
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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平野隆則氏(以下、平野):では、始めていきたいと思います。このセッションのモデレーターを務めさせていただきます、和歌山経済新聞の平野と申します。よろしくお願いいたします。
(会場拍手)
私は地元和歌山で、「和歌山経済新聞」というニュースサイトを運営しております。今日も実はボランティアスタッフとして、今日の記録をこちらのテーブルのほうで何人かでつけさせてもらってます。みなさんに後日読んでいただくテキストも、こちらのメンバーがちょこちょこ書いてますので、また見かけたから応援してあげてください。よろしくお願いいたします。
それでは、お二人に一言ずつ自己紹介をしていただこうと思います。お願いいたします。
指出一正氏(以下、指出):はい。『ソトコト』という雑誌の編集部の指出といいます。今日はみなさんとご一緒できるのを楽しみに、出雲大社からやって来ました。朝6時半に出雲市駅を出て、13時くらいに着いたのかな。僕、けっこういい線いってるんじゃないかと思ったけどぜんぜんですね、ダブルスコアですね。よろしくお願いします。
(会場拍手)
徳谷柿次郎氏(以下、徳谷):「ジモコロ」というWebのローカルメディアの編集長をしている、徳谷柿次郎と申します。みなさん、よろしくお願いします。
(会場拍手)
平野:というわけで、今日はWebメディアを……私も地元でWebメディアを、柿次郎さんは全国の情報をWebメディアで書いてらっしゃる。指出さんは主に紙ですね。
指出:そうですね。クラシックメディア。
平野:ずっと雑誌のお仕事をされてるということなんですよね。
指出:もう今、27年目ですかね。大学の4年生の時からアルバイトで、山と渓谷社という出版社のアウトドアの雑誌にいました。27年も、この仕事がよく続いてるなって不思議に思うんですけど、編集者をやってます。
平野:何年前からソトコトの編集長をされてるんでしたっけ?
指出:2011年ですかね。2011年6月号からで、3.11のあとに編集長になったんですよ。石巻で作ってたから、紙がなかったんですね。ソトコト、もう出せないなと思いながらやってた。
徳谷:そうなんですね。
平野:柿次郎さんはいろんな経歴をお持ちなんですけども、今日はジモコロについてお聞きすると、ジモコロの編集長は何年されてるんですか?
徳谷:丸2年ぐらいですね。それまでは、ぜんぜんローカルに興味がなくて。
平野:興味がなかったんですか。
徳谷:もしかしたら、みなさんのほうが詳しいかもしれないですね。ジモコロというのを通して全国を取材していくうちに、どんどんはまっていって、現在に至るといいますか。楽しいですね(笑)。
平野:もともとは大阪出身なんですね。
徳谷:はい。出身は大阪で、26歳まで大阪にいて、ずっと松屋のアルバイトをしてました。当時は牛丼を盛るのが得意でしたね。
平野:東京に出られたのは何歳のときですか?
徳谷:26歳の終わりですね。27歳から、まだ東京に出てきて8年ぐらい。34歳なんですけど、社会人歴8年ぐらいですよ。まだぜんぜんフレッシュですね。
(会場笑)
平野:フレッシュなんですか。
徳谷:自分で言うのもなんですけど。
平野:なるほど。柿次郎さんと私は同じ師匠といいますか、師匠筋が同じといいますか。今日も会場にいるんですけど、和歌山経済新聞の初代編集長の宮脇淳さんに、私は編集長というか指導していただいて、柿次郎さんもかつては同じように。
徳谷:そうですね。東京に出てきたときに、宮脇さんがやっている有限会社ノオトっていう会社に、たまたま拾われたといいますか。本当、子犬のような状態で町をうろついてたら、「うちで働かんか」みたいな、そういう素敵なエピソードがありますね。
平野:自分でそういうの、言っちゃうんですね。
徳谷:(笑)。
平野:そこで最初はあれなんですよね、「みんなの経済新聞」という、私たちがやってる和歌山経済新聞もそれの1つなんですけど、その「品川経済新聞」の記事を書かれたことがあるってことなんですね。
徳谷:そうですね。最初の1年はそこが修行の場みたいになっているので、今振り返ってみると、ある意味その品川経済新聞の経験が、町のネタを見つける、人のお店にアポを取って取材をするっていう土台になってるんじゃないかなと思いますね。
平野:そういうことを経て、今現在Webメディアで書かれていると。
徳谷:はい。
平野:今日は「地方創生とメディア」というテーマで、今から15時半までの時間を、みなさんとご一緒にお話ができるっていうことなんですけども。どんなことを話していきましょうか。
徳谷:こっちに(会話の)ボールが来ましたね。みんな、なにが知りたいんですかね。
平野:いいですね。ちょっと聞いてみたいと思います。どうやって聞くか……。
徳谷:(笑)。
平野:じゃあ、案を出しましょうか。例えば柿次郎さんだったら、どんなことを聞いてみたいと思いますか?
徳谷:また、ボールが戻ってきましたね(笑)。若者で、情報発信に興味を持ってる人がすごく増えてる実感があるのと、「どうすればいいですか?」って質問が年々増えていってるような気はしますね。
それがライターっていう手段であったり、編集者っていう手段であったり、本業があって副業としてそういうのに関わりたいっていう人が増えているので、すごく正解を出しづらい仕事といいますか。最近よく答えを求められるんですけど、「答えなんて、ねえっ!」て言うようにしてるんです。
その中で、いくつかの考え方っていうものを自分で身につけていくしかないので、話せるとしたら編集という視点についてかもしれないですね。
平野:編集者としての視点っていうものですか?
徳谷:はい。
平野:なるほど。指出さんはどうでしょうか?
指出:僕は今、とびきり熱いキーワードを持ってきたんですけど。
平野:とびきり熱いキーワード!(笑)
徳谷:そんな、打ち合わせで言ってなかったじゃないですか。
指出:話したじゃないですか。
(会場笑)
町を編集するっていうこの価値観を、今日来てくださったみなさんと共有すると、それぞれの都道府県とか市町で編集者が増えると思うんですよ。
柿次郎さんも僕も、職種というか、職能は編集者ですけども、みなさんも編集者として町に関わってくれると、どんどんその町の解像度が上がったり、おもしろいことが起きたりするんですよね。だから、そういう意味でアップデートされた編集、これまでの狭義の言葉から解放された編集って話ができたらいいかなと思います。
平野:すでに核心に迫った感じがしてきました。そのあたりの話もしていきたいですね。あと、私から提案するとしたら、私たち和歌山経済新聞もそうなんですけど、ボランティアベースの情報発信というのをやってるんですよね。
お二人はプロフェッショナルとしてやられているっていうお仕事だと思うんですけど、私たちの編集部っていうのは、みなさん社会人サークルみたいなかたちで、町にいるみんなが自分たちの地域の魅力を発信しようってことで、集まってやってるプロジェクトなんです。ちょっとそういうプロボノといいますか、町への関わり方として情報発信という話をできたらどうかなと、私は思ってます。こんなところですかね。
指出:はい。そんな話で、みなさんいいですか?
徳谷:(会場は)「うん」って言ってますね(笑)。
平野:じゃあいきましょうか。どっちからやりますか? 編集の話から入っていきましょうか。
徳谷:はい。そうですね。
平野:とびきりのネタがありますんでね、とびきりのネタを出してもらったほうがいいんですかね。
徳谷:とびきりのネタ。
平野:とびきりのネタは今日、指出さんがホットワードを持ってきてくれてるんで、町を編集するという……。
指出:そうですね。町を編集するっていうのは、一昨日、朝日新聞さんでコラムで載せてもらったんですけども、編集の手法が広がっていって。
例えば、食堂が編集の対象になったり、みかんが編集の対象になったりとか。要は紙であったりWebっていう概念じゃないものでも、実は編集のスキルが使えるっていうことに気が付いた人が増えてるんですよね。
6次産業化って、まさにあれは編集のスキルだと思うんですよ。本来だったら「みかんですよ」って言って終わりのところが、みかんにどうやったら付加価値が付いて、ある受け手に届くかっていうのを考えるのは、これは編集者の仕事と似てますよね。
徳谷:そうですね。
指出:僕、この前4時間くらい話したんですよ。(今日は)40分ぐらいしかないから、(この話は)ちょっと止めますけど。
1つ前はデザインという言葉を、みなさんよく使われたと思うんです。今ももちろん、ど真ん中のキーワードなんですけども。町をデザインするっていうことで、みんなもそれを学ぼうということで、コミュニティデザインとか、いろんな言葉になったと思うんですよね。
たぶん、そのバトンを今度受け取るのが、編集って言葉なんです。なぜそう思うかっていうと、デザインはかなり職能であったり、スキルみたいなものがけっこう必要に見えてしまうんですが、編集っていうのは基本的にホームビデオの編集とか、小学生の壁新聞とかも編集なんですよね。
なにが言いたいかというと、今お集まりのみなさんも、若い方から先輩の世代までけっこうまちまちだなと思って見てるんですけれど、日本とか各地域でなにかをやるときに、一定のレイヤーが同じ年齢とか同じ思考の人ばかり集まるって、なかなか、なくなっていくんですよね。
そんなときに共通でざっくり、「なんとなくわかるな」という言葉がとても大事になるんです。そのときに編集っていう古い言葉が新しく、「あ、編集ね、なんとなくわかるわ」っていうことで、町づくりとかコミュニティづくりのときに、編集のスキルを使うっていうのが出てくるんだろうな、出てきてるんだろなという気がします。
今、僕は1週間のうち2日ぐらいしか東京にいなくて、残りの5日間というのは地域、地方にうかがっていたり、編集者としての仕事として、行政の事業をかなりやってるんですね。
昨日も出雲大社に行ってたのは、それもあって。明日は益田ってところに行くんですよ。今日の夜、益田市に、島根にまた戻るんです。そういった場所でみんなが求めてるのは、「自分たちの町はこんなにいろいろいいものがあるけど、広げすぎたからもう1回整え直したい」っていう気持ちなんですね。それはたぶん、編集という言葉にみんなが期待を込めてるんじゃないかなって感じがする。
平野:情報を編集するということだけじゃなくて、町そのものも編集するっていう意味なんですか?
指出:そうです。要は、新しいものをたくさん生み出して、大きく広げたままになってるところが多いんだと思うんです。「うちには、こんないいものがあるよ」っていうのが、おいしい水があるとか、棚田百選に選ばれたとか、誰々さん御用達のなになにがあるっていうのは、実はほかの町との差別化には使えないんですよね。どこもみんな持ってる。
よく「なにより人が温かいんです」って言って、ワークショップがあるんですけど、それだったらやらないほうがいいんじゃないかなっていうくらい、どこもみんな人が温かったり冷たかったりする。だから、もっと冷静な目線で、もうドライなんですよ。編集者ですらドライなんですよ。
なぜかというと、捨てる仕事なんです。いっぱい集めて捨てる仕事なんです。だから、編集って視点で町を見ていくと、たくさんあるけれども、この中から選ばなきゃいけない。どれが今、みんなに伝えたら町が元気になるかとか、ものが売れるかっていうのは、そういう視点が大事なので、その話かなと思いましたね。
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