
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
リンクをコピー
記事をブックマーク
堂下浩氏(以下、堂下):アメリカで、PayPal社という会社が、トランザクションレンディングを手掛けてるんですけど、この会社を調べるとおもしろいことがわかりまして。
最初は、銀行が相手をしてくれないお客さんにPayPal社がお金を融資していたんだけども、だんだん超短期の融資というものの手軽さや迅速さというのが、資産がしっかりあって銀行も相手にしてくれるような中小企業にも、訴求していって。
結果として、そういった銀行からも借りられるような中小企業が、超短期、数時間とか数日のお金を、短期的に利用する顧客が増えた結果、年利換算でいきますと、契約の幅というのが、年利20パーセント以上の金銭対策というのが、もう一般化しているという状況です。
ここで、ちょっともう少し今の利息制限法が、いかに厳しいかということを、わかりやすいフリップを出したいと思います。
竹本直一氏(以下、竹本):これさっき私が、冒頭に言った話でしたね。
堂下:これは例えばですけれども、100万円を2日間借りる。
先ほど言ったようなそれこそAmazonに出品するような問屋さんは、こういうことがしょっちゅう起きるわけなんですけども、100万円を2日間借りる場合、どれぐらいの金利しか取れないのかということなんですけれども、これ今の利息制限法で計算しますと、100万円を2日間借りると、利息の上限ってのは、800円です。
100万円を2日間。それで、利息は、800円しか取れないということになりますので、お金を貸したくとも、いろいろもろもろの事務手数料とか、そういうことを課すと、もうお金が貸せない。だから、これはもう信用という問題ではなくて、与信不能ということです。
したがって、今の日本では、こういうような超短期の、しかも無担保の融資というものが、もうビジネスとして成立していないというのが、背景にあります。このように、この日本の利息制限法のように、厳しい法規制っていうのは、実はほかの先進国にはありません。
したがいまして、フィンテックがなかなか日本で、成長しえない大きな理由の1つが、この厳しい利息制限法にあるんだと思います。基本的に超短期の、小口の無担保融資っていうことを、この利息制限法は想定していないというのが、最大の問題点だと言えます。
竹本:そうですね。金融技術というのは、どんどん発達しますので、このフィンテックは、その最たるものですけども、そういうなかで制度がそれを邪魔してると。その発展を邪魔してるというのは、先生がおっしゃる通り、よくわかるんですけども、さてどうしますかね?
堂下:いろいろ自民党とかでも、議論されているようですけれども。これは、自民党の経済構造に関する特命委員会中間報告ということで、(手元の資料を見ながら)これは2016年12月8日に公表されたもんですけれども、中間報告の中身を見ますと、フィンテックの実現というものが、記載されております。
そのなかでバーチャル特区の活用を視野に入れつつ、新しい金利体系について、考えていく、検討するというふうに文言が書かれておりますので、こういった事業者、零細事業者、個人事業主を含めた零細事業者に対して、金利の特例を行うトランザクションレンディングのようなものもそのサービスとして、特別に認める。
そういうような考え方というものが、このなかから示唆されるんではないかなというふうに考えます。
竹本:この制限をオーバーしても、それを認めるという特区なんですか?
堂下:バーチャル特区と言いますと……、普通特区と言いますと、実施する地域というものを条件とするというものですけれども、バーチャル特区というのは、安全体制を確保した上で、イノベーティブな革新的な技術を採用した特定のサービス。
この場合は、例えばトランザクションレンディングのような、ネット上での取引に関しては、規制緩和をするという。それが、仮想特区というふうに言えるんだと思います。
竹本:今、日本にある特区というのは、おっしゃるようにエリアを限定して、この中では一般的に適応された法律を適応除外にするというふうにやります。これは、エリア限定の特区ですね。イメージしたらわかりやすいですね。
エリアを限定するんじゃなくて、こういう取引であれば、特区として認定して、そこで普通ではやれない取引ができると、こういうことですね。
堂下:そうですね。
竹本:ですから、私の質問は、ならばそのなかで利息制限法、あるいはその他の法律の規制を、越えてやれるようにするという特区なんですか?
堂下:そうですね。1つのサービスを限定して、それに安全性を、体制を確保した上で。
竹本:もちろん。
堂下:限定的に認めるというのが、この考え方だと思います。1つの、トランザクションレンディングで、それを当てはめるのであれば、例えば過剰貸付を防止するという点で、審査のときに、信用情報機関の照会、登録というものを例えば義務付けるとか。
単に金利を優遇するだけではなくて、貸し手借り手に対しても、そういうような条件を義務付けて、それで最新のIT技術とそして、ネットの充足性というものを活かしながら、サービスを提供していく。
これは、かなり日本の中小企業、とくにこれからネットを介して、いろんな商売をしようとしてる中小企業にとっては、プラスになるんではないかと思います。
関連タグ:
2025.02.06
すかいらーく創業者が、社長を辞めて75歳で再起業したわけ “あえて長居させるコーヒー店”の経営に込めるこだわり
PR | 2025.02.07
プロジェクトマネージャーは「無理ゲーを攻略するプレイヤー」 仕事を任せられない管理職のためのマネジメントの秘訣
2025.02.06
落合陽一氏や松尾豊氏の研究は社会に届いているか? ひろゆき氏が語るアカデミアの課題と展望
2025.01.07
1月から始めたい「日記」を書く習慣 ビジネスパーソンにおすすめな3つの理由
2025.02.12
マネージャーは「プレイング3割」が適切 チームの業績を上げるためのマネジメントと業務の比率
2025.02.10
32歳で「すかいらーく」を創業、75歳で「高倉町珈琲」で再起業 「失敗したからすかいらーくができた」横川竟氏流の経営哲学
2025.02.10
A4用紙を持ち歩いて殴り書きでアウトプット コクヨのワークスタイルコンサルタントが語る、2種類のメモ術
2025.02.05
「納得しないと動けない部下」を変える3つのステップとは マネージャーの悩みを解消する会話のテクニック
2025.02.13
“最近の新人は報連相をしない”という、管理職の他責思考 部下に対する「NG指示」から見る、認識のズレを防ぐコツ
2025.02.07
なぜ日本企業のDXは世界の先端企業から3周遅れなのか? 『ゼロ秒思考』著者が指摘する経営者に足りない決断
着想から2か月でローンチ!爆速で新規事業を立ち上げる方法
2025.01.21 - 2025.01.21
新人の報連相スキルはマネージメントで引きあげろ!~管理職の「他責思考」を排除~
2025.01.29 - 2025.01.29
【手放すTALK LIVE#45】人と組織のポテンシャルが継承されるソース原理 ~人と組織のポテンシャルが花開く「ソース原理」とは~
2024.12.09 - 2024.12.09
『これで採用はうまくいく』著者が語る、今こそ採用担当に届けたい「口説く」力のすべて
2024.11.29 - 2024.11.29
【著者来館】『成果を上げるプレイングマネジャーは「これ」をやらない』出版記念イベント!
2025.01.10 - 2025.01.10