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夏野剛×DMM亀山会長対談(全4記事)

未成年淫行・飲酒問題はどこまで罰すべき? DMM亀山会長×夏野剛が語る“法的正義”への疑問

DMM.comグループが運営するオンラインサロンにおいて、同社会長の亀山敬司氏と夏野剛氏の特別対談が行われました。その時の対談内容を抜粋、編集して、4回に分けてお届けします。第3回目は、日本の法解釈について、メディアで取り沙汰された「未成年淫行報道」や「飲酒問題」を例に考えます。「夏野剛オンラインサロン~Salon de Natsuno~」

会社経営に民主主義はそぐわない?

夏野剛氏(以下、夏野):当事者意識は大事だと思います。会社以上に国が難しいのは、国民が「自分の国だ」と思っていないこと。誰かがやってくれると思っているから、そこに甘さが出てくる。自分と組織が一体化してないんです。

亀山敬司氏(以下、亀山):確かに広すぎるとどうしてもね。日本はなんだかんだ言っても平和だから。みんなもそこまで危機感がないよ。これがとんでもない状態になったりすると、違ってくるんだろうけどね。

夏野:となると、やはり民主主義はダメですね。

亀山:あはは(笑)。なんでそうなるの?

夏野:さっきの「従業員に投票をさせて社長を決めていたら、会社が駄目になる」と同じ理屈で、国の将来とか長期的な視点に立った人間でないと、きちんと判断ができないですから。

亀山:それでいうと、会社が民主主義になるのはダメだよね。北朝鮮みたいな独裁主義か、大手企業だったら中国共産党みたいな統治がいい。つまり、創業者がドラスティックに決めるか、エリート幹部だけの話し合いで決めるほうが上手くいくと思う。ウチなんかもカメ将軍様が「オリャー!」って決めてるからね(笑)。

ただ、会社だったら、社長がむちゃくちゃな暴君になったり、世襲でバカな2代目が後を継いで、会社がひどい方向に行ったときは社員は辞めればいいわけで、人が離れてダメな会社は勝手に潰れていくよね。

夏野:社員には選択肢がありますからね。

亀山:でも、国の場合は命がけで亡命しないといけない。国境超えるは大変だから、やっぱり民主主義が今のところ一番マシかな。

夏野:民主主義の前提というのは、「ある一定期間を過ぎれば修正される」という感覚なんですよ。トランプ政権下で4年間を過ごすのはかわいそうですけど、クッションシステムで試行錯誤を繰り返しながら戻る。

しかし、今回のトランプ当選というのは、「民衆が過去を全く学ばなかった」ということを証明してしまった。

亀山:それで言えば、エリートも学んでこなかったことになるよね。民衆の革命が起こるってことを予想できなかったんだからね。

狩野英考の未成年淫行ニュースへの疑問

夏野:実はこれと同じようなことが、今日(対談当時)話題になっていた狩野英考という人間の問題行動と共通点があると思っていまして。

亀山:おぉ、すごいね! 狩野英考とどう関係するの?(笑)

夏野:あの狩野英考のニュースを見ていて、「なんでこんなくだらないことをやってるんだろう?」って。なにしろニュース番組もトランプのスピーチの前に狩野英考ですから……。

亀山:あはは(笑)。平和だよね〜。

夏野:僕が出演している番組の裏も同じなんです。「これが一番目の特集か?」というような違和感がある。そして、僕はこのニュースを見た若い世代は、「狩野英考を助けてやんなきゃ」という同情のほうが集まっていると思っていたんですよ。あんなのは自由恋愛の世界ですから。

でも、それを言えないから、彼は終始「肉体関係は……それはちょっと言えません」とか口を濁していましたけど、淫行条例というのは未成年とエッチをしてはいけないのではなく、未成年を無理に誘ったり、騙したり、お金で吊ったりしたらダメということ。それなのに、まるで未成年に関することは全てがダメみたいな建前で、マスコミが聞いているわけです。

亀山:確かに、16歳で結婚できるはずだからね。

夏野:そうです。16歳は結婚できます。もちろん、自由恋愛でも親が告訴したりすると有罪になる可能性はありますけど、今のあの二人の関係では絶対ありえない。それなのに「淫行だ!」と言うマスメディアがいて、この論調に50を越えたいい年の男女が乗っかっていくんです。

亀山:なるほどね。

夏野:「自分も若い頃に何もなかったわけじゃないでしょ」という人に限って、「未成年となんてありえない」とか「芸能人はみんな清く正しく生きるべきだ」というような建前を言っていて、その論調にメディアがバーンと乗のっかってしまっているから。もうちょっと本音を言ったほうが良いんです、今の若い世代とかはもう爆発寸前だなという……。

亀山:いやいやわかるよ。

夏野:みんなわかっているのに、言ってはいけない。いわゆるポリティカリーコレクトの世界です。これと同じじゃないですか。日本は平和で政治的な意志というか文化的な意志として、「これどうするの?」という。

法律には慈悲や寛容も必要

亀山:「ほのかりん」っていたよね。ゲスの極み乙女とお酒飲んじゃった19歳に女の子。

夏野:はいはい、いました。

亀山:その娘が未成年飲酒で解雇になって、干されたって記事があってね。

確かに法律違反かもしれないけど、「俺も18歳から飲んでたなぁ、こらっダメだろ!って叱るだけじゃダメ?」みたいなコメントを書いたわけよ。でも、それは日頃の半分の「いいね」も来なかった(笑)。

夏野:いまこの会場にいる人で20歳までにお酒を飲んだことのある人?

(かなり多くの人が手を挙げる)

夏野:……飲んでいるじゃないですか、みなさん! それなら「いいね」しなきゃダメですよね、亀山さんに。

亀山:あはは(笑)。っていうか、やっぱり法律違反は擁護しにくいんだよね。実際違反だからNHKが下ろすのもわかるし、悪いことは悪いんだけど。あそこまではやりすぎな気がする。

夏野:法律は大事だということは理解できるんですけど、ちょっと変ですよね。

亀山:うん、もちろん法律ってのは大事かもしれないけど、なんていうかな、慈悲とか寛容があってもいいと思う。

夏野:交通違反と一緒で、アローワンスが必要ですよね。

亀山:法律が正義っていうよりも、法律は指針でしかないと思うんだよね。だから、ルールは確かにそうかもしれないけど、違反したことない奴なんていないと思う。でも、「なんで犯罪者をフォローしてるんだ」とか「社会で生きて行く最低限のルールは守れ」みたいなコメント書かれて。

夏野:公然で正しいことを言っても、ギャーギャーと文句を言われますから。

亀山:世の中っていうのはここに関して厳しいなって思ったね。

法律は絶対的なものではない

夏野:同じことが大学でもあって。最近慶応大学はスゴく大変で、飲酒によってサークルが御取り潰しになっているんです。だから新歓コンパでも飲酒はしない1,2年生はまだ20歳になっていないから飲めないんですよ。もし、飲んでしまうと廃部になるんです。

亀山:そうなんだ。

夏野:これがまたなんでかというと、今の塾長がお酒を飲めないからなんですよ。

(会場笑)

夏野:もちろん、法的な部分もあるとは思いますけど、そういった理由もあると思うんです。そして、スゴく厳しいんです。

亀山:いやでも、多分あと何年か経ったら成人は18歳になるよ、間違いなく。

夏野:なるでしょうね。今、民法改正中ですから。

亀山:だって選挙権もあるのに、酒飲めないってちょっとおかしくない? どの道これは改正されるわけよ。多分数年後に「18歳でも飲めます」ってね。なった時はそこからいきなり正になるんだよ。

夏野:そうです。

亀山:今は飲むことは悪なわけよ。

夏野:そう、法律が変わると今まで悪と言われていたものでも問題なくなるといったように、180度変わってしまう。

亀山:世の中の法っていうのはその程度のもの。だから、法律に全てを委ねるっていうよりは、法の前に自分なりのルールみたいなものはいると思う。違法でも他愛のないこともあれば、合法でも許されないことはある。

夏野:法律は遵守すべき大事なものですが、絶対的な存在ではないんですよ。

亀山:もし禁酒法になればみんな悪なんだから。一滴でも飲んだら犯罪の時代もあったわけだよね。時代や国によって違う法なんて別に真理じゃないから。もちろん法律は大事だと思うし、それで罰を受けるのはしょうがないけどね。飲んだら罰金とかあんのかな?

夏野:あります。

亀山:それはいいよ、払う。

夏野:でも、生活の糧とか仕事を奪うほどのことではないです。

亀山:社会から袋叩きにされるのは可哀想な気がする。みんなが正義を見つけると、ここぞとばかりに振りかざすけど、「俺たちが人を非難できるほど立派な人間かよ?」ってことじゃないかな。

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