
2025.02.12
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浜村弘一氏:日本でも、eスポーツはいろんな問題がありながらもすごく人気は上がってきています。『ストリートファイターⅤ』がすごくて、9月に行われました東京ゲームショウではブースの中で大きなステージを2つ作りまして、そこでeスポーツのコーナーを作ったんですね。
ここでも『ストリートファイター』をやったんですけれども、ぎゅうぎゅう詰めの1,000人の人たちが立ち見も出てずっと観戦してくれていました。ほかにも『Call of Duty』や『ウイニングイレブン』などという、eスポーツのタイトルにふさわしいタイトルもすごく並んだんですけれども。
ほかにも『モンスターハンター』とか『パズル&ドラゴンズ』といった、eスポーツというよりどちらかと言うと協力プレイとか、自分たちのスコアを競うというみたいなゲームも入ってきていますね。
世界のeスポーツとはちょっと違う、日本ならではのeスポーツ。こちらにも同じく900名近く人が集まって、立ち見もでるような人気が出ました。なかなか日本ではeスポーツが流行っていないイメージですけれども、やってみるとすごく人が集まるという環境が実はあるんです。
東京ゲームショウでは会場に出てきたソフトの中で、みなさんが「これは今後期待できるね」というものに投票するシステムがあるんですね。それがフューチャー賞というものです。
東京ゲームショウの日本ゲーム大賞フューチャー部門を12年、15年、17年と並べてみました。2012年のころは、『モンスターハンター4』。
実は『モンスターハンター』というのは、自社で大会をやっています。1匹のモンスターを2人で倒すスコアアタックですけれども。それで優勝賞金が出たりするんですけれども、そういうところの中に1つだけeスポーツのタイトルが入っていました。
2015年はというと、同じく『モンスターハンター』が1つだけ入っていました。ところが、昨年の東京ゲームショウフューチャー部門で言いますと、なんと4つものタイトルがeスポーツとして人気を集めているタイトルとして注目されていますね。
1位は『ディシディア ファイナルファンタジー NT』、『ドラゴンボールファイターズ』は格闘ゲームですね。『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)』はPCのゲームです。『モンスターハンターワールド』もここに入っていました。
10本中4本がeスポーツイベントで使われるタイトルということで、ここにきて急激にeスポーツで楽しみたいというタイトルが増えてきたんですね。中でも『PUBG』なんて、PCのゲームが東京ゲームショウの家庭用ゲーム機の祭典に入ってくるという、すごく異例中の異例でした。
日本のeスポーツです。着実に盛り上がってきているんですけれども、この中に入っていないタイトルで、eスポーツとして非常に盛り上がっているタイトルが1つあります。
こちらのデータはSwitchの売上データです。本当にSwitchは大人気で、ものすごく盛り上がっているんですけれども。この販売推移というのは、見ていただくと最初のころはWii Uとあんまり変わらなかったんですね。
でもWii Uと同じと言いながらも、Wii Uって年末発売なんですね。Switchは3月発売。12月は一番ゲームが売れる時期なので、それをあえて外してもWii Uより人気があったと。
さらに言えば、Switchを買おうとした方みなさんそうだと思いますけど、まったく買えなかった。品切れだった。任天堂も、ここまで売れると思ってなかったという状況がありました。
増産に増産を重ねて、世界中、アメリカでもぜんぜん買えなかった。ヨーロッパでも買えなかったんですが、ようやくアメリカは11月、日本は12月になってハードが揃うようになってきた。
ということの中で、ついにWii、任天堂の過去のハードの中で最も売れたハードに近いところまで、売れ行きが伸びてきたという状況が生まれてきました。とくに真ん中あたりから急激に伸びているんですけれども、これを支えたソフトはなんであったか。
言うまでもなく、『スプラトゥーン2』ですね。eスポーツのタイトルとして非常に人気がある『スプラトゥーン』ですけれども、これは『スプラトゥーン2』のプロファイル分析なんです。
見ていただくと、73.9パーセントの方が男性、女性が4分の1になると。しかも年齢層で言いますと、10代とそれ以下の方がものすごく多いんです。
これは、実はeスポーツの特徴なんですね。eスポーツというのは、先ほどのトーマス・バッハのコメントにもありましたけど、若い世代が非常に食いついているというところで人気があるタイトルです。
こういう分析があるんですけど、実はこれって任天堂にとってみれば、このプロファイルは非常にめずらしい状況なんですね。3月にSwitchが発売になったときどういう状況だったかというと、これです。
任天堂のハードって、そもそもこういうプロファイルなんですね。男女の差があまりないんです。男性も女性も、同じように任天堂のハードを楽しむ。ファミリーで楽しんでもらうということが、任天堂の1つの目標なんです。
さらに言えば、これは横になってるんですけど、縦にしてもらうとフタコブラクダ型。M字型。10代と40代の方に大きくて、真ん中のコア層って実はへこんでいるというのが任天堂の典型的な例なんですね。
40代と10代という、いわゆる親子で楽しむゲームハード、ファミリーで楽しむゲームハードというのが、任天堂のどのハードもこのパターンになっています。
20代が急激に多くなってるのは、ロンチタイトルに『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が入ったから。非常にコアなゲームだったのでこうなってますけど、本来ならもっとM字なんです。
このプロファイルが、『スプラトゥーン』が出たあとどうなったかと言うと、こういう状況ですね。男性層が大きく増えて、10代がドーンと上がったと。今までの任天堂ハードにないようなプロファイルとなってしまった。
歴史のある任天堂のハードでもこんなことは初めてだということで、いかに『スプラトゥーン』、eスポーツがすごかったかということを1つ証明する原因だと思います。また日本におけるeスポーツの人気、もう1つ注目してほしいのは先ほど出てきた『PUBG』ですね。
さっきも言いましたけど、東京ゲームショウというのは家庭用ゲーム機の祭典、アプリの作品もいくつか入っているんですけれども、やっぱり家庭用ゲームのファンが集まるんですね。
なので過去のフューチャー賞を見ましても、PCのゲームがあそこにノミネートされるというのは、僕の中の記憶ではないですね。それくらい異例なことが起きたということです。
『PUBG』をご覧になった方も多いと思いますけれども、同じサーバーにアクセスした100人で最後の1人になるまで殺し合いを続けるという。映画の『バトル・ロワイアル』に非常に似た設定のゲームです。
韓国のゲームですね。Xbox Oneが独占タイトルということで出てきましたけれども、半年で販売台数が1,000万本を超えたと。国別のプレイ人口比で言うと、実は日本人が25.4パーセントで1位となります。
これは、PCゲームを遊んでいる方の何割が『PUBG』を遊んでいる方ですか。という質問なんですけれども、なんとPCゲーマーの4分の1がこのゲームを遊んでいたということなんです。これは世界でも一番の装着率ですね。
一般的には、PCゲームって日本ではまだまだ遊ばれる方が多くなかった。そんな中でこの『PUBG』をやりたいがために、PCを買った方がすごく多かったんですね。なので、完全なキラータイトルになってPCゲーム市場を伸ばしたということが起きたということです。
『スプラトゥーン』にしろ『PUBG』にしろ、日本の市場を変えるeスポーツのムーブメントがここに来ていると言うことだと思います。
こんなeスポーツの背景について、先ほどもご紹介いただきましたけれども、日本でも業界の団体が動きました。先ほどのお話にありました、eスポーツの3つの団体です。それがこの日本eスポーツ協会(JeSPA)、e-sports促進機構、日本eスポーツ連盟(JeSF)の3つです。
それぞれJOC加盟だとか国際大会への選手派遣、賞金大会への問題解決、いろんなことを目的にしたんですけれども。ここにきて1つにまとまるという動きが出ました。ついにそれが登記をされまして、2月1日、ついこの間です。記者会見で1つにまとまるという発表をしました。
ただまとまるというだけではないんですね。CESAとJOGAという2つの団体の支援を受けて、日本eスポーツ連合(JeSU)ができるというかたちになりました。CESAとJOGA、ここにいらっしゃる方は当然ご存知だとは思いますが、ちょっと紹介させていただくと。
CESAというのはコンピュータエンターテインメント協会というところでして、家庭用ゲーム機のIPホルダーが約170社加盟しております。KONAMI、CAPCOM、SQUARE ENIXなど、ずらっと大きなIPホルダーが並んでおります。
GREE、DeNAというのは2015年にJASGAというソーシャルゲームの団体がCESAと合併したので、こういった団体もあります。さらに言えば、ソニー、Microsoftといったプラットフォーマーもここに参画しているということです。
ではJOGAはと言いますと、日本オンラインゲーム協会ですね。ガンホーさん、ミクシィさんをはじめ、大きなゲームメーカーやIPが並んでいます。この2つの団体が支援するかたちで、今回のeスポーツ団体ができたということです。
eスポーツ団体がこうやって1つにまとまることができたんですけど、実は世界的に見てもこのような組み合わせができることってめずらしいんです。IPホルダーとeスポーツ団体が手を取り合って団体ができるって、実は非常にめずらしい。
というのは、世界のeスポーツ団体というのは、もともとは動画サイトで人気があった動画コンテンツを作った人たちが集まって、団体を作ったみたいな傾向が強いんですね。
かつての動画サイトって、けっこう著作権無視のことが多かったんです。だから今やってるけっこう大きな大会でも、かつてはIPホルダーの著作権を無視してなんの許諾もなく大会をやっているというのがけっこう起きていたんですね。
なのでIPホルダーとeスポーツ団体の仲が悪いわけじゃないですけど、ちょっと距離を置いているような感じ。例えば、『League of Legend』なんていうのはプロ選手が大会をやっているんですけれども、プロはRiotがやる大会にしか出られないんです。国際大会のIeSFがやってる大会にはプロ選手が出ない、出てはダメみたいな。
そんな中で日本はIPホルダーと一緒にやるということになったので、各所の国際eスポーツ団体は日本はゲーム大国である、しかもIPホルダーも支援できるということで、今のeスポーツの運営と一気にキャッチアップしてくれるのではないかという期待を受けています。
そのJeSU、こういったかたちで2月1日に発表会をしました。KONAMIさんとかCAPCOMさんも一緒にやってくれるということで、eスポーツ団体とIPホルダーの代表がここに写っています。
ここが目指すのは、まずはJOCへの加盟です。つまり選手の地位の向上ですね。国際大会に選手を派遣し、そこでメダルを取ってきてもらう。大活躍してもらうことで、ゲームひいては選手の社会的地位が上がるということを望んでいます。
そのためには、選手が良い環境で競技に集中できるような体制を作らなければいけません。経済的にも支えなきゃいけないということです。なのでプロライセンスを発行することで、海外に渡航しなくてもプロライセンスを持つことで、国内で賞金付き大会がいっぱいできると。それによって収入が安定するということを目指したいと言っています。
eスポーツというのは選手が主体なんですね。彼らが光を浴びなければ必ず失敗する。彼らが中心になってスターになれば成功するというのが、僕はeスポーツの構図だと思っています。それをゲーム業界全体が彼らのためにしていくべきだと思います。
それは産業構造を変えるためでもあります。こちらの図をご覧ください。今動いているお金、eスポーツの周りのお金で言うと、投資はけっこう多いんですけど。
左の色の付いている部分。この部分が賞金とかグッズの売上、アマチュアトーナメント。この分というのは興行の部分ですね。実は興行のところって、ちょっとマイナーなんです。
それでも、左の上のほうですね。スポンサー収入・広告収入が実はすごく大きな収益源になっています。これはどういうことかと言うと、eスポーツはただみんなを集めてイベントをしているだけじゃない。地上波だとかネット放送で、そこに放送コンテンツとしてスポンサーが付く。そこにCMが流れるという中で、大きなお金が動いています。
さらに選手にも協賛を付けるということで、野球やサッカーと同じような、メジャースポーツと同じようなビジネス構造になっていますね。
なんでこうなったかと言うと、今までゲーム業界ってゲームをやる人からしかお金を取ってこなかったのが、ゲームをやらない人からもお金を取るようになったという構図の現れなんですね。
eスポーツが進化する構図は、この三角形ですね。1のところを見ていただくと、最初はeスポーツというのは一般のゲームプレーヤーが遊んでいました。ところが、動画サイトの充実でゲーム実況からコミュニティイベントへと成長していきます。
メーカーさんがイベントをやって、その後に賞金付きの大会をやるとここにスター選手が生まれ、地上波とかいろんなところで放送を始める。このスター選手が見たいということで、ぐるっと下に降りて4番です。下が生まれる。
例えば野球、僕は阪神タイガースの大ファンで甲子園球場とかも行ったりしますけど、野球しません。でも、野球をしないけど野球好きな人っていっぱいいるんです。そういう人の人口は多いんです。
ゲームも同じで、自分はゲームをしないけれどもeスポーツをやっているのを見るのが好きだということが生まれたら、莫大なファン人口が増えますよね。野球で言うとカープ女子みたいな感じですね。
ファンは若い選手が大好きなので、球場に行ってお金を落とす。そんな人がいっぱい増えていけば、このお金が選手に渡るし、さらにはぐるっと回ってゲーム開発会社にも回ってくる。再投資できる環境ができるわけです。
産業の構造が変わるということです。となると、ゲーム市場の売上も変わってきます。これ一番伸びている2007年というのは、WiiとかDSが大きく伸びたときなん、ですけれども。
そこから残念ながら少しずつ下りてきましたが、PS4、それからSwitchのおかげでグッとまたもう1回上がってきました。また、オンラインゲームというのはここからずっとスマホが伸びてきました。
でもこれだけじゃなく、先ほど言いましたようにゲームをやらない人からもお金がもらえる構図が生まれるとき、これはグラフの赤いところですね。まったく違うところから収益がゲーム産業に入ってくるとしたら、おそらくそれは産業の構図が変わり儲かるということです。
「eスポーツといってもPC中心でしょ」と思われるかもしれませんが、最近では実はアプリの世界でもeスポーツが非常にいいです。日本でも『Shadowverse』人気ありますし、アプリでもライセンスを発行しているタイトルがありますから。中国と同じであれば、アプリを中心に見せるeスポーツアリーナみたいなものもでき始めています。
今後日本でもeスポーツというものが、スタジアムができ大きな人気を集めるという可能性は十分あると思います。ぜひ、日本のeスポーツ市場にこれから期待していただければと思います。ありがとうございました。
(会場拍手)
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