2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
リンクをコピー
記事をブックマーク
大堀航氏(以下、大堀):あらためまして本日はお集まりいただき、ありがとうございます。今日のテーマはシリコンバレーの最新のPRトレンドということで、シェイプウィンという会社の神村さんにお越しいただいて、お話いただこうと思います。
では早速始めたいと思います。神村さんよろしくお願いします。
(会場拍手)
神村優介氏(以下、神村):よろしくお願いします。今日はPR Tableの大堀さんのお声がけでこれだけのみなさんに集まっていただき、本当にありがとうございます。私はシェイプウィンの神村といいまして、後ほどスライドで詳しく話そうと思うんですけど。
今日は「シリコンバレーのPRにめちゃくちゃ詳しい奴が来た」って思っていただくのもありがたいんですけど、実はそうじゃなくて、実際に行ってみて、「シリコンバレーのPRはどんなことをやっているのかな?」っていう体験記になりますので、そこだけご了承ください。じゃあ、ちょっと座りながらのプレゼンで失礼させていただきます。
まず私の紹介ですけれども、神村優介と申しまして、この神村っていうのはこちらでは珍しい名字なんですね。鹿児島とかに多く、私自身は山口県の出身です。今、『花燃ゆ』フィーバーとか言われてるんですけど、全然県内はそんなことなくやってます。
もともとは文系ではなく、むしろ理系で高専からロボコンをやってきて、その中で特許を取ったりとか。
大堀:特許!?
神村:特許を取りました。鍵の特許で今Akerun(アケルン)って話題じゃないですか、あれと同じような特許を持っています。
大堀:すごいですね。
神村:密かにですね。別にどうでもいい話なんですが(笑)。写真に出ていますが、GMOの熊谷さんだとか、大久保さんだとか、ブックオフの坂本さんの前でドリームゲートっていうところでビジネスプランのプレゼンをしました。それで東京でプレゼンをしたときに、やっぱり東京ってビジネスが全然違うなと思って東京で就職をしました。
神村:卒業後は、セガトイズで商品開発をやりました。もしかしたら知ってる方がいらっしゃるかもしれないですけど、『ホームスター』といって家庭用プラネタリウムをプロデュースして、これが売れたので調子に乗って起業したという(笑)。
左の写真が一番最初に取材してもらった時のものです。実際には開発と言いながらマーケティングもやらされたりとか、小っちゃい会社でしたのでこういった感じで自分で開発者としてやりながら、自分でメディアを呼んで、自分で取材に応じるみたいなよくわからないことをやっていました。
これがちょうど5,000万円ぐらい使って、他でいろいろ使ったので1億円ぐらい使ったんですけど、一応右側のやつ(ホームスターアクア)が4億円稼いだのでいいかなと。チャラみたいな感じですね(笑)。
その後シェイプウィンという会社を作って、今では行政の仕事もやっておりまして、山口県の販路開拓ということでPRのアドバイスをやらせていただいております。簡単に会社の紹介をさせていただくと、実はここから徒歩1分ぐらいのところにある会社で、今回5期目で基本的にはIT企業の方々の広報のご支援をさせていただいております。
神村:PRの業界の先輩方の前で話すのは、すごく緊張するんです。実は私はPR会社出身じゃないです。なのでドキドキしながらやらせていただいています。
大堀:これロゴを見ると、そうそうたる有名企業が並んでますけど、これはPRのアドバイスを?
神村:そうです。基本的にはPRのアドバイスとマーケティングをやらせていただいています。基本的には広告代理店さんとの付き合いがなかったので、直取引しかないというすごいのかまぐれなのかという感じなんですけど。
私としてはもともとはマーケティングと書いたんですけど、やはりITのスタートアップと関わってくると、マーケティングをやろうにも検索需要が無いのでどこにも引っひっかからないということでPR支援の取り組み始めました。
ITが得意だったので、どういうキーワードがメディアに一番拾われるかというデータ分析をして、PRのストーリーを作ってリレーションをやっていく、ちょっと理系チックな手法でPRをやっています。
会社紹介に関してはこんな感じなんです。スタッフ、パートナー募集中(笑)。
大堀:ちょっと始まる前に質問したいと思うんですけど。今日お越しいただいている方々で、企業側で広報をやっている方はどのぐらいいらっしゃいますでしょうか?
(会場挙手)
大堀:1/3くらいですかね。ではエージェンシー側でやられている方は?
(会場挙手)
大堀:こちらも1/3、という感じですね。その他の方はマーケティングの職種とかですね。あとは、シリコンバレーに行かれたことがあるという方は?
(会場挙手)
神村:結構多いですね。ドキドキします。
大堀:途中、僕のほうから神村さんに質問して進めていきますが、、皆さんのほうでも質問ある方はどんどん手を挙げてください。
神村:ウエルカムなので大丈夫です。その分内容を変更したりするかもしれないですけど、そのかわり臨機応変にやらせていただきます。今日のテーマは、「シリコンバレーのPR事情」で、4つにわけてお話ししようかなと思っています。
こちらは一般的な内容でネットでも調べられると思うんですけど、「シリコンバレーってどんなとこなの?」。それから、「なぜ私はシリコンバレーに行ったのか?」しかもPR会社なのに。
そういうお話と、実際にPR会社やスタートアップ、現地のメディアの方とお話しして、日本とアメリカのPRってどんなことが違うのかなっていう内容。それで最後に実際に学んできて、うちの会社の意見にはなりますけど、日本のPR会社がどういう方向に進んでいけばいいのかをお話していこうと思います。
シリコンバレーって有名な言葉だと思うんですけど、実際にシリコンバレーという地名はありません。名前で言うとサンマテオからサンノゼがあるサンフランシスコ半島のこのエリアが谷になっていて、インテルから始まりいろいろなIT企業が出てきたところでシリコンバレーと言われるようになりました。
実はPRにおいては、シリコンバレーよりも、サンフランシスコなんですね。シリコンバレーっていう土地はすごくおもしろくて、ソフトウェアのレイヤーってちょっとわかるかわからないですけど、ちょうどサンフランシスコからサンノゼにかけて、上流工程から下流工程になるようなそんなイメージで考えていただければいいです。
マーケティングといえばサンフランシスコがいちばん強いです。今回もPR会社とお話ししたりするのは、全てサンフランシスコでお話させていただきました。シリコンバレーについても、滞在期間は2週間ありましたのでその中で感じたことをシェアできればなと思います。
たぶんシリコンバレーのイメージって、これだと思うんですよね。EvernoteとかTwitterとかApple、Facebook、GoogleなどのITの聖地だろうと。しかもメインプレーヤーがめちゃくちゃ変わってきてるわけです。
インテルから入って、Googleが入って、「もうGoogleは古いんじゃないの?」みたいなことを言われるぐらい。なんでそんなことになるかというとお金がジャブジャブと大量にあり、どんどんスタートアップに投資されています。されに、世界のお金がここに集まってて余ってます。それぐらいやっぱりすごいところなんで、どんどん新しいサービスが生まれていくような感じです。
神村:実際に行ってみると本当にその通りで一番左上がレッドロックカフェ(Red Rock Coffee)って言ってGoogleの本社のあるマウンテンビューというところにあるカフェなんですけど、これ全員Macを持ってスタートアップがプログラムを組んでます。
ちょっと写真が小さいですけど、ここで実際にオフィスを構えるお金がないので、コーヒー代で粘りながら朝から夜までずっと居て、この中でソフト開発やエンジェルの投資家にプレゼンをして投資を受けるような現場がここにあります。
大堀:日本のスタバで意識高くMacBook開いているのと訳が違うって感じですね。
神村:そうですね。全然そこは違うのかなと思います。実際に次の写真のなかのピッチというのがあって、これは5分ぐらいのプレゼンだと思ってください。
この中で自分たちの会社がどれだけ大きくなるのか、どれだけのマーケットが広がるのか、ということを投資家に向けて喋って、実際にこの写真はIoTのスタートアップのピッチで、たぶん200人ぐらい投資家が来ていたと思うんです。
そこで投資してもらって、インキュベーションやコワーキングスペースでどんどん開発をしていきます。さらにお金ができたらオフィスを構えて最後にはEXITとするというストーリー。
ちょっと日本人が考えているのと違って、会社を作る目的が継続するんじゃなくて、バイアウトするか、IPOするか、どっちかなんですね。そこがたぶん日本人の作る会社と、シリコンバレーで生まれる会社の大きな違いかなと思います。
神村:気候は非常にいい所です。日本の秋がずっと続いているような感じで、影は寒いぐらいでずっとこんな感じで晴れています。なのですごく気持ちがいい所なので、鬱になりにくいんじゃないかなと思います。
逆に変な写真をあえて持ってきました。サンフランシスコって同じくこれ(晴れた風景)のイメージがあると思うんですけど、実は霧の街って言われてて、霧が出ると16度ぐらいになるので、寒くてとてもじゃないですけど、真夏でもネックウォーマーを持っていかないといけないような所です。
一応これはどうでもいいんですけどAppleの本社に行ったりとか、Googleの本社にちょっと遊びに行ってきました。ちょうど最終日がGoogleカーが自動運転のハンドルがついてないやつがデビューした時でした。
大堀:これ人が乗ってないんですよね?
神村:人は乗ってないです。一応チェックはしたんですけど、本当にハンドルがついてなくて、何か操作をしているような様子はなかったです。
神村:ちょっと衝撃かもしれないですけど、これはサンフランシスコの中心部のワンベッドルームで、日本でいうワンルームですかね、その家賃がどれぐらいかというとSoMa地区が中心部で、月3,650ドルかかるんですね。ということはだいたい50万ぐらいですか。
大堀:ワンルームが!? 1カ月?
神村:はい。六本木に住んでそれぐらい(50万円かかる)みたいな感覚だと思います。これが払えるってすごいことだなと思いました。でも今、若者はどんどんどんどんサンフランシスコのほうに住みたいってことで、Googleなんかはサンフランシスコにバスを飛ばしてシリコンバレーのほうに連れてくるっていう、都会に住んで田舎で働くという不思議な光景が実際に繰り広げられています。
実際にシリコンバレーってどんなところなのかって言ったら、本当におもしろくて、スタートアップが自分たちの生活の不満を解決するっていうそんな場なんですね。例えばUberとかAirbnbとかSlackっていうところは有名だと思います。Uberが生まれた背景も不満解決です。日本だとタクシーを呼んで、タクシーが無視して、あそこへ行けって言ったら違うところに行くっていうのは無いですね。
向こうだとタクシーは止まらない、道わからない、っていうのが山のようにあったのでスマホでピピッとピンを刺したら、何も話さなくても行けるサービスが重宝されるんです。
先ほどのように家賃があれだけ高いと、空室を作るのがもったいないのでAirbnbであったりとか、スタートアップがどんどん自分たちの生活の不満を解決していくところが、シリコンバレー界隈のすごいところだなと思いました。
実際にちょっと見てもらったらおもしろいかもしれないですけど、キックスケートを蹴ってる兄ちゃん。これもスタートアップなんですね。何をやっていると思いますこれ? ちょっと簡単に。
大堀:これは通勤ですか?
神村:そうです、通勤に関わることです。実はサンフランシスコは車で行っても全然駐車場が無いんですね。駐車場が無いので駐めるのに非常に苦労するので、地図上にピンを立てたらこのキックスケートの兄ちゃんが飛んできて、車を駐車場まで駐めに行ってくれるサービスです。LUXEっていうサービスなんですけど。
大堀:運転代行みたいなものですか?
神村:そうです。ちょっと最近儲かり始めたのか、洗車のメニューとか、40ドルで洗車しますとか、そんなオプションも付いてきたっていう感じです。
そういう街の不満をどんどんスタートアップがアイデアで解決していく、そんな現場が本当に見られるところがここのすごいところかなと思います。なかなかこのサービスがスケールしないみたいで、たぶん東京にはやってこないんじゃないかなと思います。
神村:次に行く前にシリコンバレーについて何かありましたら。
大堀:シリコンバレーは家賃も高いですし、みんなその分お給料をいただいてるってことですか?
神村:そうですね、後ほどお話しするんですけど、エンジニアとかだったら日本で同じぐらい働く人だったら、2,000万とか。実は先程のサンフランシスコにみんなが住んでいるという話で言うと、2,000万あったってあの家賃払えないじゃないですか。
なのでシェアルームしてます。スリーベッドルームのところを1部屋ずつシェアしたりとかということをやっているみたいです。
次なんですけど、シリコンバレーに行った目的。目的としては、たぶんわかりやすいと思うですけど、アメリカってPRの発祥の地なんですね。
もともとはアメリカの大統領選挙か何かで、聴衆を上手いことコントロールするのに、パブリックリレーションズをやることで聴衆をこちらのほうに向かせることをやってきた。
神村:日本よりも絶対進んでいるはずだということで、アメリカにPRを見に行ってみたいというのは昔からありました。どれだけ違うのかなと思ったときに、2014年のPR会社の世界ランキングがあったんです。カンペが見えないのでそのまま言いますけど、Edelmanの売上が8.12億ドルあるんですよね。100円換算したとしても812億円の売り上げがある。
日本で一番ってベクトルさんですよね。ベクトルさんで80億ぐらいですか。それで考えたって10倍あるわけなんですね。10倍稼いでるということは、絶対こっちには無い何か違う要素があると。10倍稼げるだけの価値を提供できるってことは、何かあるんじゃないかなと思ってアメリカのPRにはすごく興味がありました。
弊社シェイプウィンという会社はIT企業にPRを提供してるので、ITの聖地であれだけどんどんグロースしていくサービスを支えている奴が絶対いるはずだと思って、シリコンバレーのPRを見てみたいなと思いました。余談なんですけどサンフランシスコのデザイン会社のブランドンさんという方がいて。
大堀:btrax(ビートラックス)の?
神村:はいそうです。1回質問したことがあって、私たちPR会社がシリコンバレーに行って戦えますかって言ったら、「ああイケんじゃない」って。
大堀:軽いノリですね(笑)
神村:じゃあ行ってみようかなと、そんな簡単な気持ちもありました。
神村:全部は行ってないんですけど、サンフランシスコの中央部にPR会社ってどれだけあるのかなと調べたらたら、これ赤い点が全部PR会社です。
大堀:こんなにあるんですか。
神村:あります。しかもめちゃくちゃ密集してます。
大堀:これはホームページがあるやつですよね。
神村:そうですね。アメリカの会社って、なぜかホームページに住所が出てこないです。GoogleMapのほうが早いとかありますね。もちろんEdelmanのような大きな会社もありますけど、3、4人でやっているような会社もあります。
これは普通にGoogleMapでサンフランシスコ周辺にいって「PR FIRM」って打ったら出てくるんで参考に探してみてください。
ほかにも投資のところなんか見ると、マーケティング分野のところに投資が寄っているというところがあります。
前の話をするとSaaSにファウンディングされて投資が行われているというトレンドがあって。SaaSの中で何が投資されているのかなって思うと、マーケティングが一番だったんですね。金額も会社の数も。
ということはPR×IT=SaaSっていうのに可能性があって、いつかやってみたいなと思ったので、チャンスがあるかも知りたくてシリコンバレーに実際に行ってPRのツールを作っている会社とかを見てみたいと思って行ったのもあります。
大堀:SaaSでマーケティング、僕でも知ってる有名なところですとHubSpotとかですかね?
神村:そうですね。そういう(PRツールやPRのSaas)系になるとこの記事を見ても、詳しくここっていうのは書いてなかったので現地で見てみたいなあと。確かに向こうってすごくITツールを使ってマーケティングをやるっていうのが、日本以上に激しくて。山のようにツールがあるので、そういった意味では投資も受けているんじゃないかなと思います。
やっぱりビジネスパーソンなら1度はシリコンバレーに挑戦してみたいよね、っていうことで単純に生で体験して見たかったんです。今回勉強して来たことで言うとPRの企画ってどうやってやるのかとか、メディアリレーションズってどうやっているのか、それから気になることだと思うんですけど、PRの効果測定ってどんなことをやっているのかなとか。
実際に発注する側ってPRってどんなことを考えているのだろう。最後に実際にPR会社で、日本でやってない業務ってどんなことがあるんだろうなっていう、この5つに関して詳しくいろいろ聞いてきました。
ちょっとこれは全然関係ないですけど、うちのお客さんのチャットワーク社で。実際に今回行ったのは、単身で行ったのではなくてチャットワークの社長、一番右側の山本社長がシリコンバレーインターンプログラムを持ってて、ちょうどチャットワーク社が現地のPR会社を探すタイミングでもあったので、じゃあ一緒に行かせてよって言って社長にお願いしたら「いいよ」って、「むしろ来てくれるならありがとう」みたいな感じで実際にPR会社との打ち合わせにも参加して来ました。
大堀:もう契約されたんですか?
神村:ちょっとそれはわからないですね。まだ考えてはいるというところで。アメリカでもPRパーソンは雇ったみたいなんで。ちょうど私が行くときに決まったのです。今後アメリカをどんどんチャットワークがアプローチしていくんじゃないかなぁと思います。私はあんまりアメリカのマーケティングにはタッチしてないので、よくわからないですけれども。
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略