2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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渡辺温子氏:私、連合(日本労働組合総連合会)スタッフの渡辺と申します。2時間ほどですが司会進行をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
(会場拍手)
それでは、私から派遣法の改正について簡単に説明をさせていただきたいと思います。
スライドを見ていただければ、こちらで説明させていただきます。
1つ目の改正法のポイントです。これが一番のポイントになりますが、まず、同じ職場への派遣期間の上限が変わります。
今まで、改正前、みなさんは一般業務か、いわゆる「専門26業務」のどちらかで派遣で働かれていたと思いますが、一般業務の派遣期間は原則1年。それが3年まで延長できるという制度だったんですね。いわゆる専門26業務は、派遣期間の上限はないですよという制度だったんです。
これが今度の改正で、「一般業務」や「26業務」が関係ない制度になりました。派遣期間の上限が当てはまるのは、派遣会社で有期雇用、期間の定めのある雇用をされている方が期間の上限がありますよ、となったんですね。
期間の上限というのは、3年です。今までは原則1年だったんですけども、これが3年になりました。3年経ったら別の会社か、同じ会社の別の課に移らなければならないですよという制度です。派遣会社で無期雇用、期間の定めなく雇用されている方は、派遣期間に上限がありません。こういう大きな見直しがありました。
2番目の改正ポイントです。派遣会社は雇用安定措置を実施しなければならないことになりました。派遣会社は、同じ派遣先に3年間派遣していた派遣社員の方に対して、次の4つのうちのいずれかの措置を講じるという義務が課せられます。
1つ目。これが一番みなさんにとって、メリットがある措置だと思いますが、直接雇用の依頼。このA子さんを派遣先会社で直接雇用してくださいと、派遣会社から派遣先の会社に言うこと。
2つ目が新たな派遣先の提供。これは普通にされていることだと思いますが、次の派遣先を見つけてくること。
3番目が、派遣会社で無期雇用。これは、派遣会社の正社員として雇用すること。
そのほか、紹介予定派遣ですとか、教育訓練を提供することです。
3年働いた人には、この4つのうちのどれかを講じるということが義務づけられました。
3番目の改正ポイントです。派遣社員は、キャリアアップのために段階的かつ、体系的な教育訓練、それにキャリアコンサルティングを受けることができます。
派遣会社は、計画に基づいた教育訓練を全員に対して実施しなければなりません、という義務が課されます。
どのぐらいやればいいのかと言うと、時間にして1年間でおおむね8時間以上やらなければなりません。ただみんなに同じようなパソコン研修をやらせればいいということではなくて、きちんと計画を立てて、この人にはどういう教育訓練が必要を考慮し、計画に基づいて実施することが大切、という義務が課されました。
それから希望者を対象として、キャリアコンサルティングをすることも義務付けられました。みなさんが「キャリアコンサルティングを受けたい」って申し出た場合、派遣会社は、ちゃんと受けさせなければなりませんよ、ということになります。
4つ目の改正ポイントです。派遣社員の賃金労働条件は、同じ業務を行う派遣先の社員とのバランスがとれたものでなければなりません。これを、均衡待遇と言います。
派遣先で自分と同じような仕事をしている人っていらっしゃると思いますが、その人たちとの賃金水準と、バランスのとれたものを提供するということです。「どのくらいの賃金水準か」は、普通はわからないことですが、これをを派遣会社から派遣先企業に、御社のこの仕事をしている人たちの賃金水準というのは「どのぐらいですか?」という情報提供の依頼をするようになります。
それに対して、派遣先企業は「このぐらいですよ」という情報提供しなければならない。まずこれが1つの義務ですね。
それから、その情報を得て、派遣会社は、賃金を決定します。自分の賃金や待遇が、どういう基準で決められているのかを、みなさんが、派遣元の派遣会社さんに聞いた場合、ちゃんと説明をしなければならないという義務も新たに課されました。
なので、みなさん自分の賃金が「なんでこの水準なの?」「どうやって決めたの?」と疑問に思ったら、担当者の方に言ってみてください。説明する義務があるので、してもらえると思います。
それから派遣先の社員との均衡待遇ということで、派遣先が講じなければならないこととして、派遣先で社員さんがロッカー使っているのに、派遣社員は使えないということがないように、ちゃんとロッカーや、社員食堂、休憩室など、福利厚生施設を社員の方と同じように使えるようにしなければなりません。これは配慮義務ということですね。
また教育訓練についても、業務に必要な訓練は、派遣社員も社員と同じように受けるようにする、これも配慮義務です。
こういった新たな義務付け、改良義務が課せられました。以上がとくにみなさんに大きく関係してくる改正法のポイント、4つでした。
5番目の、労働契約申込みなし制度は、実はこの前の改正のもう1個前の改正のときに制度化されたもので、去年の10月から施行された制度です。
この制度は、派遣会社と派遣先企業の間で派遣契約が結ばれており、そこで違法派遣が行われた場合、例えば偽装派遣って聞くことがあるかもしれませんが、また先ほど言った期間制限に違反をして、派遣をしていたような場合。違法派遣となります。
違法派遣になると、その時点で派遣契約も終了となり、ここの派遣契約が終了されるということは、みなさんの雇用が脅かされ、失われてしまう可能性がでてきます。
そこで、この派遣されている方ご自身が、こういう状態にならないように、違法派遣があった時点で、派遣先の会社から、この派遣社員の方に、直接雇用を申し込んだものとみなす、ということになったんですね。
なので、直接雇用を申し込まれている状態なので、この派遣社員の方が雇用の申し込みを承諾すれば、派遣先企業のほうで直接雇用されるという新たな雇用関係に移ることができる制度になっています。
この制度、正直「どうやって使えばいいの?」と、なかなかわかりづらい制度で、すぐにすごい役に立つというものではないかもしれませんが、派遣社員を守る制度というのが、去年の10月から施行されています。
以上が、派遣法の概要についてのご説明でした。また、あとで質問の時間を設けますので、ぜひそこでご質問いただければと思います。
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