴木:何人かに薦めています。休職中の方とかに。
吉田:ありがとうございます。「こういう目で町を見て、歩くといい」とかも。
鈴木:「今、こういうのを賦活化することが、この人にとっていいな」と思うタイミングってあるので。
吉田:考え方というよりは「やってみては?」みたいなことが多い本なので。
鈴木:まさにその、工夫の話ですよね。好奇心を見つけてあげるための工夫の話。
吉田:下北沢に降りて「鶏そば そるとを食いに行く」ということを思い出すための、テクニックがいろいろと書いてあるので(笑)。もし良かったら手に取っていただければと思いますし。
今日はメインの話じゃなかったですけど、若者の話とか就職活動も。学生さんが聞いていただいていたようなので、昔の本ですけど普遍的な内容だと思うので。この『なぜ君たちは就活になるとみんな同じようなことばかりしゃべりだすのか。』も、やっぱり好奇心がどうやって発動できるかわからないと、こういうことになる。「同じようなことばかり」ってなっちゃうと思うので、ぜひこれから……まさに就活真っ只中なのかな? と思うので、読んでみていただけるといいかなと思いますし。
SNSはいろいろやっているので、もしよかったらフォローをいただければなと思います。
吉田:ということで、3分オーバーしちゃったんですけど、最後に締めだけしましょうかね。裕さん、どうでした? 今日のお話。
鈴木:やっぱりおもしろかった。
吉田:よかったです(笑)。
鈴木:本当に対談って「うまくいったな」って時と「うまくいかないな」って時があってさ、正直。
吉田:こわいこわい(笑)。
鈴木:お互いが今ある荷物を出して、化学反応が起こらなかったみたいなことは、もちろんそれを見てくださる方とか、たぶん読者の方とかがいらっしゃって、そこに申し訳が立つんだけども。一番いいのって、ここで何か新しいものが生まれたりとか、新しいアイディアが……となって、お互いにとっても良かったねということがすごくいいんじゃないかなと最近思っていて。そういう意味では、本当に良かったなと思います。
吉田:ありがとうございます。僕もけっこう、自分の思っていたことと、裕さんの従事されていることが、普遍化されるというんですかね。違うことなんだけど、共通項が見えてくるというのが。立場が違う人同士で話さないと、同じ職域の人と話しても「同じだね」って確認にしかならなかったりするので(笑)。
鈴木:普遍的ですよね。
吉田:やっぱり僕も好奇心をより引っ張り出すために、お産婆さんに……今日は裕さんにお産婆さんになってもらって(笑)。“自分の好奇心にまつわる好奇心”を、より引っ張り出してもらったりできたなぁ、なんて思ったので。楽しかったし。
鈴木:足りなかったなと思いますね。僕にそういう堅いメソッドというか、好奇心というフワッとしたものを、けっこうカチッとした確実なやり方で取りにいこうとする工夫とか、そういうスタンスとかはすごく学ばせてもらったので。
吉田:両方ね、具体と抽象は大事だし。
鈴木:ちゃんと診療に還元したいなと思います。
吉田:恐縮です。コロナなのでね。みなさんやっぱり、つらい状況だったりする方も、もしかしたら今日聞いていただいた方の中にいるかもしれないんですけど。あまり追い詰めて考えすぎずにというか。ほかの人の力なり、自然の力なり、時間の力なり、睡眠の力なり(笑)。いろいろ頼っていただいて。みんなつらいので。裕さんがTwitterで「今はカタストロフィーなんだ」と、まさに言っていたと思うので(笑)。あまりこう……。
鈴木:ギガデイン(注:『ドラゴンクエスト』シリーズに登場する、強力な電撃の攻撃呪文)って話ですよ。
吉田:そう、ギガデイン(笑)。ダメージがそれぐらいだと、みんなやっぱり傷ついたり、疲れたりしていると思うので。そこは無理せずにやっていければなぁなんて思います。
「少しは心が軽くなったような気がします」とQAのほうに送っていただきまして、ありがとうございます。名残惜しいのですが、こちらで終わりたいと思います。ご清聴いただきまして、ありがとうございました。
鈴木:どうも、ありがとうございました。
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