【3行要約】・木下勝寿氏が、AI時代に「運用コストが高い」と淘汰されないための境界線について語ります。
・木下氏は「自立するイコールストレスが減る」と述べ、自分の感情を自分でコントロールする重要性を指摘します。
・放っておいても前に進む「自立した人」が持つ4つの特徴とは。AIを部下にして圧倒的な成果を出すための具体的な働き方を提案します。
前回の記事はこちら AI時代にリスクが高い、3つのNG行動
——聞いていると、「ああ、ここは上司にやってもらっていたな」とか「ちょっと感情的になっちゃったな」という方がけっこういらっしゃるかなと思うんですけど。いったい私たちは何をやめたらいいんでしょうか。
木下勝寿氏(以下、木下):生成AI時代を生き残るために、あなたが本気でやめたほうがいい3つのNG行動を説明したいと思います。
1つ目、感情マネジメントを前提にして働くのをやめましょう。どういうことか。評価のフィードバックを受けるたびに感情的な対立になりやすいとか、ちょっとした指摘に過剰に反応してフォローが必要になる。仕事の成果よりも自分がどう扱われているかの不満が中心になる。こういう人はマネジメントコストが高い人として扱われます。

経営側・マネジメント側からすると、AIは評価に不満を言いません。キャリアに迷って悩み続けることもありません。メンタルの悩みもありません。どちらが運用しやすいかというと、残念ですけどもAIのほうが読みやすいんですね。

だから自分の感情ケアを会社や上司に強く期待する働き方を真っ先に見直したほうがいいと思います。もちろん人間ですから感情はあります。しんどい時は誰にでもあります。でも感情の揺れが大きく動くたびに、誰かの時間を大量に使う状態。これを当たり前の状態にしてしまうと、キャリアにはかなり不利になります。
いろんな人がいると思うんですけども、感情が揺れたとしても自分で解決する人はたくさんいますよね。もしくは感情が揺れました。でも上司じゃなくて、例えば仕事と関係ない友だちに話してスッキリすることもありますよね。
なので、自分の感情を上司や同僚に解決してもらおうとする、これがすごくコストなんですね。どうすればいいかは
『「悩まない人」の考え方 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』という私の本がありますので、それもぜひ参考にしてほしいなと思います。
自分で自分の感情をコントロールする
木下:例えば今の話を聞いて、「要は文句を言わずに黙って言うことを聞いておけってことか」と反発された方もいらっしゃると思います。ただ、そういう人がまさにマネジメントコストの高い方なんですね。
ちょっと耳の痛い話をさせていただいていますけども。「そんな職場はこっちからごめんだ」と思われるかもしれませんが、今後そのようなマネジメントコストの高い人は就職が難しくなりますよという話なんです。
今言っている部分は私個人の考えではなくて、生成AIがそういうふうになっていくことによって、人と仕事の関係性がそうなっていきますよという話をしているんですね。
「我慢しろ」という話ではないんですよ。同じ職場で同じ環境で働いている人でも、不満を持っていない人はたくさんいますよね。そういう人たちの話を聞いて、同じ職場で、同じ環境で不満を持つ人・持たない人の違いは何かというのをこの機会に学んで、自分自身を変えていきましょうということなんですね。
上司に感情マネジメントされることを前提とせずに、これをきっかけに自分で自分の感情をマネジメントできるようになっていきましょうという話です。
自立するための仕組みを手に入れる
木下:そして2つ目ですね。自分のコンディション管理を他人任せにするのをやめましょう。2つ目はコンディションの話です。

体調とかメンタルが不安定で頻繁なフォローが必要になってくる、気分によってパフォーマンスが大きく変わる。周囲が常に「大丈夫かな」と気を遣う状態になっている。ここもマネジメントコストは非常に高くつきます。
もちろん人生には予期せぬ出来事もあります。一時的なサポートが必要な場合も当然あると思うんです。問題は常に誰かのフォローが前提じゃないと働けないスタイルですね。AIは状態変動がありません。だから運用が読みやすいんですね。人がAIと並んで仕事をする時、いつも誰かが気を遣ってくれる前提はまず見直したほうがいいポイントです。誰かにずっと見てもらっていないといけないというのは、ある意味で精神的にまだ子どもなんですね。
何をすれば生き残れるかなんですが。「じゃあ人間はどうすればいいんだ、AIみたいになれってことか」と思うかもしれませんけども、そうではないんですね。求められるのは、「自立」ということなんです。
気合いとか根性論ではなくて、自立するための仕組みを自分の中に持つという意味ですね。今言ったようなメンタルや感情が揺れていくというのは、まずどういう時にメンタルストレスが発生するかをぜひ考えてほしいんですけども。
指示待ちを脱するとストレスが軽減する理由
木下:メンタルストレスが発生する、不快感の感情が生まれるとはどういう状態かというと、自分のやりたいことをやっていることと、周りが指示すること・求めてくること、やった結果への評価、ここにズレが出ることで発生しています。
これはわかりますよね。つまり誰かに指示されているうちはメンタルストレスが発生しやすい環境なんですよ。一方で、自分で考えて自分で判断して自立して仕事をしている人は、メンタルストレスを持ちにくいんですね。社長はほぼ、メンタルストレスがないんですよ。
——逆にですか?
木下:だって全部自分で決めているから、少なくとも社内に対するストレスは感じないです。なので「自立する」イコール「ストレスが減る」ということなんですよ。

全部自分で決めていいし、もしかしたら自分で決めた成果に対して結果が出ないこともあるかもしれません。でも自分で決めて自分でやったことで成果が出なかった時に、ストレスは感じにくいんですね。だって自分のせいだと思うから。
人は自分のせいじゃないのに責任を問われる時にストレスを感じますよね。だから上司に指示されて、指示されたとおりやったのに結果が出なくて詰められるとストレスを感じますよね。
でも同じ結果が出なくても、自分で考えて結果が出なかったらストレスは感じないですよねという話なんですね。なので自立することが最もストレスが発生しないということなんです。
放っておいても前に進む「自立した人」が持つ4つの特徴
木下:自立している人の4つの特徴があります。自立している人は、まず期待値を自分で定義しているということですね。上司から言われたことをこなすだけじゃなくて、このプロジェクトで自分は何を達成すべきかを、自分の言葉でちゃんと言えるぐらい腹落ちしている。目標や正解イメージを自ら言語化できる。
要は何をすればOK、何をしてはいけないかを、明確に自分で腹落ちしているということですね。仕事は与えられたことをやっているかもしれないけど、与えられたあとに自分ごととしてちゃんと自分の言葉で説明して、自分の仕事になっているということですね。
2つ目、進捗を自分で可視化できる。今どこまで進んでいるか、何が終わっていて何がボトルネックになっているか、それを自分で整理して見せられる状態にしている。

今、うまくいってる・いっていないを明確に他人に説明できるということですね。できれば数値です。これができていると誰かに何かを言われた時に、状況を数値でボンと説明できますね。
3つ目、課題を明確に把握している。「うまくいっていません」で終わらせずに、何がどううまくいっていないのか、その原因は何なのかを明確に把握して、それに対する打ち手を3つ以上考えている状態です。
4つ目、助けが必要な時に適切に依頼できる。要は前述の3つを明確にしていると、助ける側はどの部分をどう助ければいいか明確にわかるんですね。結果、周りも動きやすくなります。

「とにかく助けてください」という状態の人は、助ける側がどの部分をどう助ければいいかを調べないといけないので二度手間になります。二度手間になるとどうなるかというと、「この人はまだ仕事を任せられる人じゃないんだな」と思われるということですね。
こういう4つのポイントをやっている人は、管理されないと動けない人じゃなくて、放っておいても前に進む人なんですね。ここまで来ると上司はあなたを細かくマネジメントしません。任せるだけになっていきます。そして任せられる人ほどAI時代に価値が上がっていくんですね。
なのでスキルの問題ではないんですよ。どちらかといえば人格だったりとか、そっちがまず重要ですよという話です。