2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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山田太郎氏(以下、山田):さて、じゃあ次がですね、立候補の仕方、選挙にかかるお金というところを、ちょっと具体的にやりたいと思っています。
坂井崇俊氏(以下、坂井):今日のタイトル、これですよ。「選挙はぶっちゃけいくらかかるの!? 明細公開」(笑)。
遊佐めぐみ氏(以下、遊佐):(笑)。
山田:これなにかというと、そろそろ選挙が近づいてきたんですが、政治と金っていう議論になるんですが、結局なんでそんなに政治の金っていう議論になるかっていうと、この永田町にいると非常に思うのは、選挙に金がかかるっていう。
坂井:かかりますよね。ハードル高いですね。
山田:はい。そういう問題なんですよね。こういうとまた批判をくらうかもしれませんが、永田町に来て政治家で金が儲かるかっていったら、儲からないんですよ。
坂井:まったく儲かんないですね。
山田:儲からないと思います。特に、衆議院の総選挙区をやっている議員は厳しいと思うね。なんでかっていうと、議員の歳費は3000万円ぐらい、いろんなものをくっつけてあるって言われてるんだけど、実際には公設秘書を3人までしか雇えないから、私設含めて地元の事務所を維持しようと思うと、自腹で払ってるんだよね。
結局、3000万円とか何千万円とかが、年商3000万円じゃ会社としてアウトよ。
遊佐:へぇ。
坂井:売上なんですよね、どっちかっていうと。3000万円って。
山田:そうそう。
坂井:利益っていうよりも。
遊佐:はい。
山田:例えば、僕も上場企業とかやってましたけども、やっぱり会社やるんだったらば、年商でも1億から5億、最低ないと。だって、1人雇ったらなんだかんだいって、不動産だとか社会保障費だとかいって諸々つけたら1000万円ぐらいかかっちゃうもん。なんだかんだいって。3000万円じゃ3人も雇えませんから。
ということで、結局ですね、そうなってくると、じゃあ政党助成金というふうにいっても、たぶんですね、自民党クラスで政党助成金、たぶん年間800万から1000万円ぐらいですかね、政治家1人。
で、わりとちっちゃい政党のほうが有利に配れるんで、それでも1500万ぐらいなんですよ、政党助成金、実際1100万円とかってなっちゃうと、それでも事務所っていうのは維持できないので、結局なにが起こっちゃうかというと、寄付金集めだとか、パーティーだとかって始めるんですよ、一生懸命。収入が。
だけど、なんでそんなことをするかっていうと、それは地元の選挙区で事務所を置いて、結局、そのためのお金を作んないといけないからと。やっぱり最後は選挙に金がかかるというのが、どうしても。
じゃあ、どれぐらいほんとにかかるのかということを、やっぱり議論しないといけないですよねということなんですよ。それでどれぐらいのお金がかかるのかということで、少し例を、……なんかあります?
山田:あ、こんなかんじでだいたいかかるよっていう1つのパターンで。
坂井:はい。
山田:これは私が参議院の全国比例を出ましたから、実際に自分の経験も含めて。まあ、いろんなパターンがあるので、必ずしもこういうかたちになるとは限らないんだけれども、こんなパターンだよねっていうところを、みなさんと見ていきたいと思うんですが。
まずですね、事務所。選挙をやるのに、現職とか新人とかいろいろいますが、基本的に現職であったとしても、このいわゆる参議院会館の事務所を選挙事務所として使ってはいけないんですね。
遊佐:へぇ。
山田:なので、外に事務所を構える必要があります。で、100万円というふうに言ってるのは、2ヶ月間ぐらいを選挙事務所として借りようと思うと、ポンと100万円ぐらい出さないと貸してくれる所がなかなかないと。
坂井:単位が万円じゃないですね、円でした。ごめんなさい。
山田:これは大変なことになりましたね(笑)。
(一同笑)
山田:それから、街宣車がですね、いろいろ借りる所によってピンキリはあるんですけれども、40万から50万円ぐらいで2台まで、参議院の比例は借りられますね。それから、運転手さんに対する1日だいたい上限、払える上限っていうのがありまして。これはお金が出るんじゃないですよ、まず上限ですね。1万2500円っていうことで、これが17日間。
坂井:選挙が17日間なので、17日。
山田:それから、うぐいすさんが1人1万5000円っていうのが決まってまして、上限がね。それで何人でもいいんですが、だいたい2人ずつぐらいが選挙カーに乗るとすると、延べ68人日になりますね。
坂井:17日×2台×2名みたいになりますね。
山田:それから、ポスターが1枚100円かかったり35円かかったり、たくさん刷って35円で7万枚。それからビラがですね、25万枚まで刷れるんですが、1枚5円。で、はがきを、公選はがきっていうのがあるんですが、これの元をつくるのに6円。15万枚までやれますので、それぞれこれぐらいかかる。
什器っていうのは事務所のいろんなものですね。ファックスからはじまり机からはじまりですね。それから、交通費とかガソリン代、チラシ。政治活動中にですね、全戸配布なんていうのをビラ配りをやったりするんですけども、各エリアですね。これちょっともう、ぜんぜんこの金額っていうのはピンキリなんですけども。
というようなことを諸々入れて……、で、供託金っていうのは、全国比例の場合は600万円、選挙区は300万円なんですけども、まあ、2200万円ぐらいだということなんです。
坂井:ちょっと数字が違うところはあるかもしれないですけど、こんなイメージですよね。
山田:で、もう1つ。じゃあ、かければいくらでもかけられるだろうっていうことで、でも、実は上限が決まっていまして、選挙費用の上限っていうのは、今度は法定費用で上限が決まっているのは、比例は5200万円まで。
遊佐:ほう。
坂井:選挙の17日間で使っていいよっていうお金。
山田:ただ、選挙区はですね、広い北海道は7250万円まで。東京で5925万円、6000万円ぐらいですね。一番狭い、鳥取でだいたい3000万円弱。ということで、実際にはですね、この費用がですね、上限は決まっていると。
ただ、いろんな議員の収支報告を見ていると、だいたい参議院選挙で、まあ、選挙区も含めてそうなんですが、2000万円弱か2000万円前後ですね。っていうのが、収支報告書から見た場合の一番多いパターンかな、というふうに思います。
坂井:その5000万円とか、今言ってた5250万円っていうのは、17日間でかけていいお金なんですよね。
山田:そう。
坂井:だから、それ以前は、政治活動っていうことで、まあ、選挙活動はしちゃいけないんですけど政治活動はしてよくて、それはまたけっこうお金がかかりますよね。
例えば、政治家が……、例えばなんだろ、山田さんの地元の大田区の衆議院議員が、大田区に住んでる全戸にチラシをまこうとしたら、それ1回やったら100万円じゃすまないんじゃないですかね、たぶん。チラシを印刷して配ったら150万円とか、もしかしたら、いい紙使ったら200万円とか、かけないと配れないっていう。ほんとにかかる。
この事務所の100万円も、たぶんほんと借りたのは20万円ぐらいの所なんですよね。20万円とか30万円ぐらいの所を借りたんですけど、だけど結局……、2ヶ月間ぐらい借りたいのかな。
山田:政治事務所にはなかなか貸してくれないし、短期で貸したら合わないから、結局は100万円ぐらい出さないと合わないんですよ。ということで、だいたいみんなこれぐらいかけてますね。
遊佐:はい。
山田:ということで、ピンキリというか。それともう1つはですね、もちろん供託金は供託なのである没収点を上回れば戻ってくるんですけど、じゃあ、没収点ってのはなにかっていうと、例えば、ある政党が5人通ったら、10位までに入ったら没収点じゃないと。でも、11人目になっちゃうと没収点で供託金は戻ってきません。
例えば、その党が2人しか通らなければ4位までっていうのが没収点で、まさにボッシュ―トってことで供託金は戻ってきません。
それから、もう1つは選挙公営ってことなんだけども、実は没収点までいかないと、供託金が戻ってくると上限があるんだけれども、要は、お金が戻ってくるというか、払ってくるんですね、国が。
例えば、ポスターだと最大240万円ぐらい、はがきだと100万円、ビラだと130万円ぐらい。ちょっと計算がいろいろあるので一概には言えないんですが、それぐらいがいわゆる没収点にいかなければ(戻ってくる)。
だから、つまり、受かってる人っていうのはけっこう供託金が戻ってくるし、それから、いろんなポスター代だとか、はがき代だとか、一部運転手代だとかっていうことが戻ってくるんですよ。
遊佐:へぇ。
山田:だから、ぜんぜん受かんないと、このままストーンって供託金も含めて、全部お金が持ち出しということになっちゃうんですよね。
遊佐:うわぁ。
山田:第三極と言われるところは、基本的に全部自腹です。で、私もですね、供託金も含めて、みんなの党から出たときは全部自腹でやりました。
大手の自民党や民主党、今は民進党ですが、そういうところはまず供託金は持ってくれますね。それから、けっこう選挙費用も一部、特に選挙区で出る場合には持ってくれたりということはありますけれども。
すごく第三極とか新興政党というのは非常に厳しいなかで、お金がないとたしかに、コメントにもいっぱいありましたけれども、お金がないと実際にはまず立候補できない。
坂井:立候補できない。
遊佐:はい。
坂井:600万円、ドブに捨ててもいいっていう人は、ほとんどいないですからね。
山田:そうなんですよ(笑)。だから、なかなか正直ですね、議員になるっていうのは、よく地盤、看板、かばんというふうに言われますけど、たしかにかばん、お金がですね、1つ用意できない。
それから、お金が用意できたとしても立候補できなきゃしょうがないんで。選挙区……、つまり、立てるかどうかっていうこともありますから。最初から勝てないのはわかっていて、お金をドブに捨ててでも立つのは、次につなげるためとかっていうようなかたちで、これだけお金がかかっちゃうっていうですね。
で、これだけお金をかけてでも、政治信条を持って、自分の政策を訴えて、国を変えたいと思う、気持ちだけでやるというのがですね、非常に大変だということなんですよ。
私もよくネットで、みんなの党時代とかは組織副委員長をやってたりとかあったんで、いろいろ立候補したい人に対しては聞くんですよ。それで、お金の話をするって批判されてるんですけども。
坂井:(笑)。
山田:「山田さん、面接のときにすぐお金の話をする」って。だけど、実際には何人も何人も「出る」と言って立候補の届け出をしたんだけども、公示直前に辞めた人をごまんと見てますので。ごまんといるんですよ。直前になって「やっぱり出られません」。
なので、お金ありきで政治は動かないんですけれども、動いちゃいけないんですけれども、やっぱり金がない政党から出るっていうのはどういうことなのか、っていうことについてはちゃんと言っとかないと、これはその人を不幸にしますから。
で、すごい借金を背負ってる人も多いんですね。それこそサラ金、……あの、けっこう自民党の若手の議員でも、借金背負って出てる人多いですから。この借金を政党助成金で返しちゃいけないので。だけど、返しちゃったりしてるんです。あと立法事務費っていう領収書がいらないもので、対応してたりだとかするんですよ。
それと、やっぱり前、党首がいろんな人たちのお金の面倒を見ざるをえないような状況になってる場合もあるということで、非常に現実的に……。イギリスなんかじゃ、こういうお金がかかっちゃいけないということで、選挙制度をお金かからないかたちに改革していったんですけれども、このお金の問題をですね、僕はなんとかしないと、やっぱりかかっちゃうっていうのかな。
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