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考えが浅い人の共通点│浅い人から深い人になるための思考法(全2記事)

思考の深さは才能ではなく「習慣」 優秀な人が実践している、成果を出すための思考法 [1/2]

【3行要約】
・生成AIや最新ツールを導入したものの、業務の効率化どころかかえって時間がかかると悩む人は少なくありません。
・木下勝寿氏は「メールの文章はこうあるべきという固定観念を捨てられないと効率化できない」と指摘します。
・自分の思考の癖や前提を一度リセットし、成果につながる真の業務改善を実現する考え方を解説します。

前回の記事はこちら

考えが浅い人が陥る「二重苦」

木下勝寿氏:つまり考えが浅い人は、そもそも少ない情報で間違える。そして、後から情報が増えても、最初の間違った答えを捨てられないという二重苦を持っています。

1つの例を挙げてみたいと思いますけども、生成AIを使ったメール対応を考えてみましょう。会社でメール対応業務を効率化するために生成AIを導入したとします。本来の目的は、メールを書く時間を短くすることなんですね。

多くの人は、まず生成AIにメールの下書きを作ってもらいます。文章は一瞬で生成されます。ですが、最初から思いどおりの内容になるとは限りませんので、出力された文面を確認して、必要に応じて修正しながら仕上げていくのが、たぶん一般的な人のイメージだと思います。時には自分のイメージと異なる文章や想定外の表現が出てくることがあって、その場合はかなり修正が必要になったりしますけども。

一方で、自分が書くよりも良い仕上がりになることもありますよね。わかりやすい表現になることもありますので、その場合はそのまま採用したり、気になる部分だけを調整して活用していくことになりますね。このように、自分で書くよりも短時間で書けたり、自分が書くよりもより良いものが書けたりするのが今の生成AIになっています。

考えが浅いと、生成AIを使っても業務効率化ができない

ところが、考えが浅い人が生成AIを使う時って、それまで生成AIを使う前はずっと自分で文章を書いていました。もちろんそれなりにきっちりと学んで経験を積みながらやってきたので、考えが浅い人は、「メールの文章はこうでなければならない」という固定観念を持っています。

例えば何かの問い合わせが来て回答する時、まず「自分だったらこう書くべきだ」と思います。なので、まずは、いったん自分でメール文面を書き上げます。その後で、AIに自分が書いたメールとまったく同じ文面を出力させようとするんですね。そのためにプロンプトを何度も調整します。

しかし、なかなかまったく同じ文面になりません。結果として、AIを使ったほうが時間がかかります。実際には業務効率化になっていないんですね。「AIを使うと余計時間がかかっちゃうんですよね」とか、「AIで書かないといけないことになったことで、時間がかかるので大変なんです」みたいな感じで言うんですけども、それは自分が先に文章を書いてからやるということですね。

なぜこうなるかというと、「メールの文章はこうでなければならない」という固定観念を捨てられないからですね。本来は生成AIを使うとなった瞬間に、その固定観念をいったん捨てて、生成AIを使った業務フローを全部組み立てる必要があるんですけども。

なので、今の業務フローに新しいものを載せるというふうになってきます。考えが浅い人は、業務フローを変えると今まで以上に非効率になることのほうが多くなっているということですね。これが考えが浅い人の典型的なパターンです。

「結論ありき」で考えると判断が歪んでしまう

もう1つ身近な例で考えていきます。例えば飲食店(の経営)を改善する場面です。あるカフェの売上が落ちてきています。店長が最初にこう考えます。「メニューがしばらく変わっていないので飽きられているんだ。じゃあ新商品を出そう」。

これは最初の仮説なんですね。店長はこういう仮説を持ちました。「メニューがしばらく変わっていないな。これが原因だ。新商品を出そう」みたいな。これが少ない情報だけで答えを出してしまうパターンです。もちろん新商品が必要な場合もあるんですけども、ここで別の情報項目を探してみます。

「売上が落ちている原因は他にないだろうか?」と見た時に、例えば近くに競合店ができているとか、Googleマップの評価がめちゃくちゃ下がっているとか、店員の接客に問題があるのかもしれないとか、もしくは店内の滞在環境が悪いのかもしれないとか、営業時間が客層と合っていないのかもしれないとか、価格が上がって客離れしたのかもしれないとかいう感じですね。

考えが深い人は、こういう情報をたくさん集めていきます。でも考えが浅い人は、最初の「新商品を出そう」という答えを固定してしまいます。なので、後からどんな情報が出てきても、全部新商品案に結び付けてしまうんですね。

競合店が出てきているとわかったとすると、「なるほど。じゃあ競合店よりもいい新商品を出そう」という答えになってきます。例えば口コミの評価が悪くなってきているとなってくると、「口コミの評価が高くなりそうな新商品を出そう」となってきます。

ところが、実際に口コミの評価が悪くなっている内容を見ると、接客態度が悪いことが原因だったとします。それは新商品を出す前に、接客態度をもっと見直すということのほうが重要なんですね。

例えば「店内が暑い」という答えが多かったとしたら、新商品に固定されている人は「店内が暑いんだ。夏向けの冷たい新商品を出そう」みたいな感じになってきます。店内が暑いんだったら、クーラーの温度を下げましょうということですね。

こうやって、すべての情報を最初の答えに都合良くくっつけてしまうんですね。本当は接客改善とか空調改善を優先すべきかもしれない。でも、最初の答えを捨てられないので判断が歪む。これが結論の固定化ですね。

陰謀論にハマりやすい人の思考

世間の例でもうちょっとわかりやすい例で言うと、例えば芸能界でスキャンダルみたいなことが起きたりします。最初は限られた情報だけを基に、「この人が犯人だ」とか「この人は悪いぞ」とかいうふうに、世間が決めつけて騒ぐことがあります。

しかし、その後に新しい情報とか別の証言が出てくると、「あれ? 本当にこの人がやったんだろうか?」とか、「誰かに罪を押し付けられているんじゃないか?」とか、もしくは「この人は何か悪質な手口ではめられているんじゃないか?」とかいう、世間の見方が変わっていく場合ってありますよね。

最初はこんな取り上げられ方をしたけども、関係者がぜんぜん別のことを言っていて、「なんかこれおかしいんじゃないか?」みたいな感じになってきます。ところが一方で、考えの浅い人は一度出した答えを固定してしまうという特徴があります。

そのために、最初に「この人がやった」「この人が悪い」と思い込んでしまうと、その後で無実の可能性を示す情報が出てきても、「なぜ悪いことをした人をかばうんだ」とか、「この人物を守るために裏で何か大きな力が働いているに違いない」みたいな、陰謀論的な思考になってしまうんですね。

けっこうそういうのをSNSとかを見ていると思います。「なんで悪い人を罰してはいけないのだ」とか。「悪いかどうかわからない」という話になっているのに、「悪い人は罰すべきだ」みたいな感じになっているのが、比較的考えが浅い人が陰謀論にハマりやすいという例になります。

ここで重要なのが、考えが深い人は最初の答えをあくまでも仮説として置いています。仮説というのは、正しいかもしれないし、間違っているかもしれない。新しい情報が出たら仮説を修正する。必要なら捨てる。これが普通ですね。でも考えが浅い人は、仮説を結論として扱ってしまう。「たぶんこうだ」ではなくて「絶対こうだ」になってしまいますね。

その後の情報収集も歪んでいきます。自分の答えを正当化するための情報ばかり集めるようになります。自分の答えに反する情報を軽く見ちゃいます。都合の悪い情報を例外扱いします。こうなると、考えているように見えて、実は考えていない状態になっているんですね。最初に出した答えを守っているだけになっています。

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