2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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浅生鴨氏(以下、浅生):今日はテーマがコミュニケーションエラーなんですけれども、お二人もいろんなところで、さんざんコミュニケーションエラーをやらかしてきたと思うんですけれども(笑)。
シャープ株式会社 公式アカウントの中の人(以下、シャープ):人聞きの悪い(笑)。
浅生:そういうとき、どのようにしてエラーを修復されてきたのかをお伺いしてもよろしいですか?
シャープ:えっと……どうしようかな。要するに炎上ということですよね? 簡単に言ったら。
浅生:平たく言うと炎上ですね。
シャープ:語弊があるかもしれないですけど、僕のツイートに関連する炎上というのはあんまりなくて。どちらかというと、数年に渡って会社の経営が思わしくないという意味で、会社が炎上している感じです。つまり僕のツイート、その背景の書き割りが燃えている前で、僕がしゃべっているということが多かった。そういう状況でどうするか、SNS上の振る舞いとしてはまず「燃えている」ということを認めることですよね。
一般的には、燃えていようが燃えていないふりをして平然としゃべるのが広報的な発信の仕方とか、燃えている間は黙れとか言われることが多いんですけど。僕はたぶんそうじゃないと思います。起こっていることは隠せないわけだし。そこを取り繕う姿勢自体が疑いを持たれるわけですから。
まずは「今、私の家(会社)が燃えてます」というように、不都合なことも受け入れてからしゃべることは、ずっと気をつけているというか、一貫してやっていますね。
浅生:タニタさんは、エラーが起きたときの対応というのは何かありますか?
株式会社タニタ 公式アカウントの中の人(以下、タニタ):とくにコミュニケーションで言うと、やっぱり文脈があると思っています。Twitterはツイート1つとっても、その前にもツイートがあったり、誰かが入ってきたりして成立していることもあるんです。そこが伝わらないというのがまさにエラーだなと思うんですね。
そこに対してちょっと不快な思いをさせてしまったときに、どういった謝罪の仕方をするかというのはけっこう悩むところもあって。明らかにこちらに非がある場合は、やはりしっかり真摯に謝罪することが大事かなと、長年やっていて思っています。あとは譲れないというか、「ここは言えないな」というところもあったり。そのへんはバランスを持って対応していくのかなと感じています。
浅生:積み上げていくというのは、さっき堀向先生もおっしゃっていましたけれども、長く歴史がないと、おそらく短い言葉では伝わらないのかなという印象をちょっと受けますね。
シャープ:Twitterって短いと言われますけど、毎日できますから、結果的にはわりと長くしゃべっている感覚でいるんです。一般的に広告というと、例えばマス広告ならテレビコマーシャルを1〜2週間流すというようなものです。
その一時的な物量はすごく多いけれども、それが終わったらパタリと世の中との接点がなくなるわけですよね。それに比べてSNSというのは、毎日しゃべれるというのはものすごく特徴的であり武器であると思っています。
浅生:先生はそのへんはいかがですか?
堀向健太氏(以下、堀向):僕は炎上がすごく怖いんですけど(笑)。ふだん僕は、できるだけバズらないようにしてます。フォロワーだけはすごく増えたんですけど、届く人に届けばいいくらいの気持ちです。
僕はどちらかと言うと、医療情報はすごく狭いところの話をすることが多いので、その方々だけに届けばいいと思って発信しているので。リツイートが1,000とか超えるといき過ぎたと思うくらいです。でも、たぶん企業さんがされるのは、たくさんの人たちに知ってほしいという部分があると思うんです。
僕は1回だけ炎上しかかったことがあって。その内容は、医療情報的には正しいんです。そして今後、それが重要な情報になることも確かで。僕らがふだん購読している、ある医学雑誌があるんです。その特集で、例えば「患者さんからこういったことを聞かれることがありますよ。それに対してはこういったことが正しいですよ」という質疑応答集みたいな感じのけっこう分厚い特集号でした。そして、炎上しかかったテーマは、その中に掲載されるようになったテーマでした。
ですので、そういった情報もそろそろみなさんに知っていただく時期なのかなと思って書いたんです。ただ、それを書いたあとに思ったんですけど、その事象はその方々にとっては避けることができないことから起こる事象でした。ですので、確かにそれを出すことは、受け取る方にとっては辛いことになる可能性がありました。
医療情報ってある人にとってはメリットになるけれども、ある人にとってはデメリットになる。もしくは心がつらい状況になるということが、その時にわかって。情報を発信するときに、そういったかたちにならないように気をつけて書くようになりました。
自分のブログは、実際は備忘録として自分の勉強していることを記録しているだけなんですよね。でも、今はブログの記事としては書いたけど発信できない内容が下書きの段階で残っています。たぶん100本くらいになっていると思います。
そういった受け取る側のことも考えながらTwitterは使わないといけないな、というふうに思っています。一方で別の媒体、例えばFacebookとか、今NewsPicksというのをさせてもらっているんですけど、そちらのほうでは逆に書いて発表することがあります。
浅生:医療情報というのは製品情報とちょっと違って、人によってはものすごく明暗が分かれるような情報もあると思うので、そこは少しだけ気の使い方が、ベクトルが違うのかなという気がしますが。
とはいえ、シャープさんもタニタさんも実は医療や健康に関する製品を作られている会社なんですよね。お二人の活動を見ていると、シャープとタニタもTwitterだけやってる会社なのかなという気がするんですけど、そんなことはないわけで(笑)。
もちろん製品を出されているということで、今日はここでちょっと趣旨を変えまして、クイズコーナーに入っていきたいなと思っています。お2人にクイズをご用意していただきました。
(音楽が流れる)
さあ、今いい感じの音楽が流れているはずです。じゃあシャープさんからクイズを出していただけますか?
シャープ:仕事っぽくなってきたぞ。家電メーカーというと冷蔵庫とかテレビとか、家のことばかりイメージされますけど。「実はシャープには50年以上、大きな病院で働き続けている機械があります。それは何でしょう?」という問題です。
浅生:4択ですね。
シャープ:4択です。Aが「照らす」。Bが「洗う」。Cが「冷やす」。Dが「運ぶ」。
浅生:#やさしい医療で、Twitterでぜひ解答していただいてもいいかなと思いますが。これは堀向先生はおわかりですよね? もちろんね。
堀向:うん。一応、なんとなく(笑)。
浅生:じゃあお答えいただけますか?
シャープ:別に当たっても何ももらえない。
浅生:はい、何もないです(笑)。
シャープ:Bの「洗う」ですね。洗うといっても、洗濯物や患者さんの衣服を洗うんじゃなくて、鉗子(かんし)など使い捨てできない医療器具を超音波で洗うというのを、実はずっと昔からやっています。シャープは縁の下でも一応定評があるというクイズでした。
堀向:よくあるメガネを洗うような超音波と、医療用の超音波ってどんなふうに違うんですか?
シャープ:えっと……わかりません!
(一同笑)
メガネ屋さんなどでメガネを無料で洗えますよね。でも基本的に僕が教えてもらったのは、あれのもっとすごいやつ。たぶん殺菌なども行うのが医療器具としての中身だと思います。
堀向:あ、殺菌もあるんですね。おもしろい。ちょっとまた聞いときます。
シャープ:はい。僕も勉強しておきます。
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