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ビジネス英語の極意と世界レベルの仕事術(全6記事)

ビジネス英語に求められる3つのステップとは--元Appleシニアマネージャーが語る仕事術

ビジネス英語で求められるのは、ただ単にメールや電話などで事実を伝えられるというレベルに留まりません。英会話教室での日常会話では身につかない、まさにビジネスのためのスキルが必要になってくるのです。2015年7月12日、ビジネス・ブレークスルー大学にて「ビジネス英語の極意と世界レベルの仕事術」と題するイベントが開催され、元Appleシニアマネージャーの松井博氏とBBT大学経営学部教授の青野仲達氏が対談しました。本パートでは、専門性があれば英語はいらないという松井氏が、英語を使った仕事の現場で求められる3つの段階を解説。また、「CNNを理解できるように」「映画を字幕なしでわかるように」など英語を理解することがゴールになっている人が多いことを指摘し、書いたり話したりすることの重要性について語りました。

事実を正しく伝達できて初めて次のステップへ行ける

青野仲達氏(以下、青野):英語を書くは書くで基礎的なものとして、ぜひ身に付けていただきたいのですが、そのうえでなかなかしゃべれない人は多いですね。たぶん「話す」って、いろんな段階があると思うんですよ。やってる仕事の種類にもよると思うんですけど、いかがでしょうか?

松井博氏(以下、松井):そうですね。段階が3つあると考えています。まず、就職して最初の何年かって、事実を正しく伝達するとか、問題点を正しく報告するとかっていう、単純に報告だけしていればいいレベルっていうのがあると思うんですよ。日本語でもそうですよね。

その段階で最も必要なのは、事実をそのまま伝えられることです。これが第1ステップですね。

報告書を書くとか問題のレポートを書くとかもそうですけど、書くのも重要ですし、もちろん話すことも大事は大事なんだけども、変な話、ありのまま言えればいいわけです。行間を読ませるような工夫もいらない。これがまず第1ステップです。まずここを押さえると。

次のステップが「交渉する」ですね。日本の会社でも同じですけど、部下を持ったりなんかしたら他部署と交渉するとか、予算の折衝だったり、交渉って必ずある。ここは、書くだけじゃやっぱり乗り切れないです。

ここになってきて、例えばプレゼンなどでも作りっぱなしで読ませるんじゃなくて、それに対してきちんとしゃべれないとできないじゃないですか。

もちろん聞くこともすごい重要になってきて、会話の比率がぐっと高まります。このときにはやっぱり、ただ昨日楽しかったとか暑かったとか、そういう話じゃなくて。

「うちのグループからこういうことがオファーできる」とか「あなたのグループは何してくれますか?」とか、「その結果こういうものができますね」とか、ひとつゴールを念頭に置きつつ、何がオファーできるか。漠然としたことじゃなくて、すごく具体的なことを言えるかとかですね。

それは英語力も必要だし、それ相応の立場になった者として、自分がオファーできるのが自分のグループの中にあるか、自分の個人の技能として持ってるかっていうのが問われると思います。

リーダーになるための条件

松井:そして最終段階は僕、リーダーシップだと思っています。この段階っていうのは、たくさん人を率いて何か新しい事業をやるとか、何かビジネスを起こすとか、はたまた大きいプロジェクトに携わるとかそういう状況ですけど、リソースの配分もしなきゃいけない、みんなを鼓舞して引っ張っていかなきゃいけないとか。

その段階になったらやっぱり、バリッとしたプレゼンは当然できなきゃいけないし、言葉で人を惹きつけるっていうこともできなきゃいけないし、まずいことをした部下がいたらピシっと叱るとかね。叱るとき、まず口頭で叱って、直んなかったら書きもので叱るところまではなるべくいかないで、口頭のときにできれば修正して、こっち側に戻してあげたいわけです。

そういうときに親身になってあげる、話も聞いてあげる、好ましい方向に引っ張ってあげる、なんらかの方向性を与えてあげるとかね。それはやっぱり英語力がね、強度が大事ですよね。

ただでさえダメージを受けてる人にムチを打つような言葉を与えてはいけないわけですし、表現能力もたくさんいるし、いろんなこと知ってないと適度な表現ができないので、ハードルがすごく高いですね。

それが3段階ですね。事実を伝える、交渉ができる、最後がリーダーシップをとれる。そういうステップだと思います。

叱るときは必ず会って話す

青野:今の話の中で、叱るときには書かないっていうのは、心がけていらっしゃったんですか?

松井:書くのって良くも悪くも残るじゃないですか。だから、書きもので叱るって、叱られた人は何回も読み返していじけたりするから、できれば口頭でパシッと叱って、気持ちを変えたりとか。

これはもうダメだなって思った時が書くときかな。これで最後のチャンスですよ、だからしっかりしてくださいっていう、そこまできて初めて書きます。その手前だったら、なるべく口頭で叱って戻してあげます。

青野:僕もそうですね。そんなに深く考えたわけではないんですけれど、ネガティブなことは書かないんですよ。今まで会社を経営したり、外資系の大企業で働いていたこともあるんですけど、書けないというか「お前これダメだろう」っていうことが伝えたかったら、必ず会って言うことにしていました。

昔はちょこちょこあったんだけれど、あるときを境に、これは絶対ダメだ、絶対うまくいかないと思って。メールでもそうですよ、メールで否定的なことは書かない。でも否定的なことは伝えないといけないから、そのときにはもう会う。会えなかったら電話。絶対に書かない。

否定的なことって、読むほうも書くほうも、すごく嫌な感じがしますよね。英語でも日本語でもそうなんですけど、「これ書いて送っちゃっていいのかな?」っていう微妙なところは、書いて1日寝かせて、やっぱりダメだと思ってね(笑)。結局出さなかったり。それぐらい神経を使いますね。

今のお話の中で、3段階あるっていうのが、これもおもしろいなと思って。英語を話すときも段階がありますよね。

最初は「explanation」。まさに同じですよね。事実を説明できるか、explanationができるか。2段階目が「analyze」です。analyzeをして、problem solution、つまり問題解決ができるか。

3つ目は「leadership」。それで、そのあなたの言葉で人が動くか、動いてくれるかっていうことですね。同じような言葉を使ってます。

英語を使って人を動かすために必要なこと

青野:BBT大学の学長で、大前研一さんという世界的に有名な経営コンサルタントの方も、もちろん彼も英語でずっとビジネスをされてきた方なんですけど、奇しくも同じことを言っていますね。

英語っていうのは、3つの段階があると。ひとつは、徹底的に基礎をやれっていうことですね。まあ、その中には、単語を覚えるものは覚えるっていうのもあるし、文法も含めて、やらないといけないことはやるっていうことなんですけど、基礎をやれと。

その上は、彼の言葉だと「ロジック」です。「ロジックをしっかりしろ」と。一番上の段階が、大前さんの言葉だと、英語で最終的に大事なのは「ニュアンス」です。ロジックが通じていれば人が動くとは限りません。さっきの書くか話すかにしても、書くか話すかってロジックでいえば、どちらでも同じですよね。

あなたはこういうことをやってダメでした、理由はこれ、証拠はこれ、とかね。ロジックだから話しても書いても同じなんだけれど、それを書いて突きつけられたら困る。でも話して言ってくれれば、言い方だとか、相手の目を見てね、その場でフォローもできるし、全然違う伝え方になりますよね。それはロジックを越えた部分です。

そんなふうに3つに分けたりしてるので、今お話を聞いたときに、同じ話すと言っても、こういう段階があるんだ、段階っていうのは一足飛びに上に行けないから、積み重ねていかないといけないんだっていうことが、すごくよくわかりますね。

皆さんも、たしかに話すことは大事だから、書くのも大事だけど、話さなければ話にならない場面ってすごくあるから、話す練習をしよう、英会話学校に行こう、と思いますよね。でもよく考えたら、日常会話を延々と繰り返してるだとか、それで話してる気になっちゃう。それって、すごくよくあることですよね。

ビジネス英語っていうことで考えると、基礎は大事なんだけど、その中でも書く、和文英訳の英訳ではなくて、自分の考えを真っ白な紙に書けるってことがすごく大事で、そのためにはあまり複雑な文法だとかは必要ありません。

それこそ、100点満点で言えば3、4割はちょっと厳しいんだけど、6、7割くらいのことができていれば、ちゃんと自分の考えをシンプルに書くことができます。これはこうですよ、僕はこう思ってますよっていう、すごくシンプルな形でもいいんで、書く練習をしてみてください。

こうやって手を動かしたり、「これを言う時は何て言えばいいのかな、単語知らないな、英語で何て言えばいいんだろう」なんていうことを考えながらやっていけば、書けるようになるので。これもね、Appleの製品じゃないんだけれどシンプルに、複雑な関係代名詞だとか、接続詞だとかを使って長くしなくていいので、簡潔に書いてみる。

こうやってシンプルに書いたものって、ちゃんと話せるようになる。書いたものを何度も音読すれば、話せるようになっていきます。そうなると、「あ、これってわかりづらいから、もっとわかりやすくするにはどうすればいいんだろう」と考えるようになる。ここまではニュアンスではなく、ロジックですよね。

でもそれを経ていかないと一番上まで行けないので、本当に英語を使って人を動かすためには、そういうステップを踏んでいかないといけないっていうことですね。

書けないものはしゃべれない

松井:そうですね。書くって、自分で時間かけて書けるじゃないですか。30分でも1時間でも。話すって、その瞬間にアドリブでしゃべんないといけないから難しいですよね。冷静に考えてみると、1時間かけても書けないものが、その場でしゃべれるはずがないんですよ。

だから、書くって実は話す事に対する予行演習になるし、自分の中でこういう筋書きで話そうっていうことが頭の中に描けるから、変な話、今日どうしても話をしなきゃいけない、会議しなきゃいけない(というとき)、要点書きを日本語じゃなく英語でしとくと、ものすごく話しやすくなります。おすすめします。

青野:不思議なもので、書けると読めるようになってくるんですね、だんだん。『ニューズウィーク』を購読始めましたとか、頑張るのはいいんだけれど、ひたすら読もうと思ってるとなかなか読めない。そうではなくて、自分で書いてみて、そのときに必要な単語や文法を覚えていくと、不思議にだんだん読むほうもできるようになる。

同じように、ちゃんと話せるようになると、だんだん聞けるようになってくるんですね。すごい逆説的なんだけれど、自分の話せない単語や言い回しって、なかなか聞けない。ところが、話せるようになると、聞けるようになる。

でも、今までの日本の英語学習って、話す・書くの前に「ひたすら聞け」とか「ひたすら読め」じゃないですか。だから余計に読む・聞くもなかなかできない。

ちょっと発想を変えて、白紙に何か書いてみる。それを話してみることを心がけていくと、読むだとか聞くだとか、本来受け身の技能と言われているものも上達していくということがあります。この辺の英語の話はですね、すごく長くなってしまいますので、興味がある人はぜひまた、質疑応答の時間に聞いていただければと思います。

専門性があれば英語はいらない

青野:最後の項目にいきたいと思います。

国際舞台で活躍するために、グローバルに活躍するために、今英語の話はしてきたんですけれど、たぶんそれだけじゃないと思うんですね。何か英語以外に、あるいは英語を含めてでも構わないんですが、世界を目指す若い人たちのためにアドバイスをいただけるでしょうか。

松井:はい。そうですね、英語と、やっぱりもう1個ないと難しくて、英語ってアメリカ行ったら誰でもしゃべれるし、ヨーロッパ行ってもみんなしゃべるし、アジアとか行ってもすっごいしゃべる人いるし。英語ができるって、みんなとその部分で同じになっただけで、それだけなんですよね。なので、もう1個やっぱりなきゃいけなくて、それは自分の専門性ですね。

例えば僕・私はプログラミングできますとか、マーケティングがすごい上手ですとか、そういうことです。なんでもいいと思います。お寿司が上手に作れるとか、そういうのでもいいしね。やっぱり専門性はすごく重要です。実はそこが際立ってる人は、ほとんど英語いらなかったり。みんなが認めちゃうから。そういう人も目にしました。

例えば、Appleのとき俺と同日入社だった人がいるんですけど、Apple本社に。Nさんっていう有名なデザイナーの方がいるんですけど、その人本当に、こんなこと言っちゃ失礼なんですけど、笑っちゃうくらい英語ができなくて、中1でわかんなくなったでしょってツッコミ入れたくなるぐらいできなかったんですけど(笑)。世界的なデザイナーなんですね。

そうすると、会社が通訳つけてくれる。そういう人がいるわけですよ、やっぱり。だから、そんなに際立ってなくても、専門性が高いっていうのはやっぱり、日本でもアメリカでもヨーロッパでもアジアでもどこでもすごく重要なことで、まずそれが1つめです。

あともうひとつは度胸で、もうひとつは根気なんですけど。僕が会った、ビジネスで成功してる人たちの中には、ありえないぐらい下手くそな英語の人もいました、いっぱい。例えば、僕サンフランシスコまで合気道習いに行ってたんです。

日本で機動隊合気道の指導をなさってた、トップレベルの先生なんですけど、もうこんな英語下手な人いるのかって感じだったんです。在米20年とかなんですけど、信じられないぐらい。

でも、彼がやっている、合気道を教えるっていうことの中ではそれで完結してるんです。それ以外のことはほとんど別に何もできないんですけど、それはそれでOKで、ちゃんと生計立てて、尊敬されてやってるわけです。

で、そのNさんもそうですし、合気道の先生もそうですし、Sさんっていう不動産屋さんがいるんですけど、本当にすごい儲けてるんですけど、英語下手ですよね。でも、頼りにされています。その、不動産の話してる分には何も困ってない。

そこから一歩離れるとかなり困ってるみたいなんですけど、それはそれ、みたいな感じで、英語って完璧に話すときりがないところがあるんです。なんだけど、今、例えばSさんならSさん、NさんならNさんの、ニーズを満たすだけの英語力を身に付けるっていうのは、結構いけます。

だから、例えばソフトウェアのエンジニアが、仕事に必要なボキャブラリーとか、話すとか書くっていうのができるようになるのは、そんなに難しくないんです。まず、自分の本業の得意分野はこれ、それをきちっと定めて、それをちゃんとコミュニケートできる、さっきのステップ1の、事実を伝えられるっていうとこだけでいいから、まずきっちり押さえれば、実は結構ビジネスってできるんです。

飛び込んでみる度胸が大事

松井:最近僕、セブで学校作って、アジアで起業してる人何人も知り合いになったんですけど、英語もちろん上手な方もいますけど、えっ!? て思うぐらい下手な人もいます。下手でもうまくやってる人って、下手なのを自覚して、要所要所でちゃんと通訳雇ってるんですよ。

なんでも自分でやろうとしてないし、法律用語なんかわかんないじゃないですか。だからやっぱり、契約の時とか、弁護士の横に通訳がいるんですよね。そういうまともなビジネスセンスがあることのほうが、実は英語ができるよりもむしろ大事な部分で。

でもそうは言いつつ、やっぱりさっきの話なんですけど、あんまりできないと難しいのも現実です。だから、10を目指すことはないんです。7ぐらいを目指して、積んでいくっていうことが重要だと思うんです。僕、セブで学校作るのに、中西っていうパートナーと一緒にやってるんですけど、彼、ついこないだ30になったばかりなんですね。僕とちょうど20歳離れてます。

彼、最初出会ったときは本当に英語ができなかったんです。当時TOEIC受けたらたぶん500点も取れなかったと思います。当時っていうのは、まだ8カ月前です、ちなみに。この間受けてもらったんですよ。そしたら、795点取れたんですよ。

なんでそんな短期間でうまくなったかというと、かわいそうな話なんですけど、僕と一緒に準備するときに、中西がいることを、英語で話しているときにしばしば忘れてしまっていて、つい英語ペラペラな気がしてしまって、フィリピン人の雇った人たちと、英語で本当にフルスピードでガーって話しちゃってたんです。

こういうカリキュラムしましょう、ああいうカリキュラムしましょうってディスカッションしてるなかで、置いてきぼり状態に限りなく近かったんですけど、それなのに「お前議事録取れ」とか言って(笑)。

青野:無茶ぶりをして(笑)。

松井:そうそう(笑)。そしたら、やっぱり3日目ぐらいになると熱が出てるんですよ、知恵熱が出て(笑)。本当おかしかったですけど、毎日5時くらいまでミーティングして、帰ろうって言うと、もうほとんど日本語でも言葉が出なくなって「ちょっと砂糖を摂らないと」とか言って(笑)。

近くに喫茶店があって、クレープを食べに行ったんですけど、どう考えても5分くらいかかるでかいクレープを、30秒くらいで食べてました(笑)。それを食べ終わるとようやく「今日はこうこうこうで」って話ができるようになったんですけど、あそこまでやると、人間短期間で上達するなあと(笑)。

議事録書かせたら、やっぱり書く英語はほとんどしてきてないから、下手なんですね。またけちょんけちょんに直して、がっかりしてましたけども、書き直しさせてってやったら、ほんの数カ月で、まああと5点で800点ですから。TOEICの勉強一切してません。だから実践でもまれるって、それくらい力が付きますね。

なので、あんまり難しく考えなくて飛び込んでみるっていう、そういう度胸が大事です。彼がなかなかすごいなと思うのは、あんまり英語できないなりに、どんどん飛び込んでいった部分ですね。あと、熱出してもめげない。

クレープ食ってリカバーして頑張るとか、あれはクレープ様々なんですけど(笑)。日系のお店のUCCコーヒーがお店を出してて、UCCコーヒーのクレープも食べてみたんですけど、あれでなんとか彼をつなぎましたね。

TOEICの点数がゴールじゃない

青野:たしかにそうですよね。TOEICの勉強をしたり、それこそ英会話学校に行ったりしても、実際に、例えば海外のビジネススクールで授業を受けるとか、仕事で英語を使うとかっていうときに、それが出てこない人が残念なぐらいに多いんですよね。

エリートと言われるような、政府の役所ですとか、大企業から派遣されてビジネススクールに行きますっていう人でも、勉強は十分にしてくるんだけれど、じゃあ実際に英語が出てくるのかっていうと、本当に出てこなかったりするんで、英語ってそこじゃないなっていうのがありますね。

そういう点数だとか、あるいは発音がネイティブに近いとか、そういうところじゃないんですよね。まさにさっきの、不動産のおばさんもそうなんですけど、その人にとっての英語って、不動産を売ることですからね。

で、アメリカ人に、まあ、どこの国の人かはわかんないですけど、不動産が売れればいいわけだから、別にTOEIC何点っていうのも必要ないし、ネイティブのようですねって言われる必要も全くないし。このゴールがあるから、それに必要なのはどれくらいやっとけばいい、っていうことですよね。

やっぱりその人なりのゴールがあって、あとは今、松井さんのお話にあったように、いかに実践環境に自分を置けるか、っていうところが大切ですよね。

エベレストより高尾山からスタートすべき

松井:そうですね。本当に、ゴールから逆算していくのを考えた方がいいんじゃないですか。英語って、英文学者がアメリカ人の中にもいたりするわけだから、上見ればきりがないわけです。漠然とネイティヴのアメリカ人みたいにしゃべりたいとかね、もちろんしゃべれるに越したことはないんだけども、大半の人にとっては全く必要のないことです。

それよりはまず、おまんまが食えるようになることが一番重要なので(笑)。ちゃんとお金稼いで、生活を成り立たせるには、例えばお寿司屋さんならお寿司屋さんなりの英語力が必要、美容師さんなら美容師さんなりの。逆に、日常会話も必要かもしれないけどね、美容師さんなんかは。

それに、もうニーズが全然違うわけですね。そのニーズを満たす中でやればいいわけで、何でもかんでも、CNN聞きましょうとか、もちろんCNN聞けることに越したことはないけれども、まずそんなの目指しちゃうと、エベレスト登りましょうみたいな話だから、まずその辺の高尾山ぐらいからスタートしたほうがいいなっていう(笑)。

青野:今のCNNの話もそうですが、よく英語をやる目的で、「映画を字幕なしで見たい」とかあるじゃないですか。でもあれっておかしな話で、それは目的じゃなくて結果ですよね。

英語をやった結果、字幕なしで見られたら、それはそれですばらしいけれど、それを目的にしてもあまり意味がない。英語をかなり流暢に、不自由なく仕事で使ってる日本人の中にも、「洋画は聞き取れない」「洋楽とか全然ダメ」っていう人は結構います。だから、本当に目的っていうのは大切だなと思います。

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