2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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平将明氏(以下、平):今日のコメンテーターは築地魚河岸3代目、旧内田派、原告代表、著述業、生田よしかつさんです。これカタカナなんですね。今日のゲストは、中国人民大学国際事務研究所客員研究員の中川コージさんです。よろしくお願いします。
生田よしかつ氏(以下、生田):ところで中国と言えば、近平独裁になるんだね。この間習近平が……。
平:習近平さんね。独裁というか任期がなくなるんでしょ。
生田:任期がないって独裁じゃない。
平:でも、どこだって実際みんなずっとやってるもんね。日本みたいにコロコロ替わるところはないので。
生田:ああ、まあね。
平:これは日本も本当に考えなきゃいけないんだけど、安倍総理は大変ですよ。トランプさんとか習近平さんとかプーチンさん相手に(笑)。
生田:本当だよね。
平:情報機関もないし、いろんな憲法上の制約はあるし、これで対抗するのは大変ですよね。これから、まさに中国の話をしてもらいますが、まさに全人代が今日から始まるということで、ここで大きな変更もあるんじゃないかなと言われておりますので、今日は中川さんにじっくりと、みんなの知らない中国の話をしてもらいましょう。
一同:イエーイ。
平:はじまりはじまり。
中川コージ氏(以下、中川):今日は紙芝居形式ですね。
生田・大澤咲希氏(以下、大澤):楽しいー。
中川:これね、「お昼の知っチャイナ!」ということで、ダジャレです。単純に言うとね。
平:ダジャレなの?
中川:ダジャレです。シャレではない。
平:やっちゃいな、みたいな感じ。
中川:そうそう。これは夜にやってた山本一太先生の番組では『今夜の知っチャイナ』というのをやってますので、今度はお昼ということで、『お昼の知っチャイナ』ということでやってます。ここにも書いてあるように、親中でもない。
平:二階さん(二階俊博自民党幹事長)ですね。
中川:いやいやいや余計なことを挟まないでください(笑)。書いてないですよ。嫌中でもない、まずは知る中国で「知中」にということで。戦う相手だからこそ、とりあえず相手の弱いところと強いところを両方知っておきましょうということです。
平:大事です。
中川:日本だと、弱いやつほど多いんですよ。「中国ってここだめなんじゃないの」とか、そういうことが多いんだけど。
生田:すぐそういうこと言うよね。
中川:そこじゃなくて、まず相手の強みを見たほうがこちら側としてはいいんじゃないか、と。でもね、強みを言ってると「中川は親中派じゃん」と言われるので、もう敢えてね。
平:二極対立構造にみんなもっていきたいんだよね。
中川:急に戦うための最終兵器としてね。
平:相手を知らないとね。
生田:俺は、1回韓国をかばったことがあって、それ言ったら朝鮮人だって書かれてさ。困っちゃうよ。まあいいんだけどね。
中川:叩かれまくってますね(笑)。まあだから一応紹介だけ。オープンエントリーだよね。咲希ちゃんと同じ慶應大で、北京大学で日本人初の経済学博士。これちょっと頭良さそうだけど、実際には相当助けられました。
生田:北京大学!
大澤:頭良さそう。
中川:いろんな方に助けられました。今研究しているのはAIとかコンテンツ産業とか宇宙開発とか。あと安全保障に絡むサイバー戦略を見ています。ということで、人民大学でゼミを持ったりとか。でも基本のベースはここですね。ゲーマー・SF好き・オタク・経営学博士。それで、今日はここはですね。
平:(Alibabaの会長の)マーさん! 大事ですね。
中川:そう、大事なんですけど。今日はどっちかというとメインというより、まずこんな感じでサラッと「中国は今こんな状況だぞ」というのを説明しようと思います。前も先生と雑談をしたときに……。
生田:達磨院。
大澤:ぜんぜん知らない!
中川:そう達磨院。これはAlibabaの会長のマーさん。
平:でも達磨院とか言うと、拳法とかやる総本山とかそんな感じがするよね。
中川:そう、だから達磨って向こうでもまさにそれなんですけど、どっちかって言うといわゆる達磨大使。
平:達磨大使……。
中川:中国でも徳が高いというところであります。AlibabaのCEOのジャック・マーさんがやっていると。これはNASAを超えるという野望で、AIだけの研究センターということでやってますね。
大澤:すごーい。
生田:民間で2兆円。
中川:実際には1千兆人民元……今のレートから言うと、1兆7千億円かな。日本円でいうと、まあだいたい2兆円弱。民間でですよ。
平:これしょっぱなのファンドというか、ファンデーションが2兆円ということですよね。
中川:そうですね。3年間で2兆円なので、実質1年間では、ということにもなるんですけど、それでも1兆ですからね。
生田:それだってすごいよ。トヨタのアレ(時価総額)が書いてあんじゃん。
中川:ちなみにこれは時価総額が書いてあって、ちょっと1ヶ月前の時価総額なので、今は若干違うんですが。国内では当然ながら、トヨタが日本で一番ですよ。
それで、これ(Alibaba)が時価総額2051億USDに対して、あるいは5167億USD。2倍をぜんぜん超えている。だからいわゆる日本の根幹になるような産業のトヨタ自動車よりも2倍以上の時価総額。世界の株価バリューとしてはすごいですよ、ということをお伝えしたくて書きました。
平:すごいことになってるんですよ。これ実は、この間のダボス会議で7シスターズと言われていて。昔は石油元売り会社の7シスターズというのがあったんだけど、「世界の7シスターズ」と言われてるのどこだかわかる?
生田:わかるわけないじゃない。
平:Facebook、amazon、Google、Apple、Microsoft、でAlibabaとTencent。これが7シスターズですよ。だから、世界を動かす7つの企業、すべてこの7シスターズは時価総額50兆円超えなんですよ。そのうちのなんと7つのうち5つがアメリカで、2つが中国。その1つがAlibabaですね。
中川:そうですね。先ほどTencentって聞こえてきましたけど、これがBATJというやつで、会社の頭文字なんですね。中国といえばBATJ。昔はBATだったんですけど、Jが加わってきて、Baido、Alibaba、Tencent、JDというこの4つの会社が大きいネット企業として……。
生田:ジンドン?
中川:京東。
生田:うまいねえやっぱり!
平:そりゃそうでしょ!
中川:うまいでしょ(笑)。ちょっと勉強したんです。この時価総額で言うと、実は先ほどのAlibabaよりもTencentのほうが上なの。Tencentは、日本ではwechatですか。『微信』というメッセンジャーアプリが、たしか6~7億ユーザーが使っているという。
生田:え、wechat?
中川:6億、7億ユーザーですよ(笑)。すごいでしょ。それが要は、先ほどおっしゃったように7つに入るくらい大きい。だからA(Alibaba)・T(Tencent)に関してはこの中でさらに大きい。Baidoというのは、検索エンジン大手で百度(Baido)。だから日本でいう「ググってみなさい」というのが向こうでは「Baidoってみなさい」みたいな言い方をするわけです。
平:中国はググれないので。
中川:「百度ってみよう」ってみんなで言うんです。
大澤:使えないんですか!?
平:そう、使えないよ。
中川:使えない使えない。Googleは使えない。FacebookもTwitterも中国では使えない。
大澤:そうなんだ!
生田:知らなかったの!?
大澤:やばい(笑)。
中川:それも出てきますから。
生田:LINEも使えないからwechatで……。
中川:お待ちください、それは出てきますから。
平:焦らない焦らない。
生田:知ってることなんでも言いたくなるから。
中川:とりあえず今、向こう(中国)の強みをバンバン紹介しているところですから。天宮計画、嫦娥計画。これちょっと難しい字ですけどね。テンゴンと中国では読みますが、要は宇宙計画なんです。天宮というのは中国独自の宇宙計画。
嫦娥は月面探査計画でスペースコロニーというか、宇宙に有人のコロニーを作ろうという野望をもった計画です。もともとは、「そもそも宇宙ステーションなんて国際宇宙ステーションのISSがあるのに中国だけでできるわけないじゃん」と。「月面なんて中国だけで行けるわけないじゃん」と20〜30年言われてて、行っちゃうの。
生田:行っちゃうんだ。
中川:もう行っちゃうの。中国も独自宇宙ステーションを作る。まさに日本で国際宇宙ステーションって誰がメンテナンスするのとか、どの国が負担するの、アメリカ? ロシア? とかいろいろ言っているなかで中国は自分でやっちゃいました。
生田:俺やるから。
中川:そう、俺やるから、と。一人でやっちゃうというおそろしさ。今年は人類未踏の月面の裏側に中国は行くという。これもなかなかおそろしいですね。これは共産党式ビッグデータですね。これは言ってた「ハロー、極東のビッグブラザー」。
先ほど(中国でGoogle等が使えないことを)知らないとおっしゃってましたけど、要は中国国内でガラパゴスにしたいんですよね。外からもアクセスできないし。というか、実際には中から外にアクセスできない。
TwitterとかFacebookがアクセスできないのと一緒で、中国内での情報統制をするために中国共産党がその管理(下)に情報やインターネットを置いた。ということでビッグブラザーというとちょっとわからない方もいる。
オーウェルの小説(ジョージ・オーウェル『1984年』)に出てきた、未来の管理社会ですね。ディストピアを扱った未来の管理社会。そこに出てくるような極東のビッグブラザーというのが、共産党式ビッグデータとして集まっている、ということで出てきました。
生田:AIは共産党と相性がいいって言ってたもんね。
平:AIとかSNSとかデジタル通貨とかね。
大澤:wechatとかは政府が情報を持ってるんですか?
中川:全部。今表沙汰には言ってないけど、要はskypeとかwechatとかいろんなメッセンジャーアプリを全部含めて、政府の検閲システムの中に入っているので、全部が見られてるわけですよ。
生田:俺のwechatも見られてるの。
中川:見られてる、見られてる。
平:生ちゃんなんか完全に中国政府に監視されてる可能性あるよ。
生田:やっぱし?
中川:僕のアカウントとつながってるから。
生田:柏で働いてる中国人とwechatやったの。今度やきとり食いに行こうねって。
中川:そっちは大丈夫だわ(笑)。やばい人と繋がってるアカウントは、当然たぶんマーカーがあるんだよね。僕なんかこんなことやってるからその辺は気をつけながら。やる人のアカウントに繋がってるから。
生田:ハニトラ(ハニートラップ)に気をつけなきゃいけないんだ。
中川:会話してるのは、筋肉の会話しかしてないけど(笑)。
平:ハニトラまでのコストは向こうはかけないね。
生田:かけないね。でも俺は転ぶよ。
大澤:wechatは民間ですよね?
中川:民間。
大澤:民間なのに。へえー。
中川:民間だけど、中国国内で。Googleがなんで1回撤退したかというと、中国の政府の情報を取るという方針に反対するということでGoogleは撤退したんです。だから中国内で使えなくなったんだけど、10年くらい経って、結局また(Googleが)AIセンターを去年北京に作ったんです。
大澤:なるほど。
平:マーケット大きいしね。
中川:だから結局、負けたというかね。やっぱり中国に入るということをGoogleが決めちゃったということだね。
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