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2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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(動画はじまり)
山本一太氏(以下、山本):かんたんに言うと、一番大事なポイントは、ギャンブル依存症対策をどうするかということと、マネーロンダリングを含む犯罪防止をどうするかということです。まず、このマネロンから行きたいと思います。上月さん、説明していただけますか?
上月りょうすけ氏(以下、上月):この横に線が引いている部分というのが、大変重要です。これは、衆議院の付帯決議に加えた部分なんですね。参議院で新たに項目をおこしたり、あるいは、衆議院のおきている項目のなかにさらに加えた部分に線が引かれています。
そういう意味で、マネロン対策のところは参議院で1項目にきちんとおこして、「さまざまな措置を徹底してやるぞ!」ということを入念に入念を重ねて、書かせていただいた文書です。
FATF勧告というグローバルな基準がありますが、それだけではなくて、考えられるすべてのことを書いてあると思っています。なので、きちんとやっていただくのがマネロン対策という意味では大変大きな意味があり、実施法がでてくるときの審議が非常に大きなポイントの1つだと思っております。
山本:茨城県のみなさんに感謝したいと思います。この人がいなかったら、ここまできちっとした……。
(動画終わり)
山本:ここで上月さんの宣伝が入るんですけど、素晴らしい参議院議員ですから、茨城県のみなさん、ありがとうございます。こういう人はこれからも当選させ続けてください。上月さんからいろいろ用語を説明してもらったんですが、その中身について、見ていきたいと思います。
『カジノにおけるマネーロンダリングの防止を徹底する観点から、第7項の事業主体の清廉性を確保するための措置。第8項および第9項のカジノへの厳格な入場規制を導入するための措置』『第11項の世界最高水準の厳格なカジノ営業規制を構築するための措置に加え』、ここです。
『マネーロンダリング対策に関する国際基準であるFATF勧告に適切に対応するため』。ここからが大事ね。『諸外国の規制の現状等を踏まえつつ、カジノの顧客の取引時確認、確認記録の作成保存、疑わしい取引の届け出等について、罰則を含む必要かつ、厳格な措置を講ずること。また、カジノにおけるマネーロンダリングの防止を徹底する観点から、厳格な税の執行を確保する』。
『厳格な税の執行を確保する』。この中身、どうですか?
渡邉美樹氏(以下、渡邉):これ、7条かな。『カジノ施設の設置及び運営をする者、その他カジノ施設関係者については、真に的確な者のみ選定されるよう厳格な要件』、となったときに……。これ、一番問題なっているジャンケットが通らなくなりますよ。ジャンケットを使わないってことだったら、僕はそれでいいと思うんです。
山本:ジャンケットというのは、マカオとかカジノビジネスに登場する人で、この人がいわゆる富裕層とか連れてくる。
渡邉:(ジャンケットが)世界中のお金持ちを引っ張ってくる。ホテルも全部面倒見るし、もっと言うと、この人が金融をするんです。要するに、「お金を100万円預けてください」と。「現場で使うお金はこっちで融通しますよ」ということで、汚いお金預けて、ここできれいになっちゃうんですよ。
山本:なるほど。マネーロンダリング、洗浄ということですね。
渡邉:この間マカオで聞いてきたんですが、一番悪いのは、例えばジャンケットが「一部屋、この高額のルームは俺が面倒見るよ」ということで、通常の運営会社から、一部屋を預かってしまうという現実があるんですよ。
山本:なるほどなるほど。
渡邉:部屋の中で、起きたことは、もう何があってもなんでも通ってしまうわけですよ。
山本:なるほど。
渡邉:例えば、この人が100万円勝ったということにすればいいわけですから。だから、7条のジャンケット禁止、そしてこれは画期的だと思うんですけど、9条の個人番号カードの活用。つまり、「必ず顔と名前の確認をしますよ」と。これを全部データ化していけば、流れが見えてきますから、僕はこの2つをやることが、絶対条件だと思います。じゃないと、(マネーロンダリングは)防げないです。
西田昌司氏(以下、西田):いいんだけど、(この施策を)やると、たぶん誰も来ないんですよ。要するに、昔ラスベガスに行ったことあるんだけれど、そこではスロットマシーンをやってますよね。あれはパチンコそのものですよね。おんなじことで……。
その奥にVIPルームがあって、そんなところには僕は行ったことはないんだけども。そこ見ていたら、要するに「客寄せでお客さんが集まってますよ」というだけで、あそこで何にも儲からないんですよね。手数料も取れないような話で。
奥に行くためにお客さんが来ているんだけど、奥にそれだけあったらいかにも怪しいじゃないですか。ところがみんな、ゲームをやり、ショーも見る、食事もする。そういう健全な雰囲気をつくっておいて、奥に行って悪いことをするっていうね。
山本:なるほど。
西田:そういうビジネスなんです。だからはっきり言って、堅気の人がやるビジネスじゃないんですね。もともと裏家業の人がやるビジネスを表家業に持ってくること自体が初めからおかしいんですよ。
山本:今のお二人の話を聞いて思ったんですけども。もちろんカジノを真面目に勉強して、解禁・推進、どうしたらいいカジノなるか、本当に収益を上がる、あるいは、地方振興をどうやって作ればいいか、真面目に議論していた方々は多いんですが。
ただその推進派の一部から、「規制しすぎると地方振興ならない」という声が出てきていると。これはおかしいじゃない? だってさ、「マネロンは大丈夫です」と。「マネロンは防ぎます」と、「ちゃんと規制を厳しくすれば、大丈夫なんです」と言いながら、規制厳しくしすぎると、人が来ないと、根本的に矛盾だと思わない?
西田:それともう1つ。そもそもの間違いは、さっき渡邉さんおっしゃったんだけど、IRね。あれは賑わいをつくるんですよね。それは国がやってもいいんですよ、会議場あるとことかね。ところがそれやると税金かかるでしょ。
「IRは全部民間がやってくれ」と。その上で税金はこっちにもらえると、いいとこ取りじゃないかと思ったんだけれど、結局そこに大きな罠があるわけですよ。本来国が、そういうことはやってもいいんだけど、要するに公共工事不要論とかね、大きなそういう施設つくってどうだ、となっちゃって、じゃあどうしたらいいのかと。大きな会議場つくったりするときもね。
じゃあ、カジノをやって、それで運営させると、国の方も一銭も出さなくていいじゃない、と。これが片っぽにあるんです。そういう、美味しい話には裏があるのは決まってて。何を言っているかという話なんですよね。
山本:なるほど。上月さんは健全なIRをつくるためという観点からがんばったんだけど、これ本当に全部やったら、いいと思うんですよ。われわれがんばって、参議院で一時、衆議院まで差し戻した。悪いけど衆議院は乱暴だからね。これを差し戻してやったことを評価してて、参議院で付帯決議を入れたわけじゃない。
これ全部やるんだったいいと思うんですよ。西やん、『厳格な税の執行を確保する』ってどういうことですか。つまり、税、申告させるってことかな?
西田:そうですよ。例えば、競馬とかあるでしょ。競馬もカジノも勝てば所得であって、所得税がかかるんですね。ところが実際には、競馬で勝った負けたというのは、なかなかわかりにくいんですよ。わかりにくいから、課税されないケースがある。
ところが、今は電話やネットで(競馬を)やったりできるんです。それは、あとに残るでしょ? そうすると、(所得として)申告していないと、税務署が「あなた1億円儲けましたね?」って来るんですよ。同じくこれも、トレサビリティ―がちゃんとできるようになっていると、わかるわけですよ。
「渡邉さんから、山本先生のところに1億行きましたね」ってわかっちゃう。これで、課税されるんですよ。100%課税できちゃう。
山本:100%課税できる状況にして、本当人が来るのかっていうこと。
渡邉:いや、来ないですよ。
山本:来ないですよね。
渡邉:パスポート出してね。しかも、最初はシンガポールなんかも、全部現金だったじゃないですか。全部現金やって、現金申告していたら、誰も来ないですよ。
山本:覚えていると思うんですが、今回、カジノ法案は相当急いで、最初参議院の国対は駄目だ言っていたけど、いろんな事情もあって、なんとか参議院の国対も了解して、審議をして。吉田博美幹事長の決断で、ちゃんと政策審議会で勉強会持ってくれたのがよかったと思うんですが、前回、この法案が出なかった時に、一度実は参議院の政審でこのカジノ解禁をめぐる議論をやって、推進派の弁護士の人たちに来てもらったんですよね。渡邉さん、覚えてます?
渡邉:覚えてますよ。
山本:最後、我々が言ったのは、「じゃあ、聞かせてください」と。「カジノを導入して、マネロン、犯罪、あるいは反社会的勢力の関与を100パーセント防げるんですか?」って聞いたら、「防げない」って言ったんだよね。だから、我々はそれは駄目だとということなんですよね。
渡邉:はっきり言いました。
西田:できないですよ。
渡邉:一方で、実は僕、僕の前の会社って言ったらいいのかな。和民でマカオカジノの会社から、レストランの出店要請を受けているんですよ。これはなにかというと、マカオでジャンケットがフルに動いて裏金で儲けていたのが、結局中国の富裕層が来なくなったんで、裏金動かなくなってきたんですよ。結局、マカオも衣替えしようと。カジノから、本当に健全なレストランとか、外国人の観光客を本当に呼ぶような施設にしようと今、大転換しているんですよ。にも関わらずに、日本でですよ。今更ですよ。
西田:1周遅れですよ。
渡邉:もう3周遅れでしょ。今更ね「日本でカジノやりましょう」はナンセンスです。商売的に考えてナンセンスですよ。
山本:私がいつも思うのは、例えば、ラスベガスを成功例にする人がいる。ラスベガスじゃなくて、シンガポールもちょっと持ち直してるとかね。全体として、収益が持ち直しているなんか、いろんなデータはあるんだけど、ラスベガスと日本は違うんで、ラスベガスだってカジノの収益ってほんと一部でしょ。
渡邉:一部ですよ。
山本:ラスベガスはショービジネスの一大拠点なわけじなゃないですか。メイウェザー対パッキャオ、あのボクシングの試合だったら、ラスベガスでしょ。UFCのロンダ・ラウジーが復活した試合だってラスベガスですかね。エクストリームゲームもラスベガス。いろんな国際会議もラスベガスで、そこと日本を比べて、カジノを入れたから、人がものすごく来るのか。どう思う? アジアのカジノと競争できるのでしょうか。
西田:初めから砂漠で何もないところでしょ。日本はそういうところじゃなくて、全部、四季折々の美しさがあるしね、観光資源もいっぱいあるんですね。ラスベガスはそれがないから、わざとカジノで人に集めをしながら、出てきたホテルを使って今度はショージネスやったりしているんで、それはそれでアメリカの土地柄でいいんだけど。
日本ははっきり言いまして、そんなことやる必要ないです。もっと言うと、カジノ構想をやったときは、観光客が600万人程度やったんですよ。でも、今度は4,000万とか言っているでしょ。誰も想像してなかったんだけど、今もう2,000万人超えてね。確実にいっちゃうんですよ。だから、カジノをやらなくても、今言ったように、日本の良さが海外に知れたら、いくらでもインバウンドは増えてきているんですね。これももう、2,3周遅れの議論なんですよね。
渡邉:そうですね。
西田:前提がね。もともとカジノが進めてやっていこう時の前提とまったく違っているということを、素直にみんなが認めないといけないと思うんですよね。
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