2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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平政明氏(以下、平):3つ目は、さっき言った「大田市場」。大田市場と羽田空港を連結して輸出拠点にするわけ。
市場というのは昔から、腐りやすいものだから、近隣の農地から集めて、近隣に配る仕組みになってる。それが飛行機や高速道路がいろいろできて、いまの大田市場には日本中からものが集まってきて、日本中に配られてるわけ。
それをさらに拡大発展して、羽田空港と大田市場を機能的に連結させて、日本中から集まってきたものをアジア中に配る機能にすればいいわけ。
それは簡単で、大田市場に外国人バイヤーを開放してあげて、そこで買ったものを梱載して、羽田から24時間稼働で出していくと。
そのためには、政府でチームを作って……農産物は検疫とかいろんな問題があるんだよね。どの国に何の産品がいつになったら出せるのかという工程表をしっかりつくるのが大事になるんだけどね。でも、これもTPPをやったから……。
そうすると何ができるか。農家はいま産地ごとで単品を出しているわけよ。「福岡のいちご」とか。でも、単品で5トン持ってこられても困るじゃない?
でも、大田市場にはすでに付加価値の高いものがいっぱい集まってるので、そこからほしいものだけピックアップして出してくと、ロスが出ないわけ。
だから、農家は別に英語を勉強する必要もないし、今までと同じように丹精込めて良い物を作って、大田市場に出して。
例えば、静岡の温室メロンだったら、今は千疋屋が一番高く買ってるわけ。あとは三越、高島屋。でも、それよりも外国のバイヤーが高く買ってくれるなら、買ってもらえばいいわけ。
生田:そうするとさ、大田の仲卸で、ネットで海外に向けてというのもありってことだよな。
平:だから、注文を受けて、世界に出してあげればいいわけですよ。
生田:豊洲もそれやろうと思ってるんだよ。
平:いいんじゃない。
生田:魚屋は手続きとかがわかんないんだよ。
平:その手続きなんかは、大田市場にビルドインして。例えば、植物検疫もそこに持ってくるし、税関もそこか空港側に持っていって簡素化するわけよ。
生田:例えば、豊洲のなかに特区としてそういうのを作ることは可能なの?
平:特区でやるか、あるいは特区じゃなくても。例えば、「原産地証明がいります」みたいなことで、東京商工会議所まで取りに行かなきゃいけないのは面倒くさいじゃん? そんなの大田市場で出せよ、築地で出せよって話になるでしょ。
うちも仲卸5軒ぐらいあるんだけど、1個は完全に英語対応にして、1個は完全に中国語対応にするとか。インターネットで海外の注文を受けて、代わりにピックアップして、シンガポールに出してあげる、台湾に出してあげる、香港に出してあげる。
一番おいしい市場はメインランドですよ。チャイナね。それも、TPPをやったおかげで、日中韓FTAとかASEAN+3とかASEAN+6が動き出すので。
やっぱり、我々は安い原材料は外から買うことになっても、高いものはもっと高く、さらに高く売ると。実際に中国の米なんか入ってきても食べないと思うよ。
生田:食べねえよ。だから、そんなビクビクすることはねえよ、そんなのは。
平:絶対食べない。逆に言うと、中国の人は10万円の炊飯器を両手に買って帰ってるんだから、ブランド米は売りやすくなるわけ。今までお粥と炒飯しか食ってねえんだから。
生田:あ、そういうこと言っちゃいけねえぞ。
平:俺たちもそうだったじゃん。米しか食べてないのがパン食べるようになったわけじゃんか。それで、向こう十何億だからね。ある程度中間所得層は限られてますけど。
何が言いたいかというと、個人商店主とか飲食店とか商店街とか銭湯とか町場の工場とか農家の人って「俺たち、外需って関係ねえな」と思ってるけど。ちゃんとそういう政策をやれば、日本にいながらにして外需を取り込める。あとは創意工夫ですよ。実はそういうチャンスがある。
「失われた20年」と言われて。今まで俺たちは自信を失ってたわけですよ。その間にIT、アジアが豊かになって、ものすごいビジネスチャンスがあふれる国になってるんだよね。
生田:ちょっと先生、魚のほうもご相談にあがりますわ。
平:わかりました。
生田:やろう、これ。
平:これ、おもしろいでしょう? 魚も同じことで。花もそうだし、農林水産と魚と一緒にやってたんですよ。
まずは成功事例なので。だから、大田区の特区で民泊でインバウンドでしょ。
あと、リーサスを使って「コネクターハブ企業」を抽出してやってみろというのを大田区に宿題出してるわけ。
さらに言えば、大田市場と羽田を連結して輸出の拠点化することによって、生産者の人たちの手取りも増やすと。
羽田空港と大田市場を連結させていいのは、この20年間、デフレと消費の落ち込みで苦しんできたの。「量も売れない、単価も落ちる」の世界に入ってきたんだけど、アジアのマーケットを巻き込むと「量も売れるし、単価も上がる」という世界。
生田:いやー、単価も量もガンガン上がるって。
平:「単価×量」の掛け算だから、エライ儲かるんですよ。
そうすると、農家の側から「あの空いてる休耕地をもっと使わせてくれ」とか「流動化してくれ」とか、「設備投資するから、株式会社のほうがやりやすいから、株式会社認めてくれ」という希望も出てくるし。
あと今「跡継ぎいない」って騒いでるけど、儲かりゃ跡継ぐわけでしょ。儲かんないから跡継がないわけ。
生田:儲かりゃ来るんだよ。儲からないから、いねえんだよ。
平:そういう構造的な問題を放っておいて、後付支援で補助金出したって、何も解決しないわけですよ。
だから、そういうことで日本にいながら外需を取り込む。この3つの政策をまずは大田区でやってみる。それで、うまくいったら水平展開をしましょうという話に今なっています。
生田:これはもしかして、平先生のオリジナル政策?
平:全部私のオリジナルです。
生田:ブラボー。
平:よく考えてるでしょう?(笑)
生田:やっぱり市場にいた人間だからこのが発想できるんだね。俺も理解できるもん。今の話はものすごくいい話だった。
平:わかりやすいでしょう? だからそこまでブレークダウンしないと「TPPで中小企業も儲かるんですよ」と言ったって、商売をやってた人しか思いつかないわけです。
生田:そうだよね。やっぱり我々にも外需を取り込むという恩恵があるんだよ。
平:そうだと思うよ。
平:ということで。この間の木原(誠二)さんの回がエライ好評でして。
生田:なんかやべーな。俺、クビだな。
平:いやいやいや。なんかすごい話題になってましたよ。ほら、最近ログミーが文字化するんで。ぜひまたご覧いただければ。
生田:でも、今日の延長後のお話はとてもいい。
平:たまには政治家っぽいところも見せておかないとさ(笑)。
生田:十分政治家っぽいけど。
平:最近ほら、自民党もいろいろ不祥事が多いので。「政治家はちゃんと考えてんだよ」というとこを、少し名誉回復しておかないと。このまま行くとカフェスタ終わっちゃったりして……。「なんかカフェスタで若いもんがふざけてるらしいぞ」って上の連中が言うとさ。
生田:でも、あれだな。大田市場はガンガン進めてもらって、それでおいしいところを豊洲ももらうよ。たぶん魚のほうがもっと難しいと思うんだよ。資源のことがあったりとかね。そこら辺は難しいけど、ちょっとお願いします。
平:はい。ということで、すいません。20分も延長しましたけども。これにてCafestaトークを終わりたいと思います。ありがとうございました。
生田:ありがとうございました。
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