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「動画×コミュニケーション」なぜ、若者は動画でコミュニケーションするのか(全6記事)

自撮りが許されるのは何歳まで? 若者とオジさんの価値観の違い

2016年9月7日、株式会社Schoo主催のイベント「《動画×コミュニケーション》なぜ、若者は動画でコミュニケーションするのか」が開催されました。Supership株式会社・古川健介氏は、中高生を中心に数多くのフォロワーを持つ、大関れいか氏、ほくぴー氏、RedJoker氏のパネラー3名と10代・20代のインターネット活用のリアルに迫ります。

若者は加工よりもリアルを求めている?

中西孝之氏(以下、中西):最後のトピックスになるんですけど、「これから動画×コミュニケーションはどうなっていくか?」。

ここは(古川氏のように)開発・運営をされてサービスを作られている方と、(ゲスト3人のように)使われている方で、(それぞれの立場から)「こうなってほしくない」というのはありますか?

古川健介氏(以下、古川):知りたいのが、「SNOW」とか「Snapchat」とかもそうだと思うんですけど、けっこうAR的なものが流行って、すごいマスクをかけられるとか、リアルから遠ざかるじゃないですか。

それでいいのか、もうちょっとリアルなものでやり取りしたいのか、というところは知りたいですね。

大関れいか氏(以下、大関):もう断然リアルなほうですね。

古川:そうなんですね。

大関:私がそうなんですけど、今の若い10代の子たちは、最初から疑いから入るんですよ。例えば、きれいな写真を見ました。「何県どこどこです」というのを見て、「本当にこんなにきれいなのかな?」という疑いから入るので。

ほくぴー氏(以下、ほくぴー):やっぱり、いじれることを知ってるからかな。

大関:自分たちもめっちゃ加工するし、ぜんぜん加工できるのも知ってるから、「本当かよ?」というのが一番最初に出てくるので、どんどんリアルなものを見たいと思いますね。

古川:なるほど。じゃあ、加工がすぎると、また動画もリアルじゃないだろうなとなっちゃって、つまんなくなるというか。

大関:そうですね。

古川:それ、おもしろいですね。

ほくぴー:リアルなものでいいものができると、それは本当にいいものなので、こっちも信用できるというか。

古川:見る側はリアルがいいと思うんですけど、出す側は盛りたいじゃないですか。

ほくぴー:そうなんですよね。

古川:どうなんすかね?

ほくぴー:結局、本当にいいものしか残らないなということなので。SNOWで撮ったとして、めっちゃかわいいじゃないですか。

古川:はい。

ほくぴー:「嫌やなあ」と思って(笑)。

(会場笑)

中西:SNOWとかは、「演じてる自分」みたいなのがあるんですかね? SNOWは加工したのがわかるじゃないですか。

ほくぴー:それはたぶん、本当の自分を出すのは恥ずかしい。けど、これやったらいけるという。あれを投稿したいわけじゃなくて、あれだったら投稿していいという心情かもしれないですね。

大関:はいはい。

ほくぴー:「これだったらいい」みたいな人、いっぱいおるやん。毎回(写真を)ぼかす人は、たぶんふつうの写真は出さないので。

大関:毎回顔半分の人(笑)。

(会場笑)

ほくぴー:「そんな技ばっかり身につけてんじゃねーよ」と、すっげー思うんですけど(笑)。

現実よりもリアルな体験は生まれるのか

中西:なるほど。サービスを作られている側の古川さんは、どんなふうになっていくのか、どんなふうにしていきたいとか思われますか?

古川:動画がリアルでおもしろいというのは、「手紙を書くより会うほうがリアルだよね」と言ってるのと近いものなんですね。

たぶん、動画のもっと上のバージョンは、実際に会うことだと思うんですよ。となると、今度は実際に会うよりもおもしろいとか、よりリアルを感じるというのがきそうだなと思ってています。

ただ、これはARとかじゃないんだろうなと思いました。ビデオチャットして背景が砂漠になるとか、自分がすごいおもしろい格好になるとかは、おもしろいけど、そこまで求められてないので。

このへんの、現実よりもリアルでおもしろくなるのはどういうものなんだろうというのはちょっと興味ありますね。中西:なるほど。なんなんでしょうね。

ほくぴー:画像を盛るとか、動画を盛るとかじゃなくて……。例えば音楽が出るとか、効果音が出せるとか。

古川:そうっすね。それはありますね。

ほくぴー:映像自体をいじるんじゃなくて、この映像をおもしろくするオプション機能がどれだけついてるかとか。

大関:あー。

古川:リアル(な現実)はバックミュージックないじゃないですか。

ほくぴー:そうですね。

古川:これ、ショボいんですよね、たぶん。

ほくぴー:それはちょっと違うなと思うので、リアルな体験をどれだけ肉づけできるかというのだったら、ちょっとおもしろいのかなと思って。

中西:その文脈で、360度動画というのは、よりリアルに感じられる形式なんですかね。

古川:そうっすね。リアルに近づくまでは、たぶん僕らが想像できる範囲で、「なんで昔の人は(直接)会ってるんですか?」みたいに言われるほど、ネットを介して動画でやり取りしている若者が出てきたときに、けっこう今と違う風景なんだろうなと思いますね。

今、「なんでテキストでやってるんですか?」と、「動画じゃないんですか?」というのは、なんとなくわかるじゃないですか。

中西:うん。

古川:メール打つより会ったほうがいいのかなとか。それじゃないバージョン、会うことのほうがショボいと思われるのかかが気になりますね。

中西:なるほど。それ、すごいむずかしいですね。

古川:Schooさんでもやっぱり、聞きにくるほうがいいという人もいれば、コメントを読みたいので家で見たほうがいいという人もいるので。これは、価値としては違う方向にいってるので、こういうのはおもしろいですよね。

中西:はい、そうですね。

古川:ニコニコ動画とかも、たぶんそうですよね。

ほくぴー:就活で映像・動画で企業説明会があったときに、家でパソコンしながら見れるんですけど、「めっちゃくちゃいいな」と思って(笑)。

(会場笑)

古川:そうっすよね。

ほくぴー:そういうもの、たぶんいろいろあると思いますね。

古川:別に行かなくていいですもんね。

10年後も動画はアップしてる?

中西:ちなみに今、サービスを作られている側の視点でしたけど、発信していく視点とか……。今、19歳だったりするじゃないですか。10年後も動画やってますよね?

大関:やってるんじゃないですかね。

RedJoker氏(以下、RedJoker):絶対やりますね(笑)。

中西:プラットフォームというか、出す先が変わるだけで。

大関:そうですね。どんどん違う、新しい動画でやっていったりとか、ぜんぜんあるんじゃないかなと思います(笑)。やっぱり楽しいので。

中西:年齢が上がっていくと恥ずかしくなるとか、そういうのもあるかなと思ったんですけど。

大関:あると思うけど、もう今さら……。もう600近くあんな顔をいっぱい見せてるから(笑)。

(会場笑)

大関:もうそれ見たら、「どうでもいいや」と思っちゃいますね。

中西:なるほど。

ほくぴー:周りが出しても大丈夫な空気になってくる気はしますね。僕がやってるから、周りはもう動画とかそんな抵抗なくなってきたんですよ。だから、空気感がぜんぜん変わる。今のYouTuberも年齢が上がったら変わると思いますし。

古川:自分の子供が見る可能性がすごい高いじゃないですか。それはなんか思ったりします?

大関:なんも思わないですね。

古川:なんも思わない。

ほくぴー:逆にちょっと誇れる。「若いときかっこよかったやろ?」みたいな(笑)。

(会場笑)

ほくぴー:そんなん言いたいなと思いますね。

大関:そうですね。逆に誇れますね。「6秒でこんだけしゃべれんだぞ」みたいな(笑)。

(会場笑)

古川:そうですね。

30代が自撮りをひかえる理由

RedJoker:逆に、なんで今の30代の人たちは抵抗があるんですか? (動画を)載せることに。

古川:いい質問ですね。

中西:古川さん、抵抗あります?

古川:ちょっとありますね。その映像を自分で見るじゃないですか。すごい落ち込むんですね。

(会場笑)

古川:ちょっとやつれたおじさんが映ってるわけですよ。だから、なんかこう……。なんかありますよね?

中西:まあ、そうですね。

古川:落ち込むんです。

大関:えー。

ほくぴー:今みたいに、(登壇して)撮られるのは別にいいじゃないですか。

古川:そうですね。

ほくぴー:それを自分で三脚立てて撮るのが、もうダメ?

古川:自分で撮ってるというシチュエーションまで含めて考えると……。僕から自撮り動画が送られてきたら、ちょっと「ウッ!?」となりません?

大関:ならない。

(会場笑)

中西:ならないんですね。

古川:じゃあ、送ってみます。

(会場笑)

中西:さっきも打ち合わせでお話ししましたけど、結婚していくと、お子さんの写真がスマホに出てきたり、自分は撮らないけど周りを動画で撮ったりみたいなのは抵抗ないですね。自分を撮るのが抵抗あるという。

古川:そうっすね。ふつうにミーティングで会うのは、抵抗ないじゃないですか。(それ)と同じだなと考えると、別に動画に抵抗あったらおかしいんですよね。

中西:うんうん。

古川:という話ですよね、きっと。

中西:あと、大人はそんなに事件が起きないですよね。

大関:事件?

中西:会社に行って、ミーティングして、帰るみたいな。

古川:そうですね。

中西:事件が起きないんですよ。

大関:そういうことか(笑)。

中西:動画にして出したいと思う(ような出来事が起きない)。

ほくぴー:自由な業務もあるんじゃない? 六本木程度の高い所で「打ち合わせでーす!」みたいな感じで(動画を撮ったり)(笑)。

大関:「すげーよ」みたいな感じで(笑)。

中西:見てる人に感じさせちゃうというか。なんか「あいつ、ちょっと調子乗ってるな」みたいな。それはあるかも。

RedJoker:ぜんぜん楽しそうでよろしいと思うんですけどね(笑)。

中西:(笑)。

大関:周りの目が気になる感じなんですかね。

中西:若干あるかもしれないですね。

大関:あとは、恥ずかしいみたいな感じ?

古川:事件ないっすね。

中西:事件起きないっすよね。

古川:10代の1日が、たぶん30代中盤の50日ぐらいなんですよ。

(会場笑)

大関:長いですね(笑)。

古川:体感的に、あと3年ぐらいで死ぬんだなという感じです(笑)。

(会場笑)

発信する人に情報が集まってくる

古川:それはけっこうほかの人も言っていて、やっぱり「会社と家の往復です」と。それで、確かに撮る動画がないんです。

いつもキーボードとか映してもしょうがないですし、自分を映してもそんなにおもしろいことしゃべれない。しゃべることもない。楽しいこともないし、つらいこともそんなないという。そういう人が多い気がします。

中西:一般的に言うと、そうですね。

ほくぴー:「動画撮る!」と思わないと、撮る機会がないということなんですね?

古川:そうですね。だから、たぶん動画を撮るしきい値が若い人よりもちょっと高くて。なので、日常ではあんまり撮らないのかもしれないですね。

中西:GENKINGさんがある記事で、初めは「ニュースを自分で作りにいった」と言うんですね。あえて高いホテルに泊まったり、あえて高級レストランに行ってみたり、自分のイベントをいっぱい作って上げるようにしていったら、ニュースが向こうから寄ってくるようになったという話がありましたね。

大関:なるほど。

ほくぴー:発信する人に情報が集まってくる、はあちゅう雑学みたいな話ですね(笑)。

古川:そうっすね。

ほくぴー:でもあれは確かにと思いましたね。ブラック企業あるある的な動画をやっていたら、「こういうのをやってよ」と(話が)きたりして。

大関:出したほうがプラスだなというのはありますね。

RedJoker:散歩中の動画でもいいんで、同僚に「散歩なう」とか(笑)。

古川:あー、きついかな。

中西:(笑)。

RedJoker:そのコミュニケーションが、たぶん大事だと思います。

古川:そうですよね。

大関:旅行とか行きまくってるの載せたら、例えばH.I.Sから、なんかきたりとかあるんじゃないですか。

古川:あるかもしれないですよね。

中西:僕も「Sunnychat」をインストールして、初めにやったのがパソコンを撮るという。

古川:そうなんすよね。

(会場笑)

中西:「誰に送るんだろう?」みたいな。

古川:動画チャットサービスを作って、社内で広めるじゃないですか。(目の前のキーボードを指して)みんな、ここを撮るんですよ。クソつまんなくて。

(会場笑)

大関:みんな一緒?(笑)。

古川:ずーっとキーボード動画で。

(会場笑)

ほくぴー:なんか、生配信のテストみたいなのやってる時に、エンジニアさんが(真顔で自撮りをしていて)(笑)。

古川:ありますね。

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