2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
リンクをコピー
記事をブックマーク
堂下浩氏(以下、堂下):アメリカで、PayPal社という会社が、トランザクションレンディングを手掛けてるんですけど、この会社を調べるとおもしろいことがわかりまして。
最初は、銀行が相手をしてくれないお客さんにPayPal社がお金を融資していたんだけども、だんだん超短期の融資というものの手軽さや迅速さというのが、資産がしっかりあって銀行も相手にしてくれるような中小企業にも、訴求していって。
結果として、そういった銀行からも借りられるような中小企業が、超短期、数時間とか数日のお金を、短期的に利用する顧客が増えた結果、年利換算でいきますと、契約の幅というのが、年利20パーセント以上の金銭対策というのが、もう一般化しているという状況です。
ここで、ちょっともう少し今の利息制限法が、いかに厳しいかということを、わかりやすいフリップを出したいと思います。
竹本直一氏(以下、竹本):これさっき私が、冒頭に言った話でしたね。
堂下:これは例えばですけれども、100万円を2日間借りる。
先ほど言ったようなそれこそAmazonに出品するような問屋さんは、こういうことがしょっちゅう起きるわけなんですけども、100万円を2日間借りる場合、どれぐらいの金利しか取れないのかということなんですけれども、これ今の利息制限法で計算しますと、100万円を2日間借りると、利息の上限ってのは、800円です。
100万円を2日間。それで、利息は、800円しか取れないということになりますので、お金を貸したくとも、いろいろもろもろの事務手数料とか、そういうことを課すと、もうお金が貸せない。だから、これはもう信用という問題ではなくて、与信不能ということです。
したがって、今の日本では、こういうような超短期の、しかも無担保の融資というものが、もうビジネスとして成立していないというのが、背景にあります。このように、この日本の利息制限法のように、厳しい法規制っていうのは、実はほかの先進国にはありません。
したがいまして、フィンテックがなかなか日本で、成長しえない大きな理由の1つが、この厳しい利息制限法にあるんだと思います。基本的に超短期の、小口の無担保融資っていうことを、この利息制限法は想定していないというのが、最大の問題点だと言えます。
竹本:そうですね。金融技術というのは、どんどん発達しますので、このフィンテックは、その最たるものですけども、そういうなかで制度がそれを邪魔してると。その発展を邪魔してるというのは、先生がおっしゃる通り、よくわかるんですけども、さてどうしますかね?
堂下:いろいろ自民党とかでも、議論されているようですけれども。これは、自民党の経済構造に関する特命委員会中間報告ということで、(手元の資料を見ながら)これは2016年12月8日に公表されたもんですけれども、中間報告の中身を見ますと、フィンテックの実現というものが、記載されております。
そのなかでバーチャル特区の活用を視野に入れつつ、新しい金利体系について、考えていく、検討するというふうに文言が書かれておりますので、こういった事業者、零細事業者、個人事業主を含めた零細事業者に対して、金利の特例を行うトランザクションレンディングのようなものもそのサービスとして、特別に認める。
そういうような考え方というものが、このなかから示唆されるんではないかなというふうに考えます。
竹本:この制限をオーバーしても、それを認めるという特区なんですか?
堂下:バーチャル特区と言いますと……、普通特区と言いますと、実施する地域というものを条件とするというものですけれども、バーチャル特区というのは、安全体制を確保した上で、イノベーティブな革新的な技術を採用した特定のサービス。
この場合は、例えばトランザクションレンディングのような、ネット上での取引に関しては、規制緩和をするという。それが、仮想特区というふうに言えるんだと思います。
竹本:今、日本にある特区というのは、おっしゃるようにエリアを限定して、この中では一般的に適応された法律を適応除外にするというふうにやります。これは、エリア限定の特区ですね。イメージしたらわかりやすいですね。
エリアを限定するんじゃなくて、こういう取引であれば、特区として認定して、そこで普通ではやれない取引ができると、こういうことですね。
堂下:そうですね。
竹本:ですから、私の質問は、ならばそのなかで利息制限法、あるいはその他の法律の規制を、越えてやれるようにするという特区なんですか?
堂下:そうですね。1つのサービスを限定して、それに安全性を、体制を確保した上で。
竹本:もちろん。
堂下:限定的に認めるというのが、この考え方だと思います。1つの、トランザクションレンディングで、それを当てはめるのであれば、例えば過剰貸付を防止するという点で、審査のときに、信用情報機関の照会、登録というものを例えば義務付けるとか。
単に金利を優遇するだけではなくて、貸し手借り手に対しても、そういうような条件を義務付けて、それで最新のIT技術とそして、ネットの充足性というものを活かしながら、サービスを提供していく。
これは、かなり日本の中小企業、とくにこれからネットを介して、いろんな商売をしようとしてる中小企業にとっては、プラスになるんではないかと思います。
関連タグ:
2024.12.20
日本の約10倍がん患者が殺到し、病院はキャパオーバー ジャパンハートが描く医療の未来と、カンボジアに新病院を作る理由
2024.12.19
12万通りの「資格の組み合わせ」の中で厳選された60の項目 532の資格を持つ林雄次氏の新刊『資格のかけ算』の見所
2024.12.16
32歳で成績最下位から1年でトップ営業になれた理由 売るテクニックよりも大事な「あり方」
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
PR | 2024.12.20
モンスター化したExcelが、ある日突然崩壊 昭和のガス工事会社を生まれ変わらせた、起死回生のノーコード活用術
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.18
「社長以外みんな儲かる給与設計」にした理由 経営者たちが語る、優秀な人材集め・会社を発展させるためのヒント
2024.12.17
面接で「後輩を指導できなさそう」と思われる人の伝え方 歳を重ねるほど重視される経験の「ノウハウ化」
2024.12.13
ファシリテーターは「しゃべらないほうがいい」理由 入山章栄氏が語る、心理的安全性の高い場を作るポイント
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
Climbers Startup JAPAN EXPO 2024 - 秋 -
2024.11.20 - 2024.11.21
『主体的なキャリア形成』を考える~資格のかけ算について〜
2024.12.07 - 2024.12.07
Startup CTO of the year 2024
2024.11.19 - 2024.11.19
社員の力を引き出す経営戦略〜ひとり一人が自ら成長する組織づくり〜
2024.11.20 - 2024.11.20
「確率思考」で未来を見通す 事業を成功に導く意思決定 ~エビデンス・ベースド・マーケティング思考の調査分析で事業に有効な予測手法とは~
2024.11.05 - 2024.11.05