2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
リンクをコピー
記事をブックマーク
吉田将英氏(以下、吉田):(スライドを指して)去年僕、入院したんですよ。
鈴木裕介氏(以下、鈴木):へえ。
吉田:というと「COVIDか?」みたいな感じ、空気になるんですけど。COVIDではなかったんですけど、2週間くらいかな。最初の5日間、6日間、熱が下がらなくて。39度5分ずっとパーンって出て「しんど!」みたいな。
何もできない、動けないし、ご飯も最初は食べられないし。あんなに無限の「何もすることのない時間」を、久々というか初めてに近いぐらい過ごして。良くも悪くも、考えごとしちゃうワケですよ。熱が高くて寝付けなくて、夜も2時、3時、4時みたいにグルグルしまくって。
だけど、沈んだ時期もあったんですけど、最終的にはいろんなことが1回ストップになったおかげで、本当に大事なことの優先順位がすごい付いたんですよ。それまでは、頭の中を蚊が飛んでいるみたいな。いろんなやらないといけないこととか情報とか、他の人のSNSとか(笑)。そういうものが「ワーン」とずっと飛んでいて。
「あれやらなきゃ、これやらなきゃ」。やらなきゃならまだいいんですけど、全然関係ないことまで勝手に関わりに行って腹立てたり。「あれ、けしからんよな!」とか(笑)。「あなた関係ないじゃない」ということまで蚊を飛ばしちゃってたのが、一気にスッキリして。ありがたさとか、親がだいぶ助けてくれて何とか入院できたというのもあったんで。「親ありがたい」とかいって、夜1人で泣くみたいな(笑)。
(一同笑)
吉田:どうした? みたいな。急に大学のサークル時代のLINEを掘り返して、LINEをし出すとか。「こいつちょっと様子がおかしい」とか思われながらも。でも、通っておいてよかった。こんなこと言うと「『入院してよかった』とは、心配かけて何事だ!」とか言われそうだけど、今となってはよかったんですよ。通っておいて。
吉田:子どもができて、今35歳なんですけど。これぐらいのタイミングで、あれだけまとまった時間を半強制的に得られたのはよかったな、とか思うので。こういう立ち止まって考える。立ち止まったから、ウィル・パワーというんですかね。“好奇心HP(ヒット・ポイント)”が。
鈴木:HPが。
吉田:MP(マジック・ポイント)かな(笑)。使うという意味では、MPかもしれないんですけど。
鈴木:CP(キュリオシティ・ポイント)にしましょうか。
吉田:キュリオシティポイント。そう。
鈴木:暫定的に。
吉田:いらんことにバンバンバンバン変な魔法を唱えて、CPがなくなっていた状態から「いいからお前、寝ろ」みたいな感じで(笑)。宿屋に2週間押し込まれて、CP満タンになったら、やはりやりたいことを思い出せたんですよね。
鈴木:いやぁ、まさにそうなんですよ。「情動が動く」というのって、ある程度、やはり体が疲れていない状態じゃないと起こらないんですよね。「うつになったら、ご飯おいしくなくなる」という話とかあると思うんでけど、そういうの似ていて。五感が働かなくなってくる。
あまりに辛いけどやることをしないといけないから、心に麻酔かけながらやるみたいな感じになると、そんなの好奇心どころじゃないワケですよね。
吉田:そういう意味では、体を止めて、頭もある意味止めて。
鈴木:休むことって、確かに必要なのかもしれないですね。まずは。
吉田:そう。「いいから寝ろ」じゃないけど(笑)。
吉田:それでやはり(スライドの「好奇心の初速をあげよう」を指して)この言葉が復活できた。
これ、裕さんにも本の中で僭越ながら引用してもらったんですけど。初速、最初の動き出しというのが。僕は元来、慎重なほうだし、様子見ちゃったり。面倒くさがりで、ものぐさで「いいや、今度にしよう」みたいにすぐなっちゃうので。戒めで、これは僕は自分に課す言葉ですね。
鈴木:「敢えての」ということですよね。
吉田:「そういうタイプ」というワケじゃなくて。ちょっと行ってみたいとか、ちょっと食べてみたいと思った時に、パッと動けるように。もともとこういうのが得意じゃないから、それができるように自分に準備をいっぱいしてあげようというのが、この『アンテナ力』で書いた準備の仕方なんですけど。
今日も久々に下北沢に来ましたけど。下北沢での「好奇心の初速」を上げるために「Evernote」にいろいろ下北沢で過去に気になったことを、メモ魔で何とか解決するという感じで。
鈴木:真面目!
吉田:自分を信用していないからね。
鈴木:これは本当に参考になりますね。
吉田:「下北沢」で検索すると「鶏そば そると」って、すぐ出てくるワケですよ。
鈴木:はい、はい。
吉田:じゃあちょっと、そると食ってから行こうと。うまかったですね(笑)とかね。それがないと、ボケーッと行って「ああ、ちょっと早く着いちゃったな。でも終わった後だと夕飯食えるお店、全部閉まっているしな。どうしようかな。うーん、マクドでいいか」みたいな。別にマクドを否定したいワケじゃないけど。
鈴木:(笑)。
吉田:そういう時に、僕は勘だけで「あ、なんかここおもしろそう」といって入れるタイプでは(ない)、そういうの得意じゃないと自分でわかっているので。そういう自分の扱い方として、技というか道具をわりと使って。でも、この言葉を大事に。
結局、面倒でもおっくうでも、行ってみると楽しかったりするというのがあるので。その乗り越え方だな、なんて思っています。
鈴木:すごくいいですよね。好奇心ってとても感覚的で、動物的なものだと思われているけど。「好奇心を何とか上げて、発揮させてやろう」という意図の元にメモするみたいな。
吉田:そうですね。
鈴木:ガリ勉メソッドじゃないですか。
吉田:いやあ(笑)。そうですね。ガリ勉メソッドですね。
鈴木:真面目にコツコツと。言ったら、努力ですよね。
吉田:僕の尊敬する同世代に(ANZEN漫才の)みやぞん。同期というか、タメなんですけど(笑)。
鈴木:(笑)。
吉田:知り合いではないんですけど、みやぞんがロケとかで大変な目に遭っている時に「自分の機嫌は自分で取る」と言っていて。超名言だと思ってメモったんですけど、僕はそれをやっている感じですね。
やはり彼が言いたいのは、機嫌が悪いとか気が向かないとか、それは尊重したほうがいい気持ちかもしれないし、さっきの「いったん寝ろ」という状態のアラートかもしれないですけど。ただただダラダラしちゃうみたいな(笑)。そういう時は、やはり“自分の乗せ方”というんですかね。自分の乗せ方、自分の上げ方、自分のその気にさせ方みたいな。
鈴木;そうですね。
吉田:ことはやっているかもしれないですね。
鈴木:結局は“神降り待ち”みたいなところがあるかもしれないけど、その「好奇心とかやる気の神が降りてくるための祭壇を綺麗に」みたいなことは、コツコツやって磨いたりしているという。
吉田:お待ちしております。いつ降臨いただいても、お迎えする準備はできていますというね。
鈴木:そういうことですよね。工夫のし甲斐があるということで。
吉田:そうなんですよね。
鈴木:僕、まーさん(吉田氏)が言ったやつで今でも覚えているのが「好奇心は『やったことあること』の先にしかない」ということ。これは本当に名言だなと思っていて。
吉田:そうなんですよね。
鈴木:経験がないことに興味って、持ちようがないんですよね。読んでもいない、思いつきもしないものに興味持ちようがないんだけど。やったことの半歩先にあったり、カスッていたりする領域に、初めて「興味を持ちうる可能性」が出てくるということだから。やはり(新しいものを)めくり続けるということ、探索のコストを取り続けるということが、打開のためには必要なコストにはなってくるんだろうなと思うんですよね。
吉田:僕、学生の時バンドやっていたので、未だに音楽は聴くんですけど。Spotifyのビックデータの結果かなんかだったと思うんですけど「人間って35才を超えると、それまで聴いてこなかった音楽のジャンルを探索する率がめちゃ減る」という。
鈴木:ああ!
吉田:要は、その人にとっての懐メロに閉じこもって、(35才になった)とたんに開拓しなくなるらしくて(笑)。
鈴木:閉じていこうというやつですよね。よくキャリアで言われるような「30代まで広げて、そこからは収束していこう」みたいなところにも、あるのかもしれないですけどね。
吉田:音楽なんて、別に食べ物よりもダメージ少ないじゃないですか。食べたことない新しいもの食べて大変な目に遭うよりも「ちょっと耳がうるさかった」ぐらいの探索コストしかないにも関わらず、Spotifyを見ていると、結局、いつも東京事変に行ってしまう。
鈴木:(笑)。
吉田:「やはり間違いないな、東京事変は」みたいな感じで(笑)。「また奴は東京事変に帰っていった」みたいな。東京事変はいいバンドですけど、そういうことってすごくあるなぁなんて思って。
なので「めくる気持ちのコストだけでも、初速をあげる」というのは、僕はそういう意味で言っているので。どうしたらいいか? なんて話もちょっとしたいなと思っています。
「死にたい」まで思わないけど「生きているのはつまらない」 そんな人が“退屈な人生”を打開するための、好奇心の大切さ
“がっつり死にたい状態”の人物を救った、とあるゲームソフト 「生きるのがつまんない」を緩和する、なにかしらの“フック”
社会に出ることを恐れる学生が悩む“好きと仕事”の折り合い 『考好学研究室』主催・吉田将英氏が行う、若者・好奇心の研究
仕事・私生活ともにありがちな、好奇心に求める“元本保証” 「それ、やる意味あります?」「もしつまんなかったら嫌」の思考
「最初は面倒でも、やってみると楽しい」パターンを生む “好奇心の初速”と“新しい領域への探索コスト”の重視
心療内科医が不調の人に言う「快・不快のことを追いかけて」 「快い」という感覚を、もう1回拾いに行くためのアドバイス
KPI・リターン・前例など、最近の企業文化は“サイエンス偏重” そんな中、イノベーションの成就率を高める「好奇心のお砂場」
「自己理解」「自己の深堀り」は、他者との対話で磨かれていく 1人だけで深めるのは難しく、本当のことを言える“誰か”が必要
ある新聞への寄稿文を例に見る「経験は無駄にならない」理由 “何か”を掘り下げるといつか訪れる、“別の何か”への接続
「趣味は?」と聞かれて悩む「深くないのに語っていいの?問題」 “好き度”を語ればいいワケで、“詳しい度”を語る必要はない
“こと”を成し遂げる動機は「モテたかったから」でもいい とても難しい「好きなこと」と「損得感情」の切り離し
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.19
12万通りの「資格の組み合わせ」の中で厳選された60の項目 532の資格を持つ林雄次氏の新刊『資格のかけ算』の見所
2024.12.16
32歳で成績最下位から1年でトップ営業になれた理由 売るテクニックよりも大事な「あり方」
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
2024.12.13
ファシリテーターは「しゃべらないほうがいい」理由 入山章栄氏が語る、心理的安全性の高い場を作るポイント
PR | 2024.12.20
モンスター化したExcelが、ある日突然崩壊 昭和のガス工事会社を生まれ変わらせた、起死回生のノーコード活用術
2024.12.18
「社長以外みんな儲かる給与設計」にした理由 経営者たちが語る、優秀な人材集め・会社を発展させるためのヒント
2024.12.12
今までとこれからで、エンジニアに求められる「スキル」の違い AI時代のエンジニアの未来と生存戦略のカギとは
PR | 2024.11.26
なぜ電話営業はなくならない?その要因は「属人化」 通話内容をデータ化するZoomのクラウドサービス活用術
Climbers Startup JAPAN EXPO 2024 - 秋 -
2024.11.20 - 2024.11.21
『主体的なキャリア形成』を考える~資格のかけ算について〜
2024.12.07 - 2024.12.07
Startup CTO of the year 2024
2024.11.19 - 2024.11.19
社員の力を引き出す経営戦略〜ひとり一人が自ら成長する組織づくり〜
2024.11.20 - 2024.11.20
「確率思考」で未来を見通す 事業を成功に導く意思決定 ~エビデンス・ベースド・マーケティング思考の調査分析で事業に有効な予測手法とは~
2024.11.05 - 2024.11.05