2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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司会者:事業責任者5名の方によるパネル・ディスカッションです。テーマは「デーティングサービス事業責任者が語る、日本におけるデーティングサービスの社会性とは?」です。
それではまず、小久保さまからお願いします。
小久保知洋氏(以下、小久保):Diverseの小久保と申します。Diverseはミクシィの100パーセント子会社で、私は「Youbride」という婚活サービスの責任者をしています。よろしくお願いします。
中村裕一氏(以下、中村):株式会社エウレカの取締役兼CSOの中村です。CSO(最高戦略責任者)ということで、事業戦略全体と「Pairs」の事業責任者として「Pairs」を統括しています。本日はよろしくお願いします。
柿田明彦氏(以下、柿田):ネットマーケティングで「Omiai」をやっている柿田といいます。今日は楽しみに、そして緊張して来ていますので、みなさま、お手柔らかにお願いします。
合田武広氏(以下、合田):マッチングエージェント代表取締役の合田と申します。私の会社はサイバーエージェント・グループの100パーセント子会社です。私自身は学生のころからマッチングサービスの企画とかをずっとやってきておりまして、4~5年くらいマッチング業界についてのサービス化を考えています。本日はよろしくお願いします。
貝瀬雄一氏(以下、貝瀬):リクルートのゼクシィ事業で「ゼクシィ相談カウンター」という式場紹介サービス、およびそれに付随する「ゼクシィ保険ショップ」という保険代理事業、それと去年始めたゼクシィの婚活事業である「ゼクシィ縁結び」および「ゼクシィ恋結び」を担当している貝瀬と申します。よろしくお願いします。
司会:ここからは、小久保様にモデレーターをお願いします。
小久保:私がモデレーターをやる理由ですが、私は2007年からこの事業に携わっていまして、多分このなかでは日本のデーティングサービスの歴史を知っているということで、中村さんから無茶振りをされました。
日本のデーティングサービスの歴史を振り返りたいと思うのですが、それにあたってそれぞれのサービスの最初のきっかけをみなさんに聞いてみたいと思います。歴史の順番からいうと「Youbride」は後にするとして、最初は「Omiai」さんです。
柿田:うちの会社はもともとアフィリエイトというニッチな業界の広告代理店をやってまして、代理店事業なので粗利率がなかなか出ないというなかで、新規事業を立ち上げようという話が2011年の夏くらいにありました。
そのときに、高粗利事業であればメディア事業です、というのが1つあったのと、当時いろいろメディア事業があったのですが、月額で300円、500円というのが主流でした。そのなかでLTV(顧客生涯価値)という売上が一番取れるようなジャンルはどこかなと考えたときに、先ほどナビンさんの話にもあったんですけど、「All you need is love」ということで、ライフイベントに近いサービスがLTVを取れるかなというところで参入を決めました。
もう1点ありまして、やはり2011年ころというのはキーワードとしてスマホ、Facebookが来ていた時期でした。まずFacebookであれば必ず顔写真が取れるというので、マッチングサービスとの親和性が高いかなと。あとは、スマホでどこでもマッチングしてメッセージできるという、この両軸があればLTVが高いメディア事業にオンラインで進出できるかなというところで始めました。
小久保:じつは私、(ネットマーケティングが)最初にサイトを開発されるときに社長の宮本(邦久)さんに、課金の仕組みを女の人を無料にしたほうがいいのかどうかというのを新宿の今半(すき焼き店)で相談されて(笑)、それが今やこんなに大きくなってですね。
お聞きしたかったのですが、Facebookのマッチングの先駆けで、今や何十個あるかわからないと思うんですが、宮本さんが最初に始められて今この追随劇をどのようにお考えなのかなということを聞いてみたいなと思います。
柿田:僕らが始めたときも、ほかになくて新規事業として始めたので、逆に追随していただいている会社さんがたくさん出てきたのをすごくうれしく思っています。1名の方が1つのアプリを使うわけではなくて、おそらく「Pairs」さんも登録されて、「Omiai」も登録して、というのがあると思います。そこで最適な人を見つけてもらえれば業界としてすごくうれしいですし、中村さんの挨拶にもあったのですが、まずは敵対視するというよりは、業界全体で「本当にいいサービスなんですよ」というのを伝えていければいいかなというので、この状況はすごくウェルカムだと思います。
小久保:確かにほかの業界だと考えにくいかもしれないのですが、サービスを併用するというのはこのサービスの特徴でして、みんな仲がいいですよね。よく飲んだりしてます。
その次なんですけども、じゃあ中村さん。王者エウレカさんが。
中村:いやいや(笑)。エウレカは、もともといろいろな企業、とくにリクルートさんから案件をいただいて、受託開発というかたちでアプリとかを作っていました。ただ、代表の赤坂、西川を含め、実際のサービスを展開する企業になりたいよねというところで、なにか新規事業をやらなければいけないということで、いろいろ考えたというのがスタートになります。
加えて、僕たちはどういうビジネス展開をしていきたいかという話になったときに、ライフステージ、「ゆりかごから墓場までみたいなことをやっていきたいね」と。それこそ結婚とか育児、出産というものをやっていきたい。
そのなかで、日本になくてアメリカにある市場はどこだろうといったときに、当時からアメリカにはオンラインデーティングというのは当たり前で、逆に日本ではどちらかというとグレーなイメージがあって、それを変えていかなければいけない。そこには課題がないから動きがないというところがスタートで始めたというのがきっかけです。
小久保:次は「タップル誕生」なんですが、これより前に「Facematch」というサービスをやっていて、2011年ですか?
合田さんはデーティングサービスが好きすぎて、僕は執念の男と思っていますが、それがいろいろな大人の事情でなくなって、そこからサイバーエージェントのなかで新規事業としてもう1回立ち上げて。
やはりサイバーエージェントというのは新規事業の存続の基準がメチャクチャ厳しいと思うんですけど、役員会の前日によく「死にたい」とか言ってるんですけど(笑)、それを毎回くぐり抜けてここまで成長させた合田さんはすごいなと尊敬していて、そして体もどんどん大きくなっていて、そのあたりはどうですか。
合田:1年で20キロ太ったんですけど。2011年に「Facematch」というのをやっていて、Facebook連携で友だちの友だちを繋ぐというのをやっていたのですが、当時は無料でやっていてFacebook連携のアプリがぜんぜんなかったので、儲からないし、可能性はあるかもしれないけれどみたいな事業は、サイバーエージェントではすぐバシッと切られてしまうんです。
「Omiai」と「Pairs」がどんどん伸びてきて、伸びてきたところに飛び込むというのがサイバーエージェントはすごく大好きなんです。その後のタイミングで、1回は失敗したものの、けっこう伸びているなというところで「じゃあ、やってみよう」と生まれたのが「タップル誕生」です。なので、Facebook連携なしで使ったり、あとフリック形式を使うとか、新しくして、なんとしてでも若い人を狙おうということで、変わった感じでやっています。
小久保:各サービスの特徴とか目指しているところはそれぞれ違うと思うのですが、それはまた掘り下げてみたいと思います。
そしてリクルートさん、お願いします。
貝瀬:ゼクシィがこのサービスを始めたきっかけは、婚姻組数の減少です。『ゼクシィ』という結婚情報誌は、結婚される方が減ってしまうと商売ができなくなっていきます。というなかで、単純な発想かもしれないのですが、なんとか婚姻組数を増やしたいということで、2000年に80万組あった婚姻組数は現在65万組まで減っていて、あと5年くらいで60万組を切るという予想です。
少子化という問題もそうですが、もう1つ大きいのが未婚率の上昇です。日本ですでに男性の5人に1人が50歳以上になって独身でいるという状況です。5人に1人が生涯未婚と。女性は10人に1人。
これは2030年には男性が4人に1人、女性は5人に1人まで伸びていくであろうというので、これはなんとかしないとまずいということで、今までリクルートでは「TwinCue(ツインキュ)」というネットサービスを実は2年間くらい、言ってみれば少しブランドを変えて細々とやっていたのですけれども、ゼクシィというブランドを背負って本気で取り込まなければいけないとなったときに、我々の場合はすべての領域、ネット、リアルの結婚相談所のサービス、パーティーのサービス、結婚したい方と結婚に向けた恋人探しというゼクシィプロセスです。こちらで参加させていただいていますが、その4つのサービスを同時に去年立ち上げまして、現在にいたるということです。
小久保:ありがとうございます。最後は私ですが、我々のサービスは歴史が違いまして、このサービスが始まってから16年くらい、2000年頃にサービスを開始しています。実はライブドアが買収してきたサービスでして、私もずっとライブドアにいて2007年頃からいろいろあって、この事業が自分の関心の範囲のなかに入ってきたのです。始めたらものすごくおもしろくて、どんどんこのデーティングサービスにのめり込んでいったというところです。
当時はアプリとかはなくてWebのサービスだったのですが、そこからこちらにいらっしゃるみなさんがスマホの波に乗ってアプリとかをいろいろ出してくださったおかげで、市場がすごく活性化したと感じています。もう15年も経っているのですが、ずっと横這いというか、あまり変わらなかったです。それは多分、Yahoo!とかExciteと同じような感じだったと思います。
ただこれがみなさまのおかげで市場が大きくなりまして、僕らのサービスも15年目にして150パーセント成長したという、見たことのないカーブを描いていたりするので、ありがとうございます。
私たちは最近、オフラインもやっていまして、婚活パーティーも今、月に200回くらいやっています。
具体的に今の話をしますと、みなさんいろいろな思いで入られていて、「社会のために」ということでやっていると思うのですが、それぞれにマッチングサービスに対する思いというのがあると思います。貝瀬さんから先ほどの続きをお願いします。
貝瀬:ゼクシィがこの2年くらいでやりたいこと、婚姻組数を極力維持していこうとすると、実は団塊の世代が結婚をする割合が高いのは、この2年くらいが勝負だったりします。この間に職場恋愛だったり、かつて学生同志での付き合いだったりというので結婚する方が減っています。なぜかというと、晩婚化が進んでいるから。それと、コミュニティの希薄化が起きていると思うのです。
だから、物理的に結婚を増やそうとしても出会う場がないんです。それはやはり新しい文化を作らなければいけないということで、婚活サービスを当たり前のサービスとしてエントリーさせることが大事だと思っています。だからこそ今回、「TwinCue」ではなく「ゼクシィ」というブランドを介して進めようというのが、このサービスに対する思いの表れだと思います。
合田:デーティングサービスを学生の頃からやっているのは、人の人生を変えられるようなサービスをやりたいなという思いがずっとあったからです。やはり人との出会いで人生が変わるじゃないですか。僕も実はずっとエンジニアで、学生のころとかとくにやることもなくずっと生きてきたのですが、TwitterとWebサービスがきっかけで人と出会って、起業しようと思いが変わった。もしそのWebサービスがなかったら、僕の人生は180度変わっていました。
人との出会いは本当にすばらしいなと感動して、コミュニケーションを作るようになりました。なぜ「タップル誕生」を使うかというと、社会的な問題はもちろんあるのですが、若い人たちの意識をもっと変えていきたいなというところを加えています。
ネットを通じて出会うことはぜんぜん悪いことじゃないのに、なぜか悪いイメージがついてる。それを払拭するのがアプリであったり、ゲーミフィケーションを入れることによって抵抗をなくす。そういうのを突き詰めて、もっと人と出会って、このサービスを使ってくれたら自分の人生が変わったんだよ、という人を増やしたいということでやっています。
小久保:最初に会ったとき、「Facematch」のときでしたけど、あのときすでにすごい熱量でデーティングサービスがいかにすばらしいかを力説されたような気がします。あの時代にそういうことを言っている若い人は本当に少なくて。なにがきっかけでこの業界にのめり込んでいったんですか。例えば、恋愛に悩んでいたとか。
合田:ビジネスコンテストがきっかけでした。そこでみんなのニーズを聞くと、出会いがないという話だったんです。そんなことはなくて、みんなFacebookで友だちいっぱいて、出会いはあるという話から始まったんです。ただその出会いを大切にしてなかったり、身近な人から繋がる出会いもあるというので、身近な人も大切にするとこから始まって、「Facematch」ができました。
柿田:僕だけ毛色が違い、おそらくみなさんはサービス立ち上げから関わってこられた人たちです。僕自身は、実は「Omiai」が立ち上がって1年弱くらいのときにジョインして、しかもエンジニアとして入りCTOとして開発の取りまとめをやり、今はサービスの責任者というかたちになっているので、毛色は違うかなというところはあります。
それではなぜ僕自身「Omiai」を始めたかということですが、僕も家族がいて家族と生活をするというのがすごく楽しくて、37歳という人生そろそろ折り返しというときに初めての転職をしたんです。そのときに転職のマッチングのエージェントから、「Omiaiという最近流行っているのがあるから、行ってみない?」と言われたわけです。
当時は、こんないかがわしいものを紹介しやがってと思って、使ってみたんです。すると、既婚者では入れないんです。ひょっとするとこれはすごくまじめにやっているのではないかと思い始めたのです。交際ステータスを変えたりすると嫁にもバレるので、ネットマーケティングに連絡して「テストバージョンをください」と言って、もらってやっていくと、すごくよくできているんですよね。本当に学校だったり会社に行っているような方が普通に登録されていたり、それに対して「いいね」とアプローチすると普通に返ってきたりします。
僕は家族を持って普通に生活をしていて、友達でまだ結婚していない人もいるので、パートナーを持つことを応援したいなということと、結婚しているけど合コンに行きたいというのが半分くらいあったかもしれませんが、その人に合コンをセッティングして一緒に行って彼女を紹介したりしていました。これが本当にオンラインでフリーにできるなと感じて、転職を決めました。
実際に入ってみると、思っていた以上にすごくまじめにやっているので、この業界を極めていきたいと思いました。
あと、社会人になると時間がないので人に会う機会が少なくなるのですが、これを少子化対策だけにフォーカスして考えるのではなくて、例えば女性の社会進出だったり、そういう課題もどんどん出てきているわけです。だから、隙間時間になにかをすることが、人生に対して転機になるようなサービス、そういうところにすごく魅力を感じて今も必死に取り組んでいるということです。
中村:社会問題を解決したいというのは、みなさんと一緒かなと思っているのですが、もう1つ、文化を変えるということがあります。
今、合コンの話がありましたが、僕自身は合コンに行ったことがないのですが、昔は合コンはそんなに大っぴらにしているものではなかったというイメージを持っていて、けっこうがっついているイメージがあったけど、今は合コンも当たり前になっている。
そういう出会い方というのは、言葉が作られて一般化するときに当たり前になるなと思ったときに、オンラインで出会うことさえも文化になるのだろうなと思っているし、それが文化になっている国が実際にあるし、もう1つの楽しさというのを感じています。
それを余計に感じるところが、自分たちのサービスを使ってくださって、本当に結婚された方たちがいて、しかも毎月のように「Pairs」を使って結婚できたよとか、恋人になりましたとか、本当に会ってよかったですというメールとかをたくさんいただくんです。そういうときに、本当にこれをやってよかったなと思いますし、もっと僕たちが頑張らないといけないなと感じるというのがあります。そういう意味で、デーティングサービスを頑張っています。
小久保:みなさんそれぞれの思いでデーティングサービスを盛り上げていこうという、非常にまじめな思いでやっているということが伝えられたかなと思います。
ただ、私が思っているのは、基本的にどのサービスも「恋活or婚活」サービスと書いてあるのですが、恋愛を目的とする人と、結婚をしたいという男女が同じところにいて、「あれ、この人結婚する気がないな」みたいなミスマッチも起きたりすると思うんですが、アメリカではそれどころではなく何巡もしていて、サービスがもっと細分化されているわけです。
日本でも、恋活、婚活の両方を取りに行くというのは無理なんじゃないかなと思うところがあって、みなさんがそのどちらを目指しているか、両方目指しているよとか、そのあたりの話を聞きたいなと思っています。
合田さんが、たぶん違いそうなので聞いてみたいと思います。
合田:私たちのサービスは「恋活」と呼んでいるのですが、僕たちは文化を変えたいということがすごくありまして、インターネット上にあることはすごくいいことだと思います。
文化を変えるということになったときに、一番変わっていくところでいくと、若い人たちのマインドに目をつけました。彼女を作る。それがインターネット上でマッチングするっていいねということになったときに、結婚でも使ってもらうようになるとか。実際にタップル誕生でも結婚の事例があったりするので、文化を作るということで「恋活」にしたいというところです。
小久保:タップルさんは「婚活」と言っていない?
合田:言っていないです。恋仲候補ができるよう、青春、恋をしていますね。
小久保:市場で認知が広がって、若い層が使って文化が変わるというのが大事だと思いますね。
合田:趣味でつながるとか、きっかけを提供してあげるというコミュニティ機能に注目しています。
小久保:中村さんはどうでしょう。
中村:考え方は一緒ですが、うちは両方語っていますね。理由は、どっちも大切ということです。結局、恋愛結婚というパターンで、恋愛して月日が経ってから結婚するというパターンもあるし、今すぐ結婚したいという人もいていい。「Pairs」で言っているのは、オンラインで使うのが絶対的なことではなく、オフラインで出会うのと並列ぐらい、一般的にすべてを網羅して当たり前になってほしいということで両方の言葉を使っています。
小久保:このなかで圧倒的にナンバーワンなので、ちょっとくらい叩いてもいいかなと思うのですが(笑)。身の回りの人が「Pairs」を普通に使っているんですが、これはすごいことだなと思います。友達レベルで「Pairs」を使っているということを平気で言うじゃないですか。これもすごいことだなと思います。
そのなかで、とくに女性が「結婚したいんですよ」率が高くて、男性はチャラいというか、そうでもない人もいるじゃないですか。そのなかでのミスマッチをどう制御するかということはいかがですか。
中村:制御という意味で、なにもしないということではありません。ただ、きっかけ作りとしてコミュニティで「恋活」か「婚活」を分けたり、プロフィール欄に今すぐ結婚したいのか、まず最初は会ってみたいだけなのかというのも分けています。それは言葉で発信しているだけで、会ってみたらすぐ結婚するパターンもありますし、そこは自由にしています。
ただ、なんだかんだ言っても、男性が有料なので、男性がまじめな方が多いという話が出たりもします。
小久保:それに関係することで、会員の方からクレームが来たりしたことがありますか。「思ってた人と違ったんです」とか。
中村:クレームは来たことはないですが、2chには女性がまじめじゃないと書かれているんです。無料だからかもしれませんが、もしかしたら「いいね」が返ってこなかったからということかもしれない。わからないですけど。
小久保:フリーミアムというか、無料ということはけっこうありますよね。ぼくらは恋愛は押していなくて、成婚数1年間に何人という目標を立ててやっているくらいの感じなのですが、無料で入れるので、やはり有料会員からすると無料会員はじゃまなんですよね。でも、若い女性だと全員課金にすると入ってくれないというジレンマもありますね。
中村:ただ、アンケートとかを見ると意外に払える女性がいたりするので、そのあたりは設計次第だったりします。
今後、(オンラインデーティングが)当たり前になっていって安心安全というところで言うと、投稿監視の費用とかをすごく使っている会社だと思っていて、それを使っているから安心なんだよということが認知されると、逆にフリーのサービスは危なくて、有料が正しいんだよというのが一般的になるかもしれませんけどね。
小久保:僕が一番聞きたかったのは「Omiai」さんですが、「Omiai」さんの恋活・婚活は、どちらを売り出させているのかが気になっています。
柿田:名前が「Omiai」じゃないですか。目指しているのは恋活です。
この業種は、デーティング、ロングターム・リレーションシップ、マリッジと大きく分かれるんです。デーティングというのは気軽な感じですが、僕らはロングターム・リレーションシップのなかでも、わりと「運命の人に出会う」みたいなところを目指しています。なので、くくりで言うと「恋活」に入るのですが、結果的に結婚することもあるなと。
女性が有料・無料ということがありましたが、うちは女性からお金をいただいたりもするので、これも2ch情報ですが、女性が無料のところと比べると「Omiai」はガチだよね、ということもあるので、僕らはそのへんで住み分けていこうかなと思っています。
小久保:貝瀬さんのところは、いろいろなサービスを一気に始められているじゃないですか。かつ、ゼクシィブランドでやっていることから結婚に繋がると思いますが、結婚に的を絞ると市場が小さくなるし、合田さんのように若い層を取ったほうが成長率が高いとかあると思いますが、そのへんの需要とポートフォリオをどうお考えでしょうか。
貝瀬:そのとおりでして、「恋活」と「婚活」を混ぜると危険です。これはなにかというと、ご本人が感じている結婚までの距離感です。これは男性・女性でも違いますし、特に年齢によって違います。男性・女性のシングルの9割の方が結婚したいと言っていますが、1年以内に結婚したいかと聞くと、女性はだいたい3割くらいであるのに対して、男性は10人に1人です。
圧倒的に多いのが「いつか結婚したい」。やはり男性が夢見がちなんです。これはアンケートを見ても出てきています。
ここの距離感の違いが1つと、あとは若ければ若いほどこの傾向は強まります。実際に、いつかはみなさん結婚するのですが、そこに対する現実性というものがあります。会ってしまったら半年くらいで結婚することは20代ではよくあることですが、やはり今感じている距離感に対応するサービスを置いてあげないと、どうしてもその人たちが混ざってしまって、ちゃんとしたマッチングをしきれないというのが我々の考え方です。
ですから、結婚に向けた「ゼクシィ縁結び」と、恋人を探す「ゼクシィ恋結び」を分けているということです。
小久保:ありがとうございます。すごくわかりやすかったです。我々も最近、カジュアルなものを出したり、かなり複数のアプリをサービスとして出しているのですが、混ぜるのは危険だということは私も感じておりまして、その分のサービスをポートフォリオで組んでいきたいなと思っています。
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