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Stanford Graduate School of Business Advancing Women's Leadership: Blocking Bias at Work(全4記事)

女性が活躍する場を作るのは、女性だけの仕事ではない スタンフォードのジェンダー専門家が回答

男女平等は常識であり、男女差別を公言した場合、批判は免れません。しかし、実態としてビジネスの話や政治の世界で男女平等が達成されているかというと、いかがでしょうか。アメリカでの調査では、CEOや国会議員の男女比は、女性が大きく少ないというのが現状です。今回、Stanford Graduate School of Businessに登壇するのは、ジェンダーの専門家であるシェリー・コレル氏とロリ・ニシウラ・マッケンジー氏。会場に集った人々の質問に答え、女性が活躍できる場を作っていくために私たちができることについて語りました。

ティーン・エイジャーの女性がリーダーシップを発揮するために

ロリ・ニシウラ・マッケンジー氏(以下、ロリ):ではもし質問があればお答えします。

観客1:ありがとうございました。とても勉強になりました。ワシントンの世界銀行で働いていて、edge surveyに取り組んでいます。いまは組織のジェンダー戦略をやっています。

私は世界銀行が、少なくともスタッフに対してはコメントを公開してくれることを望んでいます。なぜなら男女両方がコメントしたときにはそうしていて、それが女性には良いと思うんです。

それで質問は、私は3人のティーン・エイジャーの母親で、真ん中の娘は本能的なリーダーシップの特性を持っていると思っています。しかし、いま10年生(15〜16歳)で、それが問題になることもあります。

だから他のプログラムや彼女をサポートする方法を探しています。3人全員にですが、特に真ん中の娘にです。彼女たちは女子対男子の話をしていて、その性格が不快に感じられることもあると思います。

他の娘たちと同じように、彼女にも彼女が必要とするツールをあげたいんです。もし次の世代のための何かをお二人がお持ちであればと思っています。

シェリー・コレル氏(以下、シェリー):それは若い女の子にはよくあることですね。リーダーシップを取ると、ボスみたいだと差別的に言われてしまいます。それは熱意を削いでしまいますよね。

間違いなくそれは避けたいことです。だから問題は、そのスキルを伸ばし、認識するための良いスペースを与えるには、何ができるかということです。

その1つはロリが指摘したように、他者の能力をエンドースして、彼女を批判する人たちに対して、明確に修正することです。女の子がリーダーシップスキルを発揮することはとても重要だと思いますが、それでネガティブな注目を集めてしまうこともあります。

彼女は実際にクラスをまとめるとか、そのようなことができたと思います。シェリル・サンドバーグは、ボスっぽいと言う代わりに、特別な存在感があると言うのが好きでした。

それが意味することの枠を組み直し、若い女の子のリーダーになること、これはとても重要だと思います。そのためのワークショップなどもあるので、娘さんに来ていただいても良いですし、お友達を連れて来ていただくとより効果があると思います。

変化の種(Seeds of Change)という我々のプログラムがあります。これはミドルスクールやハイスクールの女の子のためのリーダーシッププログラムです。

スキルを教えるだけでなく、同様のスキルを重視する他の女の子たちとの交流を深めるんです。このような仲間を持つことは非常に重要です。とても良い質問でした。

若い女の子たちが「なぜ?」を見つける手伝いをする

ロリ:Voice and Influenceには無料のオンラインビデオもあります。マギー・ニールのような教授や、デブ・グルーンフェルドも参加しています。

私にも7年生(12〜13歳)の娘がいて、それを一緒に見て話し合いました。若い女の子について我々が知っているのは、その友達が彼女に何を言っているかいつも把握できるわけではないということです。

それによってどうやって機会に対する枠組みを作れるかというアイデアを彼らに与えられますが、もう1つ考えなければいけないのは、なぜ彼らがそうするのかということです。

リーダーシップやビジョンの目的に触れることが、解決する手助けになります。「ボスっぽいって呼ばれることは、たぶん価値があることなんだ。私は世界を変えるんだから」と。

我々の仕事は若い女の子たちが「なぜ?」を見つける手伝いをすることなんです。そして彼女たちが外部からの反動に直面したら、またその「なぜ?」に戻るんです。

人を評価するとき、どんな言葉を使うのがいいのか

シェリー:では次はこちら。

観客2:女性が男性に比べてどの程度ポジティブなフィードバックを受け取るかについてです。性別の観点で見ることに対して、どのような工夫が成されたのでしょうか?

ポジティブなインプットとは、あるレベルでの親密な言語です。ある男性は、言いたいことを言い換える方法を知って、それをより不快に感じます。それはその文脈では違うかなと。

または無意識の感覚を悩ませることはないと。これに対して何か工夫はしてきましたか?

シェリー:はい。バリアの1つ、たとえばある男性がメンターをする女性を描写する場合です。それがどのように見えるかということです。

その解決法は、これまで提案してきたものに似ています。あなたがどのようにメンターシップを行なうかについて、より明確な基準が必要なんです。どのようにフィードバックを与えるかと。

たとえば、我々が行った言語に注目した研究です。たくさんのパフォーマンス評価を見てきて、言語は過大にクリエイティブな使われ方をしています。人が書くレビューの中にはクレイジーなものもあります。これは良くありません。

だから我々が行なってきたのは、どんなことを言うのか教えることです。なぜなら、あなたがマネジャーで、「あなたはこんなことを話してください」と言われたとします。

あなたの部下は、「これはマネジャーが言いそうなことだ」とわかります。そこに誤解は生まれません。社員がそうするように、企業は提案していくでしょう。

それを手助けするツールを、我々は提供しなければいけません。

観客2:メンターシップの中のトレーニングも?

シェリー:その通りです。

観客2:メンターの側の正しい行動とは何でしょうか? またその過程でメンターが持つ無意識的な感覚とはどんなものでしょうか?

ロリ:効果的なメンター関係を持つためのビデオシリーズがあります。メンターが厳しいフィードバックを与える場面における、保護的なためらいも含めたもの。それから厳しいフィードバックを受ける生徒側の保護的な守りについてです。我々は来年それに取組みます。

スタンフォードの女性雇用の現状について

シェリー:ではこちらの方。

観客3:私は1964年生まれです。50年前、スタンフォードの学部生だったとき、学部にはほとんど女性はいませんでした。ジョージ・スピンドラーが人類学部の長でした。

女性学部のメンバーとの私の経験は、彼の妻ロイス・スピンドラーで、彼女はティーチング・アシスタントのようなことをしていました。

確か学部レベルの男女比は5:3だったと思います。5:2だったかもしれません。それを素晴らしいと思いましたが、それはその当時ですからね。

それで質問は、スタンフォードは女性の雇用において、どれだけ進歩したのでしょうか、またどれだけテニュア(終身雇用の資格)を与えているのでしょうか。

シェリー:私はfaculty equityの学寮長をしているので、そういったデータは常に出せるようにしています。学生全体で良いですよね? ほとんどの大学はほぼほぼ50:50に近いです。

学部レベルでは、助教授の27パーセントが女性です。4分の1よりは少し多いです。教授になると、21〜22パーセントの間です。5人に1人くらいですね。まだ理想の状態ではありません。

スタンフォードが独自の問題を持っているわけではありませんが、まだ理想の状態ではないんです。本当に一体となった努力が必要です。特に女性が少ない理系分野やビジネススクールはそうですね。有色人種に関しても同様です。

テニュアに関して、アシスタントからアソシエイト・プロフェッサーになる場合、ジェンダーの差はありません。この10年間大学は、人を評価するとはどういうことか、ということをかなり考慮してきたんだと思います。

我々の挑戦は、人々を雇い、ここに連れてくることです。その他の面では上手くいっていると思います。

そろそろ時間ですね。もう1つ質問に答えられるかと思います。終わってからも、個々に質問していただけると幸いです。こちらの女性が先でしたね。すみません。

これは女性だけの問題ではない

観客4:バイアスを見ることに関する、あなたのコメントについてです。女性のチューバ奏者の母親なんですが、5年前その女性はフィラデルフィア・シンフォニーに雇われました。

ついに女性がそのポジションに就いたと、あらゆるニュースでも記事になりました。しかし女性がブラインド・オーディションでそのポジションに就いたということは、どこも報じていませんでした。

また彼らがその女性がブラインド・オーディションで選ばれた時、見えるようにしてやり直しをしたことも報じられませんでした。だから私が統計を書いたんです。そのチューバ奏者からもらって。統計を使って調べるために、どこか注目すべきところはありますか?

なぜなら私の意識はいつもビジネスにあるからです。バイアスがあると認めない人たちと一緒にいて、コンスタントな統計や言語を持たなければいけません。問いかけ続け、パラフレーズし、さらなる情報を求めなければいけません。注目すべき点を教えていただけますか?

シェリー:統計はそれがどんなカテゴリかによって広がっていきます。ただ、あなたがされていることは非常に重要だと強調したいんです。いまではGoogleで検索して、統計を見つけることはとても簡単です。

誰かに「ここには女性はいない」「これに適任の女性はいない」と言われた時、それを答えとして受け入れるべきではありません。ほとんどの場合、そんなわけないからです。

「誰もノミネートされていません」という場合は、それがすべての言い訳になりますが、そこには女性がいるんです。それを指摘する手助けをしていかなければいけないと思っています。

だからそのようなシチュエーションで「女性はいない」と言われたら、少し掘り下げて何かを見つけるということを強調したいと思います。そこには女性がいるんですからね。

女性のリーダーシップを推進していくなら、全員で女性が活躍する手助けをしなければいけません。これは女性だけの問題ではないと言うことを再度お伝えして終わりにしたいと思います。

最良のイノベーションや科学的な発見を導き、世界最大の問題を解決するんです。すべての人がこれに関わる必要があるんです。

もしガンの治療法が若いアフリカ系アメリカ人女性の頭の中にあったら、我々は彼女だけでなく、その可能性すべてを取り逃してしまっているんです。これは社会レベルで我々に影響のあることなんです。

みなさん、本当にありがとうございました。

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