2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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田中紀子氏(以下、田中):あともう1つ、ぜひ今日問題提起したいと思っていることが、まずギャンブル依存症ってそもそも世間の理解も得られられないし、同情もされないし、「だったらやんなきゃいいじゃん」みたいな一言で終わってしまうということです。
私たちが発信していても、「そんなやつは別に死んでもいい」みたいなツイートが来たりとか。そんな偏見があるということは、まだ今の社会では理解がないのかなということです。
まず、子どもたちを救い出さなきゃいけないんじゃないかということはすごく思ってるんですね。
やはり私もギャンブラーの親を持っていたので、ものすごい貧困家庭でしたし。今であれば貧困の水準に間違いなく落ち込んでいるような家庭だったんだなと思うんです。
あとは、(親がギャンブル依存で)虐待にさらされていたりという問題がありますし、事故や事件で亡くなる子どもたちもいる。
少し前になりますけど、お父さんがギャンブル依存症で車上生活をしていて、生まれたときから1回も学校に行ったことがなくて、戸籍も持っていなくて、ずっとお父さんと一緒にパチンコ屋をぐるぐるぐるぐる周って、車上生活をしていた子どもが保護されたりとか。
今の子どもたちの貧困問題とか、これが経済大国日本のあり方なのかなということにすごく私、心を痛めているんです。
先生方、その辺に対しても早急に取り組みが必要だと思うんです。その辺に対して何かお考えがあったらお聞かせいただきたいなと。いかがでしょうか。
初鹿明博氏(以下、初鹿):さっき言いました通り、やはりギャンブル場に子どもを連れて行くことができないようにするというのがすごく重要かと思います。例えば、競馬場に連れて行って、お父さんが大負けをしたらどうなるかといったら、機嫌が悪くなるわけですよね。
そしたら多分、子どもに当たって、子どもは嫌な思いをするわけですよ。これは虐待ですよ、完全に。こういう虐待が起こるのをみすみす、国のある意味、外郭団体ですよ、JRAというのは。
国がそれを放置をしてるというか、推奨してるわけですよね。「子ども連れていきましょう」と。これは私は絶対やめさせないといけないと思います。それは絶対やらないといけない。今すぐでもできることなんで、やりたいと思います。
田中:そうですね。子どもたちがギャンブルを見て育つことで、何かいいことってあるのかな、と考えたときに、いいことは1つもないので。やはりギャンブル場が見えるようなところに子どもたちを連れていくことはやめようと。
企業さんのモラルとしても、JRAさんに例えば、お菓子メーカーさんとか、スポーツ用品のメーカーさんとかが、例えば、かけっこの靴で走るイベントをやりますとか。あとアニメのメーカーさんとかが、イベントにすごく協力してるんですね。
それで子どもたちを呼び込もうみたいなことをやってることに対して、少し警告を与えていただけないのかなということは常々思っておりました。私は本当にギャンブルでいつも家族が喧嘩してるなかで育ってるので、子どもたちがそれに触れることっていうのは。
貴闘力さんの話にもありましたけれど、子どもがギャンブルに触れることのメリットは何もないと私も思っております。
ほかにどうですか? 先生どうですか、子どもたちの貧困問題について。
薬師寺みちよ氏(以下、薬師寺):子どもたちの貧困問題っていうのは日本が今、抱えている最重要課題だと思っております。そのなかでも、このギャンブル依存によって、貧困に陥ってる子どもたちをいかに救っていくのか。
これは以前に田中さんに相談を受けた案件なんですけれども。結局、いろいろ手当が出たとしても、父親がギャンブル依存でその口座に振り込まれてしまうと、結局、ギャンブルに使ってしまって、母親の手元、子どもの手元にはなかなかそのお金が回ってこない。
そのために貧困から脱出することができない。ですから、本来であれば、そういったところもしっかりと制度化して、この人がギャンブル依存であれば、その人の元にはそういった手当を振り込まなくさせるようなしっかりとしたルール作りをしなければなりません。
今、通知でそういうものが出ているんですけれども、なかなか現場レベルで判断ができないというところで、結局、ギャンブルにお金を使うために子どもたちの補助金を各家庭に配っているという矛盾が起こっております。そこはしっかり今後とも私どもが目を光らせて、更に通知の上のレベルで走っていかなければならないルールだと思っております。
また、子どもたちのことなんですけれども、皆様方、栄養教諭という方々が学校にいらっしゃるの覚えてらっしゃいますでしょうか。
生活習慣病を改善するために、大人、お母さんやおじいちゃん、おばあちゃんに教えても、なかなかすぐには生活に反映できない。じゃあ、誰に教えれば一番頭が柔軟で、すぐに生活に取り入れてもらえるのかっていったら、子どもたちだってことになったんですね。
だから小学校、中学校に栄養教諭を配置して栄養をどのくらい取ればいい、どんな食べ物を食べたらいいっていうことで、子どもたちの知識から家庭のなかで親を教育してもらおうという発想だったんです。逆転の発想だったんですけど。
これと同じように、やはりギャンブルというものがどういうものなのかを子どもたちにしっかり認識してもらうことによって、各家庭で子どもたちが親を監視する。子どもたちから親に進言するという逆転の発想も、少し私は、今回もギャンブルについては取り入れていかなければ。
子どもたちも危ないと思ったら逃げなきゃいけないというような。虐待を受けたとしても、何があったとしても、そういった術もそのなかで教えていかなければ。いつまでたってもギャンブル依存のなかで染まってしまって、育ち上がってしまいますと、自らもギャンブル依存にまた罹患してしまうような。
いわゆる負の連鎖というものを、ここで何とか脱せなければということで、私も今、取り組みたいと考えている課題でございます。ぜひ、そこも皆様方のお知恵を拝借したいところでもございます。
田中:ありがとうございます。角田先生いかがですか、この問題って。
角田秀穂氏(以下、角田):例えば、教育の現場で薬物依存症に対する教育っていうのはキャラバンカーを仕立てたりとか、かなり普及をしてますけど、その一方でギャンブル依存症に対する教育現場でのそういった働きかけっていうのはまだまだ、弱いっていうことがありますので、これをしっかり光を当てて少なくとも、教育現場で取り上げていくことがまず大事なことだろうと思います。
特に結構、ゲーム依存とか、ネット依存。そこからギャンブル依存につながっていく可能性もかなり高いんじゃないかなとも感じられますので。
そうした意味からの教育の現場で依存症に対する新しい知識、そうしたものを教えていくことがまず大事だろうと思います。
あと貧困の問題については、例えば役所の福祉の部局とか、そういった職員がもっとしっかりとした問題に対する知識を持って、しっかり支援につなげていけるような、それだけのスキルを少なくともやる必要もあるんだろうと思います。
例えば、生活保護のケースワーカーとか、そうした人々はとにかく自立、自立ということで、そっちの方向ではいろんな働きかけをしますけれども。
こうした問題をすくい上げて、少しでも回復、または治療なりに繋げていくところは、まだまだ弱いと思いますので。そうした取り組みもこれからしっかりとやっていかないといけないんじゃないかなというふうに感じています。
田中:ありがとうございました。あっという間にお時間になってしまって。宇佐美さん何か一言、言いたいことがあるということで(笑)。どうぞ、一言。やっぱり、早急に対応していただきたいというのがありますよね。
宇佐美典也氏(以下、宇佐美):そうですね、今までギャンブル依存症といえば問題視はされていましたけど、具体的な行動がなかったということで。そういうときに冒頭で挙げたようなパチンコに対する見直しが先生方のおかげで入ったらすごくありがたいと思っております。
もう1つ思うのは子どもの問題なんですけれども、これも世論的な論点で、ギャンブル場は大人がギャンブルするところで、子どもはギャンブルしてはいけない、と。でも入ってもいいと。そもそもそういう規制がおかしいんじゃないかという意見を持ってるんですけど。その点について最後、何か。
田中:初鹿先生どうぞ。
初鹿:私はさっきからしつこく言ってる通り、やはりギャンブル場に子どもを連れて行かないっていうのをきちんとルール化する必要があるし、年齢確認がきちんとできるようにする必要があると思うんですよ。
今、競馬場で高校生だって買えますよ、はっきり言って。しかも、どんどん機械化してるわけです。機械化すればなおさらなんです。パチンコだってほとんどチェックはノーチェックでできてしまいます。
例えば、煙草を自動販売機で買うのにカードができてますよね、年齢認証の。ああいうカードを作らないと、ギャンブルができないというようにして、例えば馬券買うときにカードを入れないと馬券が買えないとか、パチンコもカードを入れて、玉が買えるようになるとかね。
そういう本当に年齢をきちんと確認するようなシステムをつくって、若い頃からギャンブル場に行かない、そしてやらないっていうのを徹底することが私は非常に重要なのかなと思っています。
田中:ありがとうございます。ぜひ、本当に実行可能なものからどんどん推進されてくような、現実的にそれが動き出すような政治というのを国民も望んでいると思いますし、私たちもそれをすごく望んでいる、悲願だなと思っております。
残念ながらもうお時間となってしまいましたので、先生方、一言ずつこのギャンブル依存症対策について、またギャンブル依存症者とか、今日のシンポジウムについてでも、一言ずついただけたらと思います。
いかがでしょうか? 角田先生からどうぞ。
角田:私がこの話について認識を持ったのは本当に最近の話で。勉強すればするほど非常に、これは目立たない病気だからこそ今まで放って置かれて、でも実はその結果というものはかなり深刻な状況にあるということは十分実感しております。
そういった意味でもこうした普及活動、そのためのまず実態調査、そしてそれを踏まえて直截的にどういう対策ができるのか。これからも真剣に取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
田中:ありがとうございます。初鹿先生、どうぞ。
初鹿:この問題というのは、ほかの国に比べてやはり日本はものすごく遅れているし、その一方で日本は世界のなかでも最も身近にギャンブルがある国で。歩いてサンダル履きで行けるところにパチンコ屋が大抵あるわけです、駅前に。
そういう国というのは世界中どこを見てもないと思います。その認識はやはり国民も、そして政府もしっかり持って、だからこそきちんとした対策を取らないといけないということを、これからも声高に主張していきたいと思います。
田中:ありがとうございます。薬師寺先生、お願いします。
薬師寺:この日本はもうすでにカジノ大国だという認識をすることです。ここから始めていかなければ、次に日本のこの空気感を変えていくことができません。それから私は初めの一歩、始めていきますので、皆様方の応援こそ私どもを動かす力となってまいりますので、ぜひ、今後とも私どもにもご意見をいただきたいと思っております。そして田中さんもしっかり皆様方、ご支援ください。
ここまで実名を出して、顔を出して活動してくださる方々がいなかったから進んできませんでした。私どもを突き動かしたのも田中さんの本当に大きな力からでございますので、田中さんのご支援もよろしくお願い申しあげます。
田中:ありがとうございます。当会にお気遣いいただきまして、ありがとうございます。本当に先生方も、私たちがご信頼申し上げている先生方にお集まりいただきました。
まず、先生方に今後、意見とかありましたらどんどんお願いに上がって、また先生たちのこれからもお力をお借りして、私たちも声をあげていきたいなと思っています。
パチンコの問題なんか本当に先生たちがおっしゃっていただいたおかげで、警察庁が動いたと思っておりますので、本当に心から御礼申し上げます。
今日は最後に「10万人署名」というのを最後、後ろでやっております。また署名用紙も入っておりますので、ぜひ署名をしてご協力のほうをお願いします。
青少年を守る取り組み、あとギャンブル業界からの応分の負担を出して欲しいということと、管轄とか法的な建前を超えて、先ほどもおっしゃったダブルスタンダードをやめて、ギャンブル依存症問題に取り組んでいくことが必要だということを署名で、10万人を目標に集めたいと思っております。どうか皆さん、ご尽力いただきたいと思います。
最後にこの後、大切な社会復帰についてもう実践されている企業さんが現れております。
そのことについてこの後の講演で今、どんなふうに取り組まれているかっていうことをお話しさせていただきたいと思いますので、 一旦、このシンポジウムはこれで締めさせていただきたいと思います。
今日は先生方、どうもありがとうございました。
(会場拍手)
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