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2015年10月30日橋下徹市長退庁会見(全1記事)

橋下徹氏「自民党のマニフェストは実行不可能」おおさか維新の会として臨むダブル選の争点

2015年10月30日、橋下徹大阪市長が退庁会見を開きました。橋下氏は、松野頼久幹事長からの党員名簿の返還を求める民事訴訟などをはじめとする維新分裂の状況についてコメントしました。また、11月22日に行われる大阪府知事選挙・大阪市長選挙のダブル選を前に、おおさか維新の会と自民党のマニフェスト・実行力の違いについて語りました。

党員名簿の返還に関する民事訴訟

記者:お疲れさまでした。松野(頼久)さんが党員名簿の返還を求めて提訴されたということなんですが、これはどのように。

橋下徹氏(以下、橋下):僕、維新の党は無関係ですから。

記者:明日、おおさか維新の会を立ち上げられる。

橋下:そうです、ええ。

記者:そこにも関わるかなと思うんですが。

橋下:いや、何も関わらないでしょ。

記者:今の大阪維新の会で管理しているものに関してということなんで、無関係ではないと思うんですが。

橋下:大阪維新の会で管理をしている?

記者:ええ、党員名簿というか。

橋下:待ってください、大阪維新の会で管理しているのは、大阪維新の会の党員名簿です。

記者:まあ、そうですね。

橋下:維新の党はもうまったく無関係です。

記者:顧問弁護士にはなって?

橋下:なってないです。

記者:代理人弁護士には?

橋下:いや、ぜんぜんなってないです。

記者:市長自身がどう対応されるかではなく、そういう行為を松野さんが行ってきたことについてはどうお考えですか?

橋下:だから無関係な人間が、そんなコメント出せるような問題じゃないじゃないですか。当事者じゃないんですから。

記者:被告に名前入ってますよ。

橋下:え、本当に? 僕が? じゃあ、それはきちっと見て対応しますよ。被告にされた以上は、被告として対応します。

記者:その対応というのは?

橋下:それは、まだ何も見てないのでわからないです。僕、だって無関係なんだもん。どういう形で僕が被告になってるか、見ものなんですけど。

記者:あれだけTwitterされてたんですから、無関係ということはないと。

橋下:無関係ですよ。コメントするのは自由じゃないですか。じゃあ、みなさんだってニュース報道したら、全部当事者になるんですか?

記者:自由ですけれども、関係ないことはないでしょ。

橋下:いや、関係ないですよ。じゃあ、報道したやつは全部関係あるんですか?

記者:いや、何らかの関係はあるでしょ。

橋下:いや、何にもないです。維新の党はまったく無関係です。

記者:コメントはおっしゃるとおり自由なんですけど、これまで積極的な発言はされてこられたので。

橋下:でももう、維新の党は解散するんでしょ? 解散決議になったから、僕はもう言うことはないです。僕はもうおおさか維新の会をやっていけばいいだけの話ですから。

記者:解散決議が決まったから、もう話すことはないと?

橋下:決まったからというよりも、もともと僕は党員でも何でもないですから。

記者:いや、もともと立ち上げられたわけですから。

橋下:いや、だって離党しちゃってるわけですから。無関係じゃないですか。

記者:いや、無関係とは到底思えない(笑)。

橋下:それは主観的な話だけであって、うちは何の関係もないですよ。党員でも何でもないんですよ。今度、おおさか維新の会の暫定的な代表を務める。他党の話ですから。そんな他党の話なんか言えません。

維新の党とは無関係

記者:大阪側の党員が非常に少なかったということに関しては、何かございますか?5万人まで党員増やして活動されている中で、大阪維新の会の側の党員っていうのが非常に少ないというような。

橋下:維新の党は僕は関係ないわけですから。おおさか維新の会でやっていくわけですから。しょうがないじゃないですか、おおさか維新の会なんですから、これからは(笑)。維新の党とは無関係ですから。

記者:あれだけ意見をずっと述べてきたのに、ここで急に言わないといった理由はなぜなんでしょうか?

橋下:じゃあ、報道したら全部ずっと関与し続けるんですか? 僕も第三者的にずっと意見を言ってただけですから。

記者:じゃあ、第三者の意見として。

橋下:いや、もう別にそれは(ないです)。報道だって、ずっとやってたことで、急に報じないことだってあるじゃないですか。それは関心の持ちようでしょ。

記者:関心なくなった。

橋下:だって、明日からおおさか維新の会ですもん。維新の党は知りません。

新党の届出の見通しは?

記者:すみません、新党の届出はいつ?

橋下:月曜日にやる。11月2日ですね。

記者:松井(一郎)幹事長は12月になると言ってたんですけど。

橋下:あれは確認したら、事務負担のことを考えて、それぐらいの幅で言ったんだっていう話で、事務局のほうに確認したら、別に問題ないっていうことだと思うんですが、月曜日に出します。

記者:馬場(伸幸)さんらは、総務省はまだ維新の党の解党を判断されていないので、新党のおおさか維新を出されても、すぐ受理されるかどうかっていう……。見通しはどのように。

橋下:おおさか維新の会は、維新の党とはまったく無関係なのでね。国会議員5名以上集まればこれは出せるわけですから。維新の党とはまったく別に、おおさか維新の会はスタートさせます。

記者:そうすると、馬場さんらは入らないんですか?

橋下:はい。維新の党の執行部である以上は入れないですからね。だから、馬場さんと谷畑(孝)さん、遠藤(敬)さん、東(徹)さんですか。その4名は維新の党の執行部ですから。

記者:そこの話が片付くまでは、そちらのほうですか?

橋下:それは過去のことですから、それは。

記者:ちょっと前の(笑)。

橋下:他党じゃないですか(笑)。

記者:おっしゃりたいのはわかるんですけど、全然知らない仲ではないじゃないですか。

橋下:全然、他党ですから。おおさか維新の会は、維新の党の馬場さんや東さん、遠藤さん、谷畑さんを除いた国会議員でスタートさせる。維新の党のことは僕は知りません。

記者:人数のめどっていうのはあるんでしょうか?

橋下:5名以上でできると聞いてますので。

記者:大阪の、それ以外の方は当然入らないと。

橋下:そういうふうに聞いてます。だから明日、その確認といいますか……。みんなで集まってもらって、大阪以外の国会議員のみなさん中心に、なぜ大阪という名前のついた政党に集まってくれたのかっていうところは、少し述べてもらいたいとは思うんですけれども。

ダブル選の争点はマニフェストではなく実行力

記者:自民党のマニフェスト、くりはら(貴子)さんも出まして、柳本(顕)さんも一部変更とかもあったんですが、Twitterで発言されているところもあるんですが、現状どのようにマニフェストを比較されているんでしょうか?

橋下:基本的には自民党も(おおさか)維新の会も、目指すところはほぼ一緒なんですよね。ただ細かなところで、敬老パスとか、公募校長制のことを言っていますけれども、公募校長だってあれでしょう。今年は大阪市、外部申請は1名ということですよ。

だから、人選の問題であって、制度自体を変えるような話ではないですよ。外部の人材を活用するという方向でいくんであれば、あとはしっかり人物を選びましょうということで、ここも大差ないと。

基本的には敬老パスの問題と、やっぱり二重行政の問題どうするのかっていうところ。あとは実行力ですよ。だから、有権者のみなさんにはおおさか維新の会と、それから自民党民主党共産党連合、どっちのほうが言ったことをきちんとやり抜くのか、その実行力を見てもらいたい。

その実行力の1つのツールとして、大阪都構想と、大阪会議です。大阪会議のほうが、大阪をより前に進めることができると感じるのか、あんな大阪ポンコツ会議が。

それとも、住民投票のときには否決になってしまいましたが、それは将来に対しての不安があるんだよね。大阪都構想について、まだよくわからないっていう人もいたかもしれないですけど。

大阪都構想の中身について、学者みたいに詳しく知る話ではなくて、大阪都構想と、大阪ポンコツ会議、どっちのほうがより大阪を前に進めることができるのか。そこの判断だと思いますよ。

言ってることはほとんど一緒なんですよ。だから、どなたかの学者が言ってたように、大阪都構想と大阪ポンコツ会議が並ばないように、そこは近畿メガリージョン構想、リニアモーターカーとか、北陸新幹線とか、経済政策の問題と、それと大阪都構想を対立するべきだと。

自民党は今、どなたかが言ったその提案に従って一生懸命やってるわけですよ。「我々は政策だ」と。「維新の会は制度ばっかり、都構想ばっかり言ってる」と。

違いますからね。僕らもずっと政策とか、そういうことは言い続けてきて、政策論もやってきて、目指すべき方向性、リニアモーターカー、大阪東京同時開業とか、北陸新幹線とか、関西国際空港への鉄道アクセス向上だったり。

関西国際空港の鉄道アクセスなんて、自民党は最近言い始めたことで、これは僕がずっと言い続けてきたことですから。それから、中央省庁への、大阪への移管だったりとか。だから、言ってることほとんど同じなんですよ。

あとは、どっちのほうが実行力があるか。それから、過去の大阪府政、大阪市政がどうだったのか。まあ、借金がひどかったし、箱物はつくり続けてきたし、天下りや職員の数も本当に多すぎた。職員給与も高いしね。

そういう暗黒の大阪に戻すのかどうなのかっていう、そういう話だと思いますよ。マニフェスト自体はもうほとんど大差がないというように思っています。

ただ、柳本さんたちが出しているマニフェストっていうのは、財源を全く示さないバラまき型でから、いいことばっかり言ってるなあと思いますけどね。

敬老パス無料なんて、こんなの絶対できないですから。これでまた乳幼児の医療費助成を拡大するとか、いいことばっかり言ってる。

本当に共産党のマニフェストそのものだと思いますよ。柳本さんが出しているの。無責任極まりない、実行不可能なマニフェストだと思いますね。

ダブル選では大阪都構想は前面に出さない

記者:吉村(洋文)さんが、大阪都構想をあまり街頭で訴えていないようですけれども、これについてはどう思いますか?

橋下:訴えてるんじゃないですか? 手段ですから。大阪都構想の中身について、僕が住民投票のときに説明会をやったような、ああいう話をするわけじゃないので。

きちっと政策の話とか、大阪の目指す方向性とかを語った上で、それを実現する手段としての大阪都構想ということで十分だと思います。

記者:住民投票で否決されたんで、あえて前面に出さないほうがいいという判断があるとか。

橋下:いや、違いますよ。今回の選挙は、大阪都構想の説明じゃないんですから。大阪都構想の説明というのは、散々みなさんに言われたから、僕はやりつくしたんですね。

そうじゃなくて、大阪都構想で何を実現するのかというのが、今回は、新選挙、市長選挙なので、そういうことを訴えかけている話なんで。

いまだに変な学者が、大阪維新の会は4年間大阪都構想しかやってなくて、後は何もやってなかったって。本当に一番腹立つことってそこなんですよ。上から目線の学者っていうのがね。

大阪市政で今まで4年間やってきたようなことなんか何1つ見たこともないような専門外の学者が、ああやって偉そうに語って、それを平気で新聞社も載せるっていうのは、どういう編集の能力というか、方針なのかよくわかんないですよ。

本当に大阪維新の会が、僕が4年間、大阪都構想以外に何もやらなかったって言うんだったら、ちゃんと指摘をして言ってくれっていうんですよね。それをまた平気で、ああやって、ろくでもない学者の意見なんか出して、見たら全然行政の専門外じゃないですか。

やったことに関して、「ここが問題だ。あそこが問題だ」って指摘をしてくれるんだったら、そこはきちっと「ああ、そうですか」って聞きながら直していこうっていうようなこともやりますけど、「何もやってない」なんて言われたら、「アホか」って言わざるを得ないじゃないですか。

選挙で有権者に対して政策選択って言ってるんだったら、政策について細かく、ここが問題だ、あそこが問題だって提供するのがメディアの役割だと思いますよ。

やってないって言うんだったら、「本当ですか?」っていう。いつもこんだけ取材やってんのに、僕が大阪都構想以外、何もやってないっていうんですか? 本当ろくでもないよ。

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