2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
テーマ「福島第一原発廃炉独立調査プロジェクトはじめました」について(全1記事)
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堀潤氏(以下、堀):さぁ、開沼さん。テーマの発表をお願いします。
(テーマ「福島第一原発廃炉独立調査プロジェクトはじめました」について)
脊山麻理子氏(以下、脊山):多くの犠牲者を出した東日本大震災からまもなく5年。被災地ではそれぞれに課題を抱えながらも復興に向け、着々と歩みを進めています。
堀:震災から5年。避難者は18万人超。
復興庁によると、大震災と原発事故による避難者は昨年12月時点でおよそ18万2千人。福島県の避難者はおよそ10万人で帰還の目処が立っていない人もいる。
震災復興5年で総仕上げという国の方針が示されましたね。
26兆円の復興予算を計上した5年間の集中復興期間が3月で終わり、その後は「復興・創生期間」として、さらに5年間の新たな段階に入ると。
政府は復興・創生期間の5年間で、東京電力福島第一原発の事故対応以外の復興事業を完了させる方針を示しているというんです。
さぁ、開沼さん。
開沼博氏(以下、開沼):福島の問題って、もちろん原発だとか放射線だとか、あるいは賠償だとか避難だとかいろいろあるんですけども。
それぞれの問題が重要ですし、これからも尾を引いていくと思うんですけれども。何か足りないなと思っている方もいると思うんですね。
何が足りないか? いろいろあるんですけれども、一番は第一原発の中がどうなっているのかという情報がなかなかないんじゃないのかと。福島第一原発の廃炉、事故収束と聞いて、多くの人が思い浮かべるのが3つくらいしかないんじゃないかなと。
1つは最初のきのこ雲。ボーンと爆発したときのやつですね。2つ目が汚染水。タンクがバーッと並んでいるのを空撮したような映像。3つ目が潜入レポート。プレス公開というのをたまにやりますんで。
堀:防護服着ていたときの様子を皆さんイメージしている。
開沼:「線量上がります」という、ある種センセーショナルなものになってしまうと思うんだけども。
堀:今、周辺行くのに防護服なしで行けるくらいまで線量下がりましたからね。
開沼:そうなんですよ。実は普段着でもほとんどの場所に入れる状況になっているんです。
結局、私たちはど真ん中を語っていないんですよね。中空構造というか、ドーナツ構造というか。ドーナツの周りの部分、本当に語るべきもののちょっと外側をみんな語っているんじゃないのかなと。
もうそろそろ5年経つんだから、そこを埋めたいということで、こういう「独立調査プロジェクト」というのを始めました。
堀:これは、民間のプロジェクトでやるんですよね。
開沼:私が主催しているんですけれども。一緒にやってくれているのが、東京電力で14年間働いていて、震災後に地域のことに力を入れたいと言って東電を辞めた方。現場のこと、中のことは知り尽くしている方。あと、マンガの『いちえふ(=1F)』って有名になりましたけど、あの漫画家の竜田(一人)さん。
堀:元作業員の方ですね。
開沼:震災後に入っている方にもご協力いただいて、内部の調査、もちろん現場調査も行くんですけれども。
例えばこれ。1〜4号機という事故を起こしたところ。ちょうど見えている瓦礫みたいになっているのが3号機です。この3号機がこれから焦点化してくるというのが今の状況なんですね。こういうのを見たりとか。
最近ネットで出回っているデマに「4号機は作業完了したと言っているけれど、あれはうそで、中の燃料が全部外に飛び跳ねているんだ」みたいな。ちょっと荒唐無稽な話が飛び交っていたりします。
堀:4号機は燃料プールに収まっていたものを取り出してという話ですね。そういうデマがあるんですか。
開沼:あるんです。けっこう出回っていて。結局、「そうじゃないですよ」って言っている主体も、政府とか東電だったりするから。
堀:「信用できないわ!」という人もいると。
開沼:だったら自分たちでこういうふうにスチールカメラと動画カメラとクルーを一緒に連れて見に行って、実際の状況を調べてみるということをやってみようじゃないかと。
堀:なるほど。
開沼:これは、免震緊急時対応をする部屋なんですけども。こういうところを見に行って、実際何がどういうふうに行われているのかを調べると。
事故直後には原発事故の事故調査委員会、事故調というのがいくつかできあがりました。
堀:民間と政府と国会がありましたね。
開沼:そういった当事者から離れた立場から冷静に検証するということが、事故そのものについてはされているんですけれど、その後の状況についてはなかなかされていないんですよね。
堀:本来は、国会事故調も第2期、第3期と継続して立ち上がるべきだったんですけどね。
開沼:そこでレポートを出して終わってしまったと。だから、そこをどういうふうに補っていくかと。そうしないと、福島の復興の問題は、風評被害も含めて、なかなか解決しないんじゃないかと思っています。
現場調査だけじゃなくて、いろいろデータも出してくださいと。あと、多くのデータがインターネットにあるんで、そういうのをこちらでまとめたりするんですね。
第一原発で働いている人、すごい被曝しているんじゃないかなと思っている方もいるかと思いますけれども、例えばこういうデータがちゃんとあって、震災直後には思いっきり被曝している方。特に、東京電力社員がいたんだけれども。
それがグッと下がって、特に2012年に入ってから落ち着いて。月平均ですけれども、0.37。だいたい0.1ってどれくらいかというと、東京からニューヨークに飛行機で飛ぶと、0.05〜0.1ぐらいと言われています。往復を3回したくらいというイメージかなと思います。「それくらいの線量になってきていますよ」とか。
「作業員の方って、結局どうなっているの?」「足りないんじゃないの?」みたいな話もあるんですけれども。
堀:作業員数ね。
開沼:こういう推移をしていて、2013年に3,000人ぐらいだったのが、今6,000〜7,000人くらいになっていると。
堀:なるほど。
開沼:「だからなんだ」というのは、「別に被曝していないですよ」とか「足りてますよ」ということを言いたいわけじゃなくて、被曝を抑えながら現場の環境をやるようになったけれども、人を大量に入れなくちゃいけなくなっていると。
この方たちの確保とか労働環境も整えなければいけないと。今、通勤に1人平均2〜3時間かかっていると言われています。
堀:なかなか周辺でプレハブ建てても、作業員の宿舎が足りないという状況ですもんね。
開沼:そうなんです。そういった配慮の周辺地域というのをどう整えていくかというのも今後課題になってくる。
そういった町の様子も含めて、今調査をしています。これをどうにか3.11に間に合わせるかたちで書籍にしたいなと思って準備をしています。
堀:ぜひ、いろいろな変化というのを。どうしても忘却とともに変化の結果も私たちは無関心になってしまう。新しい情報を仕入れていくためには。番組でもしっかりお伝えして行きたいなと思います。また、本できたらお持ちください。
開沼:お願いします。
堀:本日のオピニオンCROSSは以上とさせていただきます。
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