2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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新谷梨恵子氏(以下、新谷):農家が思いを伝えるには、やっぱりネットも大事かなと思って、実は私、5年間毎日「サツマイモ洗脳ブログ」というのを書いてまして。
田村篤久氏(以下、田村):これ、検索ワードのお話をちらっとお伺いしましたけど、何かサツマイモで。
新谷:「サツマイモ」「愛」で検索すると、私のブログがトップにきます。
ふくだ峰之氏(以下、ふくだ):「あい」っていうのはI LOVE YOUの愛?
新谷:I LOVE YOUですね。あと「サツマイモ」「洗脳」とかで検索すると私のブログがトップにくるという。
田村:すごい人気ブログらしいですよ。
新谷:それがきっかけで、日本農業新聞に紹介してもらって、農業に興味のない人も、このブログを見て農業に興味をもってもらえるっていうのが、私の思いなんですね。
農業ブログって、どうしても農業関係の人しか読まなかったりするんですが、おいしいものとか新潟のおもしろい人とかを紹介しながら、新潟に興味を持ってもらいたい、小千谷に人を呼びたいっていう思いがあります。
ふくだ:その地域愛はいったいどこから生まれるわけ? そこで元々生まれて、子供の頃そこで育ったっていうならわかるよ。だけどたまたまお嫁に行った先でしょ。
だからそこまで地域愛が持てるって、僕はすごいと思うんだけど。そのモチベーションっていうのはどっからくるわけ?
新谷:小千谷が大好きだという思いですね。15年前にどこの誰だかわからない私が行って、こんなに温かく迎えてくれるっていうのは……やっぱりそこですね。
今思うと、私は本当に世間知らずというか、田舎ならではの田舎知らずの部分があったと思うんですね。そういうところがあったはずなのに、本当にみなさん温かく迎えてくれて。
だって10何年前に私が「サツマイモで町おこしをやりたい」って言ったら、東京から来たえらい人が私のことを「馬鹿だ」って言ったんですよ。
「今どきサツマイモで、しかも新潟にはイメージがないんだから、笹団子とか餅とかでやりなさい」って言われたんですね。
でもその当時も地元の小千谷の人たちは一生懸命応援してくれて、今は小千谷の子供たちにリクエスト給食で1位になるようになって、そういう感じで小千谷の人たちが応援してくれたっていうのが。
ふくだ:これは中越の震災の前?
新谷:私、中越大震災の時に被災者になりまして。
ふくだ:引越したっていうか、小千谷に行ったあとに震災だったのね。
新谷:それがきっかけとなって、それまでなんとなく趣味のような形でつくっていたんですが、その10年前に被災しまして、やっぱり覚悟決めたんですね。
女の人が何かをやるときって覚悟だと思うんですが、10年前に中越大震災にあって、「もう私はこれで小千谷を元気にする」って。
日本全国有名になったんだから、このマイナスのイメージをプラスに変えたいなって思ったのがきっかけで、10年前にプリンをつくろうと思っていたところが被災して壊れてしまったんですけど、すぐラーメン屋さんを間借りして、全部その中を改装して、地震が10月だったんですけど、その翌年の2月に保健所の許可をとって始めたのがきっかけなんです。
ふくだ:小千谷って牛が闘うところがあるとこでしょ?
新谷:闘牛ですね。
ふくだ:闘牛。知ってる?
田村:知らなかったです。僕、小千谷という読み方も今日さっき。
ふくだ:昔、牛を避難させるためにヘリコプターが出ちゃったって話だよね。
新谷:牛は家族なんで。ぜひ今度小千谷に来てください。
田村:はい、わかりました。先週も新潟からのゲストさんで、何か新潟に行かれる方ってみんなパワフルですね。
ふくだ:新潟づいてるよ。
田村:すごく。
ふくだ:今度タムちゃん、新潟行って全部訪問っていうのどう? 新潟訪問。
田村:……また思いつきでロケを(笑)。でもいいですね、せっかく地方をテーマにされているんで。
新谷:とにかく来てもらうことに意味があると思うんですよね。東京で(新潟)いいよってアピールしても、やっぱり来てもらうことによって意味があると思うので。
私は収穫体験ツアーをよくやってるんですが、やっぱり小千谷に来てもらって、新潟のファンになってもらうことが今後いいと思うのでぜひ。あと日本一の花火とかもあるんで。
ふくだ:鯉もそうでしょ。
新谷:錦鯉もそうです。
ふくだ:ほら、俺詳しいんだよ。言っとくけどこう見えても事前勉強してんだから。
新谷:さすがです。
ふくだ:これ、「地方を売り込め」って番組だけれども、地方って本当にコンテンツが大きい、小さいじゃなくて、ある地域と本当にない地域があるのよ。
だけど小千谷ってあるんだよ。鯉だったり、牛だったり、サツマイモがあるわけでしょ。これはやっぱり先人の努力なんだよね。たいしたもんだよ。
新谷:日本一ってつけるのって本当に少ないと思うんですね。新潟には日本一と呼べるものがたくさんあるんで、そういった魅力をもっと出していきたいって思ってるんです。
ただ新潟の人は本当に奥ゆかしいところがあるので、これからはもっとどんどん新潟をアピールしていきたいですね。新潟は本当にいいところです。
ふくだ:例えば、このサツマイモで町おこしをかけていく。いろんなお菓子の展開したりとか、先ほどおっしゃったように(サツマイモ)そのものとか。次の展開っていうのはどこにいくわけ?
新谷:サツマイモの本当のおいしい食べ方っていうのは、焼き芋なんですね。味を加えたりしなくて、そのものの素材だと思うので、本当に焼き芋として日本一だと言われたらすごいと思います。
こんなこと言ったら他のサツマイモ業界の人に怒られそうなんですが……でも本当にそのものがおいしい、素材がおいしい。
お米もそうだと思うんですね。「魚沼産コシヒカリが日本一おいしい」というイメージでお米のイメージになったと思うので、イモそのものがおいしい、そういうイメージでイモ好きとイモ女子たちを惹きつけると思います。
ふくだ:なるほどね。だけど焼き芋って、どうやったらおいしくつくれるんだっていうのは、わかってるようでわかってないよね。
例えばうちだと蒸し器みたいな物に入れて、お芋を蒸かして食べるのが一般的なんだけど。
だけどそれだと、その昔子供の頃に石焼き芋屋さんっていうのが荷台であったでしょ?ちっちゃな石で全体暖めてみたいな。ああゆう味にはならないし、どういうつくり方したらおいしくなるわけ?
新谷:そうですね……サツマイモがなぜかわいいかという、私が出会ったきっかけでもあるんですが。サツマイモというのは、いきなり高温にするんではなくて適温があって、その温度でじっくり暖められることによって甘くなるんですね。
それが大体40〜60分と言われているんですが、サツマイモには心があって、その中でじっくり暖めることによって、おいしくなろう、人間にたくさん食べてもらおうと、芋自体が思うという話があるんですね。とても感動的な。
田村:だから石をいったん焼いてってことなんですかね。直火でよりも。
新谷:石の上にのっけて、直接ではなくってじっくり暖めてあげることがいい。
ふくだ:最近石焼き芋屋さんのリヤカーみたいので引っ張るのなんて、僕の町にはないし、見たことない。
だけど最近スーパーでやってるとこあるよね。あの匂いがたまらないんだよね。だからあれは匂いで完全に引き込まれてる感覚するけれど、もっと石焼き芋が食べられる場所が増えないもんなのかね。
新谷:気軽に食べられないかなって私も考えていて。ファーストフードとかで手軽に焼き芋とか、芋ソフトとかできたら楽しいなっていう。
芋の野望はたくさんあって、サツマイモだけのお祭りができて、イモウリングって言うんですけど、芋のボウリングをしたり、芋輪投げとかをして小千谷でイベントやってるんですね。
芋だけとってもそれぐらいできるんで、例えば「サツマイモ」にメッセージを書くと芋のプレゼントにもなるし、サツマイモって本当に可能性は大きいと思うんで。
私はサツマイモが好きなんで、サツマイモ1つとってもそう思うんですけど、農作物っていうのは本当に可能性がまだまだいろいろあって、やり方かなって思うんですね。本当にその仕掛け方で、どんどん可能性が広がると思います。
ふくだ:サツマイモっていろんな食べ方があるじゃない。チップスにしたりとか、焼芋にしたりとか、いろんな食べ方があると思うんだけど、やっぱり一番おいしいのは石焼き芋なわけ?
新谷:そうですね、芋のよさがでるのは石焼き芋だと思います。
田村:石焼芋に合う、合わないって、やっぱりぴったりな品種もあるんですか?
新谷:芋業界にもブームがあって、昔はねとーっとしたのが流行ったんですね。昔のお婆ちゃんたちは、そういうのが好きだったんですけど、それからホクホク系にいったんですね。紅あずまみたいな。
ホクホク系にいったら今度は胸焼けがするってことになって、今最近のブームはしっとりクリーミー派なんです。
(会場笑)
田村:初めて聞きましたね。お芋にしっとり系とか、ねっとり系とか。
新谷:芋マニアさんと話す時は「なに系?」って聞きます。みなさん、ホクホク系とか言いますね。
ふくだ:結局食べ比べたことないからわかんないんだよね。
新谷:去年も6種類つくっていたので、お客様によっては指定で白いサツマイモもありますし、紫芋もありますし、
今日お持ちした、このパープルスイートロードというのは紫芋の王道という意味で、芋業界の中でもすごく甘めな紫芋で。
ふくだ:紫芋ってよく沖縄とかで出てくる……あれは紅芋か。あれは同じ?
新谷:そうですね、紫芋、種子島紫とか紫芋にも品種があって、これが先ほどの紅はるかという品種ですね。はるかにうまい紅はるかという。最近の芋業界は。
田村:これがしっとり系ですか。
新谷:クリーミー系ですね。本当に芋も奥が深いので、サツマイモと言ったら思い出してもらえるような女になりたいなというのが私の思いですね。
田村:やっとサツマイモ女子っていう今日最初にお伺いした肩書きが、なんとなくわかってきましたけど。
ふくだ:これを新潟で発信するっていうのがすごいよね。
新谷:15年言い続けるとこんな形で出られるんだなというのを今日証明した気がしますね。
ふくだ:15年言うの大変だよ。
新谷:本当に。「何で芋?」って多分いろんな人に言われるんですけど。
ふくだ:そりゃそうだよ。
新谷:15年言い続けたら、こういう場もあるし、検索したら上位にも出るっていうのはやっぱり継続なんだなっていう。私の思いとしては、まだまだ言い続ける予定なので。
ふくだ:死ぬまで言い続けないと。
新谷:死ぬまで言おうと思ってるんで。
ふくだ:変な話だけど亡くなる時、棺おけに横たわって最後にお花入れたりするじゃない。あれサツマイモに。
新谷:サツマイモに。それいい匂いがしてくるんですね。
ふくだ:最後にサツマイモ入れてさ。
新谷:いいですね。私サツマイモ婆ちゃんって呼ばれたいんですよ。地域の子供たちに、今小千谷市内のほぼ全域でこのサツマイモプリンを出しているので、その子供たちが大きくなって、いつか小千谷を離れることもあると思うんですね。
でもいつか地元で食べた、小さい頃に食べた味って必ず懐かしいって思ってもらえると思うので、その時にサツマイモプリン食べたいな、また小千谷に戻ろうかなみたいな形で小千谷に戻ってきてもらいたいっていう思いがあって。
その時も私が元気で頑張ってないといけないので、その頃私がサツマイモ婆ちゃんなんて呼ばれて帰ってきてもらいたいなっていう思いがありますね。
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