2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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渡辺温子氏(以下、渡辺):錦戸先生、ありがとうございました。今、先生にお話していただいた内容や、その前に私からお話した法改正の内容について、会場のみなさまから質問はありますか?
質問者1:「労働契約申込みみなし制度」というのを、初めて聞いたんですが、そのときに派遣では違法だったということで、罰点になってると思います。
この派遣先と契約する社員は、例えば契約社員なのか? 正社員なのか? 短期契約なのか? そういうところになにか決まりはあるんですか?
渡辺:1問1答でいかせていただきます。派遣先に雇用が移るときですね? 基本的には、派遣元での労働条件が引き継がれることになります。派遣元で3ヶ月契約をしていたら、直接雇用されたところでも3ヶ月の契約です。基本的に、同じ労働条件が移ることになります。
質問者2:派遣法改正の前に、10年くらい前、労働契約法で5年経つとうんぬんというのがありました。それとの関係はどうなっているのか、お願いします。
渡辺:労働契約法については、古賀から説明いたします。
古賀友晴氏(以下、古賀):みなさん、こんばんは。ただいまご紹介に預かりました、連合の古賀といいます。今、ご質問いただいた件、少しだけ解説をさせていただきますと、2012年に労働契約法という法律が改正をされました。
そこでなにがあったかというと、有期契約、3ヶ月や1年とか、そういう期間の定めがある雇用で働いている方の雇用期間が5年を迎えたとき、だいたい正社員と同じだろうということになる。
それで、3ヶ月とかの期間をずっと積み重ねて5年になった方については、期間の定めのない雇用、つまり無期契約に転換できるというルールができました。この労働契約法のスタートは、2013年の4月1日からなので、そこから5年、2018年の4月1日以降にみなさんに無期転換ルールが発生します。ただ、この2018年4月1日以降というと少し違って、5年を超える契約が発生した日となります。
例えば、2018年の2月くらいに3ヶ月の更新を迎えた方は、2018年の2月に契約を結んだ時点で、5年を超える契約を結んだときに、無期転換ルールが発生するので、ぜひその契約の時期を押さえておいていただければと思います。
質問者2:労働契約法に関連してですが、派遣会社で、「自分のところは5年を超えて雇用することはできない。そういう能力もないので、5年未満で辞めていただきます」というようなことを、スタッフに伝えているところがあります。こういうのは、ちょっと酷いと思うんです。なんとかならないものでしょうか?
古賀:今、ご質問いただいたのは、いわゆる、雇い止めという。5年にならないように契約を結ぼうとする会社がある、というのは確かです。
例えば、3年で辞めてもらいます、とか。いろいろあります。そこについて、正直に申し上げますと、裁判で訴えるしかない。やはり、こういう労働契約法の主旨の潜脱は、逃れるということになるので、ここは裁判に訴えるしかない。
先ほど、冒頭でも紹介させていただきましたが、もしそういう事例があったら、連合のなんでも労働相談ダイヤルにご相談いただければ、専門のアドバイザーがきちんと適切なアドバイスをさせていただきます。
みなさんの身近なところで、もしそういう事例がありましたら、連合にご相談をお寄せいただければと思います。
質問者3:質問というか、疑問です。派遣は、いわゆる求人募集の多くが、なぜか「長期3ヶ月」という区切りになっています。これに対して、法的になにか根拠になるものがあるのかどうか。なにをもって長期と言っているんだろうという疑問がある。
というのは、失業保険の手当給付対象が6ヶ月だったり、法的に明確な根拠もないのに、なにをもって3ヶ月が長期といって切り替えられて、3ヶ月ごとの契約を結ばなきゃいけないのか。
それは本質的には、弱者に対していいようにしてるんじゃないの、みたいな。単なる不満なんです。すみません(笑)。なにか根拠があれば教えてください。
渡辺:ありがとうございます。根拠という根拠はないと思いますが、やはり派遣という形態で働いてもらうのに3ヶ月がちょうどいいと、派遣先で思われていることが多いのかな。
錦戸かおり氏(以下、錦戸):私も3ヶ月ってなぜだろうと思います。ただ、どうしても慣れるのに1ヶ月。1ヶ月だと短いので、3ヶ月。そういう感覚だと思います。
質問者3:3ヶ月を繰り返す人に対しては、1年契約ができるのに、それに対してはなにも縛りがない。現行法には、決まりごとがない。
錦戸:それに対しては、弱者という目で、もし3ヶ月でうまくいかなかったときに、3ヶ月更新になっていると、どうしてもストップしやすい。そういうことなのかなと思います。ごめんなさい、本当になんの根拠があるのかよくわからなくて。
渡辺:ありがとうございました。まだまだ質問があると思いますが、実はこのセミナーではこれからの時間がメインになります。
あと30分くらいですが、みなさんに自由におしゃべりをしていただいて、派遣会社について、仕事について、日頃の思い、これからのことなど、自由にお話をしていただきたいと思います。
錦戸:みなさん、お待たせしました。おしゃべりタイムですので、存分に満喫していただければと思います。
テーマは特にないです。自由に話していただいていいんですが、連合の職員の方が、テーマのヒントになるものをいくつか持っているので、テーマを元に、お話いただければと思います。
(おしゃべりタイム)
渡辺:……みなさん、大変盛り上がっているところだと思いますが、お時間となってしまいました。最後に錦戸先生からコメントをいただければと思います。
錦戸:盛り上がっておられるところ、本当にみなさんごめんなさい。すごく心苦しいです。今日は、いろんな情報交換ができたんじゃないかと思います。本当にみなさんのご意見を拝聴させていただいて、どうもありがとうございました。
渡辺:ありがとうございました。最後に、私から再度の案内になりますが、みなさんも今日いろいろとお話いただいて、不安が全部解消したということには、なかなかならないと思います。
やはり、一人ひとり状況が違うので、この場合はみなさんに「こうしたほうがいいですよ」と伝えきれるものは本当に少ない。ほとんどないと思います。だから、「自分はこういう状況だけど、どうしたらいいのか?」。そういった相談を、ぜひ労働相談にご相談いただければと思います。
派遣元の会社でも、労働組合があるところは本当に少ないんですが、ありますので、そういったところを選んでいただくとか。なにかあれば組合員でなくても、組合員であっても、この労働相談はお受けすることができます。そういったときに、少しでも力になれる存在が労働組合だと思います。
労働相談は、年間1万5,000件の相談を受けています。たいへん実績のあるものです。また、5月の19日と20日は、女性のための全国一斉労働相談ダイヤルをやります。これはなにかというと、女性のお悩み、セクハラなどは男性の相談員には相談しにくい、ということがあると思います。
そういったところを女性の相談員だけで受付をするのが、この女性のための労働相談なので、こういった機会に、もしそういうお悩みがある方は、ぜひこの2日間でお電話をいただければと思います。
連合としては、これからもみなさんのこうした声を国政に届ける活動を続けていきたいと思いますので、ぜひ情報提供をいただければと思います。今日は本当にお忙しい中、ご来場いただき、ありがとうございました。
(会場拍手)
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