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小池百合子都知事 豊洲市場開場日に関する記者会見(全1記事)

【全文】豊洲市場オープンは来年10月11日に決定 2年の遅れに小池都知事「必要な時間だった」 

2017年12月20日、小池百合子東京都知事が会見を開き、移転が延期されていた豊洲市場の開場日が2018年10月11日に決まったことを発表しました。

豊洲市場の開場日は来年の10月11日に決定

小池百合子氏(以下、小池):急なお呼びかけでございますが、築地市場の豊洲市場への移転・開場日がまとまりましたのでお知らせをさせていただきます。

本日、築地市場におきまして新市場建設協議会を開催をいたしまして、豊洲市場への移転、そして開場日につきまして業界団体のみなさまと協議を行いました。その結果、平成30年の10月11日、木曜日でありますけれども、この日に開場をするということで合意が得られました。

そして、この日程ですと都といたしましても円滑な移転準備を進めることができると考えておりまして、市場の開設者として、東京都として正式に、来年の10月11日を豊洲市場の開場日として決定をいたしました。

本日の決定にいたるまでには、業界団体におかれまして精力的な意見交換を行っていただきました。また意見集約がその結果はかられたものでございます。この間の業界のみなさまのご努力、ご尽力に心から感謝を申し上げます。

そして、今後、豊洲市場のさらなる安全性の向上を図るために、将来のリスクに備えて追加対策工事を着実に実施をしてまいります。また、今回の追加対策工事をご指導いただきました専門家会議による確認がございます。そして、そののち農林水産大臣の認可手続きがございます。

これら一連のステップを経まして、しかるべき段階で、安全安心な市場であるということにつきまして、私から発信をさせていただくこととなっています。

また市場見学会、近々では12月23日に行いますけれども、見学会や各種のイベント、それからさまざまな場面を通じました情報発信など、風評被害の払拭に向けました取り組み。「いや、むしろ豊洲がこんなにすてきなところである」ということなど、効果的にアピールをするということでございまして、都民、そして市場業者のみなさまの理解と安心につなげていく所存でございます。

こうした取り組みに私自身も積極的に関わってまいりますし、また豊洲市場でございますが、品質・衛生管理の強化、効率的な物流の実現といった、産地、そして顧客のみなさんや消費者のさまざまなニーズに対応できる、そんな機能を備えている豊洲市場をしっかりと育てていきたいと思います。

築地市場を日本の中核市場に

そして、豊洲市場は日本の新たな中核市場として育てていくということでございます。

また、この豊洲市場の移転に伴いましては、地元の住民のみなさん、そして江東区のご理解・ご協力があってのことでございます。引き続き、さまざまな課題への対応やご要望の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。

そして、千客万来施設事業、それから豊洲ぐるり公園、屋上緑化広場など、さまざまな魅力も活かしながら、江東区とも知恵を出し合って活気や賑わいを生み出す。そのことによって豊洲市場を地域の誇れる施設としていきたいと考えております。

年内に開場日が決定をいたしました。1つの節目を迎えることができたと考えております。

開場まではあと約10ヶ月となりますけれども、今後本格化いたします移転の準備であるとか、それから新たな市場の運営に向けましたさまざまな調整にあたりまして、業界のみなさま方のご理解、そしてご協力をいただきながら、スピード感を持って前に進めていく所存でございます。

その上で業界のみなさま方と力を合わせまして、新たな豊洲ブランドを構築してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

ということで、平成30年10月11日を移転・開場日と決定いたしました。そのご報告とさせていただきます。

千客万来施設について

記者1:産経新聞のオオイズミです。移転日について合意をはかられて、本日、江東区の区議会でも一定の理解が得られたという流れがあったと思うんですけれども、先ほど冒頭発言のなかで触れられていた千客万来施設については、万葉倶楽部がいろいろ懸念を持っている。

その懸念の払拭に向けてネックになっているのが、築地の再開発の検討状況があまりよく見えてこないので、万葉倶楽部としても動きづらいということがあるかと思うんですが、そのあたり、万葉倶楽部にはどのような説明をされていくのでしょうか?

小池:豊洲の賑わいを確保するという点で、これまでも千客万来施設の開場ということについて、(万葉倶楽部へ)真摯に対応させていただいてきたところでございます。これから豊洲でもいろいろな開発がさらに行われることとなるわけでございます。

いろいろと新しいファクターも出てくるかと思いますが、築地については、ご承知のように築地再開発検討会議を設置をいたしておりまして、築地の魅力を最大限に活かした再開発に向けて、さまざまな分野でご活躍中の方々から、自由な発想でご議論いただいているのは、ご承知のとおりでございます。

この検討会議で築地エリアが有する、例えば浜離宮がすぐそばにあるとか、水辺の魅力であるとか、都心への近接性など、いろいろありますので、これらのことを踏まえて、築地については再開発を今後進めていくことになろうかと思います。

事業者のみなさま方にとりましては、経営としてどうなのかという観点があろうかと思いますけれども、今後とも真摯に対応させていただきたいと、このように考えております。

記者1:すみません、その検討会議なんですけれども、今自由な発想でいろいろ検討いただいているということなんですけれども、その自由な発想で検討していて「何が出てくるか、よくわからない」ということで、万葉倶楽部としてはちょっと疑念を持っている、「千客万来やりますよ」と踏み切れない部分があるんだと思うんですけれども。

小池:そこは経営のご判断だと思いますが、それに対して、やはり豊洲での賑わいの一角を担っていただくということで、都としてもさまざまな対応を万葉倶楽部にもさせていただいている、というのがこれまででございます。

開場日が2年ほど遅れた意味について

記者2:毎日新聞のハガと申します。今日、築地市場で行われた新市場建設協議会のなかで、業界団体の幹部の方からは、結果的に市場の開場日が2年近く遅れたことで、お金と時間をかけて元に戻ってしまって、「この期間は一体何だったんだ」というような発言もありました。

知事ご自身は、知事選の頃から、市場移転については一旦立ち止まって見つめ直すような旨の発言をされて取り組まれてこられたと思いますが、どのような成果、あるいは課題があったとお考えですか?

小池:基本的に私は立ち止まるということから、さまざまな点検をさせていただきました。開場したあとでそれらのことが明るみに出ていたことを考えますと、むしろ混乱を防ぐことができたのではないだろうかと、このように考えております。

そして、専門家のみなさま方にもあらためてチェックをしていただいて、建設、それから環境、両方の面から確認をいただいて、そして専門家会議のみなさま方のご提案に従って、今、追加対策工事を行っているところでございます。

むしろ途中でさまざまな課題が吹き出すというようなことで、豊洲についてクエスチョンマークが付いたまま営業するよりは、今回のようにしっかりとした対策を踏まえたうえで移転、開業日を迎えることのほうが、私はよかったというふうに、必要な時間ではなかったかと、このように考えております。

豊洲市場の安全性について

記者3:週刊ダイヤモンドのオカダです。まず冒頭、追加工事によってより安全性が確保されるというご発言がありましたけど、本当にこれで安全性が確保されるかどうか。この点を知事はどのようにお考えかということが1点。

もう1点、使い勝手の問題と、まだ改善がされていないのではないかという点は、今後の移転においてどのような課題があると知事自身はお考えなのかおうかがいしたいと思います。

小池:あとの方のご質問ですけれども、使い勝手の問題についてはこれから市場の業界の方々もこれから習熟訓練であるとか、実際にその場に行ってみて、ここを改善したほうがいいとか、これまでもすでにご要望をいただいている項目もございます。

それから実際の開場日にいたるまでの間で追加ということが出てくるかもしれません。いずれにしても、やはり新しい豊洲ブランドを作るために必要なことについては、実際にお使いになる方々のお声をしっかりと聞くということは必要だと思っています。

それから、安全性につきましては、これまでも専門家会議のみなさま方がいろいろな観点からご議論いただいてきた。そしてこれまでも科学的ないろんな検証などが行われてきた。これから追加工事が終わった後に、専門家会議のみなさんに確認をしていただいた上で、その次は農水大臣への認可申請ということになります。

私は、むしろそれこそが安全宣言そのものではないかと以前から申し上げてきたところでございます。つまり、農水省がしっかりとその点を、認可の条件は安全性の確保でございますので、それを確認していただくということになろうかと思います。

それから、さまざまな数値などですね。これについてはそれぞれ、例えば都庁のホームページで市場の欄もございます。それから場合によってはサイネージを設けるといったようなご意見もいただいております。

どういう方法が一番いいのか、これからも含めてみなさんにしっかりと公開をしていくことが必要なんだろうと思っています。

記者3:今、農水大臣の判断が事実上の安全宣言になるというご発言でしたが……。

小池:もちろん私もしかるべき時に安全宣言、まあワンワードかは別にしましても。しかしながら、農水大臣に認可を申請するということは「安全だから市場としてお認めください」という意味ですので、それこそが安全の宣言になるのではないかと思っています。

記者3:それは追加工事によって担保されるんだという理解でよろしいでしょうか?

小池:基本的にそうであります。

築地の最終営業日について

記者4:日本テレビのクノムラです。開場日が決まったということで、逆に築地市場が最後の営業日になる日が決まっていたら教えてほしいのと、すごく歴史のある市場が一旦閉じるということに向けて、都として取り組みをされるかどうかをお願いします。

小池:10月11日が開場日であるということを今日決めさせていただいたわけですけれども、実際は10月6日まで営業をいたします。土曜日ですね。そして7日が日曜日でして、10日までの4日間が引っ越しの期間になります。

それから築地は、築地といいますか、やはり年末年始が一番忙しいところだと思いますが、こうやってご同意をいただいて、来年の10月11日に移転が決まった。ということは、年末年始の競りなどを含めて、今年が築地で最後の競りなどになるのではないかと。

いろいろ感慨深い方々もいらっしゃると思いますけれども、また最後はしっかり締めくくっていただいて、そして新しい豊洲へとみなさんと共に歩んでいきたいと思っております。

環状2号線について

記者5:日経新聞のアベと申します。環状2号線についてうかがいます。今日、移転日程が正式に決まったことで、環2の地上部の道路は五輪までに間に合うという見通しになったと思いますが、移転の延期によって地下トンネルは間に合わないということになりました。

五輪の大会輸送の能力が大幅に落ちるということと、BRTが本格稼働できないので、選手村の街づくりなどに支障が出るのではないかという懸念もありますが、知事はこういうデメリットの点についてどう捉えておられるか。この点にどう対処されるか。この2点をお願いします。

小池:まず今回移転日が決まったということ、それからこれから車両基地の整備を行っていくということ、それがすなわち環状2号線の地上部が確保されるということであります。

BRTについては大会のあとということもございますが、それらについては工事の計画などでできるだけ短期間に実行できるように、さまざまな工夫も必要なんだろうと考えております。

豊洲市場の問題、きっちりと……例えば建物の問題など、地下空間が見つかったうんぬんかんぬんでずいぶん時間をとりました。当初からやるべきことをやっておいていただければ、その分の時間も短縮できたのではないかと思っております。

反対派の訴えについて

記者6:TBSテレビのタカシマと申します。今日の合意に先駆けてなんですけれども、市場の一部の反対の立場を示される方たちからは「法的手段も辞さない」という意見というか、そういう立場というのを今日の午前中にも会見で表明されました。

移転日まで10ヶ月近くあるんですけれども、スムーズに移転が運ぶよう、そういう反対派を含めてこれからどういうような意見形成をされるかをお願いいたします。

小池:誰に対して訴えられるのかについて現時点では不明でありますけれども。

例えば、仲卸業者の方々のなかには、いろんな思いをお持ちの方だということも理解をしているところでございますが、円滑な移転に向けて市場業者の方々のご理解とご協力を得るということが重要でございます。ですから、これまでも丁寧な対応ということに心がけてきたつもりでございます。

業界団体のみなさんとは、移転時期については丁寧に対応させていただいて、そして江東区との調整なども都として対応を丁寧に進めさせていただいてきたところでございます。

そういったかたちで、これから市場、新しい市場へ向けての建設的な積み重ねをしっかりと重ねていくことが、そういった懸念を持たれている方々への不安の払拭につながるのではないかと考えております。

入札の不調について

記者7:日刊スポーツのナカヤマと申します。今回ここにいたるまでの間に入札の不調というものが一因として言われておりました。さっきも各会派の要望のなかでも現在の制度は見直してほしいと要望がございました。現在まだ思考中ということではあると思うんですが、来年以降どういうふうに対応を取るつもりか、お考えをお聞かせください。

小池:今回9つの入札案件がございました。当初、不調が続いたわけでありますけれども、しかしながらこれは入札制度とは私は別次元の話だと最初から捉えております。

そもそもが追加対策工事であるということであります。まったく新規の案件ということであるならば、これはいろんな競争入札などが普通に行われるわけでありますけれども、今回の9件のこの入札案件というのは追加対策工事でもともとの工事をされたところがあるわけでございます。そして、そういうなかでこれまで適性な手続きを経てやってきたわけで。

あと基本的には、コストといいましょうか、価格の乖離があったということをだんだんと手続きを経ながら詰めていったということでございまして、これについては手続きに則って1つずつ丁寧に進めた結果であります。

入札制度につきましては、今日も会派からそれぞれご要望はいただきました。それについては現在思考中でございます。しっかりとそれぞれのみなさんの声にも耳を傾けながらなにをすべきかということについて考えていきたいと思っております。以上です。

司会者:以上で会見をおしまいにさせていただきます。ありがとうございました。

小池:ありがとうございました。

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