2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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佐藤航陽氏(以下、佐藤):昨日ちょうど話してたんですけど、けっこう世の中って物理空間に制約を受けてるじゃないですか。私たちの脳みそが。例えば、亀山さんが亀山さんでありながら、伊藤さんであることってできないじゃないですか。でもネットだったらあり得ますよね。インスタはぜんぜん違うアカウント名、違うキャラクターで運営していると。Twitterは違うキャラクターで、またNewsPicksでは違うキャラクターでという。
亀山敬司氏(以下、亀山):確かに。Web上には俺の人格がいくつも置けるってことね。
佐藤:(いくつも置けるし)重なっているじゃないですか。それが有り得ているので、もしかしたら現代の問題っていうのは、重なって存在するっていうことがまだ認識できていないからなんじゃないかなと。
亀山:だんだん難しくなってきたぞ(笑)。
佐藤:今の論争って「AかBか2択どっちか」って話が多いじゃないですか。(例えば)法定通貨なのか仮想通貨なのか。これってたぶん、300年前位に人間がそのAかBか、物理空間に制約を受けながら思考してきた癖だと思うんですよね。でもネットがあって(AとBが)重なっていることがあり得るってことがわかってくると、たぶんこの考え方って壊れてくると思うんですよね。どちらもあり得るじゃん、重なって有り得るじゃんと。
だからもうちょっとアップデートしていくと、社会のあり方っていうのは多様になっていって、何層も何層もできてくるので、今のバトルとか対立構造っていうのは消えていくんじゃないかなって。もしかしたら、私たちの脳みそのほうがまだ古いんじゃないかなと。現実世界にアップデートできてないんじゃないかなって思いましたね。その本(『お金2.0』)に一部そういうことが書いてあります。
亀山:やっぱり読む気なくなってきたなぁ(笑)。
亀山:でも今の中でいうと、例えば、仮想通貨なんかもこれから国家マネーと仮想通貨みたいな。国家と関係ないマネーみたいなものも同居していく感じになってくるようなイメージなの?
佐藤:そうですね。アフリカ(のお金)よりもぜんぜんビットコインのほうがまだ信用があるような気がするんですよね。小国よりかは。日本円とか米ドルに比べたらぜんぜん弱いですけどね。
亀山:ジンバブエドルよりは信用があるよね。もともと貨幣って、国家が出してて信用できるから紙切れでも価値がある。それよりも、みんなが見張ってる仮想通貨のほうが信用ができるってなればそれで価値ができるんだろ? もう信じたもん勝ちみたいな。
佐藤:おっしゃるとおりです。なので「共同幻想」っていう言葉を使ってますけど。本の中では。
亀山:また難しいこと言うね。そんなこと言うから誰もわかんないんだよ(笑)。
佐藤:全員が信じているとそれが実現しちゃうっていうのが世の中の仕組みだよねと。それは何で作るかで、国家の場合では武力とか経済力で作っていたのが、今回のビットコインだとテクノロジー。その情報処理するプロセスですよね。だから、別に何でもあり得るよねっていう話です。
亀山:ちょっと離れるかもしれないけど、例えば、金融政策とかってよくあるじゃない。国がコントロールして経済をよくしようっていう発想があるんだろうけど、最近の日本とかはどんどん株価が上がったりとかするじゃない。でも、いきなり儲けるパワーが上がったとは到底思えないわけよ。
どっちかというと、大してどこの会社もいきなり良いもの作り出したとか、良いサービスができたとは思えないのに、そこ(株価)だけ上がってるじゃない。日銀が買ったりとかいろいろしてるからなんだろうけど、どっかでおかしくなんないのかな?
佐藤:なっているんじゃないですかね。っていう話も一応本に載っていて、いわゆる「消費経済」って言われる、人がお金を払って労働して回る経済とお金からお金を稼ぐ経済っていうのはルールが違うじゃないですか。
今回盛り上がっているのは、金融経済というか資産経済というか、お金からお金を作る経済だけなので、そういう意味では、あまり私たちの消費とか労働には影響を与えてないよねという。
亀山:それでも景気良さそうな感じで話しされてるけど。
佐藤:働いたり飯食ったりするところはあんまり変わってないんですよね。
亀山:無理やり株とか土地とかの値段が上がっていって、後々おかしくなんないのかね?
佐藤:感覚的にいうと、消費経済と金融経済って言われる、ジャブジャブのマネーで回っている経済っていうのは、だいたい1:9ぐらいの割合かなと思っていて、これが1:20とか1:100になってくるとおかしくなってくるんだろうと思いますね。支えられなくなってくるっていう。
しかも金融経済って、いわゆる消費経済がないと生きれない影みたいな存在なんで、影のほうだけでかくなっていて、実態の実の部分が小ちゃくなってくると、バランスが悪くなってくるんですよね。
亀山:経済って良いときと悪いときがあるけど、悪いときに国がフォローして、良いときに冷やし水を与える感じで、ボラというか曲線を弱くするのが大事かなと思うんだけど。国が稼げるわけじゃないじゃん。
もともと民間が稼いでいると。国がやるとしたら(経済が)悪すぎたら公共事業をやろうとか。みんなが元気ないときには公共事業をやるけど、調子いいときはちょっと貯金(納税)させるみたいな考え方だと思うんだけど。
無理矢理ないところから株価を上げてると、経済が良くなっていないのに良く見せようみたいな感じになっているような気がするんだけど。そんなことしてたらなおさら混乱するんじゃない?
佐藤:止むを得ないんじゃないかなと思っていて、今の状態って老人がレッドブルを飲んでいる状態だと思うんですよね。けっこう体にガタがきていて、本来であれば野菜食ったりとかビタミン食ってゆっくり治さなきゃいけないんだけれども、寿命がもうなくなってきていて限界がきていると。それで強制的に短期的に元気づけるためにはもうレッドブル飲むしかねぇなと(笑)。
亀山:レッドブル飲んだらワッとお年寄り走るけど、その後死んじゃうじゃん。
佐藤:かなりドーパミン出して、無理矢理走らせている状態だと思いますね。
亀山:でも結局、なんでそんなことやるかっていうと短期的にでもレッドブル飲ませて走らせたほうが選挙に受かるとか、そういうことなのか?
佐藤:それ以外に道がなくなっちゃっているんじゃないですかね。全員もたないんじゃないですかね。
亀山:レッドブル飲み続けろってこと?(笑)。
佐藤:たぶんそこで働いている人々は、国の経済や未来に期待が持てなくなってきている。なので、強制的に未来とか期待を作り出すためにあれをやっているんじゃないかなと。だから最後の奥の手ですよね。
亀山:奥の手を出しちゃっていいの?
佐藤:全員世界中の人が奥の手を切っているので。
亀山:みんな奥の手を切ったらどうなるのかね?
佐藤:次は違うパラダイムに行かなきゃいけないっていう時期だと思いますね。限界がきている。
亀山:今後のお金はどうなっていくの?
佐藤:今の情報と同じような扱いになるような気がしますね。今って情報のありがたみってあんまりないじゃないですか。昔ってすごくあったと思うんですね。「この本を手に入れた」とか「この雑誌を手に入れた」とか。うれしかったじゃないですか。
亀山:昔なんか小ちゃい文庫本を持って、旅に出たら日本語の本が手に入らないから、大事に大事に隅々読んだよね。新聞を見つけただけでも全部読んだから、お年寄りの俳句まで読んでたよね。文字に飢えてたから思いっきりいろいろな分野を読んだけど、今なんか山ほどあって「何を読まないか」っていう話じゃない。それでいうと、お金もそんなふうになっていくってこと?
佐藤:なっていくような気がします。
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