2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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浜村弘一氏:浜村でございます。よろしくお願いいたします。ご紹介いただきましたけど、Gzブレインという会社が去年の7月にできたばかりでして。それまではカドカワにおりました。
やっていることはずっと変わらずゲームメディアということで、ご紹介いただきました『ファミ通』を中心としたビジネスをやっております。
今『ファミ通』と言いますと、『週刊ファミ通』が今も絶賛発売しておりますが、家庭用ゲーム機を中心にしたメディアですね。それからWebの『ファミ通.com』、こちらもみなさんに楽しんでいただいております。
アプリのほうでは『ファミ通App』というサイトがありまして、こちらも非常に人気を集めていただておりまして、みんなが見てくれております。紙のほうでも、『ファミ通App Android』で出しておりまして、ぜひぜひ手にとって見ていただければと思います。
ほかにも女性向けのゲームということで『B’s- LOG』や、子供向けの『てれびげーむマガジン』みたいなものとか、攻略本とかいろんなブックを出しているんですけれども。ゲームにまつわるメディアの情報を、こういったかたちで集めては出しみたいなかたちになっております。
そんなかたちでメディアの仕事をやっております。本当にいろんな情報を集めているんですけれども、今日はそんな集まってきた情報の中からeスポーツの話を。今、ちょうど旬なのでお話しできればと思います。
まずeスポーツの市場なんですけれども、eスポーツって本当に世界中で盛り上がっていると言われているんですけれども。どんな感じの市場推移かというのを数値化したものです。
2017年15億ドル、ここから着実に数字を伸ばしておりまして。5年後には約1.5倍まで成長するだろうと言われています。
日本においては、まだeスポーツはぜんぜん始まって間もないところなので、おそらく成長率で言うともっとすごい躍進が期待できるんじゃないかなという気がしています。
日本だと露出がまだまだ少ないeスポーツなんですけれども、世界ではどれくらいの人がどの地域で楽しんでいるかというのを地図にしてみました。
こちら、eスポーツというのは実は一番大きな市場を持っているのはアジアなんですね。野球だとメジャーはアメリカだと言われていますけど、eスポーツのメジャーというのは、実は韓国です。
韓国から大きく世界中に伸びていったeスポーツなんですけれども、最近は中国のeスポーツ市場もめちゃくちゃ躍進しておりまして。大きく伸びております。もちろん、eスポーツはアジアだけじゃなくて欧米でも非常に人気があります。
こちらがほぼ同規模を持っておりまして、最近では南米のほうメキシコのほうも伸びてきています。
じゃあ日本はと言うと、eスポーツの市場規模はまだ5パーセントもないと言われているんですね。日本というと、かつてからゲーム大国と言われていました。
例えば家庭用ゲーム機で言うと、国別で言うとアメリカの次に日本が大きかったりします。アプリの世界でもアメリカ、中国の次くらいに儲かっているくらい、けっこう大きなゲーム大国でもあるんですけれども。それがeスポーツに関して言うと、ちょっと存在感が乏しい状況になっているということです。
世界中でeスポーツが活発に行われて、例えばその1つの尺度としまして賞金付きの大会があちらこちらで行われています。その額が半端じゃないんですよね。
一番有名なものと言いますか、ニュースに取り上げられるのはThe Internationalですね。こちらの大会だとValve、Steamとか運営している企業ですけど。
ここが『Dota2』の大会をやりましたけど、賞金総額が2,478万ドル、日本で言うと27億円くらい。桁違いの賞金が付いていて、ほんまかいなという感じがしますが。
ほかにも『League of Legends』の大会をRiotがやったり、『Call of Duty』の大会をActivisionがやったり。自分たちのメーカーが、賞金1億円をかけて大会を開催なんてこともやっています。
また『StarCraft』や『League of Legends』など、インテル・エクストリーム・マスターズはESLがやっています。ESLというのは、eスポーツ専門の興行団体なんですね。ドイツに会社があります。それが世界を股にかけて、こんな大きな興行をやったりします。
ほかにも放送局がやったりというパターンもありまして、IPホルダーからプラットフォーマー、さらには興行団体、放送局までありとあらゆるかたちでeスポーツを興行化し、放送コンテンツとして盛り上げているという状況があります。
賞金も、1億円出るなんて普通にあるんです。では日本はどうかと言いますと、日本でも最近だいぶがんばってきているんですけれども。例えば有名なところで(eスポーツ大会の)RAGE、1,000万円の賞金がかかりました。CyberZさんがやってますよね。
あと『League of Legends』、日本に乗り込んできたRiotさんが代表をやっていますが、なかなか賞金が付かない。
ほかにも『モンスト』、『ストリートファイター』とかいう大会がありますけれども、『モンスターストライク』はがんばってお金をいろんなところから集めましたけれども、こういったかたちで言うとなかなか賞金付き大会は日本でできないんですね。
手前味噌な話ですが、今週末に幕張で闘会議というのをやりますけど、賞金総額1,000万円大会がいくつかありますが、これまでなかなか高額賞金というのは出てこなかったのが現状です。
なんでこんな現状になったのかというと、ある意味日本は人によっては「PCゲームの市場が少ないからだ」とおっしゃる方もいるんですけれども。それ以前にいろんな法規制がありまして、なかなか大会をやろうと言っても前に進まなかったところがあるんですね。
例えばコミュニティ大会、小さなコミュニティですね。商店街とかで「ゲーム大会をやろうよ」と主催します。運営費として、観覧者とか参加者に「お金を5,000円ずつ出してくれない?」というかたちで、まとまったお金を作って大会をやる。
せっかくだから賞金を付けたいと言って、「優勝したら3万円あげるよ」とかいう話になると、これは刑法賭博罪といきなり言われまして(笑)。「参加者からお金を集めているというのは、胴元になっているのも同じだからダメよ」と言われます。だから開催ができない。
じゃあ「お店に頼みましょうか」とか「店舗でやってもらえませんか?」ということで、ネットカフェに頼むとする。ネットカフェは、「やるなら大会をやっていいですよ」と。
「集客もできますし、なんだったらうちのお客さんにもなってもらえるのでぜひやりましょう」と。「もちろん参加費はいりません、みなさん無料でやっていただいてけっこうですよ」と言います。すると賭博罪には問われません。
「せっかくだから賞金をうちが10万円くらい出しましょう」とした段階で、実はネットカフェが風営法の対象になってくるんですね。敷地内でゲームができるハードを、25パーセント以上かな? 置いてあったら、そこは風営法対象になる。そこで賞金を出すことはまかりならんという状況がある。
もっと大きなパターン、ゲームメーカーさんはソフトが売れれば儲かるわけだから、じゃあメーカーさんが出してくださいよというパターンが1つのパターン。
アメリカだと『Call of Duty』のActivisionが1億円出しますよ、『League of Legends』のRiotが1億円出しますよと。1億円出すという話の中で海外では普通によくある話なんですけども、個人より大きな規模の大会をやりましょうというかたちになってくると、不当表示防止法ですね。取引には税制があるので、それはできませんという話。
10万円の賞金しかできないみたいなことがけっこう続いていたんですね。こんな状況がずっと停滞していた日本なんですけれども、とはいえ世界のeスポーツオーディエンスはすごく盛り上がっています。
そんな日本の停滞を横目にどんどん進んでいったeスポーツ、国際競技大会というのが行われようとしています。これが直近で行われる大会ですね。アジア大会とオリンピックの中にも出てきました。
今年の2018年、アジア競技大会がインドネシアで行われます。ジャカルタですね。実はこのインドネシアのジャカルタの大会ではeスポーツが、公開競技参考種目としてゲームが行われるということがすでに決まっています。
日本を飛ばしてアジアの中国ですね。中国の杭州では、すでに正式種目としてeスポーツというものを種目の1つとするということが決定しています。またその先には、名古屋でもアジア大会が行われるんですね。この流れでいくと、おそらくアジア大会ではeスポーツというもの、ゲームが競技としてここに並ぶという可能性があります。
アジア大会とはいえ、なかなか「盛り上がるの?」みたいな感じ。やっぱり国際大会というとオリンピックですよね、という感覚はあると思います。じゃあオリンピックはどうなのかと言うと、実はeスポーツの話がけっこう出始めているんですね。
2024年のパリで、eスポーツが種目になるという話があります。ほんまかいなと思われるかもしれませんけど。IOCの会長のトーマス・バッハさんはこうコメントしています。
「2024年の開催はパリ。ゲームはミレニアル世代の新スポーツとして受け入れられています。その一方で注意が必要です」と。かなり具体的な突っ込んだ話をしています。
「差別、バイオレンスがない平和を維持していくうえで、ゲームと相性が合わない部分があります。そこは明確な線引きをしていく必要がありますね」という話をなさっているんです。
どういうことを言っているかと言うと、そもそもオリンピックというのは平和の祭典。戦争とかいろんな紛争がある中で、それはスポーツで決めていきましょうよ、みたいな話があった。じゃあ平和の祭典だって言って、『Call of Duty』をやったら意味がないわけですね(笑)。
おそらく勝負に関して、例えばサッカーゲームだとか野球のゲームみたいなものはどうでしょう。パズルゲームなんかどうですかね、みたいな具体的な話がコメントとして出ているということを聞くと、本格的にオリンピックでeスポーツが扱われるんじゃないかなというような期待が高まります。
当事者であるフランスはどんなことを考えているかと言うと、こういった話があります。ここにきて、フランスの政府はeスポーツ選手を守る法律を制定したんですね。まさにオリンピックを意識しての状況だと思うんですけれども。
「eスポーツ選手との契約は最低でも1年、最長で5年の期間を基準としましょう。12歳以下の選手は公式戦への出場は認められません」といった、こちらもかなり具体的な話が出ているということですね。
これを見ていると、オリンピックでテレビゲームが採用される、競技として使われる可能性は十分にあるのではないかなという印象を受けます。
そんな国際競技大会、日本人が出たらメダルが獲れるのかな? という話があります。さて、どうでしょうか? 日本人選手、実はけっこう海外で活躍しているんですね。
EVOという、非常に有名な格闘技ゲームの祭典として人気がありますけれども、2017年7月に開催された世界大会EVOで、『ストリートファイターⅤ』という種目がありました。そこで日本のときど選手が優勝しました。東大卒のプレーヤーとして、けっこう有名になりましたけれども。
この部門では日本人選手が過去にも優勝したことがけっこうありまして。今回の決勝トーナメントでも、なんと上位8人中5人までは日本人選手だったという話があります。
ある意味格闘ゲームって日本のお家芸なんですよね。こうやって種目となって、オリンピックで金メダルを取って帰ってくる。最近で言うとボルダリングが種目ですって言われたときに、「へ~、東京五輪でボルダリングをやるんだ」って。
ついこの間まで壁に登る遊びかなと思っていたものが、いきなり種目になりました。しかも同じように選手がメダルを取るかもしれないとなると、俄然沸き立ちますよね。こういうことがゲームで起きるんじゃないかということだと思うんですね。
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