2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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上田祐司(以下、上田):僕も聞かせていただいていいですか?
森戸裕一(以下、森戸):はい。
上田:うちの会社もサテライトオフィスをやりたいっていうか、やらざるを得ないなと思うんですけれども、セールスフォースの中から例えばどれぐらいの方が地方に行かれたりとか、世の中にどれぐらい普及しそうとか。そういうのはどれぐらいなんですか?
吉野隆生(以下、吉野):地方に進む……。
上田:そうですね、サテライトオフィスを作りにいく企業がどれぐらい(あるか)。
吉野:年間、だいたい白浜オフィスに全国から300社くらい視察に来るんですよ。当然ご興味がある方なんですけれども、実際動いてくださる企業はまだまだ少なくて。
これには理由があって、大抵会社の組織を見てもらうとわかるんですけど、自分の部下が見える範囲で仕事をしてないイコール、仕事をしてないんじゃないかってずっと考えてるんですよね。
でも、これって昔の考え方で、目の前にいようがいまいが、しっかりと社員のパフォーマンスを見て、褒めてあげる、可視化するもの。そこにお互い信頼関係があるんですよね。この企業文化に変わったところは、地方に行ってると思います。
上田:じゃあ、どこかでその当たり前感が変わると、300社来てるってことは、爆発的に増えたり?
吉野:おそらく、増えると思います。
森戸:たぶん、そうですよね。だから今、働き方改革とか、そういうところを東京で進めてきてるんで、あれが本当に浸透してきたら、一挙にドンと地方に来る可能性はありますよね。
コンプライアンスってどうなんですか? よく上場企業さん、及川さんは上場企業さんですけど、すぐコンプライアンスって言われるんですよね。「自宅勤務とかテレワークどうですか?」って言うと、「いや、コンプライアンス上できません」みたいなお話って多いんですけど、そこら辺はお二人の会社さんってどう考えられてます?
上田:うちはハチャメチャですね。
森戸:ハチャメチャ(笑)。
上田:ネット上のセキュリティを高めれば、あとはいいだろうという。
森戸:自宅であろうと、カフェであろうと。
上田:ぜんぜん問題ないですね。オフィス自体を、ワーキングスペースの中にオフィスを構えるっていう逆転の発想でやってますね。
森戸:そうですね。ちなみに、コワーキングに関わってる方って、どれくらいいらっしゃいます?
(会場挙手)
ありがとうございます。今、コワーキングを作られて、その中に事務所を置かれてるんですよね。
上田:ガイアックス?
森戸:ガイアックス。
上田:ビルを1棟買いして、いろんな会社がいて、その中にうちのオフィスもスタッフもいるっていう。本当にネットがあればどこでもできますよね。
森戸:そうですね。及川さんはどんな感じです?
及川智正(以下、及川):野菜がないとできないので、地方にオフィスが多い。62ヶ所あるんですけども、全部田舎なんですね。本社も和歌山なんで田舎なんですけど、田舎にあるというような。逆バージョンですね。
森戸:セキュリティは……。
及川:セキュリティは緩いですね。
(会場笑)
上場企業が緩いって言っちゃアウトなんですけども。最低限の個人情報であったり、ほかの情報だったりは流れないようにするんですけれども、おっしゃられたとおり、全部管理できないんですよ。まして62ヶ所全部回れないですし、東京や大阪で働いてるスタッフもいるわけなので、それはもう見れないので、ある程度の範ちゅうで、すべておまかせをして。
ここからここまでセキュリティを、これとこれだけは承認機能をつけてやってるというような感じです。
上田:聞くと、どんどん地方は盛り上がるんじゃないかと思って集まってるんですよね。どんどん地方に、これからいろんなオフィスにビジネスのチャンスがいきそうですよね。
森戸:だからシェアオフィスとかコワーキングとか、僕らも見てますけど、相当な数がやっぱりあるんですよ。けど、地元の人が使えるようなコワーキングとか、地元の人が使えるようなものとなると、例えば佐賀がやってますけど、みなさん家が大きいですし、車で移動されてるので、わざわざコワーキングに寄らなくてもいい感じなんですよね。
だからサテライト的に東京とか都市部の会社が、そこで実証実験を行ったりとか、先ほど及川さんがおっしゃったように、販売したりとか、そういうかたちの拠点を作っていくっていうのもありかなっていう感じがしますけどね。
吉野さんのところはどうですか? 昨日、僕拝見させてもらってびっくりしたんですけど、上場企業さんって入るときに名前を書いてくださいとか、バッジをつけてくださいとか、いろいろあるじゃないですか。
それが一切なくて、「はい、どうぞどうぞ」って感じで、「森戸さん、写真をどんどん撮ってもらっていいですよ」みたいなのがあったんですけど、あそこはセキュリティはどうされてるんですか?
吉野:実は、あの規模で私が常駐しているので、実は(森戸さんが来た)入り口、あそこは入れないんですよね。
森戸:通常は入れない。
吉野:はい。社員証がないと行けないので、セキュリティはアメリカ本国で全部管理してます。実は、あそこの入り口全部、会社の3ヶ所にカメラがありますが、常にアメリカが見てます。
森戸:カメラで……。
吉野:はい。不審者が入ると通報が鳴るので、ああ見えてセキュリティはしっかりしています。
森戸:じゃあそれは全部、録画されていらっしゃるんですね。
吉野:はい。
森戸:今、30分ほど時間が経ったんですけど、前のセッションがどういうかたちでやられたかは、存じ上げないんですが、これだけの方が集まられて、たぶん1時間ずっとインプットしていくというだけだったら、もったいないと思います。
ですので、5分ほど時間をとりますので、回りの方と、今の話を聞いてどう思われたかっていうことと、あともう1つ、質問があれば1つのグループで、こんな質問を挙げてみようかっていうところを出していただければ、後半からインタラクティブにいけると思いますので、ちょっと5分、周りの方と雑談する時間をとってもよろしいですか? すいません、お願いします。
はい、いいですか? じゃあ、後半20分ぐらいなんで、質問をお願いします。
質問者1:佐賀から来ました○○といいます。TABICAさんに聞きたいことがあるんですけど、農家さんの農業体験などをさせるみたいな、すごくいい取り組みだなと、いいビジネスだなと思ったんですけど、農家さんはそれって喜んでるのかなっていうのが気になって。どういうふうにそれを探してるのかなって思ってます。
森戸:はい、ありがとうございます。実際、受け入れる農家さんがどう感じられてるかっていう話と、この農家に行こうっていうかたちを探す。
質問者1:そうです。どうやって探すのか。
森戸:手段。
質問者1:はい。
森戸:上田さん、わかる範囲でけっこうなんですけど。
上田:たぶん、僕より(及川さんの方が)……農家さんも、いろんなタイプがいらっしゃって。本当、門前払いが多いですね。
沖縄の方にクラウドソーシングを出して、リストを出して、電話機でアポして、アポをとったら営業して、とか。営業マンも自転車に乗って、ついでに近くの農家を回ったり。今は、農家地域にチラシ配ろうかなと思ってます。ともかく苦労しますね。
農家さんも、現代人がそれを欲してるっていうことを知らないんですよね。なんとかしてくださいと。
(会場笑)
森戸:及川さん、どうですか?
及川:やりたくない人もたくさんいるんです。例えば、観光農園なんて収穫してもらえば、すごい手間がないじゃないと思われるかもしれないんですけれども、でも知らない人が農地に入ると、土が荒れちゃったり。なので、メリットもあればデメリットもあります。あと、言葉が悪いんですけど、あまり人と話したくない方もいらっしゃるんですね。あまりコミュニケーションをとりたくないって方も。
上田:多い。
(会場笑)
及川:農業だけじゃなくても、いろんな方がいるから。
森戸:ありがとうございます。
質問者1:じゃあ、けっこう難しいって感じなんですか?
上田:量をやれば、あるパーセンテージは。4,000リストぐらいで、200農家ぐらいですね。契約してます。
質問者1:ありがとうございました。
森戸:今、佐賀の伊万里のほうで農業民泊をやってますけど、最初は嫌だったけど、やってるうちに楽しくなってきたっていう声もあります。逆に、やってるうちに面倒くさかったと。
1泊5,000円とか6,000円しかもらえないのに、「こんなに手間がかかるの?」っていうのは、正直あるみたいだよ。だから、今はそうじゃなくて、別のことをやり始めているところもありますよね。
質問者1:農繁期とかに労働力として行って、それでも楽しいと思ってもらえるような体験とかできたらいいのかなと思ったんですけど。農繁期って、めちゃくちゃ人を欲してるじゃないですか。
森戸:忙しいからね。
質問者1:はい。
上田:たぶん、そういうのもあるのかもしれないんですけど、我々がやっているのは、そういうのじゃなくて。農業体験じゃなく、農業体験という名を借りて、農家の方の人生に触れ合うみたいなことですね。たぶん、民泊とかそうだと思うんですけど、あれは本当に泊まりに行ってるのかと。
海外で、例えばイタリアに行って民泊に行きました。部屋が見つかりました。本当に泊まりに行ってるのかと。そこのホストさんの五十数歳ぐらいの女性の方で、「冷蔵庫とか見せてもらっていいですか?」と。見せてもらったら、オリーブとかいっぱい入って、「もしかして、お好きなんですか?」っていったら、「私は南のほうの出身で」とか、そういう会話がねらいであって。そういうようなサービスをしてるんですよね。
はっきり言って、今の大衆が、物を買ってうれしいなんて言うけど、今っていうか10年前、20年前だけで、これからもっと「物って持ってもしょうがないな」って時代が来ると思うんですよ。
めぐりめぐって、一番私たちに大切なのはコミュニケーションかな、人と人の触れ合いかなってなってきたとき用に、そういうサービスをどんどん作ってるっていう感じです。
森戸:僕らは農業とちょっと離れるんですけど、本当に忙しいとき、インターンシップって入れてないじゃないですか。仕事ができないので。忙しいときには、本当にそれがわかってる人、パートでもアルバイトでも入れないと、逆に現場が混乱しちゃうんで。
そこら辺って、農業も一緒なんですか? 農繁期とかに、農業がわからない子を入れても、人手になるかっていう話なんですけど。
及川:まったく同じだと思います。それはたぶんほかの業界もそうだと思うんですけれども、知らない人がポッと来て、できることもあるんですけども、できないことのほうが多いんじゃないかなって思うんですよね。
なので、何年間かある程度経験を積んでいただければ、たぶんコミュニケーションもとれて、また帰ってきてほしいと思われるかもしれないですけども、ポッと来て、知らない人を使うハードルって、なかなか高いものがあるんじゃないのかなって思います。ただ、なんでもいい経験になると思うんで、まずやってみることだと思います。
質問者1:はい。
森戸:ほかになにか質問ある方?
質問者2:新潟から来た○○といいます。吉野さんに質問なんですけど、吉野さんは白浜を選んだ理由として、ネットワーク網があったり、あとリゾート感があったりとおっしゃっていたんですけど、それは地方にいる私たちから見ると、けっこうベタな理由だったんですけど。
例えば、地方が企業に対して求めるメリットであったり、一方、企業が地方に対して感じるメリットとしては、ギャップがあった……例で言うと、地方からしてみれば、そこの地域に移住してきて、人口を増やしたいという思惑があるけれども、例えば社員さんを循環させて地方になかなか根づいてくれない、そういうギャップがもしあったとしたら、そこら辺は地方の求めるものと企業が求めるものって、どのように合致してるのかなというのが1つ。
吉野:ありがとうございます。今日、これは難しい問題だと思っていて、当初2年ぐらいやってみて、少なからずそういったお互いの思いの乖離は発生してますが、結論を言うと、コミュニケーションで埋めるしかない。
幸い地元の白浜町の役場には、自称コンシェルジュという社員が1人、公務員の方がいらっしゃって、公私共にサポートしてくださるんですが、そこでとにかくコミュニケーションの齟齬をなくすということを地道にやってます。
あと考えなきゃいけないのは、私たちもそうなんですが、実は昨年サテライトオフィスとして白浜町に行って、地元のローカルでのビジネスをグロースさせようというのは、あまりフォーカスしてないんですよね。むしろわり切って、セールスフォースの取り組みを、地名度を上げるブランディングの拠点として考えるようになったんですね。
実は白浜町も同じように考えてもらっていて、白浜町がいろんなIT企業が集積する、サテライトオフィスのメッカと言われるブランディングを作ろうとしている。ということで今合致してますので、いろんな見方を変えるのと、コミュニケーションを密にすることでカバーしています。
質問者2:ありがとうございます。
森戸:ちょっと話をすると、昔の工場誘致と同じようにITを誘致するとうまくいかないっていうのは、よく言われますね。
ITは結局、どこに行っても仕事ができるっていう話だったら、誘致しても、そこを職場として捉えない可能性もあるんで。だから、そこら辺のところはちょっと加味しながら進めなきゃいけないのかなっていうのはありますね。
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