
2025.03.19
ドバイ不動産投資の最前線 専門家が語る、3つの投資モデルと市場の展望
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鳥居佑輝氏(以下、鳥居):次のトピックにいきます。いろんな失敗談とか、Webコンテンツに必要なものをお聞かせ願いたいと思います。
小澤一郎氏(以下、小澤):今までお話ししたのは、「パベルック」という写真のサービスと、今やっている「FAVOR」という化粧品(メディア)なのですが、あと会社で4つくらいのアプリやメディアの立ち上げを5〜6年くらいやっています。
2011年に写真サービスのアプリを出して、2012年くらいに立ち上げたのがキュレーションサイトとか、アンテナさんみたいな女性向けのニュースサイト。
今考えたら、けっこうよかったんじゃないかなと思うんですけど、その時は本当にお金がなくて、パベルックの開発とリソースに集中してしまって放置になってしまったのが2012年。
その後、資金調達をして、キュレーションサイトをやってみて思ったのが、Web上のコンテンツってすごくしょぼいから、いいコンテンツを持ってこようと思って、2014年くらいに出版社の電子雑誌のサービスを作りました。
A4サイズのファッション雑誌なんですけど、今のスマートフォンで小さくしても文字がすごく見づらいし、雑誌を見るためにピンチしてる時点でUIとして終わっているなと思って、出版社さんにPDFのデータをもらって、スマートフォンに最適化して見せる。
最近だったら、マンガをスマホで縦スクロールで読めるとか、それのファッション雑誌版を大手の出版社さんもやっていると思います。
その時はいいコンテンツを出せば、ユーザーが集まると信じ込んでいたので頑張っていたんですけど、やってみるとスマホのユーザーと作り込まれた雑誌がマッチしていなくて、あまり反応がよくなかったんですね。
最近のキュレーションサイトさんを見ても、出版社のコンテンツを流してたりするんですけど、普通にキュレーションした情報のほうが見られる。作り込まれたコンテンツはあまりマッチしていないという話があったりすると思うんですけど。
たぶんその理由というのは、何ヶ月も前に1ヶ月分のコンテンツを受け取って制作をする、それをまた来月も……という感じでコンテンツが遅い。
うちとしては毎日コンテンツをどんどん出して行きたいのに、出版社さんがちょっと遅かったりとか、モデルの権利がどうこうとか編集部に確認しないといけなかったり、どんどん遅くなっていきます。
ベンチャーのスピード感ではないなと思って、その次は出版社さんのコンテンツというよりは、自分たちでオリジナルを作れるんじゃないかと思って、撮影や記事の執筆を自分たちでやってみようと。
そういう意味では、コンテンツはその時の流れに乗って作っていますし、ブームになるちょっと前くらいのサービスを温存してやっていたりします。
年末にDeNAさんの問題が起こって、オリジナルコンテンツの流れに変わってきていると思うんですけど、2年前くらいから問題視していたわけではないんですけど、オリジナルコンテンツをやってみようかという感じで始めたのが、ちょうどこの2年くらいです。
そういうサイクルが2〜3年くらいで来るかなと思っていて、あと2年後にはどうなるかということを予知して早く作り込むということをやっています。
森泰輝氏(以下、森):WELQ問題につながる話なんですけど、無断転載とか著作権に対していろいろ厳しくなってるじゃないですか。そのあたりはpixiv的にはどうでしょうか?
例えばうちのYouTuberで「怪盗ピンキー」というやつがいるんですけど、そいつは怪盗キッドの絵をパクってアイコンにしているんですよ。
自分で描いたやつなんですけど、突っ込まれるとどうしようもないっていうくらい似てるんですよね。そういうイラストってけっこうあるじゃないですか。それはどうするんですか?
永田寛哲氏(以下、永田):ちょっとポジショントークっぽくなっちゃうかもしれないけど、そもそもの考え方として、元の作品に対する愛情とかリスペクトを、自分なりにイラストにしているというのは、僕は何か言える立場ではないんですけど、許されるべきなんじゃないかとは思います。
実際に日本という特殊な環境の中においてはなんですけど、ほとんどの出版社が許容黙認してくれているのは、それに対して彼らとしてもメリットがあるからだろうし、根底にあるのは作品に対する愛情とリスペクトだと思う。
逆に言えば、ただパクった物みたいな、コピー商品だったりとか海賊版だったりとか。そういう物に対しては当然断固とした取締まりをするべきだし、そこに対して線引きをして、日本のコンテンツ業界というのは運用されている部分があって、それが次世代のクリエイターを育てているというのも非常に大きいですね。
なので、我々としても権利元が権利侵害だと言うのであれば、もちろん侵害として処理しなければいけないというのはあるんですけど、親告罪であるということも含めて、ユーザーが自分で描いているイラストである限りは、僕らがそこに対してさらっと言うべきではないのかなと思います。
森:小澤さんだったら、いろんなキュレーションメディアに転送されちゃうんだから、自分で無償提供しちゃおうみたいな?
小澤:うちは1.5万枚くらいオリジナルの写真があって、撮影した中の3分の1とか4分の1くらいしか出さないので、全部含めると6万枚くらいあると思うんですけど、それを全部無償でAPI化しています。
去年まではキュレーションサイトさんも勝手に画像使われていて、記事を見ると全部うちの写真なんですよ。
1枚だけ使うんじゃなくて全部使うんですね。それで記事を作っていくみたいな。それは運営側がそこまで見きれていなかったりとか、ライターも何の問題意識もなくやっていたと思うので。
「知らないのかな?」と思ったんですけど、頑張って作ったうちとしてはイラッとして、キュレーションサイトさんに「全部使わないでください」と言って、ウチのドメインから画像を取れないように対策しました。
年末にその問題が起こって、オリジナルコンテンツで撮影をしていくんだろうなと思っていて、そうなってくるとキュレーションサイトには大資本になっている会社もあるので、資金力勝負でオリジナルコンテンツ勝負をやっていくとけっこうきついなと思いました。
それだったらオリジナルコンテンツにうちをどんどん使ってくださいということでAPI化したということもあります。
そういったかたちで、メディアというよりは化粧品のプラットフォーム的なところを目指してサイトを伸ばしていきたいなと。
森:発想がすごいですね。無断転載が問題になっているから、無断転載をなくすために提供してやるという。
小澤:もともとAPI化するみたいな話はずっとあって、なかなかそっちに振り切れてなかったんですけど、年末に問題が起こって、今しかないなと思って、その時にプレスリリースを出しました。
そもそもキュレーションの意味がわかっていないクライアントさんもたくさんいるんですけど、問題が起こったことで、うちがオリジナルでコンテンツを作っていることが再評価されていて、それであればそこを突き進みたいなと思って。
それまではキュレーションメディアさんとの広告費の奪い合いみたいな感じだったので、そっちには使われたくないという気持ちだったんですけど、オリジナルメディアの地位みたいなものがちゃんと確立し始めたので、提供してもいいかなと。
永田:そこらへんに関しては、ある意味旧来の一般メディアと比べると、非常にWebのほうがよろしくないなと思うところがあって。
例えば普通の雑誌で、権利元が他にある写真を無断で載せたとか、記事とかをパクって載せたみたいなことがあったら、「書いた人が悪い」みたいな言い訳って通用しないじゃないですか。
雑誌には編集長がいて、編集長が責任を取らなきゃいけないし、場合によっては会社が責任を取らないといけないという話に普通に発展するので、Webだからそういうことが許されるという感覚はあまりよくないなと。
もちろんWebの良さというのは、やっぱり速さであったり、ボーダレスというか、どんな人でも見れるのが良さだし、それを規制するような流れというのは、業界にいる者としてもよくないなと思っているけど、そこでそういう問題というか、やったもん勝ちみたいなことを繰り返してしまうと、規制しきれないので後回しになっていってしまうので、そこは自分たちで解決すべきところだと思います。そこに対してできることって何だと思いますか?
森:本当に難しいですよね。クリエイターには成長してほしいし、規制せずに自由にやってほしいという気持ちはあるんですけど、キュレーションメディアの人たちへの「編集部が書いてるか」という指摘というのは難しいですね。100パーセント差があるかと言われると、難しいと思います。
小澤:昨日から講談社さんとデジタルガレージさんが、雑誌のキュレーションサイトを作るみたいなプレスリリースが出ていて、あれとかはけっこうおもしろいなと思って見ていました。
たぶん雑誌をそのままキュレーションするだけではなくて、消費者目線みたいな記事を書いていくんだろうなと思っていて、美容雑誌もそうなんですけど、プレスリリースを乗っけているだけみたいな感じなんですよ。それもキュレーションして、消費者目線で記事を書いていくのはいいなと思います。
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