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プレゼンの専門家が教える“話し方8つのスキル”(全6記事)

話し方は上手いのに内容が伝わらない人の問題点とは プレゼンのプロが3つの理由を解説

誰かのプレゼンテーションやスピーチを聞いていて、「この人、話し方はうまいのに、話している内容は全然印象に残らないな」と思ったことはないでしょうか。本来プレゼンは話している中身が聞き手に刺さらないと意味がありませんが、スルスルと流暢に話すことばかりに気を取られてしまい、肝心の「伝える」という部分がおろそかになっている人は意外と多いものです。プレゼンテーション・アドバイザーの野村尚義氏は、聞き手に話しの中身が伝わらない原因として「摩擦が少ない」「変化がない」「味わいがない」という3つのポイントを指摘しています。印象に残るプレゼンをするためには、まずは強調したいキーワードや話の山場を意識してみてください。

うまいのに印象に残らないプレゼンは何がマズいのか

野村尚義氏:プレゼンアドバイザーの野村尚義です。今日はデリバリースキル8つのスキルの番外編ですね。

1つ、お話ししておこうかなと思うことがありまして、実はプレゼンテーション的にすごい話し方はうまいにも関わらず、言葉は全然印象に残らないっていう人って意外と少なくないんですね。

そういう人のプレゼンテーションを聞いているとき、どんなイメージか。言葉がスルスル入ってくる、そしてスルスル入っていく分、スルスル出て行ってしまう。こんなイメージなわけです。

みなさんもそういったことって、経験したことないでしょうか? 自分自身が聞き手として、「あれ、この人の話うまいんだけど、全然印象に残らないな」っていうことってないでしょうか?

こういった方々のプレゼンに対して我々が持つ印象って、こうなんですね。感想が、その話し手に対して、うまいなって思うわけですよ。

実際、聞いている感じでうまい、かっこいいわけです。でも、話の内容が印象に残らない。話し手に対して、うまいなっていう印象を持つ。それだけが感想っていうことは、言い換えれば、メッセージが自分に対して何も感想を与えてないってことです。

本来プレゼンテーションの感想として相応しいのは、「さっき聞いた話、私にとってはこうだったな」と、感想の対象はメッセージであるべきなんです。

それが、感想が話し手に対して「うまいですね、あの人」ってなる時点でアウトだっていうことなんです。

「うまいですね」以外のことはなにも言われなかったとしたら、それは気をつけたほうがいいです。もしかしたら、スルスルといってしまうことの罠にかかっている可能性があるということです。

プレゼンの中身が入ってこない3つの理由

では、どうしてそのようなことになってしまうのか。大体印象が薄くなってしまう、中身が入ってこないという理由としては、大きく3つあります。

1つが「摩擦が少ない」ということ。さらさら、引っ掛かりがない。そして2つめ、「変化」です。そして3つめ、「味がない」。この3つについてです。

まず1つめ、「摩擦が少ない」ということなんですが、これは、強調、強弱とか、間とか、いわゆるまさに、デリバリースキルですね。ここまでお話ししてきたことなんですが、これが足りていない。

スピード、話し方、滑舌もいい、でも全体的にモノトーン気味に流れていってしまう。そういうときにやはり摩擦は少なくなってしまいます。

2つめ、「変化」ですね。これはどちらかというと、話の内容のイメージで今、お話しているんですが、話がスルスルスルスルーっていってしまうときって、その中で、ドラマティックな場面というものがないわけです。

そうすると、印象に残らない。つまりこれは内容の話ですね。言い換えれば、1番と2番、あわせて言うと、話し方においても、話の内容においても、変化、これが必要であるということです。

そして3番、「味わい」と言いましたが、これはずばり「キーワード」です。グサッと刺さるキーワードがあるかないかということです。

たとえば私が今言った中でいうとキーワードというフレーズをちょっと強調して話したんですけれども、たぶんそれってさすがに耳に残ったと思うんですけど、このような形で、話の話し方、内容の変化、そして、キーワードによって味わわせる。

これらが少ないとしたら、やばいです。ぜひここのところ、大事にしてみてください。

私がそういうスルスルスルスルーと流れてしまう摩擦の少ないプレゼンテーション、変化の少ないプレゼンテーション、味わいのない、薄いプレゼンテーションに対して1つ、いつも聞くことがあります。

今回、あなたのプレゼンテーションにおける山場はどこですか? ぜひ、自分自身のプレゼンテーションに対して、自問自答してみてください。以上です。

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