2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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牛窪恵氏:皆様初めまして。本日は、お足元も悪い中お越しいただきましてありがとうございます。私、マーケティングライターの牛窪恵と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
(会場拍手)
ありがとうございます。本日、私の『恋愛しない若者たち』という書籍の刊行記念で、お陰様で数日前に5刷りになりました。皆様のお陰でいろんな方に買っていただけること、またマスコミの方々に取り上げていただけること、ありがたく思っているんですが。
私自身、実は夏休みが取れておりませんで、先週1週間沖縄に行ってまいりまして、今日帰ってまいりました。ゆるい格好をしているんですが、じょじょに仕事モードに切り替えて参りますので、よろしくお願いいたします。
今回、私から20分くらい、軽く「なぜこの本を書くに至ったか?」というお話をさせていただき、その後、この本の出版元でありますディスカヴァー・トゥエンティワンの干場(弓子)社長にお話ししていただきます。皆様の中にもファンの方が多いと思うんですが、私も、この本は是非干場さんの会社から出したいという思いで、この企画をお話しさせていただいたというところがあります。
干場さんはものすごいパワフルで、ものすごいオーラのある方ですので、私が先鞭をつけて露払いの意味で、まずお話をさせていただきます。
20分くらいですので。私の講演に何度かいらしてくださっている方、私が爆弾トークというか、もうワーっとしゃべるので、だいたいテンポをおわかりいただいてると思いますが、簡単に、この本を書くに至った経緯をお話させていただきます。
詳しい年齢はお聞きしませんので、今日お越しの皆さんの中で、4、50代の方ってどれくらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
ありがとうございます。かなりの割合を占めているようでございます。
(会場笑)
皆さんお若いですから、パッと見ても20代30代と変わりないというくらいですが、私も若作りをしておりますが、もうすぐアラフィフといわれる階層に入ってきます。バブル世代と言われる世代ですね。
今回テーマにした「恋愛しない若者たち」の「若者」というのは、20代の男女でして。皆様の中で、20代のお子さんをお持ちの方ってどれくらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
ありがとうございます。おそらく「うちの息子、娘もそうなんだけど」ということで買っていただいている方もとても多くなっていると思います。
私自身、マーケティングという仕事を生業にしており、よくこの表をお出しするんですけども。我々とか伊藤忠ファッションシステムさん、最近では博報堂総研さんなんかも世代論というのを強調されています。
まず、私自身も含まれますけれど、バブル世代といわれる今の40代半ばから50代半ばくらいの方が、いわゆる恋愛至上主義の時代に17から23歳くらいの青春時代を過ごした世代ですね。
このバブル世代というのは2つに分かれまして、上のほうは新人類といわれる方々です。今、51歳から56歳になっています。
当時新人類と呼んだのは、以前『NEWS23』という番組のキャスターをしていた筑紫哲也さんという方で、筑紫さんが『週刊朝日』という雑誌の編集長だった時代に、とんねるずの石橋貴明さんとか松田聖子さんとか、今年優勝しましたソフトバンクホークスの工藤公康監督を、そう呼びました。
工藤さんは西武ライオンズのピッチャーだった時に、マウンド上で舌を出したり監督に失礼なことを言ったりして、「なんだあいつら、若いくせに失礼なこと言って。よく理解できないな。新人類だな」と言われた1人です。
この人たちが、今20代のお子さんをお持ちの親御さんになっているわけです。松田聖子さんもそうですね。この人たちの青春時代がバブル予兆期といわれる時代で、流行り言葉とかトレンドを見ると『なんとなくクリスタル』「○金(まるきん)、○貧(まるび)」「カフェバー」「DCブランド」「お嬢様ブーム」なんていうのがありました。
実は先日お亡くなりになった川島なお美さんも新人類で、ワインとかグルメとかに非常にこだわって、大学生時代、青学の女子大生ということで、『ミスDJ』という番組でデビューしました。
この人たちの1つ下が真性バブル世代。青春時代に一番のバブル経済の恩恵を受けた恋愛至上主義の世代で、私もこの世代にあたります。この人たちが、今45から50歳の方々ですね。流行り言葉が、「三高」「アッシー」「メッシー」「ミツグ君」「ワンレン」「ボディコン」「インポートブランド」「海外旅行」「リゾート&グルメ」。
まもなくクリスマスですけども、クリスマスの時期は、本当に半年前からホテルが取れませんでした。もう取り壊しになってしまいましたが、赤坂プリンスなんていうホテルも本当に人気が高くて……。
私はその時には行ってなかったんですが、当時スキーに行かれた方は、苗場のプリンスでユーミンのコンサートをやるのが恒例で。「私をスキーに連れてって」、スキーブームですね。
当時行かれた方によりますと、練馬のインターから苗場までずっと高速が渋滞していたと。それくらい、皆さんが同じように車に乗ってスキーデートをしに苗場プリンスに泊まっていたという時代です。
また、クリスマスの定番はティファニーというブランドのオープンハートのネックレスを贈ることでした。これティファニー本店で聞いても、はっきり答えてくれないんですが、当時三越さんの中にありましたティファニーさんでは、売り切れ証明書というのを発行したと。
要するに、彼氏は皆が皆、クリスマス前から女の子の為に買いに行って大行列するわけですね。ティファニーを買おうとするんだけど、もう品切れになって買えない。ただそれを彼女に証明しないといけないので、そのために列に並んだという証明書を発行したという伝説が残ってます。
(会場笑)
実際うちのスタッフでもそれを目にした者がおりますので、おそらく実際出していたんだろうと思いますが、そのくらいの人気でした。
私の周りでも当時、特に女子大に通っている子たちは、山ほどブランド品をもらっていまして、当時今みたいにコメ兵さんとかブランディアさんとかああいうリサイクルサービスがありませんから、質屋に売っていました。カルチェの3連リングとかいろんな物を売っていました。
そのくらいブランド物もこの恋愛至上主義、恋愛消費で回っていた時代です。
ところが、この下の団塊ジュニア、この方々が今日本で2番目に人口が多い方で、今の39から44歳です。この方々が別名貧乏くじ世代と言われている世代で、バブルの時ほどいい思いをしていない。人数が多くて競争させられたわりに、手前でバブルが弾けて、93年に初めて就職氷河期というのがやってきます。
そこで、彼らは恋愛ということよりも、友達というようなニュアンスのことを重視し始めます。結婚式でも友達婚といわれるような男女平等の結婚式というのが脚光を浴びました。お友達と一緒に何かを作り上げるという結婚スタイルですね。
車も90年代半ばくらいから、「2シーター」「セダン」「クーペ」といったスポーツカーというものが売れなくなります。若者がどんどん買い始めたのが、「RV車」。後ろにも友達がどんどん乗ってきて皆でアウトドアに行くというスタイルです。
バブルの時は、ディスコとかカフェバーでは入場料を取ると言われて、その前に制服チェックみたいなのがあって、服装チェックをしてオッケーとった人しか入れない、とかですね。あるいは、入場するだけで4000円とかとられるわけです。
ところが、アウトドアは行くだけならタダですし、バーべキューを焼く時に300円かかるくらいですから、お買い得でお友達と皆で行ったほうがいい。学校で男女平等教育も受けていて、だんだん友達が重視されるようになります。
と共に不況期に入ってきて、流行語が「カード破産」「複合不況」「同情するなら金をくれ」ですね。流行り物は「フレンチカジュアル」「イタめし」「ストカジ」「エコロジー」で、この頃から「もつ鍋」とか安いお料理というのも流行り始めて、皆さん、カジュアルだったり、ナチュラルだったり、シンプルだったりというものを標榜し始めます。
と共に、カップル文化というのがじょじょに崩壊をし始めまして。もっと若い子たち、ポスト団塊ジュニア、私が草食系世代と呼んでいる30代半ば前後とか。そのどんどん下にいくと、ゆとり世代とか若い世代に入るにつれて、どんどん現実的になっていきます。
おそらく今日お越しの4、50代の皆様の方の恋愛のイメージというのは、バブル期予兆期のドラマ『男女7人夏物語』『秋物語』あたりかと。この間、メンバーの復活や再会なんていうことがニュースに出ていましたが。
『「婚活」時代』なんかを読むと、『男女7人夏物語』というのが、恋愛の中でもロマンチックラブイデオロギーといわれる、セックスと結婚と恋愛の三位一体化の転機だったと。つまり、好きな相手とエッチをしてそのまま結婚するというスタイルが初めて崩壊したドラマだというふうに位置づけられております。
つまり、明石家さんまさんは、ドラマの中でも大竹しのぶさん以外の池上季実子さんだったり、『秋物語』に出てくる岩崎宏美さんだったりいろんな女性とエッチをしてるという前提になっています。かといってそれでその女性と結婚するとは限らない。そういうスタイルのドラマっていうのがそれまでに非常に少なかった。そこを露骨に表現したドラマって少なかったんですね。
ただその後もいろんなドラマが出てくる中で、私なんかが青春時代に非常に衝撃的だったのが『東京ラブストーリー』ですね。もともとは漫画が原作なんですけど、鈴木保奈美さんが「カンチ、セックスしよう!」ということを口に出して言うと。女の子があんなことを男の子に言っていいんだというのが非常に衝撃でしたし。
その後、『ロンバケ』。これが出たの90年代後半ですけれど、『ロングバケーション』。これは山口智子さんが彼氏に振られてキムタクの家に転がり込んでくる。同棲を始めるんですけど、この同棲相手は別に恋愛相手でも何でもないんですね。
ただ単にお得だから、家賃がシェアできるということで、今の若者たちにかなり近い感覚、コスパでお得だから一緒に住もうという感覚で男女が一緒に住む。でも、しばらくはキスも何も起こらない。一緒に住んでも何も起こらないんですね。これもかなり画期的なドラマでした。
ただ、今回本を書くにあたって、いろんな若者たちが抱える社会の闇というものが明らかになったのですが。例えば、この『101回目のプロポーズ』。現代でこんな付きまといをやったならば、完全にストーカーですよね。当時これがドラマとして成立していた。逆に言えば、まだ大らかだったというのが、今の4、50代が若い頃の恋愛至上主義の時代だったということですね。
ところで、今回本を書くにあたり、「今の若い子たちの恋愛のイメージは?」というのを聞いてみたんですが、イメージ的にはほとんど変わってないんですね。
例えば、去年「壁ドン」という言葉が流行りました。今年は「顎クイ」も。女の子とすれば、男の子にグイッと迫ってほしいというのがあります。それから、初恋はレモン味のキスでとっても尊いものだ。告白を受ければ「ついにキター!」と思って、とってもキュンキュンしてときめく。
男の子も恋愛イメージの中では、今、『じゃらん』さんとかで、いわゆる貸し切り露天風呂がある宿というのが流行っていますが、男の子としては「女の子とエッチしたいな」という思いがないことはないです。でも、実際その貸し切り露天風呂に泊まったにもかかわらず、エッチも何も起きていないというパターンもあります。さんまさんも、それ言ってましたけども。
結局、女の子に拒否されて、いい思いもできると思ったのにそうでもない。でも、男の子たちも、そんなにがっかりしているわけではないんですね。「まあいい宿に泊まれたし、美味しい物も食べられたし、良かったかな」と。
ですから、イメージ的には昔の恋愛とほとんど変わっていないにも関わらず、実際にそれを実行できているかというとそうではないと……。
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