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地方創生 × フリーランス(全4記事)

「自分の国を作ろうとした」 イケダハヤト氏が、地方の限界集落に移住した理由を語る

2017年6月10日から11日にかけて、世界遺産である和歌山県高野山にて、47都道府県がつながる地方創生イベント「地方創生会議」が開催されました。初開催となる今回は、地方創生に関わるさまざまな分野のキーパーソンを招いて、トークセッションやワークショップを行いました。トークセション「地方創生 × フリーランス」では、企業に所属せずフリーランスとして活躍する3人が登壇。自身の得意分野を活かして生活する、彼らのライフスタイルを紐解きます。

自分の国を作る

イケダハヤト氏(以下、イケダ):せっかく来たから変な話をしたいなと思います。もう少し先に行くと、僕らが今生きていてすごくいい時代っていうのが、自分たちでもう国が作れると思います。

なんていうことを言うと、すごくぶっ飛んだ話に聞こえると思いますけれども、今って技術的にどんどんいろんなものが整ってきていて、ブロックチェーンだったりスマートコントラクトだったり仮想通貨だったり、そういう技術を使うと自分たちの経済圏とか社会システムを作ることができてしまうんですよね。

勉強してわかっている方も多いと思うんですけれども、変な話「イケハヤ経済圏」みたいなものを作ろうと思えば作れるんですよ。それはビットコインを買ってもらって、僕の会社で発行するコインを買ってもらって、それを使って僕の持っている経済圏に参加してもらって、そこに参加してもらうと僕がなにかまた価値を、上手くみんなが得をする経済を作っていく。

ルールなんかはスマートコントラクトという技術を使うと法律みたいなものが、税務の部分とかも自動化できたりとか、技術を使うとそういうようなことができたりするんですよね。なにを言っているのかよくわからない話になってくるんですけれど、要するに僕らはこれから国を作ったりっていうのが自分でできるようになってしまう。

日本円で生活するのではなくて、イケハヤコインで生活するだったりとか、ホリエコインとかイエイリコイン、たぶん家入さんはイエイリコイン的なものを作りますよ、絶対。あの人は絶対作ると思います。キャンプファイヤーで「キャンプファイヤー経済圏」を作ろうという図をあの人は描いていますからね。「キャンプファイヤー経済圏」に入るためにはイエイリコインを買って、「キャンプファイヤー経済圏」の中でジーンズが買えたりとか、お酒が買えたりとか、いろんなものができるようになっていくわけで。

新しい時代のパラダイム、自分たちで法律を作ったり、貨幣を作ったり、再分配の仕組みも作ったりということをやりやすい土壌がどこにあるかというと、やっぱり地方だと思うんですよね。地方は人が少ないので自由度がすごく高いです。いろんなことができますね。

例えば家を10軒持つとかはそんなに難しくないんですよ。車を20台持つとかも、東京で20台持つなんて絶対できないけど、田舎に住んでいると10台くらい持っているおじいちゃんとかいますね(笑)。いっぱい持ってる人いますよ。ナンバー外した車いっぱい並んでいるから(笑)。

(会場笑)

そういう自由度、リアルな空間という面だと明らかに田舎は強いですよね。そういうリアルな空間があり余っている、いろんなリソースがあり余っている状態で、新しい技術が入ってくると、僕らっているのはすごく有利になるんですよね。なので僕は当時誰もいない限界集落へ行って、自分の国を作ろうとしたわけですよ。

(会場笑)

っていう話をしたかったんです(笑)。もういいや、はい(笑)。

前田有佳利氏(以下、前田):もういいやって言った(笑)。ありがとうございます。

地方を拠点にする

前田:私も3年前に和歌山に戻ってそれまで東京・大阪・京都と10年くらい離れていたんですけれども、戻ってみて、最初は地元にはなにもないだろうと思って通過しようと思っていたんですよ。でもそしたら「あれ、地方っておもしろい」って思い始めて、でもその頃は転職しようと思っていてフリーランスとは思っていなかったんですよ。

でも仰っていただいたみたいに、プレイヤーの少なさで「この和歌山でなにかしていくっておもしろいかも」と思っていくうちに、関わっていくコミュニティを1つには決められないと思うようにもなって。

「これってどういう形になっていくんだろう」というのを追っていったら、「私は『書く』っていう仕事を主にしながら、いろんな人と出会って、この人と一緒に仕事がしたいと思える人と関わりを深めながら進んでいきたい」と思うようになりました。結果的にその働き方は、今でいうとフリーランスっていう言葉に収まっただけというか。

和歌山県の中だけとかでいくと、Uターンで戻ってくるとまだ人脈が少ない頃が最初あって。県の中だけで仕事を作るのが難しいから、フリーランスで県外からも仕事がとれる。

1つの会社に所属じゃないので、県外からも仕事をとってきて、拠点を、先ほど仰っていただいたみたいに、家賃の低い土地で根を下ろして、お金を、外貨をとってくるみたいな感じができて。そう思うとフリーランスを地方拠点にするのって、わかりやすいきれいな形だなと思います。

ここからは和歌山自慢になっちゃうんですけど(笑)、関空が近い、Peachが飛んでいる。これがすごい和歌山のメリットだなって思っていて。関空からバス1本で和歌山駅40分で行けちゃうんですよ。「福岡に取材に行ってください」「はいはーい」って行けてしまうとか。

そういう動きのいいところに拠点を置いて、フリーで県外の仕事もしながら、拠点を地方に作って、昨日の話にもあったように「和歌山、和歌山」と同じようにその言葉をちゃんとつぶやいていると、「あなた和歌山の人なんだね」って認識が地元の人にもついて、どんどん地元の人とのつながりも濃くなっていく。3年目でようやく和歌山の仕事も段々割合として増えていったっていう感じが私はあるので。地方を拠点とするフリーランスってすごい夢があっていいなぁと思いますね。

渡辺:いろいろやりようもあって、僕も今大阪市内の梅田っていうところに住んでいるんですけれども、住んでいるところがすごく変わっているんです。中崎町には昔からの古い建物や家がいっぱい残っていて、古民家のカフェに活用されたりとか。一方で家賃が上がって諦めて出ていく人も増えたりとかで。

マンションが建つんじゃないかみたいな話もあって、風景を残したい人も、マンションにしちゃいたい人もいて。近くに住んでいますからずっと目に入ってきていて、知り合いとかも作っていくと、古民家でカフェしませんかみたいな話に今なってきちゃって。住んでいる場所でそういうことができるってなったときに、たぶん、束縛がきつい働き方をしていると自由な意思決定できないと思うんですよ。

僕今こういう働き方なので、なんならカフェ始めたらネタになるかくらいの(笑)。1年ぐらいやってみて失敗してもいいかなぐらいな感じの感覚で飛び込めるので、おもしろいですね。

自由な状態で、住んでいる拠点を上手く開拓しながら、そこでも仕事を作れる状態を作っていくっていうのはフリーランスっていう発想だと要るんじゃないかなと最近思いつつやっています。

前田:ありがとうございます。

フリーランスする上で大事なこと

前田:あっと言う間に時間がたってしまいそうなので一旦ここでグループでいただいた3人共通の質問を1つ上げていただいて会場でみなさん考えていただく時間に戻したいんですけれども、「フリーランスをする上で大事にされていることはありますか」っていうご質問をいただいているんですね。

地方に限っての話じゃないほうがこの3人だといいと思うので、フリーランスをする上で大事にしていることをそれぞれ一言ずついただいて、会場のほうに。

渡辺:(イケダ氏にマイクを渡しながら)どうですか、先輩(笑)。

イケダ:嫌いな人と付き合っていてもしょうがないなっていう感じですね。だめですよ、嫌いな人と付き合っちゃ。こいつはだめだと思ったら速攻ブロックすると。

(会場笑)

イケダ:本当です。ぼくは真意で言ってますよ(笑)。これが本当にフリーランスやるための超重要なことなので、ちゃんと人間関係を切っていくということですね。

(会場笑)

渡辺:勉強し続けることみたいなのは1つあるかなぁと思っていますね。自分でも新しい分野とか仕事を多少経験がなくてもやってみたりとか。それこそ別に稼ぎにならなくてもある程度非営利でやってみるとか。

いろんな実験をしていって新しい分野を作っていかないと、結局一つの仕事だけやっていても幅広がらないですし、結果的にそれでコミュニティも増えていかなかったりもするので。

僕は割と自由なので「studio-L」っていうコミュニティもあれば、さっき紹介で「グローバルシェイパーズ」っていうのもありましたけど違うコミュニティにも所属していて、主催の小幡くんとはグローバルシェイパーズで繋がったんですが、そっちではまた高校に授業しに行ったりとかしてくるんですよね。それで新しいことをやってみたりとか。

日々この仕事になってから読書量が増えましたね。よりよくしていきたいので、事例とか雑誌とか本とかすごい読むようになって。勉強するということと、発信していかないと気付いてもらえないので、いかに自分のネタに変えていくか。

芸人みたいな話になっていますけど、お笑い芸人でも新しいネタを作り続けている人がやっぱりずっと売れているんですよね。ああいう人たちって日々「これいい、ネタになる」って考えて自分のネタにしているんですけど、まさにあの発想ですね。

これ次なにしていったら自分のネタになるかなみたいな。こういうところで話す時でも、新しいネタがあったほうが絶対おもしろくなっていきますから、それを日々意識していますね。

前田:ありがとうございます。

フリーランスとして大事にしていること、私なんですけど、関係性をつなぐことをすごく大事にしていまして。前リクルートで働いていたとき、本当に地で漫画の『働きマン』みたいな状態でやっていたんですよ。

そのころはアウトバウンドっていって、営業を仕掛けに行って何十件アポ取りして何十件訪問しまくってようやく受注をもらえるみたいな営業をしていたんですけれども、今の仕事って完全にインバウンドになっていて。

1人で会ったお客さんというか、この人と一緒に仕事がしたいって人がいて、誠心誠意こめて仕事をしていると、その人から「次もこういう仕事どう?」っていうのがどんどんつながっていって。営業をかけに行くっていうよりは、この前仕事した相手から今度はこういう話、今度は誰々さんを紹介したいっていうような関係性がすごくつながっていって。

もちろん大きな会社で働いていてもそれはあることだとは思うんですけれども、フリーランスで働くと「前田有佳利」として見られることがすごく強くなるので、個人としての関係性をどれだけ丁寧にやって、どれだけ心をこめて仕事ができるか、っていうのがわかりやすく結果につながるなっていうのを改めて思っていたりします。

言葉でいうと簡単なんですけど、なかなか実際やると難しいところがとても大事だなと思っています。

では、段々みなさんたぶんお昼後で眠くなってきたと思うので、13時45分まで、テーブルの方って昨日と同じ方ですよね。背中合わせの方と4人ぐらいでグループ作っていただいて感想の共有をぜひしてください。その後に質疑応答15分最後にとらせていただきます。

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