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企業のネット動画の活用法 ~日本と世界のネット動画のトレンドから~(全4記事)

有料イベントに2万人が殺到 ネットを飛び出し熱狂を生むYouTuberの今

2015年11月10日に開催された「CODE CONFERENCE TOKYO 2015」。ブルーカレント・本田氏、Google・中村氏、業界初のユーチューバーマネジメント企業UUUM社・鎌田氏、KDDI・塚本氏が登壇し、「ネット動画はブランディングにどう貢献するのか」をテーマに語りました。本パートでは、鎌田氏が、その影響力をますます増大させているYouTuberの最新事情について話しました。

ティーンに影響を与えるのはハリウッドスターよりYouTuber

本田哲也氏(以下、本田):皆さんご存じの方も多いかもしれませんけれども、まずは、鎌田さんにUUUMさんでなにをやってるか。YouTuberという観点からお話いただきたいと思います。お願いします。

鎌田和樹氏(以下、鎌田):よろしくお願いします。UUUMの鎌田と申します。座ったままで恐縮です。若干、プレゼン交えていますが、よくセミナーはやったりしますので、普段は結構後半のほうに盛り上げていってポイントをつくるんです。

今日は、それを入れるとディスカッションにならないんじゃないかなと思ってるので、本当に会社の概要のところだけ、最初の部分として簡単にお話しできればと思っております。

UUUMという会社は、2013年の6月に創った会社なので、2年と3、4カ月ぐらい経つ会社でございます。今、(Google)中村さんと一緒の六本木ヒルズに入っております。

今さら僕がYouTubeどうこう言うことでもないんですけど、一応、公に出てるような情報として、YouTubeってそもそも60億時間以上、月に見られていますよとか、10億人の人が使ってますよとか。先ほど中村さんがGoogleに次ぐ第2の検索エンジンとおっしゃってましたけど、日本並びに全世界で使われている、圧倒的な動画プラットフォームです。

そのなかで活躍している人たちのことを、2013年ぐらいからYouTubeスターとかYouTuberとか(と呼ぶようになりました)。アメリカのほうではそれこそVineのスター、Vinerですとか、そういったかたちで最後にrをつけて呼んでいくことが流行っているわけですけど。

こちらは『Variety』というアメリカの雑誌、メディアが行った調査でいきますと、例えば13歳から18歳のアメリカ人にとって最も影響を与えた人って誰ですかということを、2014年の情報になるんですけど、1位Smosh(YouTube)というのは、YouTuberということだと思います。2位The Fine Bros、3位PewDiePieっていうかたちで、トップ5をYouTuberが独占している状態です。

日本でも、最近になって「YouTuber知ってるよ」という声が拡がったり、昨日も新聞に「将来YouTuberになりたい」みたいな発言が、取り上げられていました。

見ていただくと、14位にジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオが20位みたいな、多分僕らが20代、30代がイメージしてるのと、10代の子が考えてるのとまったく違うんじゃないかなというのが、これが2年ぐらい前にすでにアメリカで起こっている、YouTuberという人たちのことになっております。

日本でも勢いを増すYouTuberたち

今では、弊社でいうと所属しているHIKAKINを初め、はじめしゃちょー、最近テレビCMもGoogleさんのお力をお借りすることができて、やっておりますけども、並びに佐々木あさひという女性のトップクリエイター。最近おもしろいなと思っているのが木下ゆうかっていう、簡単にいうと大食いですね。昔テレビチャンネルに出てたような人が、今30歳ぐらいになって活動をYouTubeでしている。

ちょっと余談ですけど、毎週日曜日19時から、生放送でご飯を食べてます。30分ぐらい。これ毎日やってると、「視聴者が生放送で一緒に食べたいんです」みたいな(声が来て)。いつも動画10分ぐらいなんですけど、30分かけて食べてくれと。一緒にパソコンの前に向かって、僕と一緒にご飯食べたい、じゃないですけど、そういうようなこともやっていたりします。

最近でいうと、マルチな活動をしているクリエイターということで、ちょっと一部だけのっけてますけども、こんなかたちで。ジェットダイスケさんとかってなると皆さん知ってるんじゃないかなと。昔だとYouTuberってガジェット系の商品紹介するブームが来てますけども、最近でいうとマルチに活動していたりとか。女性のクリエイター、先ほどもトルコ航空さんの事例で出てましたけども、女性のクリエイターさんというのも最近非常に増えてきていて。

おもしろいなと思うのが、お子さんをお持ちの方もそうかもしれないんですけど、子供にYouTubeをずっと見させると、子供がYouTubeのボタンをタップして、勝手にレオンチャンネル(注:玩具レビューのYouTube番組)検索したりとか。商品を買ってじゃなくて、商品で遊んでる動画を見させて、というのが最近の子供のトレンドになっていたりしています。

いわずと知れたゲーム実況ということで、うちにも多数のクリエイターが所属していまして、最近だとマインクラフトですね。YouTubeでは「ミュージック」というキーワードに次いで「マインクラフト」という検索キーワードが、世界的に2番目のキーワードだったりしていますので、非常に伸びていると。

私たち、何が特徴的かといいますと、「YouTuberの事務所でしょう」と一言でいわれると、それもそうなのかもしれないんですけど。圧倒的に登録者数というものが、Twitterのフォロワーみたいなものですね、ありまして。このランキングでいきますと、HIKAKIN、はじめしゃちょー、昨日ぐらいにavexさん抜いてるようなので、日本でトップのチャンネルになったんですけど。

それ以外に右側にあるようなランキング、YouTubeのチャンネルをベスト100まで上からばーっと並べてみましたといったところで、ほとんど個人で活動してる人たちは弊社に所属していただいてる状態になってます。

なので、広告代理店さんの人もクライアントさんにしても、「YouTuber使ってなにかやりたい」というときには、最終的にお話をいただいたりしています。

大企業もYouTuberに注目し出している

後ほどMCNという言葉が出てくると思うんですけども、マルチチャンネルネットワークという事業を展開しているのも1つです。これ簡単にいうと、所属というとわかりやすく芸能事務所みたいなイメージがわくと思うんですけど、所属はしてないけどもYouTubeのアカウントは僕らもちゃんと管理していて、サービスの提供をしています。

いろんなチャンネルを管理するのを、マルチチャンネルネットワークというんですけども、そういった事業を昨年から展開させていただいて、今1,800チャンネルぐらいあって、月に1万5,000本ぐらいの動画がそのチャンネルから生まれているというかたちになっています。

再生回数でいうと、会社できたときは6,000万。6,000万という数字自体がよくわからない数字かもしれないですけども、今1カ月に10億回ぐらいの再生回数になってます。大体1再生が3分ぐらい視聴されますんで、30億分という時間見られているというかたちになってます。

VidStatsというサイトでYouTubeのランキングとか出てるんですども、もちろん非公式なものにはなってますけども、トップ100のうち私たち大体30パーセントぐらいのシェアを占めてるような会社になっております。

やっていることとしてはYouTuberの活動領域として、もちろん彼らと一緒に何かしら仕事をしていきたいということで、イベントをやったり、企業さんとは最近多いんですけど、タイアップ動画を作らせていただいたり、アプリであったりグッズを作ったりということもやっておりますし。

たまたまですが、グーグルさんと「好きなことで生きていく」キャンペーンとか、YouTube FanFestというものに出させていただいたりということで、広くYouTubeのプラットフォームのなかで活動しているということにはなってます。

単純にイベントといっても、一言で1,000人規模、2,000人規模、平気で集まったりしますので、企業さんと一緒になってやりましょうということであったり、京都の太秦で今回もイベントをやらせていただいたりと、さまざまなイベントをやらせていただいたり。

先ほど1,800チャンネルと言いましたけど、1,800チャンネルあって1,800人と会ってるのかというと、もちろん会ってませんので、クリエイターさんに向けたシステムを提供したり、デジタルハリウッドさんと提携してコンテンツを高めていこうということを考えていたり。

企業様の取り組みで、多分あとあと出てくるんですけども、いろんな企業さんに動画を作ってくれというお話は非常によくいただきます。僕らでいうと動画を作ること自体は多分クラウドソーシングでもできると思うんですけれど、マーケティングの部分でお手伝いしますよということで、YouTuberの持っているファンに対してターゲティングをして、動画を提供していきますということをさせていただいたり。

一例ですけど、結構ナショナルクライアントさんからも最近ではお仕事いただいたりしています。

講談社さんと一緒になって、一緒に新しくチャンネルをつくって、昔、多分『コミックボンボン』というのを皆さんご存じだと思うんですけども、それを今だとYouTubeでやりましょうということになって、一緒にコンテンツ作らせていただいたんです。あとは実写でアプリを作ったり。

1つわかりやすい事例で、YouTuberっていっても「最近人気なんでしょ」ぐらいなイメージをされるかもしれないんですけど、僕たちがYouTubeのテーマソングを作りましょうということで、自主製作で作らせていただくと、その動画自体が1,000万回再生されたり。iTunesでは、ドリカムはちょっと抜けなかったんですけども、ナンバー2というポジションになったり。

またYouTuberFanFestとは別に僕たちだけで今度イベントをやろうよということで、今回有料のイベントを、11月21日にやりますけども、こういうのをやろうとすると2万人とかいう規模の応募をいただくということで。

単純に「今、有名な人なんでしょう」という領域から、YouTube上で有名だってどれだけすごいのかということと、その力を使って、マーケティングを含めてさまざまな活動をさせていただいている会社でございます。ちょっと簡単ですけども、こんな感じです。

本田:ありがとうございます。そうですね、私もUUUMさんの活動、六本木ヒルズに移る前から見てて、すごい勢いに乗ってるなという感じ。今、公式のYouTuberって何人いらっしゃるんでしたっけ。公式って所属の。

鎌田:所属だと、おもしろいのは最近4人1組みたいのが入ってるんで、50組70名ぐらいです。

本田:50組70名ですね。先ほどあった、そことレイヤー違いますけど、システムを使ってるよっていうMCN的な方だと何人いらっしゃる。

鎌田:あれが大体1,750ぐらいですね。

本田:1,750。

鎌田:毎月、やっぱり応募はいただく状態なんで。

本田:何か、小学生とかから電話かかってくるっていう話、聞きました。

鎌田:「いつAndroid版が出るんですか」ってわざわざ電話してきてくれる小学生とか、あるいはファンレターっていうのは非常にやっぱり多いですね。

本田:電話っていうのがアナログですごいですね(笑)。

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