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対談「がんになって初めて分かった治療と仕事の両立の実態」(全1記事)

だいたひかるが乳がん闘病生活を振り返る「人生をハイジャックされたような感じ」

「ライフネットのがん保険 ダブルエール」の発表会にて、乳がんとの闘病を続けたお笑い芸人のだいたひかる氏が、ゲストとして登壇。ライフネット生命保険代表の岩瀬大輔氏と対談を行いました。「もう仕事に戻れないんじゃないか」と不安に思ったと話すだいた氏が、自身の闘病生活を振り返りました。

乳がんがわかった時は「人生をハイジャックされたような感じ」

司会者:第2部は、対談「がんになって初めてわかった治療と仕事の両立」と題しまして、タレントのだいたひかるさんをお招きして、ライフネット生命社長、岩瀬とのトークショーを進めてまいります。

ここで、だいたひかるさんのプロフィールを簡単にご紹介させていただきます。

だいたひかるさんは、1975年5月25日生まれ、一人芸で誰が一番おもしろいかを決める大会「R-1ぐらんぷり」で初代チャンピオンとなられました。2016年に乳がんを公表。現在は、治療をしながら仕事を継続し、テレビや舞台などでご活躍されていらっしゃいます。

それではご登場いただきましょう。だいたひかるさん、そして岩瀬社長、よろしくお願いいたします。

岩瀬大輔氏(以下、岩瀬):それでは第2部も引き続きよろしくお願いいたします。だいたさん、本日はよろしくお願いいたします。

だいたひかる氏(以下、だいた):はい! よろしくお願いいたします。

岩瀬:先ほど司会の方からプロフィール紹介ありましたが、2016年に乳がんを公表されて、現在お仕事もされているとのことですが、その時の心境ですとか、だいたさんの近況についてお話しいただいてよろしいでしょうか?

だいた:乳がんがわかった時は、なんだかテロに遭ってるような感じで、人生をハイジャックされたような感じで、もう仕事に戻ってくることができないんじゃないかなって思ったんですけど。

手術・入院とかいろいろして、だんだんコツを掴んできて、抗がん剤もどれぐらい投与したら自分がどうなるという様子がわかってきて。

ずっと同じ抗がん剤をやってるわけじゃなくて、私の場合4回・4回やってたんですけど、その後半の2回目ぐらいの時に、「ああ、もうこういうペースで自分が普通の生活できるな」っていうコツがつかめてきた時に事務所のマネージャーに連絡して、「バンジージャンプ以外だったら仕事できそうです」と言って。

岩瀬:バンジージャンプはちょっと?

だいた:そうですね。ウィッグが飛んじゃうんで。それはそれでおもしろいかもしれないんですが(笑)。

そういう感じで仕事を再開しました。がんってやっぱり不治の病のイメージがあるんですけど、今はそんなことなくて、きちっと治療すれば仕事も継続できるんだなというのが実感です。

がんになってから外に出るのが嫌になった

岩瀬:ありがとうございます。まさに今回、当社のがん保険のコンセプトである「働きながらがんを治療することを応援する」に非常に親和性が高いお話だと思います。

今回このトークショーでは、第1部でもご紹介させていただいたのですが、がんを経験された方々の調査をだいたさんと一緒に見ていただいて進めていこうと思います。

だいた:はい。

司会者:では調査結果をスクリーンでご覧いただきましょう。1つ目は「がん罹患後の生活での困りごと」ということで、記者のみなさまには、「がん経験者のアンケート調査のニュースリリース」の3ページをご覧いただきながらおつきあいください。

岩瀬:男性は食生活や医療情報の取得で困ったという答えが多かったのですが、女性は外見のケアや買い物・通院といった、外にどうしても出なければならない活動について困った、という回答がありました。だいたさんのご経験ではいかがでしたか?

だいた:そうですね、がんになってからめっきり外に出るのが嫌になりましたね。というのは、最初に、私の場合全摘をしたんですけど、腕が上がらないんですね。そうすると「人とぶつかったときに傷口どうなっちゃうんだろう」っていう恐怖とか、重い物が持てないとか、「自転車とぶつかっちゃったらどうしよう」という恐怖心とか。

それから髪の毛も全部脱毛していたので、ウィッグをしているとなんだかわざとらしくて自分が見られているような気がしちゃうんですよね。そうするとやっぱり外出を控えがちになっちゃうという部分はあったので、気持ちはすごくよくわかりますね。

岩瀬:ありがとうございます。さらに「生活全般についてどういったサポートがあったらいいですか?」ということを聞いてみたので、こちらフリーの回答をちょっと見ていただければと思います。

司会者:こちらはお手元の「がん経験者のアンケート調査リリース」4ページ目となります。

岩瀬:例えば上で「買い物が負担」だとか「お料理が大変」、2つ目で「1週間分の野菜切ってくれるだけでも助かります」「お買い物に誰かについていってもらいたい」とか、こういったことがあるんですね。全般的にやっぱり家事周りのサポートが求める声が多かったということや、通院の送迎やお子様の預かりなどのサービス。あとは悩みを共有できるコミュニティみたいなものがあったらいいね、という回答がありました。

今回、少し事前の打ち合わせでもお話しさせていただいたんですが、当社では保険のお金を渡して終わりではなくて、「サバイバーシップ支援サービス」のご紹介を準備しています。今回、家事代行、外見ケア、送迎、あとはカット野菜など食材の宅配をご紹介しているんですが、このなかでいいなとかご自身の経験で使ってみたいサービスはありますか?

だいた:これ全部いいですね。さすががんの人の話を聞いて選ばれたものなんだなというのを実感します。

私の場合、手術・入院は東京でやってたんですけど、先生が埼玉に転勤になっちゃったんですよね。それで埼玉に抗がん剤をやりに行ってたんですね。なので、自分の体調が良いときはいいんですけど、あんまり体調良くないけど行かなきゃいけないという時はやっぱりちょっとつらかったんですね。満員電車とか。

そういう時に交通とかそういうものをサポートしてもらえるというのは、自分で自力でタクシー止めてというよりも、保険会社さんが勧めてくれたところだと、病人としては自分から「私は病気でこれこれで」っていうことをあまり言いたくないので、心がスッとするような気がしますね。病気のことを言わなくていいということで。

岩瀬:あと、事前の打ち合わせで、やっぱり包丁握るのが大変とか、そういうお話もありましたよね。

だいた:はい。抗がん剤って嘔吐とかのイメージがあると思うんですけど、私の場合は嘔吐するものはほとんどなくて。でもちょっと関節が痛くなるような抗がん剤もありまして。

なんとなく試合が終わったあとのラガーマンはこんな感じなのかなっていう痛みが体にあるんですけど。そうするとどうしても料理とか……ペンを持つのも痛いぐらいなので、包丁なんてけっこう痛いんです。

でも、家にいるのになにもしないというのは自分がすごくだらけてる感じがして、それはそれで心が痛いんですね。だから、カット野菜で仕上がりだけちゃんとすればいいというのは非常に助かりますね。

「保険ってこんなにありがたいんだ」と気づいた

岩瀬:ありがとうございます。次の調査結果です。

司会者:収入が減って、だいたさんも経済面で困られたんじゃないかなと。こちらは手元資料の8ページ目、ご覧ください。

岩瀬:お仕事ができなくなると収入も途絶えてしまうということで、だいたさんはがんの治療費や治療中の生活費など、お金に関する悩みや心配ごとはありましたか?

だいた:これは病気の不安、プラス、同時進行で心配なことでしたね。やっぱり「がん治療というものがいくらかかるんだろう?」って考えたんですが、恥ずかしい話、私個人は保険に入ってなかったんですね。でも、母親が保険に入れててくれたんですよ。

これはがんになって唯一よかったことなんですけど、がんになって初めて私が保険に入っていることに気がつきまして。「産んだ責任だからかけておいた」って言って、2つほどかけてくれていたんです。

がんになったって聞いた時は夜の海に放り込まれたような気持ちなんですけど、「あれ、船と浮き輪がきた」みたいな、保険ってこんなにありがたいんだって気がつきましたね。ですから経済面では、保険に入っていたおかげで安心して治療を受けることができたと思います。

岩瀬:逆に入ってなかったらどんなふうになったと思いますか?

だいた:これはゾッとしますね。体も病気になりますけど、想像しただけで心まで病になりそうです。いくらかかるかも、どれぐらい続くのかもわからないで。体も弱ってるのにお金の心配までしなきゃいけないというのは、本当に心が痛くなるような、もう地獄な感じがします。

岩瀬:不思議なもので、健康なうちは保険を勧められるとちょっと押し売りされてる感じがするんですけど、実際にご病気をされると本当にありがたいなというのがわかるんですよね。

だいた:わかりますね。こんなに助かるものって思わなかったんですよ。若いときって自分が歳をとるなんて想像できないと思うんですけど、やっぱり着実に歳をとって……。

なぜ日本人はがんが多いかというと、簡単にいうと長寿国だからなんですね。だから、自分が80年生きている間に1回もがんにならないという根拠のない自信をなんで持ってたんだろうって思うようになりました。

司会者:はい。本当にがんを経験しただいたさんだからこそ、保険の大切さということの重みを感じるわけですね。

収入がないのに支出が増えていく不安

では、次の調査結果に移ります。「がん罹患後の仕事への意識変化」についてです。こちらはお手元の資料、10ページ目となります。

岩瀬:結果を見てみると、「ライフワークバランスへの意識が変わった」「周りへのスタッフへの気づかいが高まった」と回答してる方が半数以上ですね。夢中で仕事中心だったご自分の人生や、ライフスタイルのあり方そのものを考えさせられるということかなと思うんですが。だいたさんの場合、普通のサラリーマンとは少し違うとは思うんですけど、仕事に関する意識はて変わりましたか?

だいた:だいぶ変わりましたね。若いうちは、ずいぶん世の中のだいたいのことはどうでもいいんじゃないかなって思ってたんですけど、病気を経て、年齢も重ねてみますと、保険だけはどうでもよくなかったなって本当に実感しております。

仕事も、仕事ができるという喜びですかね。ベッドで寝ていてなにもできないと、私たちはサラリーマンではないですし、体が資本なので、自分が動けないと0になってしまうので、働ける喜びというのがありますよね。

だから、みなさん気づいてないかもしれないですけど、私、今日は昔より声張ってます。

(会場笑)

だいた:これはけっこう張り切ってるほうです。テンション上がってますね。

岩瀬:今日はいろいろなお話いただいているんですけど、保険会社のイベントだからと作り込んだお話しいただいているわけではぜんぜんなくて。打ち合わせはそんなにしてないですもんね。

だいた:そうですね。

岩瀬:経験されると、本当に病気とお金の問題がすごく切実に感じられるということなんですかね。

だいた:本当に保険に助けられたなと思ってるんですよね。お金を稼げないのにがっぽがっぽ使わなきゃいけないわけですよね。その不安たるや。

だから、ベッドで寝ている時に「私は2つも保険に入ってるんだから」というのが心の大黒柱でしたね。だから、それをつてに仕事に復帰できるようにがんばろうって病気に向き合えました。

岩瀬:ある大きな病院の看護師の方が言われていたんですけど、「仕事さえ続けられてお給料さえ入ってくれば、医療費はなんとかなる」と。「でも、お給料がとまっちゃったときが本当にお気の毒なんです」って言われたんですけど、まさにそういうことですよね。収入が減っていても、(支出が)増えるというのが長期間続くということですもんね。

だいた:そうですね。自分がいつ復帰できるかとかわからないじゃないですか。がんになるって全部初体験なんですよ。私も実際手術して9日間入院してましたけど、それで終わると思ってたんですね。全部摘出して、それでがんという病気は終わりだと思ってたら、今度やっぱりリンパ節転移が見つかったので、今度は抗がん剤となって。そうしたらもう半年になるわけです。

手術含めて全部で1年ぐらい棒に振ることになるんですね。1年間も無収入になって、支出だけは続いていくわけじゃないですか。そうしたらやっぱり保険に入っていないと生きた心地がしないというか、本当に治るものも治らないような気になっちゃいますね。

大きかった夫の存在

岩瀬:ブログを拝見していますと、やはり旦那様の存在が非常に大きかったのかなと感じたのですが、そのあたりをお話しいただいてもいいですか?

だいた:私と違ってすごくポジティブな人なので、「ひかるちゃんはがんになっちゃったけど、人間として深みを増してるときなんだ」って言うわけですね。だから「そうかぁ」って、「年齢的にもちょっとそういうところだよな」と思えたんですね。そしたら、自分で「がんと向き合ってみよう」とか。

私が一番はげ散らかしてる時とかも、「ひかるちゃん、そろそろ散髪時期じゃないか?」なんて言って、笑わせてくれたり(笑)。

髪の毛を失うのは女性としてやっぱり悲しいことではあるんですけど、伸びてきたら「なんか地球のはじまり見てるみたいだよ」とか言ってくれて。「そっか」って。その場その場に応じて楽しんでくれて、私も笑わせてもらったので、そういう面ではすごく精神的に(助かった)。

がんというのは、精神的にもやっぱり傷つくことが多いんですね。すごいオーラで空気に飲まれちゃう感じがするんですけど、その点、夫が精神的にサポートしてくれたので、落ち込むことなく。

がんで一番気になるのは転移とか再発とか、やっぱり不安に襲われるときがあるんですね。「でも、ひかるちゃん、転移とか再発とか考えてもしょうがないから、虫歯だと思えばいい」って。「『虫歯できたらどうしよう?』って日々悩んでるのはもったいないじゃないか」って。「できたらできたで治していこう」「その都度治療していこう」って。

その都度治療するにはやっぱりお金かかるから、本当に保険入っておいてよかったって思うんですよね(笑)。そういう夫なので助けてもらいました。本当に。

岩瀬:素敵なお話ありがとうございます。

司会者:本当ですね。旦那さんと2人で二人三脚でがんに立ち向かっていったというのがすごく伝わってきました。ありがとうございます。

若い時は「自分は病気にならない」と思うけど…

ということで、お話をうかがってまいりましたが、改めて本日発売となりました「ライフネットのがん保険 ダブルエール」についての感想であったり、ライフネット生命に関する期待することなど、だいたさんのお言葉でお願いいたします。

だいた:私はがんになって実感したんですけど、このがん保険を見て、がんに対してすごい思いやりのある保険だなって思ったんですね。一時的なものじゃなくて、いろんなサポートを提案してくれる。精神的に心の支えとか、そういうものが行き届いていて。

がんになっちゃうとすごく心が弱ってしまうんですね。やっぱり体が弱ると心も弱ってしまって。単純な病気ではないので、長期に渡ってつきあっていかなきゃいけない。そういうときに、早めに治療をして、こういういろいろなサポートを受けて、すぐ社会に復帰できたりとかする、すごくいい保険だなって。

本当に私はがんになってなければ普通に入りたかったです。これが実感です。もっと若い時に、どういうふうになるか、病気のことも考えてちゃんと保険に入っておくべきだったなって思うので。

若い時って「自分は病気にならない」って思うんですけど、やっぱり体の保証はないけど、保険に入っておけば保証があるので、若いときに入っておけば安く入れますから。飲み代にもならないような金額で。

私、恥ずかしながら40歳になって初めて親が入れてくれていた保険を2つほど自分で払うようになったんですけど、こんな1回の飲み代にもならないような金額であんなにやってもらったんだと思って。だから、保険には本当に感謝していますね。

だから、若い人たちに知ってもらって、入っておくといざというときに助けてくれるよ、ということを伝えられたらなと思います。

司会者:ありがとうございました。では、最後に岩瀬さんからお集まりのメディアの方に向けてご挨拶をお願いいたします。

岩瀬:改めましてみなさま、お忙しいなか今日はありがとうございました。短い時間だったんですが、私どもの思いをお伝えできたらいいなと思っています。

たまたまこの1年ぐらいに、非常に親しい先輩ですとかお世話になった方、3人ぐらい立て続けでがんで亡くなって。非常に親しい友人の旦那様も数週間前に亡くなったんですが、その方もがんと就労というのをライフワークにされていたこともあります。

ですので、まずはコアの保険商品、本当にどこにも負けない、みなさんに届けたいものができたと思っていますし、先ほどもお話ししましたように、お金を渡して終わりではなくて、その先の治療と向き合える生活をサポートできる存在でありたいと思っています。

それから、一企業としてできることは限られているんですが、いろいろな企業とともにそういうがんをされた方に対してやさしい社会を目指していきたいと思っておりますので、引き続きみなさまご支援よろしくお願いいたします。だいたさん、今日は本当にありがとうございました。

だいた:こちらこそありがとうございました。

司会者:ありがとうございました。だいたひかるさんにお話をうかがいました。ありがとうございました。

(会場拍手)

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