2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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中山亜子氏:ご紹介にあずかりました、クックパッドの中山でございます。今日は5,000万人の食卓を支えるクックパッドの成り立ちということなんですけれども、このなかでも特に、レシピを載せるユーザーさんを中心としたユーザーコミュニティの形成について、各論というよりは、私たちのスタンスみたいなものをご紹介させていただければと思います。
簡単に自己紹介なんですけれども、私は投稿推進部というレシピを載せる部分を促進していることをミッションにしている部署でディレクターをしております中山と申します。ユーザー歴15年、スタッフ歴も13年で、スタッフとしてももちろん一番古いですし、創業者の佐野という人の次に古い社員で、ユーザーとしても私よりも古くから使っている方に出会ったことがないほど、古いほうかなと思います(笑)。
ここの画像は私の名刺なんですけれども、私の一番好きなレシピを載せているんですが、これを裏返すと、ちゃんとレシピが載っていまして、QRコードでクックパッドにも飛べて、サービスでも見れます。もしよろしければ、後ほど名刺交換をしましょう。
クックパッドって何っていうことで、私も長いこと社内にいるので、実際世間でどんなふうに思われているかって正直、現実と乖離している部分もあるのかなと思っているんですけれども、困ったときの検索ということで、エゴサーチをしてみました。
Wikipediaさんなんですけど、クックパッドは1998年に設立していて、今の月間ユーザーは5000万人。レシピ数が200万件ということで、非常に正しい情報を載せていただいて、ありがたいなという感じです。
ただ、次に来歴を見ると、設立は98年なんですが、2009年からの来歴しか載ってなくて、空白の11年は何をやっていたんだっていう感じなんですが(笑)。
あと気になったのが、すごく大きい所に「近距離通勤の奨励」って載っていて、私もこれは全然知らないんですけど。結構な僻地から通っているのでこれの対象にはならないんですが、引っ越し手当とか出るらしいです。そんな会社になっています。
まあ、正直これはあまり参考にならなかったので、改めてクックパッドって何かを考えてみたときに、周りのユーザーの方とか友達とかに聞くと、「検索をいつも使っているよ」とか「毎日レシピを見ながら料理をしているよ」みたいなかたちで、クックパッドはレシピ検索のNo.1サイト、検索サービスみたいに思われているところが結構あるのかなと思います。
ただ、最初の創業当時からここを目指して創業したのかなというと、これははっきり言いますけど、ノーですね。
じゃあ、何を始めたのかというと。これは今年の4月にレシピの数が200万を突破したときに作った振り返りの図なんですけど。
98年に設立していまして、このときはレシピを載せるサービスとしてスタートしています。クックパッドはレシピを探すことに使っている方も多いんですけど、肝心のレシピが無ければ始まらないので、やはり載せるレシピが価値の根源にあって、それが中心になっているかなと思います。今でもそれは変わってないですね。
ユーザーさんの構造は、だいたいこんな感じの3層構造になっているかなと思います。
真ん中にレシピを作ってくれる作者さんというのがいらっしゃって、その方たちのレシピが検索しているユーザーさんに届き、ユーザーさんのなかでもすごいアクティヴな方は、「つくれぽ」といって、「このレシピを作って美味しかったよ」っていう写真付きのメッセージを送るサービスを使って、毎日「美味しかったよ」という声を届けてくれる方がいらっしゃいます。
でもそれだけではなくて、その周りに、目立った行動はしないんだけれども、毎日バリバリ検索をしてレシピを使いまくっている方がたくさんいるんですが、この方たちの活動も、真ん中の投稿を一生懸命している方たちに「つくれぽ」を送るという行為によって、「つくれぽ」がたくさん付いているレシピが人気があって作りやすいという指標になり、それによって周りの方にも価値を届けられているかな、というふうに思います。
ということで、作者さん、検索ユーザーさん、見ているだけの人と、どんどん価値が浸透していくような形になっています。
今も昔も載せることが根源になるので、そこを大切にしているんですけれども、そのなかでも私たちの基本姿勢がひとつあります。
まず、ユーザーファーストと言っているんですけども、これは何かというと、当たり前かもしれないんですけれど、とにかく使ってくれるユーザーさんを第一に考えるという、すごく基本的な姿勢ですね。
ただ、広告のクライアントさんが入ってくると、どうしてもお金を払っているクライアントさんのほうを向いてしまいがちになるんですけれども、結果としてユーザーさんに価値を提供できていないと、クライアントさんにも価値を提供できなくなってくるので、ここは絶対曲げないというふうにやってきています。
ユーザーファーストを考えるときに気をつけていることがあって、ユーザーさんというと何千、何万人といらっしゃるので、「ユーザー」という1つの大きな塊として見ると、実際に何を考えて、どういうことをしている人たちかというのがちょっと見えにくくなってくるんですけれども、そいうときはできるだけ身近な人、例えば自分自身や家族や友人とか、すごく身近な大切な人の課題を解決するっていうことを大事にしています。
実際、クックパッドの創業者の佐野は、周りの友人が自分のレシピを整理したいとか、アルバムみたいに綺麗に載せて互いに交換したいみたいなニーズがあることを聞いて始まったサービスですので、これも創業当時から変わってないかなと思います。
この載せるユーザーさんを中心として、この人たちが満足できる場を作るということを考えたときに、載せる人が嬉しいことっていろいろあると思うんです。
例えば、載せたレシピの数に応じてプレゼントをあげるとか、ポイント還元、感謝のイベントとか、いろいろあると思うんですけれど、これら全部GOODなこと、と捉えていますが、実際にクックパッドはこのようなことをやってきていません。
なぜかというと、コミュニティ形成でのポリシーというのを持っていて、「GOODはやらない」というのを、創業当時からさんざん、今も散々言い続けているんですね。これはなぜかというと「BESTに集中するため」。この一言です。
じゃあ振り返ってみて、載せる人が満足するためのBESTとは何かって考えてみたとき、それは「載せるだけで楽しい」「載せることそのものが楽しい場にする」のがBESTと思っています。
例えば、レシピを載せるとその人自身が便利になって楽しくなるものだったり。載せるとアクセスも来るので、それを可視化してレポートにしてあげることで達成感をアップするとか。あとは先ほども紹介した「つくれぽ」という仕組みで、作った方の「ありがとう」という声が届くので、自分のレシピが役立っているという実感をものすごく持てるようになるので、それだけで満足できるかな、というのができてきたかなと思います。
こういうことをやってきた結果、レシピを中心としたエコシステムみたいなものができているかなと思っています。これは何かというと、作者さんがレシピを書くと、それを見た方が「美味しかったよ」という「つくれぽ」を送ってくれて、それが作者さんに届けば作者さんのモチベーションがアップして、更にまたレシピをどんどん出したくなる。
こういうユーザーさん同士のエコシステムを、プレゼントやイベントを介在させずに、自然に回るように設計できた。実際に「つくれぽ」という便利な仕組みができたので、レシピの価値が可視化されて、結果的に今はプレミアムサービスという有料のサービスとして、人気順のランキングだったりとか、「1000人が絶賛した殿堂入りレシピ」とか、そういう形で、探しているユーザーさんにも価値を届けられる結果になったかなと思います。
ということで、載せる人が楽しくなることを考えていたら、結果的に検索も便利になっていたのかな、という形です。
ということで駆け足で来ちゃったんですが、まとめますと、基本姿勢はずっと同じで、「ユーザーファースト」という考え方と「BESTに集中」。この2つが創業当時から常に考えていることで、今もずっと、昨日も今日も言われ続けていることですね。
これはコミュニティ形成だけではなくて、各種サービス開発に関しても同様の姿勢で取り組んでいて、例えば今、お料理アルバムという、料理の写真を綺麗に整理するアプリとか、もちろん普通のスマホアプリにも関わっているんですけれども、これも常にユーザーファースト、BESTに集中ということで取り組んでいますので、ぜひこちらも使ってみてください。
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