これからのマネジメント層に求められる「業務設計スキル」
——すごく勘違いしていましたし、「助けてください」と言うことが相手のコストになるかどうかは、4つの準備をしっかりしているかどうかで変わるんですね。
木下:助けを求めないといけないのに「助けてください」と言わないのがまず最悪。それだったら成果が出ないじゃない。「助けてください、でも何をどう助けてもらいたいかがわからない」というのが次に最悪。
「助けてください。これをこうこう、こういうふうにお願いします」。これは「助けてください」と言わない人とそんなに大して変わらないんだよね。「より良くするためにはこの人の力を借りたほうがいいな」と判断をしているということなので、助けを求めないこと自体はそんなに重要じゃない。適切に助けを求めるのはすごく大事です。
次ですね。実は、マネジメント層に求められることも変わってくるんです。ここまで聞くと、じゃあマネージャーやリーダーの仕事がなくなるのかという疑問も出てくるかもしれないですけども、これはもうNOなんですよ。なくなるどころか、別の意味ですごく重要になってきます。

実はマネジメントというのは2つの側面がありまして、1つが人のマネジメント、もう1つが業務のマネジメントなんですね。業務がきちっと進んでいるかどうかをマネジメントする部分に関しては、今後もさらに重要になってきます。
生成AIを本気で使いこなそうと思うと、どの工程をAIに任せるか、どの工程を人間が担うか、どういうフローにすれば全体として最大の成果が出るか、こういう業務設計のスキルがすごく重要になってきます。なのでマネージャーやリーダーという人は、業務のマネジメントスキルがすごく重要になってくるということですね。
逆に言うと、部下のモチベーションに依存して成果を出していたような人。リーダーシップがあって、みんなが「あの人についていきたい」みたいな感じ。それでなんか知らんけどみんながんばってくれて成果が出た、みたいなのとか。
うまく励ますことでなんとかプロジェクトを走らせていたような、人のマネジメントばっかりに寄っていたマネージャーは、逆に言うと今後は苦労していくんですね。
——逆に、そっちも発生しちゃうんですね。
木下:みんなががんばってくれた。これはこれですごく良い人だと思うんですけども、それはもう今後は通用しなくなります。逆に、AIはやる気にならないです(笑)。AIはやる気をなくさない代わりに、やる気も出さないということなんですね。
ということで、やる気に依存したビジネスモデルもけっこう変えていく必要があるということです。
——目から鱗がポロポロと落ちております(笑)。
AIを部下にし、自立したプレイヤーとして圧倒的な成果を出す
木下:最後、まとめになります。もう一度整理しますと、現在のAI時代のキャリア戦略は「AIに勝つ」ことではありません。人間ならではのダメなところをなくすのが一番にやることです。AIを部下にして、自分は自立したプレイヤーとして成果を出す。これが、これからの生存戦略になっていきます。

そのために、今日話したやめるべきことをまとめるとこうなります。感情マネジメントを前提にした働き方をやめる。自分のコンディション管理を他人任せにするのをやめる。
その上で期待値を自分で定義して、進捗を自分で可視化して、課題を明確に把握して、必要な時に適切に助けを求める。この4つを身につけた自立したプレイヤーが、AIを部下にして大きな成果を出していくようになっていきます。
感情マネジメントをしてもらう側にい続けるのか、それとも自分の機嫌も成長も仕事の推進力も自分で扱える側に回るのか。この選択は、これから数年のキャリアを大きく分けていきます。
今日は生成AIの時代に個人がどう生き残るかという話をしました。正直、個人の努力だけではどうにもならない、消えていく市場も存在しています。
どのマーケットがAIで構造的に厳しくなるのか、逆にどこにチャンスが残るのかを、かなり踏み込んで解説した動画があります。コメントでも「わかりやすい」という反応が多かった回です。(動画の)概要欄にリンクを貼っていますので、ぜひそちらも見てみてください。
このチャンネルでは今日話したようなAI時代に戦っていく方法、ビジネスに役立つ具体的なスキルや考え方を発信しています。今日の話を聞いて、自分も「こういったことをやっていたな」とか「ここ、思い当たるな」という部分があれば、ぜひコメントをください。
木下社長が日常的に実践するAI活用術
(アフタートーク)
——アフタートークで聞きたいことがあります。木下社長はAIを使われると思うんですが、「ChatGPT」とか「Gemini」とかいろいろありますけど、ふだんはそれぞれどんな使い方をしているんですか?
木下:文章を書く(時に使う)のはすごく多いですよね。今までは本当に文章をちゃんと吟味しながら書いていたんだけども。「こんなことを書きたい、伝えたいな」という内容がバッとあった時に、ランダムにバーッと書いていって。けっこう多いのが、「天秤.AI」ってわかる?
——初めて聞きました。
木下:天秤.AIというのは、複数のAIに同時にポンと投げられるやつなんですね。1つの枠に入れると自分が選んだやつ(AI)に全部同時にいけるので、適当に書いた文章を「この文章をリライトしてください」とポンと投げる。
僕だったら設定しているChatGPTとGeminiとClaudeにバッといって、書かれた文章がダーッと出てきて、それを今度は組み合わせてもう1回自分でやるみたいな感じで、けっこう日常的にやっているかな。
——3つを組み合わせてやっていたんですね。
木下:それぞれの(AIの)個性みたいなものがあって、「こういう文章を書く時はこれがうまいな」という感じなので、使い分けています。
——3つを組み合わせて合体させるということなんですか?
木下:合体させるのは自分でやる感じで、短い文章だったら……例えば10行ぐらいの乱文を書いて天秤.AIに投げると、それぞれ(のAI)が10行くらいの文章にしてくるんだよね。それぞれはそれで完結しているんだけども、「この文章はここが良いけど、この文章はこのフレーズが良いよな」というのがあって、それを自分で合体させるのをけっこうやっていますね。
——そうやって使っているんですね。最後の締めに一言。「スキルに頼るな」という話でしたもんね。
木下:今のAIとの向き合い方は、スキルでどう勝っていくかはまだわからないので、それ以上に人格を磨きましょう(笑)。
——今聞きながら、それもやりたいなと思いつつ、メンタルコントロールは自分で。『「悩まない人」の考え方』をもう1回読んでみたいと思います。ありがとうございました。
木下:ありがとうございます。