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『たたき台の教科書』発売記念 90分で学べる!質の高いアウトプットを生む「たたき台」の極意(全4記事)

若手に任せた仕事、上がってくるけど“なんか違う” 仕事の方程式で考える、上司と部下の「ズレ」の正体 [1/2]

【3行要約】
・成果を出す人と、不毛な議論で終わる人。その違いは「打ち手」ではなく「期待する成果」の共有にあります。
・コンサルタントの萩原雅裕氏は、多くの現場で「現状の認識がズレたまま打ち手だけの議論をして不幸な会話が起きている」と指摘します。
・東洋経済新報社より刊行され、1.3万部を記録している『たたき台の教科書:頭の良さに頼らず一流の仕事をする技術』をもとに解説します。

組織規模、国内外とさまざまな働き方を経験

萩原雅裕氏:萩原雅裕と申します。よろしくお願いします。

(会場拍手)

ありがとうございます。ふだんはベンチャーとか中小企業さん向けのコンサルティングのようなことを仕事としております。(依頼者の)頭の中をなんとなく整理して、「こうやって決めましょう、こうやって進めましょう」みたいなことを全般的にご支援している、そんな仕事をしております。ズラズラといろいろ書いてあるんですけれども、大事なことはこのへんですかね。

好きなことは筋トレとキャンプと積ん読……昔は読書と書いていたんですけど、たぶん僕、もう読書よりも積ん読が好きなんじゃないかなというぐらいに、家にバーッと積んであって、「Kindle」の中にもバーッと積んであるので、最近「好きなことは積ん読だ」と公言するようにしました。あと、癖が強い香草が好きですね。嫌いなことは早起きと過剰な気遣いです。

ですから今日は、リラックスして聴いていただければと思いますし、最後にも質疑応答の時間を取りますけれども、途中で「ちょっとよくわからなかったんですけど」みたいなのがあったら聞いていただければなと思います。

自分のバックグラウンドなんですけれども。そこ(スライド)に出ているような感じではありますが、この本の背景でもあるのでちょっとだけお話をします。



縦軸が大きな組織と小さな組織。横がグローバルとドメスティックみたいな話だと、NTTデータという会社に新卒で入社しまして、当時でもう(従業員が)1万人ぐらいのでかい会社でした。わりともう日本にどっぷり……「NTT」とついているぐらいですからね、そんな仕事をしておりました。

社会人経験30年の中で得た知見

そうこうするうちに、5年目ぐらいの時、海外の子会社に出向させていただく機会がありました。アメリカに行きまして、そこは確か(従業員が)30人か40人ぐらいで、本当にオフィスも、この部屋くらいか、これよりはもうちょっと広かったかな、すごく小さい会社で働きました。

(日本に)帰ってきて、いろいろあって転職をしまして、これ(ベイン・アンド・カンパニー)はあまりご存じない方が多いかもしれないんですけど、マッキンゼーさんとかBCGとか、あのような仕事です。

グローバルなコンサルティング会社なんだけど、日本オフィスなので真ん中らへんみたいな感じで。当時僕が入った時に(従業員が)100人前後だったので、そんなに大きくもなく小さくもなく、そんな会社で働いておりました。日本人がマネージャーだと日本語でやって、外国人のマネージャーだと英語でやる。社内の資料は英語が何割ぐらいだったかな……7、8割か。そのような感じでした。

その後また転職をして、日本マイクロソフトに入社しました。これも海外の会社ですけど、もうちょっと日本っぽさがあるけっこう大きな会社。さらにマイクロソフトのアメリカ本社で働いていたんですね。もう超でっかい、超グローバル。そんなところで働いていました。

(日本に)帰ってきて、LINE WORKSという小さい会社で、もう本当に立ち上げの時期に働いていました。私が入社した時はたぶん(従業員が)10人ちょっとぐらいの小ささでした。今は1人で細々とやっています。というわけで、4象限、いろんな働き方を経験してまいりました。

その中の働き方という意味でも、いわゆるプロジェクト型って、みなさんイメージが湧きますか? 何か案件があったら、それにどっぷり入って、期間が決まっていて、それが終わったらまた次のプロジェクトをやって……という、そのような働き方をしたところもあれば、そういう感じじゃなくて「なんとか部」に所属して、日々日々お仕事をしていくところもあり、タイプとしていろんな働き方をしました。

そんなわけで、いろんな働き方、いろんな場所、会社、職場で、めっちゃすごい人をたくさん間近で見させていただきました。学ぶこともたくさんあって、自分で試行錯誤することもたくさんある。気がついたらもう社会人30年ぐらい経っていて。そんなわけで、「自分が大事にしていることだな」ということをまとめて本を書かせていただきました。

たたき台は「叩かれる」ではなく「叩かせる」

実はこの『たたき台の教科書:頭の良さに頼らず一流の仕事をする技術』は2冊目で、1冊目に『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』を書かせていただいたんですけれども。



私の中でこの2つは両輪みたいな感じになっていまして、こっち(『たたき台の教科書』)はアウトプット、中身を組み立てる技術の本だと位置付けています。もう1個のほう(『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?』)は、どっちかというとプロセス、速く進める方法、うまく進める技術。そんな話を書かせていただきました。というところで、今日はこのアウトプットの話を中心にさせてもらえればなと思っております。

ではここで、みなさんに質問です。たたき台を作ることが多い方?

(会場挙手)

すっごく多い。作ってもらうことが多い方は?

(会場挙手)

両方も、あり得ますよね。3分の2ぐらいが作ることが多い方ですね。

次の質問です。たたき台を作るのは難しいと思う方?

(会場挙手)

(担当編集に向かって)すごく後ろから、そんなに元気よく手を挙げなくても(笑)。

(会場笑)

作るのは難しくないんだけど、作った後のフィードバックをもらって、それをもとにまた良くしていって、進めて、と。そっちのほうが難しいと感じる方?

(会場挙手)

いらっしゃいますね。ありがとうございます。いったん作ってもあれやこれや言われて、「これはどうするんだ?」みたいなところに難しさもあったりしますよね。

次の質問です。たたき台を作って叩かれるのは嫌だ(という方?)

(会場挙手)

でも少数派だ。意外と気にならないよ(という方)?

(会場挙手)

あ、多数派じゃないですか。この後の話の流れが変わるけど(笑)。

(会場笑)

じゃあ、少数派の方に向けてメッセージをお伝えすると、ぜひこう考えていただければいいかなと思うんですけれども。


 
たたき台を作ったからには、「これは叩かれているのではない、私が叩かせているのである」と。「どうぞ、あなたたちに叩かせているんですよ」と、ぜひ思っていただけるといいんじゃないかなと思っています。

どっちが主導権を握っているかといったら、こっちが主、こっちです。という気持ちで、ぜひ作っていければいいんじゃないかなと思っています。この本の中でも書きましたけれども、叩かせると「いろんな人の知恵が集まって、ズレがなくなって、物事が決まって、仕事が前に進む」といいことが起きますので、ぜひそんなふうに捉えていただけるといいんじゃないかなと思います。

任せたけど結局自分で……管理職と若手のギャップ

その後の、「前に進めるところが難しい」ところは、この後お話をしていこうと思うんですけれども。このたたき台に限らずなんですが、いろんな会社さんのアドバイスや壁打ち、伴走とかをしている中で、こんなお話をたくさん聞くんですね。



管理職の方が、「任せたんだけど、なんか自分が思ったのと違うかたちで出てきて、結局自分で手を出さなきゃいけないんだよな」とか……ありがとうございます、「うんうん」という方が多数いらっしゃいますね。逆に若手の方にお話を聞くと、「いや、そもそも教わっていないです」……(担当編集に向かって)あ、すっげぇ頷いているじゃん(笑)。

(会場笑)

「経験していないからそもそもわからないです。どうしても手が止まっちゃいます」とか。でも、上司とかベテランの方からすると、「いや、見ていたらわかるでしょう」「とりあえずやってみて、大丈夫だから。わからなかったら質問して」みたいな感じで、上司の方からすると、わかり過ぎちゃっていてどう説明していいかわからない、みたいなこともあると思っています。

このへんのギャップが大きいと、「今時の」という言い方はあまりふさわしくないかもしれないですけども、若手の人にとって働きにくい職場環境になりやすい。「辞めてしまう人がいるんですよね」というご相談を、逆に上の方からいただいたりもします。

ということで、そんなこんなしていると、どうしても目先の話に時間と労力が取られちゃう。もうちょっと上の段階を目指したいんだけど、なかなかそこに時間が使えない。そんなご相談を受けたりします。

このへんのご相談の中で、私は最近ほとんど本に書いた話しかしていないなということに気づきまして、「もう全部これなんじゃないかな?」みたいな気持ちになってきたんですね。どう伝えているか、この後ご紹介できればなと思っております。

PDCAの「P」にある落とし穴

みんな大好きPDCAなんですね。最近、なんかすごく……先ほど申し上げたとおり私は社会人を30年ほどやっているんですけれども。「昔はこんなにPDCAって言っていましたっけ?」というぐらい、みなさん「仕事をする時の基本の基本だ」みたいに言うようになりました。

一方で、「本当にちゃんとやっているかな?」というのも気になるんです。「Plan」「Do」「Check」「Action」です。ほとんどの方はご存じかなと思います。



基本的には継続的な改善をしていくためのサイクルと言われていて、左上の「Plan」が目標を設定し、達成のための計画を立てる。(「Do」は)計画に基づき実行する。(「Check」は)実行した結果を評価・分析して、(「Action」は)評価・分析をもとに改善し、次の計画につなげる。まぁ、そうだよねと思うんですが。

落とし穴というか、ここがうまく回っているか気をつけていただきたいというか、気をつけなきゃなと思いながら私がご支援しているのが、「P」。「目標」と「達成のための計画」と書いてありますよね。

けっこう違う話なんですよね。「目標」と「達成のための計画」が、同じ「P」に入っていていいのかなと、あらためて考えると実は私の中では気になっていたりします。

この本の中で説明している話は、こんなに分厚いんですけど、もうほぼこれだけだと思ってください。


 
何かというと、めちゃくちゃ乱暴に言うと、あらゆる仕事はこうなっていますという話をしております。仕事とは「現状」に対して何か「打ち手」を打つことで「期待する成果」を得たいんだよね。ほとんどの仕事はこういうかたちになっているかなと私は捉えています。

例えば目標が与えられたら、それは「期待する成果」だよねと。「現状」に対して何かする。何かする(打ち手)ことによってここ(期待する成果)を目指すんだという、こんな構造かなと捉えています。

同じいい成果を求めたいとしても、状況・現状が違ったら打ち手は変わります。まぁ、言われてみれば当たり前過ぎる話なんですけれども、めちゃくちゃ当たり前のことからお話ししますね。


不幸な会話を現場にもたらす「認識のズレ」

例えば社員から見て、現状がAに見えているとします。「いい結果を目指したいんです」と。だから「Xをやったほうがいいと思うんです」という提案を持ってきました。

でも、例えば上司の方や社長から現状がBに見えていたらどうでしょう? 「なんであいつはXを持ってきたんだ?」「Xをやってもいい結果にならんやろ」「どう考えてもYをやったほうがいい結果になるじゃないか。あいつはまだまだだな」みたいな会話が行われているんですね。

この時に、「いやいや、現状はAじゃなくてBだろ」という会話は現場でほぼ行われないんですよ。会議の場でどんな会話になるかというと、「Xがいいと思うんです」「なんでXなの? Yやろ」と、打ち手の会話だけで終わっちゃうケースがものすごく多いんです。

めちゃくちゃ認識がズレていることによってすごく不幸な会話、不毛な会話が起きているのを、たくさんの現場で拝見しているので、「うーん、なんか今ちょっとズレています」みたいなことをお手伝いすることが多いんですけれども。私が今話している話は、聞けばすごく当たり前じゃないですか。そりゃそうだなみたいな話だと思うんですけども、ものすごく日常的に起きています。

さっきのPDCAで考えると、目標は「期待する成果」なんですね。なので、本当は「期待する成果=目標」を変えずに、達成のための計画がもし違ったら、それを変えながらグルグル回しますというお話だと思います。



 さっきは「現状」がズレているお話をしたんですが、「目標を、本当に本当に本当にちゃんと明確に共有されていますか?」という話もあります。

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