2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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もう1つ、優先順位の高いものは、米国連邦税上の改革です。最近、共和党の候補者がさかんに税制改革を話題に揚げています。しかし、よく各々を検討してみてください。ルビオ上院議員は、年収300万ドルの世帯から、年間およそ24万ドルを減税することを公約していますが、これは一般家庭の年収のおよそ3倍もの金額です。これはまさに、最富裕層へのばらまきであり、共和党が掲げる、悪しき経済政策です。
私の掲げる方針は、別のものです。勤勉に働く世帯には、税の優遇と簡素化が必要であり、これらを受けるに値します。第2に、最富裕層は、正当な税の割り当てを支払う必要があります。私が「バフェット税」を支持するのは、億万長者が自分の秘書より低い税率で納税することを防止できるためです。また、資本家に比較的低い税率が適用される、キャリード・インタレストについての法の抜け穴は、ふさぐよう要求しました。
高給の弁護士やロビイストを雇えない企業が、より高い税を支払わざるをえない一方で、アメリカでさまざまな優遇を受けている大企業が、システムをうまく利用して、当然支払うべき税の割り当てを逃れることも、止めさせるべきです。
税制改革に平行して、賃金を上げられることを何度も証明した労働者による交渉については、これを侮る動きに対しての対策を講ずる時です。スコット・ウォーカーのような共和党議員は、労働者の権利を踏みにじることで名を上げてきました。共和党候補者はみな、大統領として同様のことをやろうとしています。このような、意地の悪い、心得違いの攻撃に、私は反撃します。
不平等が広がった原因の3分の1は、労働組合の衰退だと立証されています。ですから、もし真剣に所得を上げたいのなら、組合労働者の支援を真剣に考えるべきです。
また、貿易についても、一言述べさせてください。中国の市場やギリシア危機は、国内の成長も海外の成長も、同じ世界経済でつながっていることを、我々に思い出させてくれました。貿易はここ数十年で、経済成長を促してくれましたが、同時に製造拠点を空洞化させ、勤勉に働くコミュニティの多くが消失しました。
我々は、貿易を巡る合意については、ハードルを上げなくてはなりません。雇用を創出し、賃金を上げ、国家の安全保障を促すものであれば支持し、そうでなければやめるべきです。公平な成長を遂げるには、より多くのアメリカ人に、機会を作らなくてはならないからです。
私は、国を救った大統領というだけでなく、中産階級の重要性と、機会を提供する政府の役割を深く理解していた大統領としてのリンカーンの、次の言葉が大好きです。彼は、アメリカ人に人生という競争において、公平なチャンスを提供することについて話しています。私は全身全霊でこれを信奉しており、さらに人が誕生する時から、早期にこれをスタートさせるべきだと感じております。
「早期の良質教育、とくに最初の5年間のそれは、子供を未来の成功へと導き、生涯賃金を25パーセント上昇させる」。
私は、今後10年間で、アメリカの全4歳児が、良質な就学前教育を受けられる取り組みを行っております。しかし、まだ足りません。宗教界、産業界、学術機関、慈善団体、市民団体、関心のある市民に大々的な支援を呼び掛けて、0歳から4歳のグループに属する子供たちの保護者、とくに苦境にある保護者を支援していきたいと考えています。
人の脳は、3歳になるまでにその80パーセントが完成します。ですから私の家族は、孫に始終読み聞かせ、話しかけ、歌いかけています。私は、これだけ読んだり話したり歌ったりしてあげれば、最初の言葉が出るには十分だろう、と言っています。
(会場笑)
こういった働きかけは、愛情からだけではありません。お恥ずかしながら認めますが、生後2週、6週、10週の赤ちゃんに本を読んであげるのは、それが学習のキャパシティを広げているからだ、とわかっているからです。研究によれば、孫シャーロットが幼稚園に入るころには、恵まれないバックグラウンドの子供よりも、3,000万語も多くの言葉を聞いたことになるのです。
これらの家庭にできる限りの手を差し伸べていないことで、どれほどのものを失っているかを考えてみてください。また、アメリカや世界の研究によれば、そういった早期の支援と教育は、いつもストレスに押しつぶされている若い母親に、彼女らにももっとできることがあることを教え、子供を最良のスタートラインにつかせてあげられない障害を取り除くことができるのです。
また、我々はあらゆるレベルの学生や教員に投資する必要があります。私は、今後何週間、何ヵ月かで、学校を改善し、大学の学費を減らし、アメリカの学生の借金を立て直す、具体的な手段を明示します。
また、生涯教育の考えも取り入れましょう。テクノロジーが日進月歩の進歩を遂げるこの時代、新しい職のためのスキルや資格証明を入手する道を開き、働き手を雇用につなげるオンラインのプラットフォームを作成しなくてはなりません。現在、さまざまなすばらしい奮闘がなされており、私は結果の出るものを支援し拡大させていきたいと思っています。
これらの政策を遂行するにあたり、スラムや炭鉱街、インディアン居留地などの、変革する世界から苦境に追い込まれ、取り残されてしまった同じアメリカ人の同胞を忘れてはなりません。
才能は普遍的なものであり、いたる所に見られますが、機会はそうではありません。学校にも行けず、職にも就いていない16歳から24歳の若いアメリカ人は600万人にも上ります。有色人種の若者の数字が、とくに多くを占めています。
若い黒人男性の50パーセントと、ラテンアメリカ系の若者の15パーセントが、失業しています。中流層へより多くの道を開き、成長する中流層の年収を上げなくてはなりません。
最良の貧困対策は、雇用拡大です。貧困から抜け出そうとする人々に十分な雇用がなければ、それは難しくなります。「新市場税額控除」と「エンパワメント・ゾーン政策」の復活を支持してきたのは、貧困地区や辺鄙な地区へ投資するインセンティブを創出するためなのです。
すべてのアメリカ人が一生懸命に勉強し、勤勉に働き、わが国の富を共有する機会を与えられることが、公平な成長なのです。私が常に信じ続け、大統領として勝ち得たいと考えるものなのです。
さて、強力な成長と公平な成長に並ぶ、第3の所得上昇の鍵は、長期に及ぶ成長です。アメリカ経済には、短期成長を志向する圧力があまりにも多いのです。多くのビジネス・リーダーがこの問題を目撃し、私に話してくれました。
そのうちの1人は、これを“四半期資本主義”と呼んでいました。次期決算、短期株価にすべてが集中してしまい、その結果、研究、開発、人材、才能などの、長期成長の原因についてはあまりにも注目されていません。
工場、機械、研究ラボなどのビジネス投資の総額は、経済に占める割合から減っています。近年、アメリカの半数以上の大企業が、収益の半分を使って自社株を買い戻し、3分の1以上を使って配当金を支払っています。そんなことでは、利益を生み出してくれた従業員を昇給させたり、投資したり、社の将来の成功を確実にするための新たな投資の資金は残りません。
こういった傾向は、変えなくてはなりません。多くのビジネスリーダーは、今日の株価のためだけではなく、従業員やコミュニティ、究極的にはわが国、世界のために、自分たちの責任を進んで果たしてくれるはずだと私は信じています。
私は、チャリティではなく、現実的な資本主義の話をしているのです。多くの企業にが給与を上げ、従業員をトレーニングして、より高い生産性、よりよいサービス、より大きな収益に貢献してきたのです。
給与を据え置いたり、減給を行い、その他の投資を抑えてコストをカットし、四半期の株価を上げるのは簡単ですが、長期的にはビジネスには悪影響であり、わが国には大変な害悪だと主張させていただきます。
従業員とは、資産なのです。彼らへの投資や、高い給与、トレーニングには、十分に見返りがあります。私は、これらを実践する企業への支援として、従業員を訓練し雇用すれば1人につき1,500ドルの税を控除する提案をしました。また、近いうちに、キャピタルゲイン税制改革を提言して長期投資を優遇し、生き馬の目を抜くトレードではなく、雇用を創出します。
さらに、今日明日についてではなく、次の10年先を考えるCEOや株主を支援する改革をも提言する予定です。株の買戻しが、株価の一時的な上昇のみに利用されることのないようにします。起業したい外部の投資家を支援する一方で、カットを抑え、一時的な取引で昔ながらの企業に押し入るような者には制限を加えます。そして、ウォールストリートほど、短期から長期への移行が有効な場はありません。
ニューヨーク州の前上院議員として、私ほど、経済のためにウォール・ストリートが果たすことができ、また果たすべき役割を熟知している者はいません。メインストリート金融(注:地域金融)を成長、繁栄させ、アメリカにグローバルな競争力を与える新しい企業に活力を与えるのです。
しかし大不況の何年も前からわかっていたことですが、金融業界はリスクの上にリスクを上積みし続け、ワシントンの金融当局はまったく調整できないか、ついて行くことができませんでした。私は嵐の前兆に気づき、デリバティブのリスクを公表しサブプライムローンを取り締まり、金融監視を強めて来ました。
オバマ大統領のリーダーシップにより、我々はウォール・ストリートの危機に対応するため、厳しい規制を課しました。これらの規制は、議会の共和党陣営や、共和党の大統領候補者により攻撃の的となりました。
私はこれらの攻撃に反撃し、これまで推進して来た改革を守ります。これは実現可能であり、コミュニティ銀行(注:アメリカの地域金融機関)が、信頼できる地域の住民やビジネスに、信頼度の高い融資を行えるよう、負担を軽減します。
我々は、ドッド・フランク法をさらに超える必要があります。あまりにも多くのアメリカの大手金融機関が、いまだに複雑で、リスクが高すぎます。
問題を抱えているのは、新聞の見出しを飾る大手銀行に限りません。深刻なリスクは、ヘッジファンドや高頻度取引、非銀行金融機関などの、いわゆる「シャドーバンキングシステム」からも派生しています。監視をまったく受けることのない、新規の機関がたくさんあるのです。
金融業界における、個人や法人による不法行為のストーリーはショッキングです。HSBC(注:香港上海銀行)による、ドラッグカルテルのマネーロンダリングについて、5大銀行が受けた為替と金利操作の共謀に対する重罪判決への抗弁などがそれです。これらの犯行に対し、弁明や情状酌量の余地はありません。
これらの金融機関が巨額の賠償金を支払い、一部の罪を認める一方で、すでに利益をポケットに入れてしまった個人が、咎められるのは責任の一部だけだったり、もしくはまったく責任を追及されていません。これは、間違ったことです。私に監視を任せていただければ、この状況は変わります。
この選挙遊説の道中で、ウォールストリートの過度なリスクを管理下に置き、株式市場が、高頻度取引や、ベストないし最速のコネクションを持つ者だけでなく、継続的な投資家のためにきちんと機能するよう管理する計画を提案します。大きすぎて潰せない銀行は、いまだに大きな問題であることを、きちんと理解している監督者を任命し権限を持たせます。
管理監督が不可能なほど、企業が複雑であってはなりません。また、不法行為などの犯罪行為に手を染めた者は、法人同様、個人も訴追します。
政府が、公に害をなした企業や個人から賠償金を得た場合、その金は、公に利益をもたらすよう、別途財団を設けて管理するべきです。例えばそのような資金は、インフラの整備や納税者に直接返還できるでしょう。
改革は簡単ではありませんが、この国ではこれまでにも実績があります。今回は、間違いなくやり遂げなくてはなりません。もちろん、金融業界や民間部門からも、リーダーシップの協力が必要です。
2年前、シカゴ・マーカンタイル取引所の所長、テリー・ダフィが、『ウォール・ストリート・ジャーナル』に掲載した論説が私の目を引きました。彼の記事を引用します。
「金融サービス業に従事している者の一部は、何のために働いているかを忘れている。しかも、世間はそれをちゃんとわかっている。ウォールストリートの一部の者は、自分の仕事を、メインストリートの懸念とは分離された、単なる金儲けのゲームだと認識している」。
我々は、テリー・ダフィの言葉に、耳を傾けなくてはなりません。もちろん、公共部門の成長なしには、長期の成長は当然見込めません。
ぎりぎりの予算の時代は終焉させ、自ら招いた危機から危機へよろめきながら移動することを終わりにしましょう。些末な議論はやめ、協力してこの大きな問題を解決するすべを見出しましょう。
テクノロジーの変化がもたらすのが、解雇や破壊ではなく、新たな雇用であるには、どうしたらよいか考えましょう。先端製造業のブーム(注:オバマ大統領が2011年に発表したAdvanced Manufacturing Partnership=AMP、新興技術への国家的投資を指す)を、維持することは可能でしょうか。大企業の枠外から誕生した、シリコンバレーのようなスタートアップは、どのように育てていけばよいのでしょうか。
このような疑問には、アメリカの為政者や政府、民間セクターのリーダー、エコノミスト、学者、そのほかアメリカのために愛国的な義務を果たし、中産階級が成長を続けるような協力を惜しまない者たちによる、思慮深い成熟した議論が必要です。
政府とは、賢く、シンプルで、短絡的な政策ではなく長期投資を促す政策に注目し、市・州・民間セクターに協力的であるべきです。ワシントンは、アメリカの税金とアメリカ人の信頼の、よき支えとなるべきです。そして、ぜひともお願いしたいのは、イデオロギーではなく、実証による決断に立ち戻りましょう。
私が大統領となった暁には、このようなことを実践します。実際の現実に基づくのであれば、どのようなアイデアでも見出し、取り入れます。
(会場拍手)
私は、原則に基づいた、現実的、革新的で、我々を真に前進させる政策をとっていきたいと考えております。また、長期赤字の要因である、ヘルスケアのコストを抑えることも含め、継続的に財務の見通しの立つ方法を提案していきたいと思っております。
さらに、ワシントンには、アメリカ全土の豊かな市や町の自治体や企業、非営利団体がうまく協力し合っている様子から、学んでもらうつもりです。
法案を通すだけが、進歩にはつながりません。大統領としての力を、実際に結果を出すパートナーシップを招集し、つながり、協力することに使います。なぜなら、なによりもまず、有害な党派主義による停滞を打破し、わが国の長期的なニーズに応える必要があるからです。
もしかして、おばあさんとしての私がこのようなことを言わせるのかもしれませんが、公僕の仕事とは、自分たちが決して座ることのないであろう樹をせっせと植え続けるようなことなのかもしれませんね。
今日、私がこの場でお話しさせていただいた、強力で、公平で、長期にわたる成長がすべてうまく作用すれば、所得は再び増え、働く家族が豊かになり、豊かになり続けることができます。これは、我々の世代の試練です。
みなさんには、ぜひ参加していただいて、自分の役割を果たしていただきたいのです。偉大な国家とは、そのようなものであり、わが国も常にそうあり続けて来ました。アメリカは、困難に立ち向かうのです。左だ、右だ、真ん中だ、といった些末なことではなく、未来VS過去の問題なのです。
私は、昨日ではなく、明日のアメリカを作るために、大統領に立候補しました。成長と公平さの上に成り立つアメリカ、自分の役割をきちんと果たせば報われ、誰も置き去りにされないアメリカです。
みなさん、ありがとうございました。最後にもう1つだけお話しして、終わりにさせていただきます。私は、前大統領、前州知事の孫だけではなく、すべての子供が、神に与えられた可能性に手が届くようにしたいのです。このミッションに、共に参加してください。共に実現しましょう。
ありがとうございました。
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