2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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土屋敏男氏(以下、土屋):それでは「“偲び足りない“が生み出した葬儀・お別れのフリースタイル」というセッションを始めさせていただきます。鎌倉新書さんと、面白法人カヤックさんとで進めます。
まず私、今日のファシリテーターをさせていただきます、日本テレビの土屋と申します。よろしくお願いいたします。
(会場拍手)
簡単な自己紹介をいたしますと、実は私、日本テレビで『電波少年』という番組をやって、だいたい芸人の誘拐犯をやっていたわけですが。
(会場笑)
芸人専門の誘拐犯の人間がなぜこのような「偲ぶ」というテーマでファシリテーターをやってるか、ということがまず疑問としてみなさんの中にあると思います。
私、実は、2012年に日本テレビの中に「ライフビデオ」という、個人の人生をビデオにする事業を立ち上げまして、そちらも引き続きやっております。そんなご縁でこういったことのお声をかけていただきまして、ファシリテーターをさせていただきます。
まずは今日ご出席の方の、会社紹介と、登壇者の紹介をさせていただきます。
まず、鎌倉新書さん。1984年に設立され、葬儀・お墓・仏壇・遺産相続・看取りなど、終活関連のさまざまなポータルサイトの運営を通して、高齢者の課題解決に向けたサービスを提供しております。代表取締社長の清水祐孝さん。
清水祐孝氏(以下、清水):清水です。よろしくお願いします。
土屋:清水社長は、お父様の経営する「株式会社鎌倉新書」に入社されました。仏教書出版をして債務超過をしていた当社を、葬儀や墓石、そして宗教用具等の、業界へ向けた出版社へと転換しました。さらに出版業を「情報加工業」と定義付け、インターネットサービスへの事業へ転換させました。現在、「いい葬儀」「いいお墓」「いい仏壇」「遺産相続なび」「看取り.com」など、終活関連のさまざまなポータルサイトを運営し、高齢者の課題解決へ向けたサービスを提供しています。
そして同じく、株式会社鎌倉新書「Story」事業責任者、堀下剛司さんです。
堀下剛司氏(以下、堀下):堀下です。よろしくお願いいたします。
土屋:堀下さんはIT業界で長年ご活躍をし、ヤフー株式会社、グリー株式会社を経て、2015年に鎌倉新書に入社しました。当初、当社のライフエンディング事業部長として、葬儀ポータルサイト「いい葬儀」の集客力を拡大させ、新規事業として2015年11月に、大切な人のお別れ会、世界に1つだけの「Story」を立ち上げ、現事業責任者です。
続きまして、カヤックです。カヤックは、「つくる人を増やす」を経営理念に掲げ、鎌倉からゲーム・広告・WEBサービスなど、おもしろくてバズるコンテンツを次々とリリースするクリエイター集団です。カヤックから代表取締役CEO、柳澤大輔さんです。
柳澤大輔氏(以下、柳澤):よろしくお願いします。
土屋:1998年、学生時代の友人と面白法人カヤックを設立。2014年12月に東証マザーズへ上場しています。鎌倉唯一の上場企業ですね。ユニークな人事制度やワークスタイルを発信し、新しい会社のスタイルに挑戦中。2015年に株式会社TOWの社外取締役、それから2016年に株式会社クックパッドの社外取締役に就任しています。
カヤックのグループ会社ということで、株式会社鎌倉自宅葬儀社取締役、馬場翔一郎さんです。
馬場翔一郎氏(以下、馬場):よろしくお願いいたします。
土屋:馬場さんは20歳から葬儀業界に従事し、葬儀施行だけでなく、葬儀に関わるお花、返礼品、料理、テントなどさまざまな業務に携わり、神奈川、東京、埼玉などさまざまなエリアで、葬儀に立ち会ってきました。13年間業界に従事した経験から、「最後の思い出つくり」の場としての自宅葬の企画をカヤックに持ち込み、2016年の8月に100パーセント子会社として、株式会社鎌倉自宅葬儀社を立ち上げて、取締役に就任されました。プライベートでは……「涙活(るいかつ)」ですか? これ。
馬場:はい、涙活です。
土屋:「涙活」、涙の活動ですね、そのプロデューサー、それから……落語家じゃなくてこれは「泣語家(なきごか)」……?
馬場:「泣語家(なくごか)」。
土屋:「泣語家(なくごか)」! として活動もされている、ということでございます。
以上のメンバーでこのセッションを進めていきたいと思います。それでは続きまして、会社の紹介といいますか、この葬儀社のサービス紹介をしていただきたいと思います。
こちらは馬場さんお願いします。
馬場:私たちは、キャッチコピー「最後の思い出も、家で作る」というかたちで、鎌倉自宅葬儀社を立ち上げました。コンセプトとしましては、「思い出を語りきる、古くて新しい自宅葬」というものを提案しています。
「古くて新しい自宅葬」というのは、まず「古くて」というのが、「原点回帰のお葬式」。昔は自宅で葬儀をあげることが当たり前だった時代ですね。自宅にご遺体を安置してご近所の方に手伝っていただいたりとか、そういった絆の部分で偲ぶことに専念できた、というのを抽出しています。
「新しいお葬式」というのは、今、直葬とか家族葬とかが増えている中で、昔みたいに仰々しい、鯨幕を張ったりとか花輪を立てたりとか、ご近所の方にお手伝いいただいたりというものがなく、六畳一間でも十分に送り出せる、ということでプロデュースしています。
具体例でいうと、仕出し料理を出すのではなくて、自宅では手作りの料理を作れるので、思い出の料理がカレーであれば仕出しをカレーにしてもいいよ、というかたちでご案内をしています。
3つの特徴としましては、「家族で生きた家だから、家族の思い出に浸れる」。これは言葉どおり。2番目が、「マイホームだから、マイペースで過ごせる」。あとは「余計な費用は、かかりません」というかたちで、式場費用だったり、そういったものもかかりません、とご案内をしています。
ポイントは、1週間の時間をかける葬儀です。ちょっと大げさに聞こえるかもしれないんですが、こういった時間もゆったりと持つことによって、故人様との区切り、「偲ぶ」「偲びきる」という空間を作ります。1日目は本当になにもしないで、2日目から、だいたい落ち着いたときにお見積もりをさせていただいて、その中でヒアリングをして、故人様がどういった方だったのかというのをお聞きしてから葬儀に入っています。
理想の流れとしては、在宅介護医療、在宅死、自宅葬というかたちで流れがくるというふうになっています。在宅医療だったり在宅介護を今すごく国が推進しているんですが、だいたい1割とか2割くらいしかケアすることができない。白い病院の壁で亡くなる方が9割いる現状で、亡くなってからでも自宅に帰してあげて、そういった希望を叶えてあげられるんじゃないか、という思いで立ち上げました。
あと、強みとしては、親会社がカヤックというクリエイティブ会社で、ホームページやパンフとか名刺とか、自社でデザイナーやエンジニアを抱えていますので、デザイン性の高いものを作っています。
今は、自宅葬というのはだいたい1割くらいしか需要がない、マイノリティな葬儀になっています。広く薄くというふうにユーザーが点在していないので、例えば芦屋だったり軽井沢とか世田谷、そういったところに点在するのではないかということで全国展開も……「鎌倉自宅葬儀社」という名前ではあるんですが、鎌倉の中でブランディングをしっかりと作って、今後は、全国展開をしていきたいと考えています。
土屋:はい、ありがとうございました。そして……ビデオがあるんですね?
馬場:はい。これは、実際に鎌倉自宅葬儀社を立ち上げたのはちょうど1年前の8月24日。10月に来たお客様の事例で、お客様の声をインタビュー形式で映させていただいたものです。
土屋:はい。ではこのビデオを見ていただきます。
(以下、動画内の音声)
ナレーター:あなたは、人生の最後を、どこで過ごしたいですか? 鎌倉自宅葬儀社は、あなたのご自宅を提案いたします。家族で生きた家だから、家族の思い出に浸れる。
鎌倉市にお住まいの土田典子様のお母様は、かねてから自宅療養中でしたが昨年秋、家族に見守られながら92年の生涯を終えられました。「通夜、葬儀の必要なし」。お母様のエンディングノートには、そう書かれていました。そのようなお母様のご意向がある中、土田様はなぜ自宅葬を選ばれたのでしょう。
土田典子氏(以下、土田):通夜、葬儀というのは結局、亡くなった本人ではなくて、残された家族のものだと思いまして。両親の意向はよくわかった。でもね、あとは残された私の納得いくようにさせてもらいたい。自宅で看て、50年近く慣れ親しんだ場所から送ってもらいたい。
ナレーター:そんな思いの土田様は、どのようにして鎌倉自宅葬儀社を知ったのでしょうか。
土田:まず馬場さんを紹介していただいたのは、ケアマネージャーさんです。それで「できれば家で葬儀をしたいんだけど」って。亡くなったのは夕方で、すぐ駆けつけてくれて、そうしたら「実は……」って、このパンフを持ってきてくださったんですね。
ナレーター:ご家族との数年間にわたるお付き合いで、ケアマネージャーの方は、土田様の考え方をよく理解していました。
土田:「介護」と「葬儀」ってつながってるんですよ。例えば、亡くなる1ヶ月半くらい前から、2回「入院しませんか?」って訪問のお医者さんに言われました。で、看護師さんやケアマネージャーさんもいらっしゃるところで、私、父だとか母は、「いいよね。家で点滴もみんな、酸素吸入もできるんだし、家にいていいんだよ」……っていうこともご覧になっていた。そういうことでもやっぱりここを推してくださったんだと思います。
ナレーター:お母様のご意向であった直葬、それにしなかった理由は?
土田:母は常に、私たちですとか兄弟だとかを、いわゆる家庭の主婦として支えてくれましたので、亡くなっちゃったけども、今日はおばあちゃんが主役。あんまり人目をはばかるようにワゴン車みたいなので連れてって、というのはちょっと私としては耐えられなかったかな。あまりにも彼女、一生懸命がんばったのに、っていうのはありましたよね。
ナレーター:そんなお母様との最後の時間。自宅葬でどのように過ごされたのでしょうか。
土田:生きていたことと亡くなるということは大きく変わるじゃないですか。そこのケジメ……とくにやっぱり、儀式はあってもいいと思ったんだよね。だから神主さんにもお願いしたし、葬儀社の方が、馬場さんがよく理解してくださって、こんな狭いところで祭壇を作って、納棺もうまいことやってくださって。見送りもできたし、と。非常に満足してますね。
ナレーター:マイホームだから、マイペースで過ごせる。
土田:普通の、昭和を生き抜いてきた主婦としては、お家が1番じゃないですか。
インタビュアー(土屋):すべての思い出がこのお家の中にある。
土田:そう、思いを詰めて。ですから、そこで最後。そこから送り出す。一番自然だと思います。でも、彼女としては費用だとか手間だとか、「迷惑をかけない」って言ったけども、それなりにきちっとした……それは親類だとかご近所に見せびらかしではない……我々だけだから。
ナレーター:最後の思い出も、家で作る。
(動画終了)
土屋:はい。という鎌倉自宅葬儀社を実際に利用された方のビデオを見ていただきました。気が付いた方もいらっしゃるかと、私がインタビュー行っておりまして(笑)。これ、ライフビデオで作らせていただきました。
私も実際にインタビューして、それまで自宅葬儀を知らなかったんですが、すごくいいなと。お母様がずっと自宅で介護されてて、そのままケアマネージャーさんにご紹介されて、自宅で葬儀をされて、自宅から送り出したということに関して、やっぱりこの家を作った時からの50年ずっと過ごされたお母様は、この家から出て行くのが自然だった、というのがすごく印象的でしたね。
……というビデオを見ていただきました。
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