2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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小林史明氏(以下、小林):カフェスタをご覧の皆様、こんばんは。今日は「キーパーソンに聞く」ではなくて、緊急特番ということで「アベノミクスを成功させる会」としての提言を発表する場所にしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
今日ご登場いただくのは「アベノミクスを成功させる会」会長の山本幸三代議士と、そして、今回の提言をまとめた村井代議士にご登場頂きました。どうぞよろしくお願いいたします。始まる前から、幸三さんへの応援メッセージが。
山本幸三氏(以下、山本):ありがとうございます。
小林:ご自分でも、最近ネットでは人気なんだっておっしゃってましたけども。地元でも人気だとおっしゃって。間違いなく議員の中では一番人気。ね、このシャツとネクタイが常に素敵な山本幸三先生でございます。
村井君は同期ですから、是非ご愛顧頂けたらなと思います。
村井ひでき氏(以下、村井):よろしくお願いします。
小林:さっそく本題に入りたいと思いまして。今日、安倍総理にこの「アベノミクスを成功させる会」ということで、増税の延期の提言をしてまいりました。そこの経緯からまずは。
山本:はい。もともと安倍総理が会長で、デフレから脱却するための議連を作っておりました。そしてアベノミクスのもとになる勉強をずっとやってきましたわけです。それが安倍政権が誕生してから、私が会長になりまして、また基本的な勉強をやっておりました。
そして今回、消費税の再増税についてどうするかということが、大変大きな問題になりましたので、あらためて、この勉強会の名前を「アベノミクスを成功する会」と改称して、10月22日から有識者に来て頂いて、お話を聞いて勉強してまいりました。
今日、最終的に浜田宏一先生のお話をうかがって、そして、提言をまとめて、先ほど3時に安倍総理のもとへお届けしたところでございます。
そのポイントはですね、消費税増税は1年半延期するべきだと。しかし、それでも2015年度のプライマリーバランス半減目標、あるいは、社会保障充実のための財源は、充分確保出来る。そういうことを試算としてしっかりと打ち出して、それを今回提言として出してきたところでございます。
ポイントはですね、7-9月のGDPが対前年比で年率マイナス1.6%ということになりました。つまり、いかに4月の消費税3%増税が、大きな破壊力をもっているかということがよくわかったわけであります。これを来年度も続けてやるということになると、本当に日本経済の腰折れを招きます。そしてアベノミクスの失敗を招来しかねないので、慎重に判断する必要がある。
そしてこの、景気低迷をもたらしている最大の要因を分析してみますと、やはり、GDPの6割を占める個人消費が伸び悩んでいることが最大の原因です。それは、消費税の増税や円安等によって物価が上がってるんですけれども、しかし、賃金の上昇が追いついていないと。いわゆる実質賃金がマイナスだということから起こっているわけであります。
特に私どもは、30代、40代の方々が大きな影響を受けてる、あるいは、低所得者、そして地方において非常に大きなマイナスの影響を受けてるということで、そこを懸念しているわけであります。
したがいまして、消費税増税はやはり名目賃金が今後上昇していって、将来2%あげても充分にそれがまかなえると、実質賃金がそれでもプラスになるというような状況までは待たなければいけない、という風に思っております。
我々は名目賃金の上昇を一応期待して、それは2017年の春であろうからということで、次回の消費税増税は1年半延期して、2017年4月からスタートということを言っているわけであります。
その時に一番問題なのが、推進派の方々が必ず言うのが、増税しないとプライマリーバランス半減目標が達成出来ないとか、社会保障充実の財源が不足するということを言ってるんですが、実は今回、この村井議員が中心となったチームで、試算、村井試算と私たちは呼んでますが、試算によってそんな心配は全くないということが明らかになりました。
山本:そのポイントについては、村井さんからお話いただきたいと思います。
小林:村井さん、村井試算を紹介いただけますか。
村井:はい。それでは説明をしたいと思いますが。
まず、内閣府が出している中・長期試算によると、この2015年にプライマリーバランス(PB)の(赤字)半減をするためには、まず消費税を8%から10%に引き上げる必要があって、プラスで仕上げる必要があると。引き上げますと、0.7兆円分だけプライマリーバランスの超過額が半減との関係で黒字になる、ということであります。
これに対して我々のほうでは、いくつかの前提をおいて試算をしたところ、結論としては消費税を引き上げなくても、消費税を引き上げた際に行うと約束をしていたこの社会保障、子育て支援等の社会保障の充実分はしっかりと達成はできるし、なおかつプラスで堅く見積もっても1.9兆円、もう少しいろんな要素を入れると3.8兆円分プラスになる、PB半減との関係で黒字化するということであります。
それについて少し細かく説明していきたいと思います。まず出発点として、私も財務省の主税局でこういう税収の計算とかやってたんで、基本的なやり方は財務省のそれとあまり変わりません。変わりませんが、何が大きな要因かと言いますと、一言でいうと、ここの出発点が違うということであります。
この2013年度、47兆円の税収があがった。これ昨年度ですね。決算ベースなので実数です。これに対して内閣府の試算というのは、2014年度はここには出てないですけども、50兆円で計算をしているんですね。なぜ2014年度を50兆円としているかっていうと、昨年12月の時点で、予算を作る段階で、来年度の税収はだいたい50兆円くらいになるだろうと見込んでいたわけです。
ただ、それから半年以上経過がして、今年の夏時点で調べてみたら、昨年度の実績47兆円になっていたわけですね。なので本来であれば、この47兆円を発射台にしてその後14年度、15年度の税収を計算していかなければならないわけです。そういう意味で、我々は堅い前例をおいて税収の伸びがどれくらいになるのか、14年度、15年度について計算をしました。それがこのところです。
すみません、ちょっと細かいんですがね。この47兆は発射台で、これに名目成長率をかけて、さらに税収弾性値というものをかけます。この名目成長率は今、様々な議論が行われておりますが、ESPフォーキャストという、エコノミストの皆さんが予測をしている、数十名の方が予測をしている平均です。これが毎月改定されるんですが、11月の数字は2.1%でした。
なので、2.1%の伸び、さらに、この税収弾性値、これを財務省はずっと1.1%と主張しておりまして、この堅い数字を使いました。さらに消費税をあげたことによって、初年度は5%から8%にしたことで国税収は4.5兆円増えます。これも財務省の数字です。なので結果として、2014年度で53兆円税収があがるはずなんですね。
さらに2015年度を見ますと、まあ同じようなことをやるんですけれども、今度は消費税除きの税収、2014年度は48.5兆円でしたから、これに2015年度見込まれている名目成長率、2.8%をかけて、さらに税収弾性値をかける。そうすると50.4兆円で、さらに消費税を5%から8%へ上げたことの平年度。初年度は45兆円なんだけど平年度は6.2兆円増えますんで、結果として2015年度56.6兆円増えるということであります。
すみません。ちょっとややこしいんですけれども、結論としてこの56.6兆円、2015年度消費税上げなくてもとれるということが非常に大切でありまして。これに56.6兆円、消費税を上げなかったことによって政府が消費税を払わなくてもよくなる額、ってのがあるんですね。例えば戦車を買う時に、消費税を8%かなんか……
山本:あんまり細かく言わなくても。
村井:細かいですね、すみません。56.6%にこの0.2%をかけて、結論としてはPBの半減目標超過額は1.9兆円になるということであります。
この前提は税収弾性値が1.1%ということで、成長に対して税収がどれだけ増えるか。1.1って堅い数字なんですけど、例えば3.0でやるとこれが3.8兆円、PB半減超過額が達成できます、ということでありまして。
すみません。わかりづらい説明だったかもしれませんが、結論としては、消費税を引き上げなくても、現状の、最新の数字をこうやって計算すると、PBの半減目標を達成できるし、さらにだいぶ超過するので、そこを使って皆様の懐を温めるような対策もできる、ということを申し上げたかったわけです。すみません、ご清聴ありがとうございました。
小林:ということで結論としては、ちゃんと財務省のやり方と同じ、厳しい試算をやっても、増税を延期してもプライマリーバランスは達成できますということですね。
これよく、私も頂く質問で、皆さんも気になると思うんですが、消費税増税によって社会保障も充実する。これはセットだよと言われてたと。これ、延期をすると、全部チャラになっちゃうんですかって質問を頂くわけです。これも大丈夫なわけですよね。
山本:もちろん。当然元々のやつに社会保障充実のやつも入ってるわけで、それでも越えるということですから、全く大丈夫ということです。
小林:このプライマリーバランスの達成の、この数値の中に。
村井:そうです。元々、内閣府の試算の中に、内閣府の試算の前提は社会保障の充実分をしっかりと織り込むっていうのがあって、我々もそこの前提にたってやってるんで、しっかりと充実分は捻出出来ます。
小林:あと、弾性値について少し質問がありました。なんで1.1なんだということがありましたけども。ちょっとそこを解説してもらえますか。
村井:そこはですね、1.1っていうのは実は財務省内でもいろんな議論があって、これは70年代の数字なんですね。70年代の平均が1.1で、それをいまだに使っていて。
ここは財政をあずかる立場からすると、経済が成長したら税収がこんなに増える、それは無責任じゃないかというような考え方におそらく基づいていて、1.1をこれまで使い続けてきたのだと思いますが、足元は実は3.7というのが税収弾性値になっておりますし、この15年間の平均も4.7ですね。なんでそういう意味からいくと、若干、1.1というのは堅すぎる数字かなと思います。
小林:それをあえて堅くやったのは、何か理由があったんでしょうか。
山本:もう、どんなところから批判されても大丈夫なように。堅すぎる試算でやっても大丈夫ということを言ったうえで、より現実的なところでいえば、充分大丈夫と言える、ということを示したわけであります。これで財務省もぐうの音も出ないんじゃないかと、私たちは思ってますけど。
小林:実際に今日、一緒に安倍総理のところに行かせて頂いたわけですが、その反応というものはどうだったか、ちょっとお話を。
山本:ご報告したいと思いますが、安倍総理はたいへん力強い提案をいただいて、感謝しますということでありました。その時に総理が言っておられたのは、第2次安倍内閣の経済政策というのは、これしかないというものを打ち出してやってきたんだと。したがって、後戻りはできない。
それで、デフレ脱却経済再生と、財政再建の二兎をしっかりと追っていくんだということを、改めて表明されました。こうしたなかで、若手を中心に勉強会を続けてきてもらって、こうした成果をだしてもらったことを、大変嬉しく思うと。
特に、プライマリーバランス半減目標は達成出来る、あるいは福祉充実財源は延期しても大丈夫だという、この村井試算には大変興味があるということで、財務省はいったいどう言うだろうかなと笑っておられました。
まあいずれにしても、すでに始めている福祉の施策もあるので、これをどう賄っていくかは非常に大事なことだと。是非この会の提言をよく検討して、そして今晩中にはしっかりとした判断をしていきたいと。そういう反応でございました。
小林:力強い反応をいただいたということなんですが。いろんなご質問があればどんどんコメントいただいて、それにお返しをしていきたいと思います。
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