2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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久間美咲氏:よろしくお願いします。「私たちのコミュニティ」になるために、というテーマでお話をさせていただきます。
まず自己紹介です。私、久間美咲と申します。今、nanapiでコミュニティマネージャーという職種をやっております。元々、新卒のときにエンジニアとしてWebの受託開発の会社に入りまして、その後、Webのディレクション、営業、企画等をやりながら、今nanapiにおります。2013年の秋に入社をしまして、入社以来ずっとアンサーに携わっております。元々、開発ディレクターとして入っていたんですけども、今年の4月からコミュニティマネージャーに職種を変えまして、コミュニティについてやっております。
今日のお話なんですが、アンサーというサービスがコミュニティマネージメントをする上で一番大切にしていること、というテーマでお話をさせていただきます。
もくじはこのような感じで、コミュニティマネージャーがどんなことをしているのか、というのをすこしお話させていただいて、本題をお話させていただければと思います。
まず最初に、アンサーについて軽くご紹介をさせて下さい。
アンサーは、匿名の即レスコミュニケーションアプリです。iOS版とAndroid版を提供しております。Android版は2014年にGoogle Playさんのベストアプリにも選んでいただきました。
10〜20代をメインにしているチャットのコミュニティです。スポットと書いてある部分が、スレッドのようなものなんですけど、自由に内容を投稿して、みんながどんどん即レスしていく、というようなコミュニティです。1日にだいたい50万件ぐらいの書き込みがされています。
どんな話題もOKということで、恋愛相談、雑談、ゲームの攻略方法、子育ての悩みとか、いろいろなことをカテゴリ別に分けて、皆さんにお話していただいています。ボイス機能を使って音声でコミュニケーションをとったり、画像や動画を使ったコミュニケーションというのも頻繁に行なわれています。
続いて、コミュニティマネージャーという仕事についてです。
どんなことをしているの、というところなんですけど、簡単にいうと、コミュニティの運営・管理、設計を行っています。1番のユーザーになって、「場」をつくったり整備したりする、というのが私がやっていることです。
立ち位置としまして、これはあくまでもアンサーの私の場合なんですけど、開発者、運営スタッフ、ユーザーさん、プロジェクトマネージャー、いろいろな人と各種関わっております。一般的な「コミュニティマネージャー」という仕事よりも、すこしプロダクト寄りな気がします。広報は今そんなにしていなくて、アンサーのアプリ内のことをメインにやっています。
具体的な業務内容がいくつかあるんですけど、簡単にいいますと、アプリ内の投稿を促進するような施策を考えて実施していったり、カスタマーサポートということでお問い合せ対応とか、スタッフさんの管理とか育成をしたりしております。
あとは声の収集というところで、アプリ内でユーザーさんとお話をしたり、インタビューを行ったり、アンケートを行ったりということもしています。先ほど、カテゴリの話があったんですけど、そういったカテゴリがどういうふうに増えていったり、どういうふうなコミュニケーションをとっていくといいのかという方針を決めたり、施策をやったりしています。
運営面なんですけど、安心・安全の仕組み作りというところで、例えば、違反コンテンツとどのように付き合っていくかとか、荒らしの対策をどういうふうにしていこうかとか、そういったことも開発チームと関わりながら作っていっております。
さて、本題になるんですけど、コミュニティマネジメントで一番大切なこと。
アンサーでは、「アンサーを一緒に作っていっている」とユーザーさんに感じてもらうこと、というのをいつも大切にしています。
「一緒に作っていっている」とどうなるのかというと、「アンサーは作られた場所」「私たちはそこに来ているだけ」という考え方ではなくて、ユーザーさん自身も一緒に作っている。「私たちのコミュニティだ」というように感じてもらうようにやっています。
具体的にはどういったことをやっているかなんですけれども、3つの例をお持ちしました。
まず、1つ目のとにかく会話というところです。
アンサーはチャットのコミュニティなので、すぐにコミュニーケーションを取りやすいというところがあるんですけれども、ご意見・ご要望スポットというもの頻繁に立てまして、運営アカウントとしてアプリ内によく姿を現すようにしています。
最近ちょっとやってみたんですけれども、社長と一緒にアプリ内でミーティングをするというのをやってみました。こちらはユーザーさんも一緒に入ってお話しするんですけれども、「今こんな課題があるんですけど、皆さんどうですか?」というのを投げかけて、そこでユーザーさんと社長と一緒に会話をして、いろんな意見をいただいたりしています。
運営がよくアプリ内にいる状態というのを作って、あとは「本当に運営?」と言われるような親近感。ありのままの自分でコミュニケーションをしたりしています。そういった感じで気軽に意見交換できる関係性を築いていくと、ユーザーさんに「ここは声が届く場所だ」ということを実感してもらいやすいかな、と考えています。
もう一つの例なんですけれども、お問い合わせのコミュニーケーションです。ちょっと字が小さくて見辛いかと思うんですけど、左側にあるお問い合わせは、「実家からブリと大根が届いたのですがぶり大根以外でお勧めありますか?」というお問い合わせです。
こういったものにも、なるべく回答するようにしていまして、この場合は「ブリの味噌漬け焼きなどはいかがでしょうか?」ということで、nanapiのレシピを貼ったりですとか、そう言ったことをしています(笑)。
こういうのをやると、ユーザーさんがアプリ内でたまに取り上げてくれまして、「お前ら運営くそって言ってるけどこの画像見ても同じこと言えんの?」っていう感じでスポットを立ててくれたりですとか。
あとは、物議を醸した仕様変更を行ったときに、もちろんいろんなご意見が届くんですけど、結構長文で私たちの考えていることや、なぜそれをやめたのか、やったのかということを丁寧に回答するようにしています。そうすると、こちらも「運営こんなにちゃんと返信してくれるんだね」と。「中の人って人間なんだね」ということを取り上げてくれたりしました。
ここはサービスのスタイルとか規模にもよると思うんですけど、アンサーの場合は、今はこういったことにもなるべくお返しするようにしていまして、雑談にも本気で返信しますし、方針を理解してほしいときは徹底的に回答する、というのを心掛けています。
そうすることで、実はなかなか気づかれにくい、中の人が本当の生身の人間なんだということとか、時にはアプリ側の想いを、同じ話を聞いているユーザーさんが代弁してくれたりすることもあります。
続いてなんですけども、パワーが反映される仕組みづくりというのを心掛けています。
先ほどあった、カテゴリ制度なんですけど、今は仮カテゴリというのも導入していまして、メジャーカテゴリと仮カテゴリが並ぶようにしています。皆さんが行動した結果、ユーザーさんのアクションの多いものをメジャーカテゴリの昇進させていますよ、という仕組みを作ったりしていまして、「ここって俺たち次第なんだ!?」ということを感じてもらえるようにしています。
最後に、共創と共有ですけれども、デフォルトユーザーのアイコンがいくつかあるのですが、それのリニューアルの際にユーザーさんから募集しました。
応募するだけではなくて、応募状況とか投稿していただいた内容も、ずっとアンサーで共有しながら、スポット内でやったりすることで、応募していなくても参加している気分が味わえるというふうにやりました。リニューアルのタイミングですので、新しいアンサーを作っていっているというのをユーザーさんにも一緒に感じてもらえるようにしました。
結果発表ももちろんアプリ内でやりまして、落選したものも一緒にデザイナーに絵に起こしてもらったりですとか。今日、入り口に置いてありました、顔出しパネル、ぜひ撮って欲しいんですけど、実はあそこに描いてあるキャラクターも半分以上はユーザーさんが描いてくれた案だったりします。そういった場面の目撃者も含めて、みんなリニューアルを手伝ってくれた人たちだよ、っていうことを取り組んでいます。
最後に、まとめとしてもう一度書いてあるんですけれども、アンサーがコミュニティマネジメントで一番大切にしていることは、「一緒に作っていっている」ということを感じてもらうことです。
そうすることによって、「作られた場所」で過ごしているのではなくて、「私たちのパワーが反映される。ここは私たちのコミュニティだ」ということを実感してもらえるように、がんばっています。
以上、ご清聴ありがとうございました。
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