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【人生の損失】「テイカー」の正体。9割が勘違いしている「搾取」の構造を徹底解説(全2記事)

ストレスがなくなる仕事の断り方・引き受け方 角を立てずに見返りや条件を確認する言い回し

【3行要約】
・ビジネスで「搾取された」と嘆く人と、信頼を深める人。その違いは契約のない場面で関係性を「言語化」できているかにあります。
・木下勝寿氏は「契約がない場合は基本ギブのみ」と指摘し、条件の確認は図々しさではなく「誤解を減らす優しさ」なのだと語ります。
・搾取や不満を生まないために、依頼を受けた段階で「好意かお返しありか」をどうすりあわせればよいのか、その具体策を示します。

前回の記事はこちら

契約なきギブは「見返りなし」が基本の前提ルール

木下勝寿氏(以下、木下):そこは関係性もあるとは思うんですけど、決して関係が良くはなっていないですよね。特にビジネスの場とかで、もっとシビアになります。ぜひビジネスの鉄則ルールを知っておいてほしいんですけど、契約がない場合は基本ギブのみを求められている前提で動くのは、ビジネスにおいても完全にそうなんですよ。

社内なので、そういう甘えがけっこう起きるんですけど、社外においては完全に契約がない状態では基本ギブのみを求められているんだということです。例えば口約束とか雰囲気とか空気とかで「そのうち何か返ってくるでしょ」ってやると、爆死しやすいんですね。

特に大きな会社だと、契約にない内容って絶対にできないんですね。つまり、契約していないのに見返りをくれるだろうっていうのは、相手が大きな会社の場合はないという前提で思ってください。そして、大きな会社同士の取引は、それ前提同士でやっているから揉めないんですよ。そこに対して勝手にこっちが期待して揉めてしまうと、大手企業からすると「あの会社めんどくさいな」って思って取引されない。

テイクが欲しいんだったら、先に条件を言語化して合意を取る。これはビジネスで必須になっています。具体的な話でいくと、私自身が実際にあった話ですが、あるものについて、ある会社から営業の提案がありました。非常に良い提案でもあったし、熱心にずっとそれの件について打ち合わせをやっていたんですよ。

その会社は、その提案を通すために、けっこう費用がかかるような提案もしてくれたんですね。「熱心だな」って思ったんですけど、最終的にその案は採用しないっていうことでお断りをしたんですね。そうすると、相手の方が突然怒り出したんですね。「今までこんなに費用をかけていたのに、じゃあその費用を全部払ってください」って言われました。

こっちからすると「えっ」っていう話なんですよ。絶対に契約するっていう話もしていないし、そこの費用をこっちが負担するってことだったら、最初から「そこまで費用かけないでください」って言っていますよって話です。

「勝手な期待」が信頼を壊す

木下:この費用は採用しなかったら払うっていうような契約をしていないのに、例えば向こうがそれで10万円~20万円とか、何十万円とかかけたとした時に、それってそっちが全部決めてこっちが負担するのって、契約上おかしいですよねって話になったんです。

向こうの会社が小さな会社だったので、あんまりリテラシーが高くなかったっていうところがあって。まず「企業としてそれは絶対無理です」と。「ただし、本当に困っているんだったら私が個人で払います」と。「自腹で払います」ということで払ったんですけど。

その時思ったのは「絶対この会社とは今後取引しない」っていうところなんですね。今回は、私が払ったので向こうは満足したかもしれませんけど。「搾取された」みたいな感じで言っていますけど、それは完全にビジネスルールをわかっていない会社が自分で自分をおとしめている状態なんですね。なので「搾取された」っていう状態は、実は自分で自分の立場を追い込んでいる可能性があるってことなんです。

ここまでをバッサリまとめます。まず、依頼が来た時、関係性は2種類しかありません。ギブのみを求められている関係、もしくはギブ・アンド・テイク前提の関係ですね。なので、ここを曖昧にすると事故ります。じゃあどうすればいいかっていうと、やることはめちゃくちゃシンプルです。「これって好意でやる話ですか。それとも見返りがある話ですか」ってことを確認するってことですね。

もっと柔らかくするならば、特にフリーランスの方のお仕事とか行くと、友だちから言われた時って、ボランティアとして言われているのか、仕事として言われているのか、 わかりにくかったりすると思います。なので「これ、ボランティア案件? 仕事?」っていうふうにぜひ確認してください。「今回手伝うのはいいんだけど、次手伝ってくれる?」とか「どこまでやればOK?」とか「見返りとか含めて先にすりあわせましょう」みたいな。

角を立てずに見返りや条件を確認する言い回し

木下:聞くのって図々しさではなくて、誤解を減らす優しさなんですね。これを聞ける人は何が起きるかっていうと、断るのが上手になります。引き受けるのも上手になります。過剰な期待が積み上がりません。結果、ストレスが軽減します。そして、相手との関係性が良くなっていきます。

搾取されない最強の方法は、戦わないことでも我慢することでもなくて、最初の関係性の種類を言語化する・はっきりさせること。ここから実践用の言い回しをいくつか置いておきます。

例えば仕事っぽい依頼が来た時は「まず確認なんだけど、これって正式に依頼として進めてOK? それとも今回は好意でのサポートの依頼っていう認識で合っている?」こういう聞き方をするとかですね。もしくは友だちだったりすると「手伝うのはぜんぜんいいよ。ただ、これは善意の手伝いって感じ? それとも何かお礼とかある? 焼き肉奢ってほしいんだけど」みたいな。

友だちだったら「見返りにこれをくれ!」とか最初に言っておいたほうが良いと思うんですね。引っ越しの手伝いとかだったら「手伝うのはいいんだけど、終わった後焼き肉奢って」みたいな感じで言うとかですね。断りたい時とかは「今、余裕がなくて好意の範囲でお手伝いするのは難しいです」と。「ただ、もし条件付き、報酬とかいただけるんだったら検討できるかもしれません」みたいな感じですね。

曖昧な言い方をする相手に対しては、「認識ずれるのが嫌だから先にすりあわせしておこう」みたいに言う。この一言ってけっこう強いです。相手を責めずに仕組みの話にできます。

実は相手からギブされていることに気づく

木下:今回の話をまとめますと「搾取された」と感じる時っていうのは、多くの場合、相手が悪いというよりも、自分の中の暗黙の期待が回収できなかった痛みであるっていうことですね。そしてトラブルの原因っていうのは、ギブのみの関係をギブ・アンド・テイクだと勘違いしている。だから解決策としては、最初に聞く・言語化する・合意を取るですね。「これは好意でやる話ですか? それともお返しのある話ですか?」。

これを言える人は人間関係が強くなります。仕事が速いですし、ストレスも少ないです。合意のあるギブっていうのは信頼に変わります。未来のテイクも自然に育っていきます。

あと、気をつけてほしいのが、本当は相手がすごくギブをしてくれています。ところが、それを自分自身が当然と思い込んでいて、相手のギブに気づかずに自分が「搾取されている」と思い込んでいることもあります。

例えば、人材派遣とかあると思うんですけど、人材派遣会社からどっかに派遣されています。その派遣のビジネスモデルっていうのは、派遣されてそこの会社にいます。その派遣先から人材派遣会社にお金が行って、そこからお金をもらうかたちになっていて、その派遣会社が手数料をとっているかたちなんですけど。

派遣されている人が「私たちが働いているのに派遣会社に中抜きされて搾取されている」って思い込んでいらっしゃる人もいます。これ、完全な勘違いの話で、その派遣会社の人が駆けずり回って、あなたの仕事を見つけてきてくれているんですよと。

普通に就職している人は、仕事を全部自分で見つけています。でも、あなたの場合は派遣会社の人が全部見つけてくれているんですね。そして、派遣社員の人が急に辞めたりした時のために、バックアップの体制をとっています。派遣会社の社員の人も、その仕事を見つけるために何社にもアプローチして、たくさんの会社に断られて、ようやくあなたの仕事を見つけてくれているんですね。それに対して「搾取している」なんていうのはひどい話だと思います。

なので、あなたももし「搾取されている」と思っていても、実は相手はあなたにたくさんのギブを与えているのに、あなた自身が気づいていないことがないか、ぜひ考えてみてもらいたいなと思っています。

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